1章 物語文
物語の読み方
1-1 物語文1
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
翔太は、祖父の姉である波江おばさんの家へ一人で寝台列車(ベッドがついて車内で寝られる列車)で向かうことになった。
五郎おじさんから電話がかかってきたのは、五時過ぎだった。
おじさんは、まえおきも何もなく、いきなり用件をいった。
「①今晩八時に家を出るから、荷物全部そろえとけよ。そして、今日翔太は列車に泊まるんだから、出発前に風呂でもシャワーでもいいから浴びておけ」
「うん」
返事したのと同時に、電話は切れた。
それまでゆっくりと進んでいた時間が、急に早まわしで動き始めた。
荷物は、昨日つめこんだままだ。ほんとうに秋田になんて行くかな、と思っていたので、いいかげんにそろえただけだ。
でも、おばあさんがたった一人で住んでいるところに泊まるのだ。何か足りないものがあったって、借りるってわけにはいかない。
翔太は、昨日は見もしなかった林間学校のしおりを引っぱりだしてきた。
洗面具は、あぶなく忘れるところだった。パジャマは、洋服で寝ればいいやと思ってたけど、持っていくことにした。
ウィンドブレーカーと長ズボン(ジャージ)は、林間学校では山登りにいったので、持ち物の欄に書いてある。それも荷物に加えたのは、三波姉さんのすすめにしたがって、*鳥海山に登ろうなどと思ったわけではない。社会科で秋田は豪雪地帯だと教わったからだ。今は夏だけど、ひょっとして寒いかもしれない。
母さんから渡されたデジカメとノート。それにマンガを入れたら、かなりリュックがふくれた。熱中症にならないために、帽子をかぶっていくことにして、リュックの上に置いた。
翔太は汗だくになって荷物をそろえると、お弁当の残り半分を食べ、シャワーを浴びた。
五郎おじさんがかけこんできたのは、ちょうどその時だった。
翔太は用意がまにあったので、ホッとした。
「お帰りなさい」
「悪い。悪い。おそくなって。五分でシャワー浴びて着がえるから、あとちょっと待ってろ」
そして、八時ちょうど、五郎おじさんと翔太は、いっしょに家を出た。
「寝台のチケットをとるのに、すごいならんでさ。おそくなっちゃったんだ」
五郎おじさんはそういって、切符をくれた。
翔太はそれをなくさないように、ウェストバッグにしまった。なんだって、大事なものはウェストバッグの中だ。
「五郎おじさん、おなかすいたでしょ。ぼくが一人で上野駅まで行ければ、ついてきてもらわなくてよかったんだけど」
「上野駅でうまいもん食うから、気にするな。そんなことより、羽後本荘から矢島までの行き方を書いといた。そこだけは、翔太が一人で行かなきゃならないから、ちゃんと自分で由利高原鉄道の切符を買って乗るんだぞ。わからなかったら、駅員さんに聞けばいいから」
翔太はウェストバッグにしまう前に、ひととおり読んでみた。②メモをなくしたり、すぐに見つからなくても、頭の中に入れてしまえば、安心だ。
そして、今回みたいな緊急時、いちいち姉さんたちや五郎おじさんに頼らなくては、一人で列車にも乗れないんじゃ困ると思い、上野駅までの行き方を覚えることにした。
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
〔注〕
| 鳥海山 | 秋田と山形の県境にある火山。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
朝早くから目がさめる。
学校に行くまでの時間でべんとうを作る。
目の前を自転車が通りすぎる。
けんめいのないメールが届いた。
休みの日にごせんぞさまの墓参りをする。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「まえおき」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア その本のまえおきで、作者は執筆の理由を書いている。
- イ 映画のまえおきで、主人公が犯人を言い当て、おいつめた。
- ウ テストのまえおきで、見直しや丸つけをすることが大切だ。
- エ 母におどろかせるまえおきとして、プレゼントが何かを伝える。
Confirm Testの答え
- 答え
覚める
- 答え
弁当
- 答え
過ぎる
- 答え
件名
- 答え
先祖
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「今晩八時に家を出るから、荷物全部そろえとけよ」について、翔太が荷物をそろえるのに参考にしたのは、何ですか。次の にあてはまることばを文中から書きぬきなさい。(完答)
の
Confirm Testの答え
- 答え
林間学校のしおり・持ち物の欄(完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「メモ」には何が書かれていますか。文中から十四字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
羽後本荘から矢島までの行き方
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
翔太は、Aそふの姉である波江おばさんの家へ一人で寝台列車(ベッドがついて車内で寝られる列車)で向かうことになった。
五郎おじさんから電話がかかってきたのは、五時Bすぎだった。
おじさんは、まえおきも何もなく、いきなりCようけんをいった。
「①今晩八時に家を出るから、荷物全部そろえとけよ。そして、今日翔太は列車に泊まるんだから、出発前に風呂でもシャワーでもいいから浴びておけ」
「うん」
返事したのと同時に、電話は切れた。
それまでゆっくりと進んでいた時間が、急に早まわしで動き始めた。
荷物は、昨日つめこんだままだ。ほんとうに秋田になんて行くかな、と思っていたので、いいかげんにそろえただけだ。
でも、おばあさんがたった一人で住んでいるところに泊まるのだ。何か足りないものがあったって、借りるってわけにはいかない。
翔太は、昨日は見もしなかった林間学校のしおりを引っぱりだしてきた。
洗面具は、あぶなく忘れるところだった。パジャマは、洋服で寝ればいいやと思ってたけど、持っていくことにした。
ウィンドブレーカーと長ズボン(ジャージ)は、林間学校では山登りにいったので、持ち物の欄に書いてある。それも荷物に加えたのは、三波姉さんのすすめにしたがって、*鳥海山に登ろうなどと思ったわけではない。社会科で秋田は豪雪地帯だと教わったからだ。今は夏だけど、ひょっとして寒いかもしれない。
母さんから渡されたデジカメとノート。それにマンガを入れたら、かなりリュックがふくれた。熱中症にならないために、帽子をかぶっていくことにして、リュックの上に置いた。
翔太は汗だくになって荷物をそろえると、おDべんとうの残り半分を食べ、シャワーを浴びた。
五郎おじさんがかけこんできたのは、ちょうどその時だった。
翔太は用意がまにあったので、ホッとした。
「お帰りなさい」
「悪い。悪い。おそくなって。五分でシャワー浴びて着がえるから、あとちょっと待ってろ」
そして、八時ちょうど、五郎おじさんと翔太は、いっしょに家を出た。
「寝台のチケットをとるのに、すごいならんでさ。おそくなっちゃったんだ」
五郎おじさんはそういって、切符をくれた。
翔太はそれをなくさないように、ウェストバッグにしまった。なんだって、大事なものはウェストバッグの中だ。
「五郎おじさん、おなかすいたでしょ。ぼくが一人で上野駅まで行ければ、ついてきてもらわなくてよかったんだけど」
「上野駅でうまいもん食うから、気にするな。そんなことより、羽後本荘から矢島までの行き方を書いといた。そこだけは、翔太が一人で行かなきゃならないから、ちゃんと自分で由利高原鉄道の切符を買って乗るんだぞ。わからなかったら、駅員さんに聞けばいいから」
翔太はウェストバッグにしまう前に、ひととおり読んでみた。メモをなくしたり、すぐに見つからなくても、頭の中に入れてしまえば、安心だ。
そして、今回みたいな緊急時、いちいち姉さんたちや五郎おじさんに頼らなくては、一人で列車にも乗れないんじゃ困ると思い、上野駅までの行き方をEおぼえることにした。
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
〔注〕
| 鳥海山 | 秋田と山形の県境にある火山。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「まえおき」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 話の内容を要約して伝えること
- イ 話の後につけ加える追加の情報
- ウ 話題や問題についてのくわしい説明
- エ 文章や話などで、一番話したい内容に入る前に述べること
Lessonの答え
- 答え
A 祖父 B 過 C 用件 D 弁当 E 覚 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
翔太は、祖父の姉である波江おばさんの家へ一人で寝台列車(ベッドがついて車内で寝られる列車)で向かうことになった。
五郎おじさんから電話がかかってきたのは、五時過ぎだった。
おじさんは、まえおきも何もなく、いきなり用件をいった。
「①今晩八時に家を出るから、荷物全部そろえとけよ。そして、今日翔太は列車に泊まるんだから、出発前に風呂でもシャワーでもいいから浴びておけ」
「うん」
返事したのと同時に、電話は切れた。
それまでゆっくりと進んでいた時間が、急に早まわしで動き始めた。
荷物は、昨日つめこんだままだ。ほんとうに秋田になんて行くかな、と思っていたので、いいかげんにそろえただけだ。
でも、おばあさんがたった一人で住んでいるところに泊まるのだ。何か足りないものがあったって、借りるってわけにはいかない。
翔太は、昨日は見もしなかった林間学校のしおりを引っぱりだしてきた。
洗面具は、あぶなく忘れるところだった。パジャマは、洋服で寝ればいいやと思ってたけど、持っていくことにした。
ウィンドブレーカーと長ズボン(ジャージ)は、林間学校では山登りにいったので、持ち物の欄に書いてある。それも荷物に加えたのは、三波姉さんのすすめにしたがって、*鳥海山に登ろうなどと思ったわけではない。社会科で秋田は豪雪地帯だと教わったからだ。②今は夏だけど、ひょっとして寒いかもしれない。
母さんから渡されたデジカメとノート。それにマンガを入れたら、かなりリュックがふくれた。熱中症にならないために、帽子をかぶっていくことにして、リュックの上に置いた。
翔太は汗だくになって荷物をそろえると、お弁当の残り半分を食べ、シャワーを浴びた。
五郎おじさんがかけこんできたのは、ちょうどその時だった。
翔太は用意がまにあったので、ホッとした。
「お帰りなさい」
「悪い。悪い。おそくなって。五分でシャワー浴びて着がえるから、あとちょっと待ってろ」
そして、八時ちょうど、五郎おじさんと翔太は、いっしょに家を出た。
「寝台のチケットをとるのに、すごいならんでさ。おそくなっちゃったんだ」
五郎おじさんはそういって、切符をくれた。
翔太はそれをなくさないように、ウェストバッグにしまった。なんだって、大事なものはウェストバッグの中だ。
「五郎おじさん、おなかすいたでしょ。ぼくが一人で上野駅まで行ければ、ついてきてもらわなくてよかったんだけど」
「上野駅でうまいもん食うから、気にするな。そんなことより、羽後本荘から矢島までの行き方を書いといた。そこだけは、翔太が一人で行かなきゃならないから、ちゃんと自分で由利高原鉄道の切符を買って乗るんだぞ。わからなかったら、駅員さんに聞けばいいから」
翔太はウェストバッグにしまう前に、ひととおり読んでみた。メモをなくしたり、すぐに見つからなくても、頭の中に入れてしまえば、安心だ。
そして、今回みたいな緊急時、いちいち姉さんたちや五郎おじさんに頼らなくては、一人で列車にも乗れないんじゃ困ると思い、上野駅までの行き方を覚えることにした。
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
〔注〕
| 鳥海山 | 秋田と山形の県境にある火山。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
そふといっしょに買いものに出かける。
早くようけんだけを話してください。
テストに向けて漢字をおぼえる。
運動会の日はべんとうが必要だ。
すぎたことでくよくよしても仕方ない。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「文章や話などで、一番話したい内容に入る前に述べること」という意味のことばをひらがな四字で書きなさい。
彼の話は が長く、何を言いたいのかがさっぱりわからなかった。
Practiceの答え
- 答え
祖父
- 答え
用件
- 答え
覚える
- 答え
弁当
- 答え
過ぎた
- 答え
まえおき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この場面は、一日のうちのいつごろのできごとが描かれていますか。時刻を表すことばを使って、十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
午後五時過ぎから午後八時ころ。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「今は夏」とありますが、この場面の季節がわかる部分を文中から二十一字でさがし、その初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Practiceの答え
- 答え
熱中症に〜っていく
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「今晩八時に家を出るから、荷物全部そろえとけよ」について、おじさんにこのように言われて、翔太が予定の時間までに用意をまにあわせようと急ぐ気持ちに切りかわったことが、翔太の描写以外からわかる表現を、文中から一文でさがし、その初めの五字を書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
それまでゆ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「今晩八時に家を出るから、荷物全部そろえとけよ」について、翔太がリュックに入れた荷物は何ですか。文中からすべて書きぬきなさい。 (順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
洗面具・パジャマ・ウィンドブレーカー・長ズボン(ジャージ)・デジカメ・ノート・マンガ (順不同・完答)
1-2 物語文2
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
翔太は、波江おばさん(お波さん)が住む秋田の家にしばらく泊まることになった。お盆前のある日、近所に住む親戚のユリアも一緒に、鳥海山にある鳥ノ海という湖めざして、山を登ることになった。
「ほら見て。①雲が下に見えるよ」
ユリアの言葉で、翔太は後ろをふりかえった。
海の上あたりに、ぽっかりと白い雲が、じゅずつなぎになって浮かんでいた。自分たちと同じくらいの高さや、下に見えるのもある。ずいぶん高くまで登ってきたんだ、と思った。
さっきいたところにもどると、お波さんはまだじっとしていた。
「お波さん、疲れたの?」
お波さんは首をふった。
「ほんとにひさしぶりにたくさんのニッコウキスゲの花を見たんで、胸がいっぱいになっちゃったんだよ。ニッコウキスゲは、わたしが一番好きな花だからね」
翔太もユリアも、お波さんが心ゆくまで花を眺めていられるように、待ち続けた。
いつのまにか、雲がわきだしてきて、青空はところどころに見えるだけになった。
「こうしちゃいられない。せっかくここまで登ってきたんだから、鳥ノ海まで行ってみようかね」
お波さんは雲においたてられるようにして、立ちあがった。
三人は、再び登り始めた。
②鳥ノ海に近づくにつれ、だんだんと気温もあがって、汗がふきだしてきた。
お波さんは少し歩いては、立ち止まるようになった。坂が急で息がきれるのと、ニッコウキスゲの黄色味がかったオレンジ色がどんどん増えてきたからだ。
お波さんは、はあはあと息を整えるたびに、満足そうにあたりを見渡していた。
御浜小屋の鳥居が見えた。お波さんは小屋には行かずに、手前の細道を登っていった。
山道にでると、小屋とは反対の右のほうに向かって進んだ。
しばらくすると、雲が早いスピードで流れはじめた。
そして、突然すべての雲が吹きはらわれ、目の前が開けた。左下に、水をたたえた湖が見えた。鳥ノ海だ。湖のふちには、帯のように雪が残っている。
鳥ノ海へと下る緑の草原には、ひときわあざやかなオレンジ色のニッコウキスゲの花が、たくさん顔をだしてゆらゆらと揺れていた。ほかにも、コバイケイソウ、ハクサンシャジン、コイワカガミ、色とりどりの花が咲いている。
三人とも口をきかずに、しばらく立ちつくしていた。鳥ノ海と、風に揺れる花を、ただ見つめていた。
ふと気がつくと、お波さんの目に涙が浮かんでいた。
翔太は思わず、お波さんから目をそらした。何かいおうと思ったけど、なんていったらいいかわからなかった。
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
神社のとりいで待ち合わせる。
不足しないように在庫をふやす。
ふたたび雨が降りはじめた。
毎朝ランニングをつづけている。
この中からすきな本を一冊選んでください。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「胸がいっぱいになる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 長い階段をかけ上がったら、胸がいっぱいになった。
- イ 勉強の予定がたくさんあり、胸がいっぱいになる。
- ウ 大好物のカレーを食べ過ぎて、胸がいっぱいになる。
- エ 友達からの突然のプレゼントに、胸がいっぱいになる。
Confirm Testの答え
- 答え
鳥居
- 答え
増やす
- 答え
再び
- 答え
続けて
- 答え
好きな
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「雲が下に見える」とありますが、このことからどんなことがわかりますか。次の にあてはまることばを文中から十三字で書きぬきなさい。
翔太たちが、鳥海山を こと。
Confirm Testの答え
- 答え
ずいぶん高くまで登ってきた
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「鳥ノ海に近づくにつれ」とありますが、山道を登る大変さがわかるお波さんの様子を二か所、五字と十字で文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
Confirm Testの答え
- 答え
息がきれる(五字) はあはあと息を整える(十字)(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
翔太は、波江おばさん(お波さん)が住む秋田の家にしばらく泊まることになった。お盆前のある日、近所に住む親戚のユリアも一緒に、鳥海山にある鳥ノ海という湖めざして、山を登ることになった。
「ほら見て。雲が下に見えるよ」
ユリアの言葉で、翔太は後ろをふりかえった。
海の上あたりに、ぽっかりと白い雲が、じゅずつなぎになって浮かんでいた。自分たちと同じくらいの高さや、下に見えるのもある。ずいぶん高くまで登ってきたんだ、と思った。
さっきいたところにもどると、①お波さんはまだじっとしていた。
「お波さん、疲れたの?」
お波さんは首をふった。
「ほんとにひさしぶりにたくさんのニッコウキスゲの花を見たんで、胸がいっぱいになっちゃったんだよ。ニッコウキスゲは、わたしが一番Aすきな花だからね」
翔太もユリアも、お波さんが心ゆくまで花を眺めていられるように、待ちBつづけた。
いつのまにか、雲がわきだしてきて、青空はところどころに見えるだけになった。
「こうしちゃいられない。せっかくここまで登ってきたんだから、鳥ノ海まで行ってみようかね」
お波さんは雲においたてられるようにして、立ちあがった。
三人は、Cふたたび登り始めた。
鳥ノ海に近づくにつれ、だんだんと気温もあがって、汗がふきだしてきた。
お波さんは少し歩いては、立ち止まるようになった。坂が急で息がきれるのと、ニッコウキスゲの黄色味がかったオレンジ色がどんどんDふえてきたからだ。
お波さんは、はあはあと息を整えるたびに、満足そうにあたりを見渡していた。
御浜小屋の鳥Eいが見えた。お波さんは小屋には行かずに、手前の細道を登っていった。
山道にでると、小屋とは反対の右のほうに向かって進んだ。
しばらくすると、雲が早いスピードで流れはじめた。
そして、突然すべての雲が吹きはらわれ、目の前が開けた。左下に、水をたたえた湖が見えた。鳥ノ海だ。湖のふちには、帯のように雪が残っている。
鳥ノ海へと下る緑の草原には、ひときわあざやかなオレンジ色のニッコウキスゲの花が、たくさん顔をだしてゆらゆらと揺れていた。ほかにも、コバイケイソウ、ハクサンシャジン、コイワカガミ、色とりどりの花が咲いている。
三人とも口をきかずに、しばらく立ちつくしていた。②鳥ノ海と、風に揺れる花を、ただ見つめていた。
ふと気がつくと、お波さんの目に涙が浮かんでいた。
翔太は思わず、お波さんから目をそらした。何かいおうと思ったけど、なんていったらいいかわからなかった。
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線について、「胸がいっぱいになる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 心配や不安で心が重く感じること
- イ 怒りで心がかき乱されること
- ウ 喜びや悲しみなどで心が満たされること
- エ 緊張やプレッシャーで心がおしつぶされそうなこと
Lessonの答え
- 答え
A 好 B 続 C 再 D 増 E 居 (完答)
- 答え
ウ
- 解説
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
翔太は、波江おばさん(お波さん)が住む秋田の家にしばらく泊まることになった。お盆前のある日、近所に住む親戚のユリアも一緒に、鳥海山にある鳥ノ海という湖めざして、山を登ることになった。
「ほら見て。雲が下に見えるよ」
ユリアの言葉で、翔太は後ろをふりかえった。
海の上あたりに、ぽっかりと白い雲が、じゅずつなぎになって浮かんでいた。自分たちと同じくらいの高さや、下に見えるのもある。ずいぶん高くまで登ってきたんだ、と思った。
さっきいたところにもどると、お波さんはまだじっとしていた。
「お波さん、疲れたの?」
お波さんは首をふった。
「ほんとにひさしぶりにたくさんのニッコウキスゲの花を見たんで、胸がいっぱいになっちゃったんだよ。ニッコウキスゲは、わたしが一番好きな花だからね」
翔太もユリアも、お波さんが心ゆくまで花を眺めていられるように、待ち続けた。
いつのまにか、雲がわきだしてきて、青空はところどころに見えるだけになった。
「こうしちゃいられない。せっかくここまで登ってきたんだから、鳥ノ海まで行ってみようかね」
お波さんは①雲においたてられるようにして、立ちあがった。
三人は、再び登り始めた。
鳥ノ海に近づくにつれ、だんだんと気温もあがって、汗がふきだしてきた。
お波さんは少し歩いては、立ち止まるようになった。坂が急で息がきれるのと、ニッコウキスゲの黄色味がかったオレンジ色がどんどん増えてきたからだ。
お波さんは、はあはあと息を整えるたびに、満足そうにあたりを見渡していた。
御浜小屋の鳥居が見えた。お波さんは小屋には行かずに、手前の細道を登っていった。
山道にでると、小屋とは反対の右のほうに向かって進んだ。
しばらくすると、雲が早いスピードで流れはじめた。
そして、突然すべての雲が吹きはらわれ、目の前が開けた。左下に、水をたたえた湖が見えた。鳥ノ海だ。湖のふちには、帯のように雪が残っている。
鳥ノ海へと下る緑の草原には、ひときわあざやかなオレンジ色のニッコウキスゲの花が、たくさん顔をだしてゆらゆらと揺れていた。ほかにも、コバイケイソウ、ハクサンシャジン、コイワカガミ、色とりどりの花が咲いている。
三人とも口をきかずに、しばらく立ちつくしていた。②鳥ノ海と、風に揺れる花を、ただ見つめていた。
ふと気がつくと、お波さんの目に涙が浮かんでいた。
翔太は思わず、お波さんから目をそらした。何かいおうと思ったけど、なんていったらいいかわからなかった。
(三輪裕子『鳥海山の空の上から』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
映画のぞくへんの公開が発表される。
字が違うので、さいど提出してください。
この地域はじゅうきょが多い。
食べもののこのみが分かれる。
体重がぞうかする。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「喜びや悲しみなどで心が満たされる」という意味のことばを六字で書きなさい。
友人と三十年ぶりに再会し、 になった。
Practiceの答え
- 答え
続編
- 答え
再度
- 答え
住居
- 答え
好み
- 答え
増加
- 答え
胸がいっぱい
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「お波さんはまだじっとしていた」とありますが、お波さんがじっとしていたのはなぜですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ひさしぶりに一番好きな花をたくさん見られて感激し、見入っていたから。
- イ ひさしぶりにたくさんの花を見ておどろいてしまい、とまどっていたから。
- ウ ひさしぶりに好きな花をたくさん見られて興奮して、疲れてしまったから。
- エ 一番好きな花を見るのに夢中になり、登山に来たことを忘れていたから。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「雲においたてられるようにして、立ちあがった」とありますが、ここからお波さんについてわかることとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 天候が変化するほどの時間が経過したことに気づいても、その場にとどまっていたこと。
- イ 雲がわきだして天候が悪化し始めたことに気づき、その場を早く離れようとしていること。
- ウ 雲や空の様子が変化するのを待ってから、そのあと次の目的地へ行こうと決めていたこと。
- エ 雲や空の様子の変化から、時間が経過していたことに気づき、次へ急ごうとしていること。
Practiceの答え
- 答え
エ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「鳥ノ海と、風に揺れる花を、ただ見つめていた」とありますが、三人の目にうつる「鳥ノ海」と花の様子が描かれているひと続きの三文の初めと終わりの四字を文中から書きぬきなさい。
〜
Lessonの答え
- 答え
湖のふち〜ている。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「鳥ノ海と、風に揺れる花を、ただ見つめていた」とありますが、このときの三人の様子の説明としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 景色を見ても何も感じないでいる。
- イ 景色が素晴らしくて緊張している。
- ウ 突然視界が開けておどろいている。
- エ 景色に感動し、ぼう然としている。
Practiceの答え
- 答え
エ
2章 文法・敬語
文法(漢字)
2-1 漢字の成り立ち
Confirm Test
あとの漢字の成り立ちは、次のア〜エのどれにあたりますか。それぞれ記号で答えなさい。
- ア 象形文字
- イ 指事文字
- ウ 会意文字
- エ 形声文字
中
明
馬
Confirm Testの答え
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
ア
Confirm Test
次の漢字は二つの漢字を組み合わせてできた会意文字です。もとの漢字を書きなさい。(順不同・完答)
岩
Confirm Testの答え
- 答え
山・石(順不同・完答)
Confirm Test
次の漢字は形声文字です。a意味を表す部分と b音を表す部分を書きなさい。(完答)
悲
草
Confirm Testの答え
- 答え
a 心 b 非(完答)
- 答え
a 艹 b 早(完答)
Point
Lesson
Lesson
あとの漢字の成り立ちは、次のア〜エのどれにあたりますか。それぞれ記号で答えなさい。
- ア 象形文字
- イ 指事文字
- ウ 会意文字
- エ 形声文字
車
績
岩
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
エ
- 答え
ウ
Practice
あとの漢字の成り立ちは、次のア〜エのどれにあたりますか。それぞれ記号で答えなさい。
- ア 象形文字
- イ 指事文字
- ウ 会意文字
- エ 形声文字
飯
下
耳
Practiceの答え
- 答え
エ
- 答え
イ
- 答え
ア
Lesson
Lesson
次の漢字は二つの漢字を組み合わせてできた会意文字です。もとの漢字を書きなさい。(順不同・完答)
鳴
Lessonの答え
- 答え
口・鳥(順不同・完答)
Practice
次の漢字は二つの漢字を組み合わせてできた会意文字です。もとの漢字を書きなさい。(順不同・完答)
男
Practiceの答え
- 答え
田・力(順不同・完答)
Lesson
Lesson
次の漢字は形声文字です。a意味を表す部分と b音を表す部分を書きなさい。(完答)
校
Lessonの答え
- 答え
a 木 b 交(完答)
Practice
次の漢字は形声文字です。a意味を表す部分と b音を表す部分を書きなさい。(完答)
清
Practiceの答え
- 答え
a 氵 b 青(完答)
敬語
2-2 尊敬語・けんじょう語
Confirm Test
次のことばを、尊敬語に直しなさい。
来る
Confirm Testの答え
- 答え
いらっしゃる(おいでになる)
Confirm Test
次のことばを、けんじょう語に直しなさい。
来る
Confirm Testの答え
- 答え
参る(うかがう)
Confirm Test
次のことばを、A尊敬語と、Bけんじょう語に直しなさい。(完答)
いる
食べる
Confirm Testの答え
- 答え
- A いらっしゃる
- B おる
(完答)
- 答え
- A めしあがる
- B いただく
(完答)
Point
Lesson
Lesson
次のことばを、尊敬語に直しなさい。
言う
Lessonの答え
- 答え
おっしゃる(言われる)
Practice
次のことばを、尊敬語に直しなさい。
食べる
Practiceの答え
- 答え
めしあがる
Lesson
Lesson
次のことばを、けんじょう語に直しなさい。
言う
Lessonの答え
- 答え
申す(申し上げる)
Practice
次のことばを、けんじょう語に直しなさい。
食べる
Practiceの答え
- 答え
いただく
Lesson
Lesson
次のことばを、A尊敬語と、Bけんじょう語に直しなさい。(完答)
待つ
行く
Lessonの答え
- 答え
- A お待ちになる(待たれる)
- B お待ちする
(完答)
- 答え
- A いらっしゃる(お行きになる・行かれる)
- B 参る(うかがう)
(完答)
Practice
次のことばを、A尊敬語と、Bけんじょう語に直しなさい。(完答)
言う
見る
Practiceの答え
- 答え
- A おっしゃる(言われる)
- B 申す(申しあげる)
(完答)
- 答え
- A ごらんになる(見られる)
- B 拝見する
(完答)
2-3 ていねい語・敬語の見分け
Confirm Test
次の線部を、それぞれていねい語に直しなさい。(完答)
道が混んでいるので、ここで待とう。
Confirm Testの答え
- 答え
います・待ちましょう(完答)
Confirm Test
あとの線の敬語の種類を、次のア〜ウから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 尊敬語
- イ けんじょう語
- ウ ていねい語
明日、わたしが書類をお持ちする予定だ。
彼女はいつもゆっくりと話します。
校長先生はいつも中庭で昼食をめしあがる。
社長の自宅に急いでうかがう。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
ア
- 答え
イ
Confirm Test
次の線を( )内の指示にしたがって書き直しなさい。
先生が教室に来る。(尊敬語に)
社長の自宅で食事を食べる。(けんじょう語に)
Confirm Testの答え
- 答え
来られる(別解 いらっしゃる・おいでになる)
- 答え
いただく
Point
Lesson
Lesson
次の線部を、ていねい語に直しなさい。
これはあなたの本だ。
Lessonの答え
- 答え
です
Practice
次の線部を、ていねい語に直しなさい。
今日は雨がふっている。
Practiceの答え
- 答え
います
Lesson
Lesson
あとの線の敬語の種類を、次のア〜ウから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 尊敬語
- イ けんじょう語
- ウ ていねい語
先生がおいでになる。
妹が転びました。
お客様をご案内する。
意見を申し上げる。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
イ
- 答え
イ
Practice
あとの線の敬語の種類を、次のア〜ウから一つ選び、それぞれ記号で答えなさい。
- ア 尊敬語
- イ けんじょう語
- ウ ていねい語
お客様が代金をはらわれる。
お客様を校長室にご案内する。
お探しの商品はこちらにございます。
校長先生は五時ごろお帰りになる。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
ア
Lesson
Lesson
次の線を( )内の指示にしたがって書き直しなさい。
お客様がおかしを食べる。(尊敬語に)
こちらから行きます。(けんじょう語に)
Lessonの答え
- 答え
めし上がる(お食べになる・食べられる)
- 答え
うかがい(まいり)
Practice
次の線を( )内の指示にしたがって書き直しなさい。
先生がくれる。(尊敬語に)
人気の歌を歌う。(ていねい語に)
Practiceの答え
- 答え
くださる
- 答え
歌います
3章 詩
詩
3-1 詩1
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
九月 高田敏子
-
夏は行ってしまった
-
とても愛しているものたちを
-
おきざりにして
-
おきざりにされたものたちばかりが
-
言葉少なに 私をとりかこんでいる
-
夏がもしやもう一度
-
ふりかえって
-
駆けもどって来てくれるのではないかと
-
私もまた そのように思って
-
おきざりにされたものたちと
-
むかいあっている
-
ひまわりは 夏の去った方向に
-
背のびばかりをして 痩せてゆく
-
麦わら帽子は 夏のほてりを
-
胸に抱きしめている
この詩の表現についてまとめた次の文の a ・ b にあてはまることばを、aは漢字一字、bは四字で書きなさい。(完答)
夏を人間にたとえて、夏から a へと季節が移り変わる様子を、夏が愛しているものたちを b にして去ってしまったと表現している。
- a
- b
詩の中の「私」の気持ちとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 過ぎてしまった夏をなごりおしく思う気持ち。
- イ 夏の元気さをとりもどしたい気持ち。
- ウ 夏を思いきり楽しんで満ち足りた気持ち。
- エ すずしい秋をむかえてほっとする気持ち。
Confirm Testの答え
- 答え
a 秋 b おきざり(完答)
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
夕だち 村野四郎
- *ヨシキリが
- 大さわぎして にげまわる
- むこうから かけてくる村の人
- こちらから かけていく町の人
- みんな ひさしへ とびこんだ
- 夕だちだ 夕だちだ
- 空のおさらを ひっくりかえしたようだ。
- 雨はどうどう
- ぼくの頭から せなかのほうへ
- 滝のように流れおちた
- ①けれども ぼくはおどろかない へいきだ
- ぼくは水泳の帰りみち
- 帽子もかぶらず まるはだかだ
- あわてる人々をながめながら
- ゆうゆうと道を歩いてきた
- そしてときどき 天のほうをむいて
- ②夕だちを飲んでやった
注
- ヨシキリ
- スズメの仲間の小鳥。
線①「けれども ぼくはおどろかない へいきだ」とありますが、それはなぜですか。次の文の にあてはまることばを、十字以内で書きなさい。
「ぼく」は水泳の帰りみちでまるはだかなので、 から。
線②「夕だちを飲んでやった」にこめられている「ぼく」の気持ちとして、もっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア いやなことを雨に流して飲んでしまいたい。
- イ 雨だけれど、何となく楽しく心がうきうきする。
- ウ せっかく水泳に行った帰りなのに、雨がふって残念だ。
- エ 大きらいな雨を飲んで、打ち勝ってやろう。
Lessonの答え
- 答え
ぬれてもかまわない
- 答え
イ
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
親子 山之口貘
- 大きくひらいたその眼からして
- ミミコはまさに
- この父親似だ
- みればみるほどぼくの顔に
- 似てないものはひとつもないようで
- 鼻でも耳でもそのひとつひとつが
- ぼくの造作そのままに見えてくるのだ
- ただしかしたったひとつだけ
- ひそかに気を揉んでいたことがあって
- 歩き方までもあるいはまた
- 父親のぼくみたいな足どりで
- いかにももつれるみたいに
- ミミコも歩き出すのではあるまいかと
- ひそかにそのことを気にしていたのだ
- まもなくミミコは歩き出したのだが
- ①なんのことはない
- よっちよっちと
- 手の鳴る方へ
- まっすぐに地球を踏みしめたのだ
作者は「ミミコ」に対して、どんな願いをもっていますか。次の解説文の a ・ b にあてはまることばを、詩の中からaは四字、bは七字で書きぬきなさい。(完答)
自分は貧しくて、足が a ような不安定な人生を送ってきたが、娘には、目標に向かってまっすぐに、しっかりと足で b るように生きていってほしい。
- a
- b
線①「なんのことはない」とありますが、このときの作者の気持ちとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア てれくさい気持ち。 イ がっかりする気持ち。
ウ ほっとする気持ち。 エ うれしい気持ち。
Practiceの答え
- 答え
a もつれる b 地球を踏みしめ(完答)
- 答え
ウ
4章 説明文
説明文の読み方
4-1 説明文1
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
「友情」というものがちゃんと成立するには、タイミングが必要です。
小学生時代はついにそういう関係はなかったとか、中学三年間通して一度も友情と言えるものがなかったということもあり得るのです。でも、それは誰が悪いわけではなくて、相性がよくなかったとか、あるいは自分自身にそういう高め合うような友だち関係を維持していくメンタリティー、心のあり方がまだ備わっていなかったということなのです。
-
その友情というのが、一つの友だち関係の中の非常に「向上心にあふれた部分」だとすると、現在の世の中では、もう少し「ゆるい友だち関係」というのも必要ではないでしょうか。
一人親友がいて、友だちはその人だけというとちょっと幅が狭いと言えます。今の人が求めているのは「浅く広い関係性」です。*メル友くらいの感じです。
-
メル友が百人、二百人いる人はざらにいるようですが、やはり現代は携帯電話によって人間関係が大きく変化していて、一人でいる時間でも、友だちとゆるやかにつながっている感覚を持ち得るのです。
勉強していたり音楽を聴いている時に、常に携帯が側にあり、携帯なしではトイレにも行けない。それは、携帯がなかった世代からすると携帯に*依存しているように見えますが、でもこの時代に生きていくには、携帯なしでは辛いのです。
なぜかというと、夜遅くの電話のように相手に迷惑をかけずに、簡単に意思を伝えられるというのは、非常に便利なことです。「今、○○をテレビでやっているから見ろよ」というような、昔ならばかばかしくて電話では言えないことでも、メールならば気楽に言えるし、常に人とつながっている感覚が持てるのです。
そういう意味では、昔よりも「友だち力」というものが維持しやすい条件は整っていると言えるでしょう。
-
友だちを維持しやすい条件は整っているのですが、逆に、メールが来ないと不安になったりします。メール依存症に近いものです。
友だちとつながっていない状況、連絡が来ない状況が三日も続くと、不安で頭がおかしくなりそうになるのです。
かつて私は、友だちが全くいないという時期がありました。とても仲の良い友だちはいたのだけれど、一週間誰とも会わないとか、ほとんど話をしなかったという状況が、十代の終わりにはあったのです。そういう時期を過ごした経験からすると、二、三日誰からも連絡がないと心配になるということはなかったと思います。
-
最近の人は、ふだんからゆるやかな*セイフティーネットのようなものを、携帯のネットワークで張っているようです。これは、心を安定させるには、それなりに有効な手段だろうと思います。
お互いに好きなものがあると、「あれ見た」とか、「あれ食べた」とか、「あそこに行った」というような話題をメールして、コミュニケーションをとっていく。
こういうゆるやかなつきあいをしていくのも、一つの①友だち力と言えます。また、こういうつきあいが苦手で、たくさんの友だちとはつきあえない人もいます。でも数は少ないけれど話せる人はいるし、それで満足できるという人は、これはこれで「友だち力」があるということになります。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| メル友 | メールをやり取りする友だち。 |
| 依存 | 他のものにたよって存在すること。 |
| セイフティーネット | 万が一のときに最悪の事態にならないようにする仕組み。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
人と人のあいしょうは、話してみないとわからない。
ゆうじょうの証として、そのボールを受けとった。
ひじょうに多くの雪がふる予報です。
地図でげんざい地をしらべる。
早めに旅行のじゅんびをしておく。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「ざらにある」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 京都には古い寺や神社がざらにあり、多くの観光客がおとずれる。
- イ 空を見上げると、流れ星がざらにあるように感じた。
- ウ わたしの家には、江戸時代からのこる本がざらにある。
- エ 父の部屋には、手書きの絵が一枚だけざらにある。
Confirm Testの答え
- 答え
相性
- 答え
友情
- 答え
非常
- 答え
現在
- 答え
準備
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
5段落につける小見出しとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友だちとのつきあいが苦手な人
- イ 心を安定させる友だち力
- ウ メールによるコミュニケーション
- エ 楽しい話題で友だち力をつける
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「友だち力」とは、ここではどんな能力のことですか。次の文の にあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
携帯電話をセイフティーネットとして使うなどして、友だちと をする能力。
Confirm Testの答え
- 答え
ゆるやかなつきあい
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
- ア 「友Aじょう」というものがちゃんと成立するには、タイミングが必要です。
- イ 小学生時代はついにそういう関係はなかったとか、中学三年間通して一度も友情と言えるものがなかったということもあり得るのです。
- ウ でも、それは誰が悪いわけではなくて、Bあいしょうがよくなかったとか、あるいは自分自身にそういう高め合うような友だち関係を維持していくメンタリティー、心のあり方がまだCそなわっていなかったということなのです。
-
その友情というのが、①一つの友だち関係の中のひじょうに「向上心にあふれた部分」だとすると、Dげんざいの世の中では、もう少し「ゆるい友だち関係」というのも必要ではないでしょうか。
一人親友がいて、友だちはその人だけというとちょっと幅が狭いと言えます。今の人が求めているのは「浅く広い関係性」です。*メル友くらいの感じです。
-
メル友が百人、二百人いる人はざらにいるようですが、やはり現代は携帯電話によって人間関係が大きく変化していて、一人でいる時間でも、友だちとゆるやかにつながっている感覚を持ち得るのです。
勉強していたり音楽を聴いている時に、常に携帯が側にあり、携帯なしではトイレにも行けない。それは、携帯がなかった世代からすると携帯に*依存しているように見えますが、でもこの時代に生きていくには、携帯なしでは辛いのです。
なぜかというと、夜遅くの電話のように相手に迷惑をかけずに、簡単に意思を伝えられるというのは、Eひじょうに便利なことです。「今、○○をテレビでやっているから見ろよ」というような、昔ならばかばかしくて電話では言えないことでも、メールならば気楽に言えるし、常に人とつながっている感覚が持てるのです。
そういう意味では、昔よりも「友だち力」というものが維持しやすい条件は整っていると言えるでしょう。
-
友だちを維持しやすい条件は整っているのですが、逆に、メールが来ないと不安になったりします。メール依存症に近いものです。
友だちとつながっていない状況、連絡が来ない状況が三日も続くと、不安で頭がおかしくなりそうになるのです。
かつて私は、友だちが全くいないという時期がありました。とても仲の良い友だちはいたのだけれど、一週間誰とも会わないとか、ほとんど話をしなかったという状況が、十代の終わりにはあったのです。そういう時期を過ごした経験からすると、二、三日誰からも連絡がないと心配になるということはなかったと思います。
-
最近の人は、ふだんからゆるやかな*セイフティーネットのようなものを、携帯のネットワークで張っているようです。これは、心を安定させるには、それなりに有効な手段だろうと思います。
お互いに好きなものがあると、「あれ見た」とか、「あれ食べた」とか、「あそこに行った」というような話題をメールして、コミュニケーションをとっていく。
こういうゆるやかなつきあいをしていくのも、一つの友だち力と言えます。また、こういうつきあいが苦手で、たくさんの友だちとはつきあえない人もいます。でも数は少ないけれど話せる人はいるし、それで満足できるという人は、これはこれで「友だち力」があるということになります。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| メル友 | メールをやり取りする友だち。 |
| 依存 | 他のものにたよって存在すること。 |
| セイフティーネット | 万が一のときに最悪の事態にならないようにする仕組み。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「ざらにいる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア とても珍しく、めったに見かけないこと
- イ 別にめずらしくも何ともない、ありふれていること
- ウ 一つ一つが大きくて目立つこと
- エ とても価値があって、大切にされていること
Lessonの答え
- 答え
A 情 B 相性 C 備 D 現在 E 非常 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
「友情」というものがちゃんと成立するには、タイミングが必要です。
小学生時代はついにそういう関係はなかったとか、中学三年間通して一度も友情と言えるものがなかったということもあり得るのです。
でも、それは誰が悪いわけではなくて、相性がよくなかったとか、あるいは自分自身にそういう高め合うような友だち関係を維持していくメンタリティー、心のあり方がまだ備わっていなかったということなのです。
-
その友情というのが、一つの友だち関係の中の非常に「向上心にあふれた部分」だとすると、現在の世の中では、もう少し「ゆるい友だち関係」というのも必要ではないでしょうか。
一人親友がいて、友だちはその人だけというとちょっと幅が狭いと言えます。今の人が求めているのは「浅く広い関係性」です。*メル友くらいの感じです。
-
メル友が百人、二百人いる人はざらにいるようですが、やはり現代は携帯電話によって人間関係が大きく変化していて、一人でいる時間でも、友だちとゆるやかにつながっている感覚を持ち得るのです。
勉強していたり音楽を聴いている時に、常に携帯が側にあり、携帯なしではトイレにも行けない。それは、携帯がなかった世代からすると携帯に*依存しているように見えますが、でもこの時代に生きていくには、携帯なしでは辛いのです。
なぜかというと、夜遅くの電話のように相手に迷惑をかけずに、簡単に意思を伝えられるというのは、非常に便利なことです。「今、○○をテレビでやっているから見ろよ」というような、昔ならばかばかしくて電話では言えないことでも、メールならば気楽に言えるし、常に人とつながっている感覚が持てるのです。
そういう意味では、昔よりも「友だち力」というものが維持しやすい条件は整っていると言えるでしょう。
-
友だちを維持しやすい条件は整っているのですが、逆に、メールが来ないと不安になったりします。①メール依存症に近いものです。
友だちとつながっていない状況、連絡が来ない状況が三日も続くと、不安で頭がおかしくなりそうになるのです。
かつて私は、友だちが全くいないという時期がありました。とても仲の良い友だちはいたのだけれど、一週間誰とも会わないとか、ほとんど話をしなかったという状況が、十代の終わりにはあったのです。そういう時期を過ごした経験からすると、二、三日誰からも連絡がないと心配になるということはなかったと思います。
-
最近の人は、ふだんからゆるやかな*セイフティーネットのようなものを、携帯のネットワークで張っているようです。これは、心を安定させるには、それなりに有効な手段だろうと思います。
お互いに好きなものがあると、「あれ見た」とか、「あれ食べた」とか、「あそこに行った」というような話題をメールして、コミュニケーションをとっていく。
こういうゆるやかなつきあいをしていくのも、一つの友だち力と言えます。また、こういうつきあいが苦手で、たくさんの友だちとはつきあえない人もいます。でも数は少ないけれど話せる人はいるし、それで満足できるという人は、これはこれで「友だち力」があるということになります。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| メル友 | メールをやり取りする友だち。 |
| 依存 | 他のものにたよって存在すること。 |
| セイフティーネット | 万が一のときに最悪の事態にならないようにする仕組み。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
地震にそなえて水を保存する。
げんざいの住所を書いてください。
自分のなさけない失敗を話す。
その人物のせいかくがあらわれている。
ひじょう口から避難する。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「べつにめずらしくも何ともない、ありふれている」という意味のことばを五字で書きなさい。
これくらいの値打ちの本は、 。
Practiceの答え
- 答え
備えて
- 答え
現在
- 答え
情け
- 答え
性格
- 答え
非常
- 答え
ざらにある
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
1段落で、筆者が最も言いたいことが書かれている一文は文中のア〜ウのうちどれですか。記号で答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
2段落の要旨をまとめた次の文の にあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
現在世の中の人が求めているのは、 である。
Practiceの答え
- 答え
ゆるい友だち関係
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「一つの友だち関係の中のひじょうに『向上心にあふれた部分』」とは、つまりどんな関係のあり方をいったものですか。文中から十二字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
高め合うような友だち関係
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「メール依存症」とは、ここではどのようなことですか。次の文の にあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
すること。
Practiceの答え
- 答え
メールが来ないと不安になったり(すること。)
4-2 説明文2
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
私は以前、『そんな友だちなら、いなくたっていいじゃないか!』という本を小学生向けに出しました。そうしたら、大人が読んで、よかったという反応がたくさん返ってきました。
ある女性の障害者の方からいただいた手紙には、こんなふうに書いてありました。
自分も障害を持っているので、今までどうしても友だちが少なかったのです。それで、友だちが欲しくて、ある女性とつきあっていました。その人は実は自分が友だちとして好きじゃない人なのだけど、他に友だちがいなくなるのが怖いのでつきあっていたのです。先生の本を読んで、そのことがよくわかり、そういう友だちならばいなくてもよいのかなと思った時に、すごく気持ちが楽になって、無理につきあうのを止めるようにしました。それで今はむしろ落ち着いています、と。
これは大人の女性の方ですが、こういうことは、年齢がある程度いってもあることなのです。
例えば、六十代七十代の方でも、*サークルなどの狭いつきあいの中で、誰かと誰かの距離が遠くなったとか、近くなったとかで不安になることもあります。
ですから、不安で心が揺らがないためにも、自分の心が戻るべき*ホームグラウンドみたいなものをしっかりと持っておくことが重要になってきます。
-
自分の世界をどうやって持てばいいのかというと、自分の好きなものをしっかりと自分の周りに配置しておくことです。そうすると、友だちがいなくなっても、べートーベンをひたすら聴いていれば、心は安定しますし、一人で盛り上がれます。あるいは、友だちがいなくなっても、*村上春樹を読み続けていれば、その世界に浸ることで満足感を持つことができます。
そういう自分の心のやり場を求めていくうちに、その時初めて、深くレベルの高いものと関わることができるのです。逆に言えば、友だちがいなくなった時がチャンスです。
日常的に意識が流れていってしまわずに、その意識がぎゅっと*凝縮していきます。そうした孤独のエネルギーによって、勉強したり、あるものを深めたりすることができるのです。
-
ですから、たいがい一流の人というのは、孤独な時期というのを持っているのです。その時生まれるのが「*四面楚歌力」。
周りが全部自分の敵であるような気がする時があります。「誰もいないんだ、俺には」と感じる時があります。その時がチャンスです。
そうなれる僕、そうなれる私、そう考えると強くなれます。その時に状況を*ポジティブにとらえられると、「四面楚歌力」がつくのです。
四面楚歌の状況というのは、実は何かを集中して学ぶのにはよいことなのです。文学にせよ音楽にせよ、本格的に学ぼうとすると、実は①自分自身の世界にグーッと入り込んでいかないとできません。青年期のある時期は、むしろそうした孤独の力を持っているほうが世界が深まってきます。そこで培った一つの世界が自分の原点になったりします。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| サークル | 同じ趣味をもつ仲間。 |
| ホームグラウンド | 故郷。本拠地。 |
| 村上春樹 | 作家。 |
| 凝縮 | こりかたまって、ちぢまること。 |
| 四面楚歌 | まわりがみな敵で、味方がいないという意味の、中国の古典に由来することば。 |
| ポジティブ | ここでは、前向きなこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
乾電池をぎゃく向きに入れてはいけません。
ここでのじょうしきが、他でも通じるとは限らない。
あるていど終わったら教えてください。
きのうのてきは今日のてき。 (同じ漢字が入ります)
社長にじょうきょうを報告する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「培う」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア この植物は、とくべつな肥料を使って、一晩で培うことができます。
- イ 彼女は毎日練習することで、ピアノの技術を培っている。
- ウ 突然おこった問題に対して、ぼくはすぐに解決方法を培った。
- エ 夏休みに海へ行くために、みんなで貯金を培う計画を立てた。
Confirm Testの答え
- 答え
逆
- 答え
常識
- 答え
程度
- 答え
敵
- 答え
状況
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
3段落の要旨をまとめた次の文の にあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。(完答)
- 青年期における の状況は、
- のちの自分にとっての となり得る を培うチャンスといえる。
Confirm Testの答え
- 答え
四面楚歌・原点・一つの世界(完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「自分自身の世界にグーッと入り込んでい」く様子を表す十五字のことばを文中から書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
意識がぎゅっと凝縮していきます
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
私は以前、『そんな友だちなら、いなくたっていいじゃないか!』という本を小学生向けに出しました。そうしたら、大人が読んで、よかったという反応がたくさん返ってきました。
ある女性の障害者の方からいただいた手紙には、こんなふうに書いてありました。
自分も障害を持っているので、今までどうしても友だちが少なかったのです。それで、友だちが欲しくて、ある女性とつきあっていました。その人は実は自分が友だちとして好きじゃない人なのだけど、他に友だちがいなくなるのが怖いのでつきあっていたのです。先生の本を読んで、そのことがよくわかり、そういう友だちならばいなくてもよいのかなと思った時に、すごく気持ちが楽になって、無理につきあうのを止めるようにしました。それで今はむしろ落ち着いています、と。
これは大人の女性の方ですが、こういうことは、年齢があるAていどいってもあることなのです。
例えば、六十代七十代の方でも、*サークルなどの狭いつきあいの中で、誰かと誰かの距離が遠くなったとか、近くなったとかで不安になることもあります。
ですから、不安で心が揺らがないためにも、自分の心が戻るべき*ホームグラウンドみたいなものをしっかりと持っておくことが重要になってきます。
-
①自分の世界をどうやって持てばいいのかというと、自分の好きなものをしっかりと自分の周りに配置しておくことです。そうすると、友だちがいなくなっても、べートーベンをひたすら聴いていれば、心は安定しますし、一人で盛り上がれます。あるいは、友だちがいなくなっても、*村上春樹を読み続けていれば、その世界に浸ることで満足感を持つことができます。
そういう自分の心のやり場を求めていくうちに、その時初めて、深くレベルの高いものと関わることができるのです。Bぎゃくに言えば、友だちがいなくなった時がチャンスです。
日常的にCいしきが流れていってしまわずに、その意識がぎゅっと*凝縮していきます。そうした孤独のエネルギーによって、勉強したり、あるものを深めたりすることができるのです。
-
ですから、たいがい一流の人というのは、孤独な時期というのを持っているのです。その時生まれるのが「*四面楚歌力」。
周りが全部自分のDてきであるような気がする時があります。「誰もいないんだ、俺には」と感じる時があります。その時がチャンスです。
そうなれる僕、そうなれる私、そう考えると強くなれます。その時にEじょうきょうを*ポジティブにとらえられると、「四面楚歌力」がつくのです。
四面楚歌の状況というのは、実は何かを集中して学ぶのにはよいことなのです。文学にせよ音楽にせよ、本格的に学ぼうとすると、実は自分自身の世界にグーッと入り込んでいかないとできません。青年期のある時期は、むしろそうした孤独の力を持っているほうが世界が深まってきます。そこで培った一つの世界が自分の原点になったりします。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
注
〔注〕
| サークル | 同じ趣味をもつ仲間。 |
| ホームグラウンド | 故郷。本拠地。 |
| 村上春樹 | 作家。 |
| 凝縮 | こりかたまって、ちぢまること。 |
| 四面楚歌 | まわりがみな敵で、味方がいないという意味の、中国の古典に由来することば。 |
| ポジティブ | ここでは、前向きなこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「培った」について、「培う」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 短い期間で集中的に技術を身につけること
- イ すぐに解決策を見つけ出すこと。
- ウ ほかの人との関係を急速に深めること
- エ 時間をかけて育てる、経験を積むこと
Lessonの答え
- 答え
A 程度 B 逆 C 意識 D 敵 E 状況 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
私は以前、『そんな友だちなら、いなくたっていいじゃないか!』という本を小学生向けに出しました。そうしたら、大人が読んで、よかったという反応がたくさん返ってきました。
ある女性の障害者の方からいただいた手紙には、こんなふうに書いてありました。
自分も障害を持っているので、今までどうしても友だちが少なかったのです。それで、友だちが欲しくて、ある女性とつきあっていました。その人は実は自分が友だちとして好きじゃない人なのだけど、他に友だちがいなくなるのが怖いのでつきあっていたのです。先生の本を読んで、そのことがよくわかり、そういう友だちならばいなくてもよいのかなと思った時に、すごく気持ちが楽になって、無理につきあうのを止めるようにしました。それで今はむしろ落ち着いています、と。
これは大人の女性の方ですが、こういうことは、年齢がある程度いってもあることなのです。
例えば、六十代七十代の方でも、*サークルなどの狭いつきあいの中で、誰かと誰かの距離が遠くなったとか、近くなったとかで不安になることもあります。
ですから、不安で心が揺らがないためにも、自分の心が戻るべき*ホームグラウンドみたいなものをしっかりと持っておくことが重要になってきます。
-
自分の世界をどうやって持てばいいのかというと、自分の好きなものをしっかりと自分の周りに配置しておくことです。そうすると、友だちがいなくなっても、べートーベンをひたすら聴いていれば、心は安定しますし、一人で盛り上がれます。あるいは、友だちがいなくなっても、*村上春樹を読み続けていれば、その世界に浸ることで満足感を持つことができます。
そういう自分の心のやり場を求めていくうちに、その時初めて、深くレベルの高いものと関わることができるのです。逆に言えば、友だちがいなくなった時がチャンスです。
日常的に意識が流れていってしまわずに、その意識がぎゅっと*凝縮していきます。そうした孤独のエネルギーによって、勉強したり、あるものを深めたりすることができるのです。
-
ですから、たいがい一流の人というのは、孤独な時期というのを持っているのです。その時生まれるのが「*①四面楚歌力」。
周りが全部自分の敵であるような気がする時があります。「誰もいないんだ、俺には」と感じる時があります。その時がチャンスです。
そうなれる僕、そうなれる私、そう考えると強くなれます。その時に状況を*ポジティブにとらえられると、「四面楚歌力」がつくのです。
四面楚歌の状況というのは、実は何かを集中して学ぶのにはよいことなのです。文学にせよ音楽にせよ、本格的に学ぼうとすると、実は自分自身の世界にグーッと入り込んでいかないとできません。青年期のある時期は、むしろそうした孤独の力を持っているほうが世界が深まってきます。そこで培った一つの世界が自分の原点になったりします。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| サークル | 同じ趣味をもつ仲間。 |
| ホームグラウンド | 故郷。本拠地。 |
| 村上春樹 | 作家。 |
| 凝縮 | こりかたまって、ちぢまること。 |
| 四面楚歌 | まわりがみな敵で、味方がいないという意味の、中国の古典に由来することば。 |
| ポジティブ | ここでは、前向きなこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
てきの攻撃から身を守る。
練習したのでいしきしなくてもできる。
今自分がおかれているじょうきょうを冷静に考える。
まちがえてぎゃくに進んでしまった。
塩をどのていど入れればいいですか。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「時間をかけて育てる、経験を積むこと」という意味のことばをひらがな四字で書きなさい。
ここで 経験は、中学生になっても活かされるでしょう。
Practiceの答え
- 答え
敵
- 答え
意識
- 答え
状況
- 答え
逆
- 答え
程度
- 答え
つちかう
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
1段落で、筆者が最も言いたいことが書かれている一文を文中からさがし、その初めの五字を書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
ですから、
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
2段落の要旨としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友だちがいなくなっても満足できるような世界こそ深くてレベルが高いものである。
- イ 孤独のエネルギーがあれば、心のやり場がなくても心が安定する。
- ウ 友だちがいなくなった時にそなえて日常的に勉強しておくことで満足感が得られる。
- エ 自分の世界を求めていくことを通して、自分を深めることができる。
Practiceの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「自分の世界」とは、ここではどのようなことですか。文中から二十三字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
自分の心が戻るべきホームグラウンドみたいなもの
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「四面楚歌力」とほぼ同じ内容を表す四字のことばをここよりあとの文中からさがし、書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
孤独の力
4-3 説明文3
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
そんなに寂しさを感じないで、ひとりでいる時が快適に思えることもあります。孤独の時間というものを、もっと積極的に意義あるものにするべきです。
寂しいという気持ちを徹底して強めていくことで仕事へ向かうエネルギーに転換するとか、勉強するエネルギーに変えていくとか、そういう「孤独力」みたいなものに持っていければいいのです。
-
ただし、ひとりでいる時に充分楽しめる「何か」を持っているということが必要になります。その「何か」をあらかじめ作っておかないと、ひとりになった時に、やはり寂しくなってしまいます。
私の場合は、座禅や、ヨガや、ストレッチングをやっていて、これはひとりの時間を延々つぶせるよい方法でした。ヨガを習って、ひとりで呼吸法のポーズをとっていると、人がいるとやりにくくて、じゃまになってくるのです。ですから、これはひとりの時間にやるのがふさわしいのです。
このように、ひとりの時間には自分の身体とつきあうというのが、とてもよい方法でしょう。ストレッチング一つとっても、結構時間をかけて楽しめる方法があって、音楽をかけながらでもいいですので、ひとりで自分の身体とつきあうというのもなかなかいいのではないでしょうか。
ひとりの時間を楽しむ方法としては、読書や音楽や絵を描くことなども、一般的な方法としてあります。
-
ひとりの時間と言っても、自分の部屋にこもって妙に落ち着いてしまって、いわゆる①引きこもりに近い状態になってしまうと危険です。
ネットを通じてなら人と話せるのだけれど、現実の人間と対面するという状況に適応できなくなってしまう。そうなると、もう家から踏み出せなくなって、外は怖いということになりますので、こういう状況は避けたい。
ひとりでも大丈夫というのはよいのですが、他の人との対面はダメということになってしまうと、ちょっと危険です。他の人の持っている世界に対する好奇心がなくなるのは、よくないことです。自分の殻の中に入って、自分の世界を閉じた状態が固まってきてしまうと、いよいよ人とは話せなくなってきてしまう。これがあまり進むと、犯罪に一歩近づくという怖さもある。ですから、これもほどほどがいいのです。
極端な孤独の状態に入る場合には、②修行だと思ってやったほうがよいのです。修行だと思って勉強しているうちは大丈夫。
女同士もグループ化が激しいので、かえって孤独のほうが楽な場合もあります。ひとりでいるというのは、慣れてみると だったりすることもあります。
-
人生にも季節があって、それぞれの時期の友だちというのがあります。熱い友情を語ることもあれば、仕事上のつきあいで何となく友だちでいることもある。
かなり年が離れていても、二十歳くらい年下でも、友だちっぽくなってしまう人もいます。そういう友だちが、ちょうど心地よい年齢みたいなものがあります。
-
友だち力というのは、友だちを作る力ではないのです。無理して作らなくてもいいということも含めて、友だちとの距離感をコントロールできるということです。距離感が大事という*ニュアンスです。
友だちとの距離感を意識して、自分でコントロールできていれば大丈夫なのです。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| ニュアンス | ここでは、意味合い。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
はんざいを防止するのも警察の役目です。
子どもだけで川で遊ぶのはきけんです。
十年間寺でしゅぎょうした僧がいる。
駅に着くまでにけっこうな時間がかかってしまった。
引っ越しの片付けが終わって、かいてきな部屋になった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「延々」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼女の笑顔は延々と輝いていた。
- イ 父が朝の電車で通勤する時間は延々と短い。
- ウ このイベントは延々と成功した。
- エ 雨が延々と降り続き、川の水位が上がった。
Confirm Testの答え
- 答え
犯罪
- 答え
危険
- 答え
修行
- 答え
結構
- 答え
快適
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「引きこもりに近い状態」の人と、②「修行だと思って」いる人は、ひとりの時間に対してどんな姿勢でいると言えますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つずつ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア ひとりであることをいやがっている。
- イ ひとりであることににげこんでいる。
- ウ ひとりであることをうらんでいる。
- エ ひとりであることを利用している。
Confirm Testの答え
- 答え
① イ ② エ(完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
5段落の要旨をまとめた次の文の にあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。(完答)
とは友だちとの
を
できる力である。
Confirm Testの答え
- 答え
友だち力・距離感・コントロール(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
そんなに寂しさを感じないで、ひとりでいる時がAかいてきに思えることもあります。①孤独の時間というものを、もっと積極的に意義あるものにするべきです。
寂しいという気持ちを徹底して強めていくことで仕事へ向かうエネルギーに転換するとか、勉強するエネルギーに変えていくとか、そういう「孤独力」みたいなものに持っていければいいのです。
-
ただし、ひとりでいる時に充分楽しめる「何か」を持っているということが必要になります。その「何か」をあらかじめ作っておかないと、ひとりになった時に、やはり寂しくなってしまいます。
私の場合は、座禅や、ヨガや、ストレッチングをやっていて、これはひとりの時間を延々つぶせるよい方法でした。ヨガを習って、ひとりで呼吸法のポーズをとっていると、人がいるとやりにくくて、じゃまになってくるのです。ですから、これはひとりの時間にやるのがふさわしいのです。
このように、ひとりの時間には自分の身体とつきあうというのが、とてもよい方法でしょう。ストレッチング一つとっても、Bけっこう時間をかけて楽しめる方法があって、音楽をかけながらでもいいですので、ひとりで自分の身体とつきあうというのもなかなかいいのではないでしょうか。
ひとりの時間を楽しむ方法としては、読書や音楽や絵を描くことなども、一般的な方法としてあります。
-
ひとりの時間と言っても、自分の部屋にこもって妙に落ち着いてしまって、いわゆる引きこもりに近い状態になってしまうとCきけんです。
ネットを通じてなら人と話せるのだけれど、現実の人間と対面するという状況に適応できなくなってしまう。そうなると、もう家から踏み出せなくなって、外は怖いということになりますので、こういう状況は避けたい。
ひとりでも大丈夫というのはよいのですが、他の人との対面はダメということになってしまうと、ちょっときけんです。他の人の持っている世界に対する好奇心がなくなるのは、よくないことです。自分の殻の中に入って、自分の世界を閉じた状態が固まってきてしまうと、いよいよ人とは話せなくなってきてしまう。これがあまり進むと、Dはんざいに一歩近づくという怖さもある。ですから、これもほどほどがいいのです。
極端な孤独の状態に入る場合には、Eしゅぎょうだと思ってやったほうがよいのです。修行だと思って勉強しているうちは大丈夫。
女同士もグループ化が激しいので、かえって孤独のほうが楽な場合もあります。ひとりでいるというのは、慣れてみるとかいてきだったりすることもあります。
-
人生にも季節があって、それぞれの時期の友だちというのがあります。熱い友情を語ることもあれば、仕事上のつきあいで何となく友だちでいることもある。
かなり年が離れていても、二十歳くらい年下でも、友だちっぽくなってしまう人もいます。そういう友だちが、ちょうど心地よい年齢みたいなものがあります。
-
友だち力というのは、友だちを作る力ではないのです。無理して作らなくてもいいということも含めて、友だちとの距離感をコントロールできるということです。距離感が大事という*ニュアンスです。
友だちとの距離感を意識して、自分でコントロールできていれば大丈夫なのです。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| ニュアンス | ここでは、意味合い。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「延々」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 瞬間的に起こること
- イ ものごとがいつまでも長く続くこと
- ウ 一定の範囲内でくり返されること
- エ ものごとが急激に変化すること
Lessonの答え
- 答え
A 快適 B 結構 C 危険 D 犯罪 E 修行 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
そんなに寂しさを感じないで、ひとりでいる時が快適に思えることもあります。孤独の時間というものを、もっと積極的に意義あるものにするべきです。
寂しいという気持ちを徹底して強めていくことで仕事へ向かうエネルギーに転換するとか、勉強するエネルギーに変えていくとか、そういう「孤独力」みたいなものに持っていければいいのです。
-
ただし、ひとりでいる時に充分楽しめる「何か」を持っているということが必要になります。その「何か」をあらかじめ作っておかないと、ひとりになった時に、やはり寂しくなってしまいます。
私の場合は、座禅や、ヨガや、ストレッチングをやっていて、これはひとりの時間を延々つぶせるよい方法でした。ヨガを習って、ひとりで呼吸法のポーズをとっていると、人がいるとやりにくくて、じゃまになってくるのです。ですから、これはひとりの時間にやるのがふさわしいのです。
このように、ひとりの時間には自分の身体とつきあうというのが、とてもよい方法でしょう。ストレッチング一つとっても、結構時間をかけて楽しめる方法があって、音楽をかけながらでもいいですので、ひとりで自分の身体とつきあうというのもなかなかいいのではないでしょうか。
ひとりの時間を楽しむ方法としては、読書や音楽や絵を描くことなども、一般的な方法としてあります。
-
ひとりの時間と言っても、自分の部屋にこもって妙に落ち着いてしまって、いわゆる引きこもりに近い状態になってしまうと危険です。
ネットを通じてなら人と話せるのだけれど、現実の人間と対面するという状況に適応できなくなってしまう。そうなると、もう家から踏み出せなくなって、外は怖いということになりますので、こういう状況は避けたい。
ひとりでも大丈夫というのはよいのですが、他の人との対面はダメということになってしまうと、ちょっと危険です。他の人の持っている世界に対する好奇心がなくなるのは、よくないことです。自分の殻の中に入って、自分の世界を閉じた状態が固まってきてしまうと、いよいよ人とは話せなくなってきてしまう。これがあまり進むと、犯罪に一歩近づくという怖さもある。ですから、これもほどほどがいいのです。
極端な孤独の状態に入る場合には、修行だと思ってやったほうがよいのです。修行だと思って勉強しているうちは大丈夫。
女同士もグループ化が激しいので、かえって孤独のほうが楽な場合もあります。ひとりでいるというのは、慣れてみると快適だったりすることもあります。
-
人生にも季節があって、それぞれの時期の友だちというのがあります。熱い友情を語ることもあれば、仕事上のつきあいで何となく友だちでいることもある。
かなり年が離れていても、二十歳くらい年下でも、友だちっぽくなってしまう人もいます。そういう友だちが、ちょうど心地よい年齢みたいなものがあります。
-
友だち力というのは、友だちを作る力ではないのです。無理して作らなくてもいいということも含めて、友だちとの距離感をコントロールできるということです。距離感が大事という*ニュアンスです。
友だちとの距離感を意識して、自分でコントロールできていれば大丈夫なのです。
(齋藤孝『友だちいないと不安だ症候群につける薬』)
〔注〕
| ニュアンス | ここでは、意味合い。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
けっこうな大きさの箱が届いた。
学業をおさめる。
新しい新幹線の座席はかいてきだ。
けわしい山を登る。
はんざい者の数が増加している。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「ものごとがいつまでも長く続く様子」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
朝礼で先生の話がと続いた。
Practiceの答え
- 答え
結構
- 答え
修める
- 答え
快適
- 答え
険しい
- 答え
犯罪
- 答え
延々
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「孤独の時間というものを、もっと積極的に意義あるものにする」とありますが、それができる能力を筆者は何と呼んでいますか。1段落の文中から書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
孤独力
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
2段落の小見出しとして使える十二字のことばを文中から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
ひとりの時間を楽しむ方法
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
3段落の要旨をまとめた次の文の にあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
- 孤独であることはよいが、
- にしてはいけない。
Lessonの答え
- 答え
自分の世界を閉じた状態
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
4段落に書かれている内容としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 人生の中で、いろいろな友だちが急激に増える時期があるものだ。
- イ 友だちと自分とが人生のどれぐらいの間つきあうのかは、それぞれの年齢によってちがうものだ。
- ウ どんな相手であっても、つきあうのにちょうどよい年齢があるものだ。
- エ 友だちというものは、人生の時期・年齢によって、いろいろなつきあい方、いろいろな相手があるものだ。
Practiceの答え
- 答え
エ
5章 物語文
物語文の読み方
5-1 物語文3
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
夏休みに引っ越した三上世夏は、散歩中に二人の男子に出会った。
「もしかして、引っ越してきたの?」
ぽっちゃりした子が聞いた。
「う、うん」
わたしは戸惑いながら答えた。
「やっぱり!」
その子がパンと手をたたき、クイズにでも正解したみたいなうれしそうな顔をした。
「どうりで見たことのない子だなって思った。……あ、星原村は子どもが少ないから全員の顔がわかるんだ」
「……」
全員の顔がわかる? やっぱりここって田舎だ。前の小学校は同じ学年でも知らない子が何人もいたもん。
「二学期から転校してくるの? 星原小学校でしょ?」
ぽっちゃりした子が目をくりくりさせてさらに聞いてきた。
「たぶん」
確か、お母さんが星原村の星原小学校って言っていたような。
「何年生?」
「五年」
「一緒だ。おれたちも五年だよ。じゃ、同じクラスだな」
「なんで、わかるの?」
わたしはびっくりした。
「どの学年も一クラスしかないんだよ」
そう言って、ケラケラ笑った。
どの学年も一クラスしかないなんて信じられない。本当に、とことん田舎だ。
「名前おしえて」
ぽっちゃりした子が、人なつっこい笑顔を向けた。
なんかこの子、なれなれしい。声をかけるんじゃなかったかな。
「三上世夏」
「世夏ちゃんか。よろしく。おれは、①村岡宗明。みんなからムッチって呼ばれてる。ほら、おれ、ちょっと、むちむちしてるだろう」
そう言って自分の体をじろじろ見た。わたしはプッとふきだした。この子、変な子。
「ぼくは、小笠原陸です。よろしく」
ていねいに頭を下げた。
「陸は、物知りなんだ。学者くんって呼んでる女子もいるぜ」
「なんかそう見える」
「だろう」
「そうかな? ぜんぜんそんなことないけど」
陸くんが謙遜して首を振った。
ムッチと陸くんは見た目もちがうけど、タイプもぜんぜんちがうみたい。ムッチはおしゃべりで笑いじょうご。陸くんは真面目で優等生っぽい感じ。
でもふたりとも話しやすい。ムッチなんてはじめて会ったとは思えないほどだ。
(麻生かづこ『はじめての夏とキセキのたまご』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
いなかの夜は都会と違って暗くてしずかだ。
電車の中であるにもかかわらず、大きな声でわらっている人がいる。
テストの前に、不せいかいだった問題だけ見直しをする。
出かける前に、もう一度持ちものをかくにんしてください。
自分の夢を最後までしんじる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「戸惑う」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 明日の天気予報は晴れと聞いて、彼は大きく戸惑った。
- イ 初めて海外旅行をしたとき、、言葉の壁に戸惑った。
- ウ 彼女は優勝した後、戸惑って金メダルを手にした。
- エ 母の誕生日のサプライズで、私たちは戸惑ってプレゼントをわたした。
Confirm Testの答え
- 答え
田舎
- 答え
笑っている
- 答え
正解
- 答え
確認
- 答え
信じる
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「村岡宗明」について、みんなから何と呼ばれていますか。
線①「村岡宗明」について、⑴のように呼ばれているのはなぜですか。
線①「村岡宗明」について、世夏は村岡宗明くんの様子から、どんな印象を受けましたか。文中の世夏の心の中のつぶやきから二つ、六字と三字で書きぬきなさい。(順不同・完答)
Confirm Testの答え
- 答え
ムッチ
- 答え
体がむちむちしているから。
- 答え
なれなれしい・変な子(順不同・完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
夏休みに引っ越した三上世夏は、散歩中に二人の男子に出会った。
「もしかして、引っ越してきたの?」
ぽっちゃりした子が聞いた。
「う、うん」
わたしは戸惑いながら答えた。
「やっぱり!」
その子がパンと手をたたき、クイズにでもAせいかいしたみたいなうれしそうな顔をした。
「どうりで見たことのない子だなって思った。……あ、星原村は子どもが少ないから全員の顔がわかるんだ」
「……」
全員の顔がわかる? やっぱりここってBいなかだ。前の小学校は同じ学年でも知らない子が何人もいたもん。
「二学期から転校してくるの? 星原小学校でしょ?」
ぽっちゃりした子が目をくりくりさせてさらに聞いてきた。
「たぶん」
Cたしか、お母さんが星原村の星原小学校って言っていたような。
「何年生?」
「五年」
「一緒だ。おれたちも五年だよ。じゃ、同じクラスだな」
「なんで、わかるの?」
わたしはびっくりした。
「どの学年も一クラスしかないんだよ」
そう言って、ケラケラDわらった。
どの学年も一クラスしかないなんてEしんじられない。本当に、とことんいなかだ。
「名前おしえて」
ぽっちゃりした子が、人なつっこいえがおを向けた。
なんかこの子、なれなれしい。声をかけるんじゃなかったかな。
「三上世夏」
「世夏ちゃんか。よろしく。おれは、村岡宗明。みんなからムッチって呼ばれてる。ほら、おれ、ちょっと、むちむちしてるだろう」
そう言って自分の体をじろじろ見た。わたしはプッとふきだした。この子、変な子。
「ぼくは、①小笠原陸です。よろしく」
ていねいに頭を下げた。
「陸は、物知りなんだ。学者くんって呼んでる女子もいるぜ」
「なんかそう見える」
「だろう」
「そうかな? ぜんぜんそんなことないけど」
陸くんが謙遜して首を振った。
ムッチと陸くんは見た目もちがうけど、タイプもぜんぜんちがうみたい。ムッチはおしゃべりで笑いじょうご。陸くんは真面目で優等生っぽい感じ。
でもふたりとも話しやすい。ムッチなんてはじめて会ったとは思えないほどだ。
(麻生かづこ『はじめての夏とキセキのたまご』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「戸惑う」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 強い意志を持って断固とした態度をとること
- イ 深い悲しみにしずむこと
- ウ 目の前のできごとにどう対応したらいいかわからずにうろたえること
- エ 思いがけず大きな喜びを感じること
Lessonの答え
- 答え
A 正解 B 田舎 C 確 D 笑 E 信 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
夏休みに引っ越した三上世夏は、散歩中に二人の男子に出会った。
「①もしかして、引っ越してきたの?」
ぽっちゃりした子が聞いた。
「う、うん」
わたしは戸惑いながら答えた。
「やっぱり!」
その子がパンと手をたたき、クイズにでも正解したみたいなうれしそうな顔をした。
「どうりで見たことのない子だなって思った。……あ、星原村は子どもが少ないから全員の顔がわかるんだ」
「……」
全員の顔がわかる? やっぱりここって田舎だ。前の小学校は同じ学年でも知らない子が何人もいたもん。
「二学期から転校してくるの? 星原小学校でしょ?」
ぽっちゃりした子が目をくりくりさせてさらに聞いてきた。
「たぶん」
確か、お母さんが星原村の星原小学校って言っていたような。
「何年生?」
「五年」
「一緒だ。おれたちも五年だよ。じゃ、同じクラスだな」
「なんで、わかるの?」
わたしはびっくりした。
「どの学年も一クラスしかないんだよ」
そう言って、ケラケラ笑った。
どの学年も一クラスしかないなんて信じられない。本当に、とことん田舎だ。
「名前おしえて」
ぽっちゃりした子が、人なつっこい笑顔を向けた。
なんかこの子、なれなれしい。声をかけるんじゃなかったかな。
「三上世夏」
「世夏ちゃんか。よろしく。おれは、村岡宗明。みんなからムッチって呼ばれてる。ほら、おれ、ちょっと、むちむちしてるだろう」
そう言って自分の体をじろじろ見た。わたしはプッとふきだした。この子、変な子。
「ぼくは、小笠原陸です。よろしく」
ていねいに頭を下げた。
「陸は、物知りなんだ。学者くんって呼んでる女子もいるぜ」
「なんかそう見える」
「だろう」
「そうかな? ぜんぜんそんなことないけど」
陸くんが謙遜して首を振った。
ムッチと陸くんは見た目もちがうけど、タイプもぜんぜんちがうみたい。ムッチはおしゃべりで笑いじょうご。陸くんは真面目で優等生っぽい感じ。
でもふたりとも話しやすい。ムッチなんてはじめて会ったとは思えないほどだ。
(麻生かづこ『はじめての夏とキセキのたまご』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
買うものが何かかくにんする。
友達のくだらない話で、思わずえがおになる。
わからない問題があったら、かいせつを読みなさい。
こうしゃの窓にボールをぶつけてしまう。
しんじられないことばかりが起こる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「目の前のできごとにどう対応したらいいかわからずにうろたえること」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
言われた通りのやり方で操作したが、うまく動作しないので 。
Practiceの答え
- 答え
確認
- 答え
笑顔
- 答え
解説
- 答え
校舎
- 答え
信じられない
- 答え
とまどう
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「小笠原陸」について、どんな人だとしょうかいされていますか。
線①「小笠原陸」について、小笠原陸くんの性格がわかる行動を、文中から二つ、それぞれ一文で書きぬきなさい。(順不同・完答)
Lessonの答え
- 答え
物知り
- 答え
- ・ ていねいに頭を下げた。
- ・ 陸くんが謙遜して首を振った。(順不同・完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「もしかして、引っ越してきたの?」とありますが、ぽっちゃりした子は、世夏(わたし)がどんな子だから引っ越してきたと思ったのですか。文中から八字で書きぬきなさい。
線①「もしかして、引っ越してきたの?」とありますが、世夏について説明した次の にあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
- 小学 年生で、 から、
- に転校することになっている女の子。
Practiceの答え
- 答え
見たことのない子
- 答え
五・二学期・星原小学校(完答)
5-2 物語文4
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
世夏とムッチと陸くんの三人は、恐竜の化石を探しにきた。
「恐竜の化石ぜんぜん、見つからないもんね」
わたしは口をとがらせた。
「一回で見つけられたら、奇跡だよ。どんな研究者や調査隊でも、ひたすら歩いて探すんだ。それでも見つからないこともあるんだから」
陸くんがわたしをなだめるように言った。
「そうなんだ」
わたしはしょんぼりした。
「でも女子中学生みたいに偶然ひろったってこともあるからな」
「運もあるね」
「恐竜発掘は宝探しみたいだな」
「本当に宝探しだね」
あ、宝探しといえば……、恐竜おばさんのことを思い出した。
「この間恐竜館に行ったときね、変わった女の人に会ったの。お母さんと同じくらいの年だと思うんだけど、恐竜が好きでひとりでよく来るんだって。その人が宝探しだって言ってた」
「え? その人、恐竜にくわしかった?」
陸くんが、ぐっと身を乗り出してきた。
「めちゃくちゃくわしかった。骨のこととか、恐竜の特徴とか。いろいろ教えてくれて、恐竜館のガイドさんかと思っちゃった」
「どんな感じの人だった?」
「ちょっと男っぽい話し方で、さばさばしてかっこいい人だった」
「それ、伊竜なずなさんかもしれない」
陸くんが確信したように言った。
「伊竜なずな!? きっと、そうだよ」
ムッチが声をあげ、ふたりしてうなずいた。
「伊竜なずなって、だれ? 芸能人?」
「ちがうちがう。古生物学者で恐竜の研究をしている人」
「ハビラサウルスの研究をして新属新種の恐竜であることを明らかにしたんだ」
「あの人、恐竜博士なの!?」
びっくりだ。だから、わたしが恐竜学者になりたいって言ったら、うれしそうな顔をしたのかな。
「いろんな博物館をまわって恐竜の骨を見ているらしい。宝探しと言って」
「ここらへんに住んでいる人なの?」
「いや。東京の大学の*准教授」
東京からわざわざ恐竜の骨を見に来ていたんだ。
「いいな。伊竜博士としゃべったんだ。おれ、会ったことないぞ」
「ぼくも、会ったことない」
ふたりがうらやましそうな顔をわたしに向けた。
「伊竜博士は恐竜も好きだけど、特にその骨が大好きなんだよな」
「そう。日本だけではなく世界中の博物館をまわり、いろんな恐竜の骨の形を見て研究しているんだ。頭の中にはコンピューターのように骨のデータがいっぱい詰まっているんだ。ぼくもそういう学者になりたい」
①陸くんがあこがれるように言った。
「伊竜博士、かっこいいよな」
(麻生かづこ『はじめての夏とキセキのたまご』)
〔注〕
| 准教授 | 大学で研究したり教育したりする役職の一つ。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
はかせが研究する学問について質問した。
これを説明するには、さらにちょうさが必要です。
三歳からげいのうの世界に身をおいている。
しょぞくする会社名をお書きください。
知りあいに大学のきょうじゅがいる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「口をとがらせる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 大勢の前で賞をうけとるとき、彼女は緊張のあまり口をとがらせた。
- イ 実験の成功を祝うパーティーで、先生は喜びのあまり口をとがらせた。
- ウ 彼はゲームで負けてしまい、不機嫌そうに口をとがらせて画面を見つめた。
- エ 長い一日の終わりに、父はリラックスして口をとがらせて椅子に座った。
Confirm Testの答え
- 答え
博士
- 答え
調査
- 答え
芸能
- 答え
所属
- 答え
教授
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「陸くんがあこがれるように言った」とありますが、陸くんはなぜ伊竜博士にあこがれていると考えられますか。次の にあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
伊竜博士は、世界中の をまわって を研究し、頭の中にはコンピューターのように骨の が詰まっている、すごい学者だから。
Confirm Testの答え
- 答え
博物館・恐竜の骨・データ(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
世夏とムッチと陸くんの三人は、恐竜の化石を探しにきた。
「恐竜の化石ぜんぜん、見つからないもんね」
わたしは口をとがらせた。
「一回で見つけられたら、奇跡だよ。どんな研究者やAちょうさ隊でも、ひたすら歩いて探すんだ。それでも見つからないこともあるんだから」
陸くんがわたしをなだめるように言った。
「そうなんだ」
わたしはしょんぼりした。
「でも女子中学生みたいに偶然ひろったってこともあるからな」
「運もあるね」
「恐竜発掘は宝探しみたいだな」
「本当に宝探しだね」
あ、宝探しといえば……、①恐竜おばさんのことを思い出した。
「この間恐竜館に行ったときね、変わった女の人に会ったの。お母さんと同じくらいの年だと思うんだけど、恐竜が好きでひとりでよく来るんだって。その人が宝探しだって言ってた」
「え? その人、恐竜にくわしかった?」
陸くんが、ぐっと身を乗り出してきた。
「めちゃくちゃくわしかった。骨のこととか、恐竜の特徴とか。いろいろ教えてくれて、恐竜館のガイドさんかと思っちゃった」
「どんな感じの人だった?」
「ちょっと男っぽい話し方で、さばさばしてかっこいい人だった」
「それ、伊竜なずなさんかもしれない」
陸くんが確信したように言った。
「伊竜なずな!? きっと、そうだよ」
ムッチが声をあげ、ふたりしてうなずいた。
「伊竜なずなって、だれ? Bげいのう人?」
「ちがうちがう。古生物学者で恐竜の研究をしている人」
「ハビラサウルスの研究をして新Cぞく新種の恐竜であることを明らかにしたんだ」
「あの人、恐竜Dはかせなの!?」
びっくりだ。だから、わたしが恐竜学者になりたいって言ったら、うれしそうな顔をしたのかな。
「いろんな博物館をまわって恐竜の骨を見ているらしい。宝探しと言って」
「ここらへんに住んでいる人なの?」
「いや。東京の大学の*准Eきょうじゅ」
東京からわざわざ恐竜の骨を見に来ていたんだ。
「いいな。伊竜はかせとしゃべったんだ。おれ、会ったことないぞ」
「ぼくも、会ったことない」
ふたりがうらやましそうな顔をわたしに向けた。
「伊竜はかせは恐竜も好きだけど、特にその骨が大好きなんだよな」
「そう。日本だけではなく世界中の博物館をまわり、いろんな恐竜の骨の形を見て研究しているんだ。頭の中にはコンピューターのように骨のデータがいっぱい詰まっているんだ。ぼくもそういう学者になりたい」
陸くんがあこがれるように言った。
「伊竜はかせ、かっこいいよな」
(麻生かづこ『はじめての夏とキセキのたまご』)
〔注〕
| 准教授 | 大学で研究したり教育したりする役職の一つ。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
線「口をとがらせる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 積極的に意見や感想をのべること
- イ 他人の話に熱心に耳を傾けること
- ウ 思わず笑みがこぼれること
- エ 不満そうな顔つきをすること
Lessonの答え
- 答え
A 調査 B 芸能 C 属 D 博士 E 教授 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
世夏とムッチと陸くんの三人は、恐竜の化石を探しにきた。
「恐竜の化石ぜんぜん、見つからないもんね」
わたしは口をとがらせた。
「一回で見つけられたら、奇跡だよ。どんな研究者や調査隊でも、ひたすら歩いて探すんだ。それでも見つからないこともあるんだから」
陸くんがわたしをなだめるように言った。
「そうなんだ」
わたしはしょんぼりした。
「でも女子中学生みたいに偶然ひろったってこともあるからな」
「運もあるね」
「恐竜発掘は宝探しみたいだな」
「本当に宝探しだね」
あ、宝探しといえば……、恐竜おばさんのことを思い出した。
「この間恐竜館に行ったときね、変わった女の人に会ったの。お母さんと同じくらいの年だと思うんだけど、恐竜が好きでひとりでよく来るんだって。その人が宝探しだって言ってた」
「え? その人、恐竜にくわしかった?」
陸くんが、ぐっと身を乗り出してきた。
「めちゃくちゃくわしかった。骨のこととか、恐竜の特徴とか。いろいろ教えてくれて、恐竜館のガイドさんかと思っちゃった」
「どんな感じの人だった?」
「ちょっと男っぽい話し方で、さばさばしてかっこいい人だった」
「それ、①伊竜なずなさんかもしれない」
陸くんが確信したように言った。
「伊竜なずな!? きっと、そうだよ」
ムッチが声をあげ、ふたりしてうなずいた。
「伊竜なずなって、だれ? 芸能人?」
「ちがうちがう。古生物学者で恐竜の研究をしている人」
「ハビラサウルスの研究をして新属新種の恐竜であることを明らかにしたんだ」
「あの人、恐竜博士なの!?」
びっくりだ。だから、わたしが恐竜学者になりたいって言ったら、うれしそうな顔をしたのかな。
「いろんな博物館をまわって恐竜の骨を見ているらしい。宝探しと言って」
「ここらへんに住んでいる人なの?」
「いや。東京の大学の*准教授」
東京からわざわざ恐竜の骨を見に来ていたんだ。
「いいな。伊竜博士としゃべったんだ。おれ、会ったことないぞ」
「ぼくも、会ったことない」
ふたりがうらやましそうな顔をわたしに向けた。
「伊竜博士は恐竜も好きだけど、特にその骨が大好きなんだよな」
「そう。日本だけではなく世界中の博物館をまわり、いろんな恐竜の骨の形を見て研究しているんだ。頭の中にはコンピューターのように骨のデータがいっぱい詰まっているんだ。ぼくもそういう学者になりたい」
陸くんがあこがれるように言った。
「伊竜博士、かっこいいよな」
(麻生かづこ『はじめての夏とキセキのたまご』)
〔注〕
| 准教授 | 大学で研究したり教育したりする役職の一つ。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
街でげいのう人を見かけた。
友達から恐竜はかせとよばれる。
機械がこわれた原因をちょうさする。
小学校のサッカークラブにしょぞくしている。
じゅぎょうの始まりのチャイムが鳴る。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、 にあてはまる「怒ったり言い争ったりするときの口つきや、不満な顔つき」を表すことばを六字で書きなさい。
彼の意見はみんなに反対され、彼は た。
Practiceの答え
- 答え
芸能
- 答え
博士
- 答え
調査
- 答え
所属
- 答え
授業
- 答え
口をとがらせ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「恐竜おばさん」について、世夏は、どこで会いましたか。
線①「恐竜おばさん」について、どれくらいの年れいに見えましたか。
線①「恐竜おばさん」について、世夏にどんなことを教えてくれましたか。
線①「恐竜おばさん」について、どんな感じの人でしたか。
Lessonの答え
- 答え
恐竜館。
- 答え
お母さんと同じくらいの年。
- 答え
恐竜の骨のことや恐竜の特徴。
- 答え
ちょっと男っぽい話し方で、さばさばしてかっこいい人
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「伊竜なずなさん」について、どんな仕事をしていますか。
線①「伊竜なずなさん」について、仕事で、どんなことをなしとげましたか。
線①「伊竜なずなさん」について、どこから来ているのですか。
線①「伊竜なずなさん」について、伊竜なずなさんの言う「宝探し」とは、何をすることですか。
Practiceの答え
- 答え
古生物学者で、恐竜の研究をしている。
- 答え
ハビラサウルスの研究をして新属新種の恐竜であることを明らかにした。
- 答え
東京。
- 答え
いろんな博物館をまわって恐竜の骨を見ること。
5-3 物語文5
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
春が近づいてから降る雪は湿って重い。
夜、布団のなかにいても、山の木が折れる音が聞こえてくる。Aパキン、パキンと、呆気ないほど鋭く澄んだ音をこだまさせるんだ。
それを耳にすると、たまらない気持ちになる。いますぐ山へ飛んでいって、若木を雪起こししてやんなきゃ。そんな、居ても立ってもいられない気持ちになる。
同時に、哀しくもなってくる。だって山には、数えきれないほどの木が植林されている。俺のもたついた作業ぶりじゃ、雪の重みにひしゃげた若木をすべて起こすことなんて、何年かかったってできそうにない。
俺がしきりに寝返りを打っていると、トイレへ行くために部屋を横切るヨキは、
「なあなあ」
と必ず言う。「おまえがそわそわしたって、はじまらんわな。はよ寝え」
本当にそのとおりだ。
雪の重みで折れてしまう木が出てくることも、林業をやっていたら受け入れなければならない。すべての木が計画どおりに育つわけがない。雪で折れる木も生き物。それを防ぐために精一杯、的確に手早く雪起こししていく人間も生き物。鳴いたり動いたりしない木もたしかに生きていて、それと長い年月かけて向きあうのがこの仕事なんだってことに、俺は神去に来て一年経って、ようやく気づきつつある。
でも最初は、やっぱりそれどころじゃなかった。
山から響く木の折れる音を聞いて、哀しくはなった。でもそれは、「木が折れてる。どうしよう」って哀しみじゃなくて、「いやだなあ、また雪起こしだ」という、げっそりするような哀しみだった。
とにかく初日の一本目の木で、雪起こしに失敗したのが効いた。
斜面を派手に転げ落ち、ヨキに盛大に笑われた俺は、すっかり萎縮してしまった。転がったさきで岩に頭でも打ちつけたら、死ぬかもしれない。足場の悪い斜面での作業がこわくてたまらず、へっぴり腰でしか縄を引けなかった。
俺にできる仕事なんかないんだ。そう思うと悔しかった。無理やりこんなとこにつれてこられて、なんで恥をかかなきゃいけないんだ。やってられねえ、と腹が立った。でも実際のところ、なにもできないことが情けなかったんだ。悔しさも腹立たしさも、情けない自分から目をそらすために生まれてきた感情だ。
山仕事で集中力が途切れたら、命にかかわる。だから、だいたい二時間ごとにちょっと休憩を取り、昼ものんびり食べる。
俺たちは斜面に座って、弁当を広げた。雪解けとともに杉の苗を植える予定の、拓けた場所だ。雪雲はまだ空を灰色に覆いつくしている。
「なあに、この季節はずれの雪も、もう終わりや」
と、巌さんは言った。「地ごしらえやら植えつけやらで、忙しくなるで」
「そやな」
と、三郎じいさんもうなずく。「雪起こしだけが山仕事やない。だから*勇気、そんなにびくつくことはないわな」
俺は黙ってうつむいていた。俺の技術がちっとも向上しないせいで、班の作業効率は悪いままだ。だれも責めないのが、かえってつらい。なんとか、この村から逃げだせないもんかなあと、そればかり思った。でも、村から出ていく足がない。ヨキはぬかりなく、家では軽トラックのキーを隠していた。だいたい、俺は車の免許を持っていない。徒歩で神去から脱出するのは難しい。ヒッチハイクで駅までつれていってもらいたくても、村人には面が割れている。
まさに八方ふさがりの状態だった。巨大なおにぎりにかじりつくあいだにも、Bパキン、とどこかで木の折れる音がする。ため息が出た。
(三浦しをん『神去なあなあ日常』)
〔注〕
| 勇気 | 「俺」の名前。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
行ったり来たりでこうりつが悪い。
失敗も長い目で見るといいけいけんだ。
キーパーが手をのばして点をとられるのをふせいだ。
中学生になるとぎじゅつという科目が始まる。
何度やってもこうかがあらわれない。
Confirm Testの答え
- 答え
効率
- 答え
経験
- 答え
防いだ
- 答え
技術
- 答え
効果
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線A・Bそれぞれの場面で、「俺」はどのような思いで木の折れる音を聞いていますか。それをまとめた次の文のa〜cにあてはまることばを、文中からaは三字、b・cはそれぞれ十字以上十五字以内で書きぬきなさい。(完答)
どちらの場面でも木が折れることに a を感じているが、Aの場面では「 b 」と居ても立ってもいられない思いでいるのに対し、Bの場面では「 c 」としか思っていない。
Confirm Testの答え
- 答え
- a 哀しみ
- b 木が折れてる。どうしよう(別解 若木を雪起こししてやんなきゃ)
- c いやだなあ、また雪起こしだ(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
春が近づいてから降る雪は湿って重い。
夜、布団のなかにいても、山の木が折れる音が聞こえてくる。パキン、パキンと、呆気ないほど鋭く澄んだ音をこだまさせるんだ。
それを耳にすると、たまらない気持ちになる。いますぐ山へ飛んでいって、若木を雪起こししてやんなきゃ。そんな、居ても立ってもいられない気持ちになる。
同時に、哀しくもなってくる。だって山には、数えきれないほどの木が植林されている。俺のもたついた作業ぶりじゃ、雪の重みにひしゃげた若木をすべて起こすことなんて、何年かかったってできそうにない。
俺がしきりに寝返りを打っていると、トイレへ行くために部屋を横切るヨキは、
「なあなあ」
と必ず言う。「おまえがそわそわしたって、はじまらんわな。はよ寝え」
本当にそのとおりだ。
雪の重みで折れてしまう木が出てくることも、林業をやっていたら受け入れなければならない。すべての木が計画どおりに育つわけがない。雪で折れる木も生き物。それをAふせぐために精一杯、的確に手早く雪起こししていく人間も生き物。鳴いたり動いたりしない木もたしかに生きていて、それと長い年月かけて向きあうのがこの仕事なんだってことに、俺は神去に来て一年Bたって、ようやく気づきつつある。
でも最初は、やっぱりそれどころじゃなかった。
山から響く木の折れる音を聞いて、哀しくはなった。でもそれは、「木が折れてる。どうしよう」って哀しみじゃなくて、「いやだなあ、また雪起こしだ」という、げっそりするような哀しみだった。
とにかく①初日の一本目の木で、雪起こしに失敗したのがCきいた。
斜面を派手に転げ落ち、ヨキに盛大に笑われた俺は、すっかり萎縮してしまった。転がったさきで岩に頭でも打ちつけたら、死ぬかもしれない。足場の悪い斜面での作業がこわくてたまらず、へっぴり腰でしか縄を引けなかった。
俺にできる仕事なんかないんだ。そう思うと悔しかった。無理やりこんなとこにつれてこられて、なんで恥をかかなきゃいけないんだ。やってられねえ、と腹が立った。でも実際のところ、なにもできないことが情けなかったんだ。悔しさも腹立たしさも、情けない自分から目をそらすために生まれてきた感情だ。
山仕事で集中力が途切れたら、命にかかわる。だから、だいたい二時間ごとにちょっと休憩を取り、昼ものんびり食べる。
俺たちは斜面に座って、弁当を広げた。雪解けとともに杉の苗を植える予定の、拓けた場所だ。雪雲はまだ空を灰色に覆いつくしている。
「なあに、この季節はずれの雪も、もう終わりや」
と、巌さんは言った。「地ごしらえやら植えつけやらで、忙しくなるで」
「そやな」
と、三郎じいさんもうなずく。「雪起こしだけが山仕事やない。だから*勇気、そんなにびくつくことはないわな」
俺は黙ってうつむいていた。俺のDぎじゅつがちっとも向上しないせいで、班の作業Eこうりつは悪いままだ。だれも責めないのが、かえってつらい。なんとか、この村から逃げだせないもんかなあと、そればかり思った。でも、村から出ていく足がない。ヨキはぬかりなく、家では軽トラックのキーを隠していた。だいたい、俺は車の免許を持っていない。徒歩で神去から脱出するのは難しい。ヒッチハイクで駅までつれていってもらいたくても、村人には面が割れている。
まさに八方ふさがりの状態だった。巨大なおにぎりにかじりつくあいだにも、パキン、とどこかで木の折れる音がする。ため息が出た。
(三浦しをん『神去なあなあ日常』)
〔注〕
| 勇気 | 「俺」の名前。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。 (完答)
Lessonの答え
- 答え
A 防 B 経 C 効 D 技術 E 効率 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
春が近づいてから降る雪は湿って重い。
夜、布団のなかにいても、山の木が折れる音が聞こえてくる。パキン、パキンと、呆気ないほど鋭く澄んだ音をこだまさせるんだ。
それを耳にすると、たまらない気持ちになる。いますぐ山へ飛んでいって、若木を雪起こししてやんなきゃ。そんな、居ても立ってもいられない気持ちになる。
同時に、哀しくもなってくる。だって山には、数えきれないほどの木が植林されている。俺のもたついた作業ぶりじゃ、雪の重みにひしゃげた若木をすべて起こすことなんて、何年かかったってできそうにない。
俺がしきりに寝返りを打っていると、トイレへ行くために部屋を横切るヨキは、
「なあなあ」
と必ず言う。「おまえがそわそわしたって、はじまらんわな。はよ寝え」
本当にそのとおりだ。
雪の重みで折れてしまう木が出てくることも、林業をやっていたら受け入れなければならない。すべての木が計画どおりに育つわけがない。雪で折れる木も生き物。それを防ぐために精一杯、的確に手早く雪起こししていく人間も生き物。鳴いたり動いたりしない木もたしかに生きていて、それと長い年月かけて向きあうのがこの仕事なんだってことに、俺は神去に来て一年経って、ようやく気づきつつある。
でも最初は、やっぱりそれどころじゃなかった。
山から響く木の折れる音を聞いて、哀しくはなった。でもそれは、「木が折れてる。どうしよう」って哀しみじゃなくて、「いやだなあ、また雪起こしだ」という、げっそりするような哀しみだった。
とにかく初日の一本目の木で、雪起こしに失敗したのが効いた。
斜面を派手に転げ落ち、ヨキに盛大に笑われた俺は、すっかり萎縮してしまった。転がったさきで岩に頭でも打ちつけたら、死ぬかもしれない。足場の悪い斜面での作業がこわくてたまらず、へっぴり腰でしか縄を引けなかった。
俺にできる仕事なんかないんだ。そう思うと悔しかった。無理やりこんなとこにつれてこられて、なんで恥をかかなきゃいけないんだ。やってられねえ、と腹が立った。でも実際のところ、なにもできないことが情けなかったんだ。悔しさも腹立たしさも、情けない自分から目をそらすために生まれてきた感情だ。
山仕事で集中力が途切れたら、命にかかわる。だから、だいたい二時間ごとにちょっと休憩を取り、昼ものんびり食べる。
俺たちは斜面に座って、弁当を広げた。雪解けとともに杉の苗を植える予定の、拓けた場所だ。雪雲はまだ空を灰色に覆いつくしている。
「なあに、この季節はずれの雪も、もう終わりや」
と、巌さんは言った。「地ごしらえやら植えつけやらで、忙しくなるで」
「そやな」
と、三郎じいさんもうなずく。「雪起こしだけが山仕事やない。だから*勇気、そんなにびくつくことはないわな」
俺は黙ってうつむいていた。俺の技術がちっとも向上しないせいで、班の作業効率は悪いままだ。だれも責めないのが、かえってつらい。なんとか、この村から逃げだせないもんかなあと、そればかり思った。でも、村から出ていく足がない。ヨキはぬかりなく、家では軽トラックのキーを隠していた。だいたい、俺は車の免許を持っていない。徒歩で神去から脱出するのは難しい。ヒッチハイクで駅までつれていってもらいたくても、村人には面が割れている。
まさに①八方ふさがりの状態だった。巨大なおにぎりにかじりつくあいだにも、パキン、とどこかで木の折れる音がする。ため息が出た。
(三浦しをん『神去なあなあ日常』)
〔注〕
| 勇気 | 「俺」の名前。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
時間がたって改めて考えなおした。
こうりつのいい勉強方法を考える。
建物に水が入るのをふせぐ。
この薬ではこうかがなかった。
次の世代にぎじゅつを伝える必要がある。
Practiceの答え
- 答え
経って
- 答え
効率
- 答え
防ぐ
- 答え
効果
- 答え
技術
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「初日の一本目の木で、雪起こしに失敗した」とありますが、初日に失敗した結果の「俺」の気持ちをまとめた次の文のa・bにあてはまることばを、文中からaは三字、bは五字で書きぬきなさい。(完答)
すっかり萎縮してしまい、自分にできる仕事などないという a と同時に、無理やりこんなとこにつれてこられて、なんで恥をかかなくてはいけないんだ、という b も感じるようになった。
線①「初日の一本目の木で、雪起こしに失敗した」とありますが、⑴のような感情について、今の「俺」は本当はどのようなものだったと考えていますか。文中から十六字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
a 悔しさ b 腹立たしさ(完答)
- 答え
なにもできないことが情けなかった
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「八方ふさがりの状態だった」とありますが、「俺」がそのような状態に置かれていることを暗に表している情景描写の一文をこれより前の文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
この文章で中心にえがかれていることをまとめたものとして最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 「俺」は、神去に来て一年経ち、来た当初の自分を思い出している。
- イ 「俺」は、神去に来て一年経ち、一年の間にあったことをなつかしんでいる。
- ウ 「俺」は、神去に来て一年経ち、仕事に対する気持ちを新たにしている。
- エ 「俺」は、神去に来て一年経ち、山仕事の本質について深く考えている。
Practiceの答え
- 答え
雪雲はまだ
- 答え
ア
6章 説明文
説明文の読み方
6-1 説明文4
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
法隆寺大工の*棟梁から弟子へ、そのまた弟子へと受けつがれてきた*口伝は、自然を知りつくした、むかしの職人たちの知恵といえます。
-
たとえば「用材は木を買わず山を買え」という教えがあります。
-
同じヒノキでも、環境によって、育ち方はまったくちがってきます。地域によって、土壌もちがうし、季節ごとの気候や温度もちがいます。それが木の育ち方や、木材としての質のちがいにもなるのです。
-
だから、お堂や塔を建てるときには、あちこちの山からの木をつかうのではなく、ひとつの山に育った木をつかったほうがいい。一本一本にくせのちがいはあっても、ぜんたいとして木の力がそろっているほうがいいからです。それが「木を買わず山を買え」という言葉になっているのです。
-
「木組みは寸法で組まず木のくせで組め」という言葉もあります。
-
木は、人間と同じように、一本一本特徴というかくせがある。だから、そのくせをしっかり見てつかわないといけないという教えです。
-
同じくらいの太さをもったヒノキでも、生えている場所の風向きなどによって、右によじれようとするくせのついた木もあれば、左によじれようとするくせのついた木もある。それを無視して、右によじれる木ばかりをつかうと、建物ぜんたいが右によじれてしまいます。
-
では、よじれる木はつかえないのかというと、そんなことはありません。右によじれる木と、左によじれる木を組み合わせてつかう。そうするとおたがいのくせがかえって生きてきて、建物を強くささえることができるのだそうです。
-
また、山の中腹より上で育った木は、雨風にさらされてくせがある。くせがあるかわりに芯が強いから、柱など建物をささえるところにつかうのに適しているといいます。
-
ところが、谷で育った木は、雨風にさらされないから、くせがない。素直なかわりに弱いから、柱にはできない。木目がそろっているから、天井とか化粧板につかうといいというのです。
-
たったひとこと、ふたことの言葉のなかにも、むかしの職人たちが、自然を深く知りつくしてきたことがうかがえます。
-
法隆寺の大修理にもたずさわった、西岡常一さんという、*宮大工の棟梁は、「①千年の木なら、千年のくせがついている。そのくせを知り、くせにあったつかい方をすれば、木造建築物は、千年は充分にもつ」といっています。けれども、くせを無視してみな同じつかい方にしてしまうと、千年もつものも、もたなくなってしまうというのです。
-
法隆寺ができた飛鳥時代から受けつがれてきたこんな口伝は、自然とともに生きてきた職人たちの知恵です。木を育て、森を守り、そして山を大切にしてきた、むかしの人たちの知恵です。
-
でも、木を知りつくした職人たちの知恵や技術も、修理につかう木がないとなると、やがては消えてしまうことになります。千年以上もむかしから受けついできた口伝も生かしようがないのです。
-
これは、法隆寺だけの問題でありません。日本じゅうの由緒あるお寺や神社がかかえる大きな問題です。お寺や神社だけではありません。お城や橋など、立派な木造建築物が日本にはたくさんあります。その修理につかえる大きな木が、なくなってきているのです。
(立松和平『古事の森』)
〔注〕
| 棟梁 | 大工の親方。 |
| 口伝 | 師が学問や技芸の大切な内容を口で伝えて教えること。その教え。 |
| 宮大工 | 神社やお寺の建築や修理をせんもんにする大工。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
きょう界線をこえて友達と冒険に出かけた。
このお店は商品のしつが高い。
母は新しい仕事を見つけるために転しょく活動をする。
す顔を知らない人から手紙が届いた。
講どうでの集会では、校長先生が話された。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「口伝」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 祖母から孫へ、古い家族の物語が口伝で伝わっている。
- イ 理科の実験の説明は、生徒たちによって口伝でポスターにえがかれた。
- ウ 休校のお知らせは、校長先生から口伝で学校のウェブサイトにのせられた。
- エ 地域の祭りの日程は、村の長老から口伝で住民に伝えられる。
Confirm Testの答え
- 答え
境
- 答え
質
- 答え
職
- 答え
素
- 答え
堂
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「千年の木なら……千年は充分にもつ」とありますが、「くせにあったつかい方」をするとは木をどのようにつかうのですか。
Confirm Testの答え
- 答え
くせが生きるように組み合わせてつかう。
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で筆者が述べようとしていることをまとめた次の文のにあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。
法隆寺など木造建築物のにつかえるがなくなってきており、このままでは職人たちの受けついできた知恵や技術が生かせなくなってしまう。
Confirm Testの答え
- 答え
修理・大きな木・木を知りつくした
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
法隆寺大工の*棟梁から弟子へ、そのまた弟子へと受けつがれてきた口伝は、自然を知りつくした、むかしのAしょく人たちの知恵といえます。
-
たとえば「用材は木を買わず山を買え」という教えがあります。
-
同じヒノキでも、環Bきょうによって、育ち方はまったくちがってきます。地域によって、土壌もちがうし、季節ごとの気候や温度もちがいます。それが木の育ち方や、木材としてのCしつのちがいにもなるのです。
-
だから、おDどうや塔を建てるときには、あちこちの山からの木をつかうのではなく、ひとつの山に育った木をつかったほうがいい。一本一本にくせのちがいはあっても、ぜんたいとして木の力がそろっているほうがいいからです。それが「木を買わず山を買え」という言葉になっているのです。
-
「木組みは寸法で組まず木のくせで組め」という言葉もあります。
-
木は、人間と同じように、一本一本特徴というかくせがある。だから、そのくせをしっかり見てつかわないといけないという教えです。
-
同じくらいの太さをもったヒノキでも、生えている場所の風向きなどによって、右によじれようとするくせのついた木もあれば、左によじれようとするくせのついた木もある。それを無視して、右によじれる木ばかりをつかうと、建物ぜんたいが右によじれてしまいます。
-
では、よじれる木はつかえないのかというと、そんなことはありません。右によじれる木と、左によじれる木を組み合わせてつかう。そうするとおたがいのくせがかえって生きてきて、建物を強くささえることができるのだそうです。
-
また、山の中腹より上で育った木は、雨風にさらされてくせがある。くせがあるかわりに芯が強いから、柱など建物をささえるところにつかうのに適しているといいます。
-
ところが、谷で育った木は、雨風にさらされないから、くせがない。Eす直なかわりに弱いから、柱にはできない。木目がそろっているから、天井とか化粧板につかうといいというのです。
-
たったひとこと、ふたことの言葉のなかにも、むかしのしょく人たちが、自然を深く知りつくしてきたことがうかがえます。
-
法隆寺の大修理にもたずさわった、西岡常一さんという、*宮大工の棟梁は、「千年の木なら、千年のくせがついている。そのくせを知り、くせにあったつかい方をすれば、木造建築物は、千年は充分にもつ」といっています。けれども、くせを無視してみな同じつかい方にしてしまうと、千年もつものも、もたなくなってしまうというのです。
-
法隆寺ができた飛鳥時代から受けつがれてきたこんな口伝は、自然とともに生きてきたしょく人たちの知恵です。木を育て、森を守り、そして山を大切にしてきた、むかしの人たちの知恵です。
-
でも、木を知りつくしたしょく人たちの知恵や技術も、修理につかう木がないとなると、やがては消えてしまうことになります。千年以上もむかしから受けついできた口伝も生かしようがないのです。
-
これは、法隆寺だけの問題でありません。日本じゅうの由緒あるお寺や神社がかかえる大きな問題です。お寺や神社だけではありません。お城や橋など、立派な木造建築物が日本にはたくさんあります。その修理につかえる大きな木が、なくなってきているのです。
(立松和平『古事の森』)
〔注〕
| 棟梁 | 大工の親方。 |
| 宮大工 | 神社やお寺の建築や修理をせんもんにする大工。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「口伝」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 古い文書や記録から情報を引き出し、現代に伝えること
- イ 師が学問や技芸の大切な内容を口で伝えて教えること
- ウ 文字や記号を用いて情報を記録し、後世に伝えること
- エ 特定の地域や集団内でのみ共有され、広くは伝わらない伝承や風習
Lessonの答え
- 答え
A 職 B 境 C 質 D 堂 E 素 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
法隆寺大工の*棟梁から弟子へ、そのまた弟子へと受けつがれてきた*口伝は、自然を知りつくした、むかしの職人たちの知恵といえます。
-
たとえば①「用材は木を買わず山を買え」という教えがあります。
-
同じヒノキでも、環境によって、育ち方はまったくちがってきます。地域によって、土壌もちがうし、季節ごとの気候や温度もちがいます。それが木の育ち方や、木材としての質のちがいにもなるのです。
-
だから、お堂や塔を建てるときには、あちこちの山からの木をつかうのではなく、ひとつの山に育った木をつかったほうがいい。一本一本にくせのちがいはあっても、ぜんたいとして木の力がそろっているほうがいいからです。それが「木を買わず山を買え」という言葉になっているのです。
-
「木組みは寸法で組まず木のくせで組め」という言葉もあります。
-
木は、人間と同じように、一本一本特徴というかくせがある。だから、そのくせをしっかり見てつかわないといけないという教えです。
-
同じくらいの太さをもったヒノキでも、生えている場所の風向きなどによって、右によじれようとするくせのついた木もあれば、左によじれようとするくせのついた木もある。それを無視して、右によじれる木ばかりをつかうと、建物ぜんたいが右によじれてしまいます。
-
では、よじれる木はつかえないのかというと、そんなことはありません。右によじれる木と、左によじれる木を組み合わせてつかう。そうするとおたがいのくせがかえって生きてきて、建物を強くささえることができるのだそうです。
-
また、山の中腹より上で育った木は、雨風にさらされてくせがある。くせがあるかわりに芯が強いから、柱など建物をささえるところにつかうのに適しているといいます。
-
ところが、谷で育った木は、雨風にさらされないから、くせがない。素直なかわりに弱いから、柱にはできない。木目がそろっているから、天井とか化粧板につかうといいというのです。
-
たったひとこと、ふたことの言葉のなかにも、むかしの職人たちが、自然を深く知りつくしてきたことがうかがえます。
-
法隆寺の大修理にもたずさわった、西岡常一さんという、*宮大工の棟梁は、「千年の木なら、千年のくせがついている。そのくせを知り、くせにあったつかい方をすれば、木造建築物は、千年は充分にもつ」といっています。けれども、くせを無視してみな同じつかい方にしてしまうと、千年もつものも、もたなくなってしまうというのです。
-
法隆寺ができた飛鳥時代から受けつがれてきたこんな口伝は、自然とともに生きてきた職人たちの知恵です。木を育て、森を守り、そして山を大切にしてきた、むかしの人たちの知恵です。
-
でも、木を知りつくした職人たちの知恵や技術も、修理につかう木がないとなると、やがては消えてしまうことになります。千年以上もむかしから受けついできた口伝も生かしようがないのです。
-
これは、法隆寺だけの問題でありません。日本じゅうの由緒あるお寺や神社がかかえる大きな問題です。お寺や神社だけではありません。お城や橋など、立派な木造建築物が日本にはたくさんあります。その修理につかえる大きな木が、なくなってきているのです。
(立松和平『古事の森』)
〔注〕
| 棟梁 | 大工の親方。 |
| 口伝 | 師が学問や技芸の大切な内容を口で伝えて教えること。その教え。 |
| 宮大工 | 神社やお寺の建築や修理をせんもんにする大工。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
そのしつ問に答えられなかった。
昔の人はす晴らしい自然の中で生活していた。
学校と家のさかいには道路がある。
父は毎日、しょく場でいそがしく働く。
音楽どうで合唱コンクールが開かれる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「師が学問や技芸の大切な内容を口で伝えて教えること」を表すことばをひらがな三字で書きなさい。
茶道は先生からで学ぶものだ。
Practiceの答え
- 答え
質
- 答え
素
- 答え
境
- 答え
職
- 答え
堂
- 答え
くでん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
木と、木が育った環境の関係をまとめた次の表の〔 〕にあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
- 〈山の中腹より上〉 くせがあるかわりに芯が強い・柱など建物をささえるところ
- 〈谷〉 雨風にさらされない・化粧板
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「用材は木を買わず山を買え」という教えは、どんなことを重視しているのですか。「〜こと。」につながる十七字のことばを文中から書きぬきなさい。
こと。
Practiceの答え
- 答え
ぜんたいとして木の力がそろっている(こと。)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の段落と段落の関係を図示したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で筆者が述べようとしていることをまとめた次の文のにあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。
法隆寺など木造建築物のにつかえるがなくなってきており、このままでは職人たちの受けついできた知恵や技術が生かせなくなってしまう。
Practiceの答え
- 答え
修理・大きな木・木を知りつくした
6-2 説明文5
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
古いお寺や神社などの修理につかえるような大きな木を「大径木」といいます。法隆寺には樹齢数百年、千年以上のヒノキが多くつかわれていますが、そんな大きなヒノキは、日本にはもうないのです。
伝統的な木造建築物の木材としては、強くて美しいヒノキがつかわれています。
お寺に行って、建物の外側につきでた屋根の裏側を下から見ると、何本も太い木が並んでいるのが見えます。それが屋根をささえている「垂木」といわれる木材です。
法隆寺の解体修理のときに、屋根の瓦をとると、その垂木がもとにもどるようにはねかえったというのです。それまで何百年も重い屋根瓦を背負っていたにもかかわらず、ピンと背筋を伸ばすように、まるで生きているようにはねかえるのです。それほど、ヒノキは強く、しなやかな木なのです。
丈夫で強い木でありながら、加工がしやすいやわらかさをもっている。しかも、仏像にもつかわれるほど木の肌が美しく、香りもよい。ヒノキは建築材の王様といってもいいくらいなのです。
でも、そのヒノキがない。建築材としてつかえる大径木がない。いまの日本では、樹齢五百年以上のヒノキはほとんど伐りつくされてしまっているのです。あったとしても神社の御神木や、鎮守の森になっていたら、天然記念物に指定されていて、材として伐採できません。
二十年ほどまえにおこなわれた奈良・薬師寺の修理では、台湾から輸入したヒノキがつかわれました。でも、その台湾でも、森林保護のため、輸出が禁止されるようになりました。
ないのは、建物につかわれるヒノキだけではありません。
たとえば、法隆寺の金堂修正会には「厳祈」といわれる行があります。漆の棒で、金堂の柱とか畳をたたいてまわるのです。まわりは国宝の仏像だらけだから、ちょっと心配になるくらい、激しくたたいていくのです。その行には、伝統として漆の木が必要です。ところが、むかしからつかわれてきた漆の木が、なかなか手に入らないのです。
それから、法隆寺には「鬼追式」とか「追儺式」といわれる、鬼を追い払う儀式があります。このときつかわれる松明は、赤松の根っこの「ジンタ」といわれる部分でつくります。その「ジンタ」がとれる大径木がもうほとんどないのです。
こんな伝統行事につかう木に苦労しているのは、法隆寺だけではありません。全国の神社仏閣が、いうにいわれぬ苦労をしているはずです。これは、日本の伝統文化の危機ともいえるのです。
法隆寺の修理のひとつとっても、昭和の大修理はなんとか終えることができましたが、では、三百年後か四百年後にやってくる大修理のときはどうするのだろう? つかえる大径木のヒノキ材が日本にもない、輸入もできないとなったら、いったいどうしたら……。
そんな心配がぼくの頭のなかでもつのっていました。
あれは、金堂修正会でのお手伝いをするようになって、七年目のときです。いつものように底冷えのする金堂の片隅で、お坊さんたちといっしょに声明をとなえていて、はたと思ったのです。
「①いまから植えれば、まにあうじゃないか……四百年後につかえる木が育つじゃないか」
お祈りをしているときは、本当は無心でないといけないのです。なにも考えず、ただひたすら声明を唱えるのがお祈りなのですが、ぼくの頭のなかでは「古事の森」のイメージがどんどん広がっていたのです。
(立松和平『古事の森』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
今日は、昆虫のさい集に行く。
新しい教しには、生徒たちもすぐに慣れた。
新しい図書館は、市の計画によって建ぞうされた。
美術館には、世界中から集められたぶつぞうが展示されている。
新しいビルの建ちくが来年から始まる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「つのる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 運動会の練習で、みんなの声がつのる。
- イ 冷蔵庫を開けたら、美味しそうなにおいがつのった。
- ウ 勉強をがんばり、つのる知識でテストにいどむ。
- エ 夏休みが近づき、期待がつのってそわそわする。
Confirm Testの答え
- 答え
採
- 答え
師
- 答え
造
- 答え
仏像
- 答え
築
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「いまから植えれば、まにあう」とありますが、何にまにあうのですか。文中から十八字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
三百年後か四百年後にやってくる大修理
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の段落構成について、この文章を内容から三つに分けたとき、二つめと三つめのまとまりの内容を、次のア〜カから一つずつ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア ヒノキは建築材の王様
- イ 伝統行事の危機
- ウ つかえる木とつかえない木
- エ ヒノキの大径木がない
- オ 心にめばえた「古事の森」
- カ 暗いヒノキの未来
Confirm Testの答え
- 答え
〈二つめ〉 エ 〈三つめ〉 オ (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
古いお寺や神社などの修理につかえるような大きな木を「大径木」といいます。法隆寺には樹齢数百年、千年以上のヒノキが多くつかわれていますが、そんな大きなヒノキは、日本にはもうないのです。
伝統的な木Aぞう建Bちく物の木材としては、強くて美しいヒノキがつかわれています。
お寺に行って、建物の外側につきでた屋根の裏側を下から見ると、何本も太い木が並んでいるのが見えます。それが屋根をささえている「垂木」といわれる木材です。
法隆寺の解体修理のときに、屋根の瓦をとると、その垂木がもとにもどるようにはねかえったというのです。それまで何百年も重い屋根瓦を背負っていたにもかかわらず、ピンと背筋を伸ばすように、まるで生きているようにはねかえるのです。それほど、ヒノキは強く、しなやかな木なのです。
丈夫で強い木でありながら、加工がしやすいやわらかさをもっている。しかも、Cぶつぞうにもつかわれるほど木の肌が美しく、香りもよい。ヒノキは建ちく材の王様といってもいいくらいなのです。
でも、そのヒノキがない。建ちく材としてつかえる大径木がない。いまの日本では、樹齢五百年以上のヒノキはほとんど伐りつくされてしまっているのです。あったとしても神社の御神木や、鎮守の森になっていたら、天然記念物に指定されていて、材として伐Dさいできません。
二十年ほどまえにおこなわれた奈良・薬Eし寺の修理では、台湾から輸入したヒノキがつかわれました。でも、その台湾でも、森林保護のため、輸出が禁止されるようになりました。
①ないのは、建物につかわれるヒノキだけではありません。
たとえば、法隆寺の金堂修正会には「厳祈」といわれる行があります。漆の棒で、金堂の柱とか畳をたたいてまわるのです。まわりは国宝のぶつぞうだらけだから、ちょっと心配になるくらい、激しくたたいていくのです。その行には、伝統として漆の木が必要です。ところが、むかしからつかわれてきた漆の木が、なかなか手に入らないのです。
それから、法隆寺には「鬼追式」とか「追儺式」といわれる、鬼を追い払う儀式があります。このときつかわれる松明は、赤松の根っこの「ジンタ」といわれる部分でつくります。その「ジンタ」がとれる大径木がもうほとんどないのです。
こんな伝統行事につかう木に苦労しているのは、法隆寺だけではありません。全国の神社仏閣が、いうにいわれぬ苦労をしているはずです。これは、日本の伝統文化の危機ともいえるのです。
法隆寺の修理のひとつとっても、昭和の大修理はなんとか終えることができましたが、では、三百年後か四百年後にやってくる大修理のときはどうするのだろう? つかえる大径木のヒノキ材が日本にもない、輸入もできないとなったら、いったいどうしたら……。
そんな心配がぼくの頭のなかでもつのっていました。
あれは、金堂修正会でのお手伝いをするようになって、七年目のときです。いつものように底冷えのする金堂の片隅で、お坊さんたちといっしょに声明をとなえていて、はたと思ったのです。
「いまから植えれば、まにあうじゃないか……四百年後につかえる木が育つじゃないか」
お祈りをしているときは、本当は無心でないといけないのです。なにも考えず、ただひたすら声明を唱えるのがお祈りなのですが、ぼくの頭のなかでは「古事の森」のイメージがどんどん広がっていたのです。
(立松和平『古事の森』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「つのって」について、「つのる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 物事の状態が複雑になり、解決が困難になること
- イ 人や物が集まり、次第に多くなること
- ウ 物事が順調に進展し、発展していくこと
- エ 欲求や感情が強くなり、おさえがたくなること
Lessonの答え
- 答え
A 造 B 築 C 仏像 D 採 E 師 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
古いお寺や神社などの修理につかえるような大きな木を「大径木」といいます。法隆寺には樹齢数百年、千年以上の①ヒノキが多くつかわれていますが、そんな大きなヒノキは、日本にはもうないのです。
伝統的な木造建築物の木材としては、強くて美しいヒノキがつかわれています。
お寺に行って、建物の外側につきでた屋根の裏側を下から見ると、何本も太い木が並んでいるのが見えます。それが屋根をささえている「垂木」といわれる木材です。
法隆寺の解体修理のときに、屋根の瓦をとると、その垂木がもとにもどるようにはねかえったというのです。それまで何百年も重い屋根瓦を背負っていたにもかかわらず、ピンと背筋を伸ばすように、まるで生きているようにはねかえるのです。それほど、ヒノキは強く、しなやかな木なのです。
丈夫で強い木でありながら、加工がしやすいやわらかさをもっている。しかも、仏像にもつかわれるほど木の肌が美しく、香りもよい。ヒノキは建築材の王様といってもいいくらいなのです。
でも、そのヒノキがない。建築材としてつかえる大径木がない。いまの日本では、樹齢五百年以上のヒノキはほとんど伐りつくされてしまっているのです。あったとしても神社の御神木や、鎮守の森になっていたら、天然記念物に指定されていて、材として伐採できません。
二十年ほどまえにおこなわれた奈良・薬師寺の修理では、台湾から輸入したヒノキがつかわれました。でも、その台湾でも、森林保護のため、輸出が禁止されるようになりました。
ないのは、建物につかわれるヒノキだけではありません。
たとえば、法隆寺の金堂修正会には「厳祈」といわれる行があります。漆の棒で、金堂の柱とか畳をたたいてまわるのです。まわりは国宝の仏像だらけだから、ちょっと心配になるくらい、激しくたたいていくのです。その行には、伝統として漆の木が必要です。ところが、むかしからつかわれてきた漆の木が、なかなか手に入らないのです。
それから、法隆寺には「鬼追式」とか「追儺式」といわれる、鬼を追い払う儀式があります。このときつかわれる松明は、赤松の根っこの「ジンタ」といわれる部分でつくります。その「ジンタ」がとれる大径木がもうほとんどないのです。
こんな伝統行事につかう木に苦労しているのは、法隆寺だけではありません。全国の神社仏閣が、いうにいわれぬ苦労をしているはずです。これは、日本の伝統文化の危機ともいえるのです。
法隆寺の修理のひとつとっても、昭和の大修理はなんとか終えることができましたが、では、三百年後か四百年後にやってくる大修理のときはどうするのだろう? つかえる大径木のヒノキ材が日本にもない、輸入もできないとなったら、いったいどうしたら……。
そんな心配がぼくの頭のなかでもつのっていました。
あれは、金堂修正会でのお手伝いをするようになって、七年目のときです。いつものように底冷えのする金堂の片隅で、お坊さんたちといっしょに声明をとなえていて、はたと思ったのです。
「いまから植えれば、まにあうじゃないか……四百年後につかえる木が育つじゃないか」
お祈りをしているときは、本当は無心でないといけないのです。なにも考えず、ただひたすら声明を唱えるのがお祈りなのですが、ぼくの頭のなかでは「古事の森」のイメージがどんどん広がっていたのです。
(立松和平『古事の森』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
有名な法しからお話を聞く機会があった。
家族で京都に旅行したとき、様々なぶつぞうを見た。
秋には山でキノコをとる。
地域の公園には、子どもたちが遊べる構ぞうの遊具がたくさんある。
子どもたちは海辺で砂の城をきずいた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「欲求や感情が強くなり、おさえがたくなること」を表すことばをひらがな三字で書きなさい。
彼女に再び会いたいという思いが。
Practiceの答え
- 答え
師
- 答え
仏像
- 答え
採る
- 答え
造
- 答え
築いた
- 答え
つのる
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ないのは……ヒノキだけではありません」とありますが、ほかにたとえば何がないのですか。次のにあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。(完答)
- ・ 「厳祈」で伝統的に使われてきた。
- ・ がとれる赤松の大径木。
Lessonの答え
- 答え
漆の木・ジンタ (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ヒノキ」の建築材としての長所として文中で挙げられていることを次のア〜クからすべて選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 手に入りやすいこと。
- イ 美しいこと。
- ウ 加工しやすいこと。
- エ 安いこと。
- オ 強いこと。
- カ 燃えにくいこと。
- キ 香りがよいこと。
- ク ゆがみにくいこと。
Practiceの答え
- 答え
イ・ウ・オ・キ (順不同・完答)
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の段落構成について、この文章を内容から三つに分けるとすると、二つめと三つめはどこから始まりますか。それぞれ初めの七字を書きぬきなさい。(完答)
- 二つめ
- 三つめ
Lessonの答え
- 答え
〈二つめ〉 でも、そのヒノ 〈三つめ〉 法隆寺の修理の (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の段落構成について、この文章を内容から三つに分けたとき、一つめのまとまりの内容を次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ヒノキは建築材の王様
- イ 伝統行事の危機
- ウ つかえる木とつかえない木
- エ ヒノキの大径木がない
- オ 心にめばえた「古事の森」
- カ 暗いヒノキの未来
Practiceの答え
- 答え
ア
6-3 説明文6
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
最初に「古事の森」の話を*西堀さんにしたのは、二〇〇一年の十月ころです。その三か月後には、候補地として京都の鞍馬山国有林が決まり、二〇〇二年の春には、植林することになった。まさにトントン拍子でした。
-
いい森をつくりたい。未来にたいせつな森を残していきたい。その思いは林野庁の人たちも同じだったのです。
-
古いお寺や神社のなかには、もともと、自分で山林をもっているところもあります。伊勢神宮は、二十年に一度、「遷宮」といって、社殿を新築してご神体をうつします。そのために必要なヒノキの森は、伊勢神宮が自ら育て、守っています。でも、全国のすべてのお寺や神社が、山林をもてるわけではありません。
-
それに、「適地適木」といって、その木が育つのにふさわしい土地があります。
-
法隆寺も、裏山に植林はしています。けれども、土地の性質からいって、どんなに育っても九十年ほどだそうです。法隆寺の大修理につかえるような、樹齢数百年以上のヒノキは、そこでは育たないのです。
-
四百年もヒノキを育てるとしたら、やはり、国有林がいいということになります。民有林にはどうしても個人の事情が生じやすい。日本には七六〇万ヘクタールもの国有林があるのです。全部あわせたら国土の二割にもなります。
-
日本中にある国有林のなかから、その木にあった山を探すことができます。四百年のあいだ、「不伐の森」にすることも、国が太鼓判をおしてくれるというわけです。
-
木を苗木から育てるには、いろいろな手入れもしなければなりません。
-
根にじゅうぶんな栄養をいきわたらせるために、まわりの雑草などを刈る「下刈り」をしなければなりません。夏の暑い時期にやる作業です。
-
樹齢が十年をすぎるころになると、下のほうの枝を切る「枝打ち」もしなければなりません。余分な枝を切ると、木材としてつかうときの材質がよくなるのです。ヒノキは十年おきに二、三回くりかえされます。
-
木がもっと大きくなると、となりどうしの木のあいだがきゅうくつになってきます。そのままにしておくと、枝と枝が重なりあって、うまく成長できない木がでてきます。
-
日差しが地面にあたらなくなるので、暗く、草もはえてきません。そうなると、森が荒れてしまうのです。それを防ぐためにおこなうのが「間伐」です。伐ってもいい木を選んで本数を減らすのです。
-
苗木を元気に大きく育て、建築材として立派な柱にもつかえるようにするためには、①植えたあとの管理もたいせつな仕事なのです。その管理を四百年ものあいだ、きちんとやっていくには、民間の人たちがもっている民有林より、やはり国有林がいいにちがいありません。
-
代々受けつがれてきた木造建築物と、その建物のなかではぐくまれてきた精神や思想。それを、さらにつぎの世代の日本人に伝えるために、「四百年不伐の森」として育てていく。この「古事の森」の話に賛成してくれた二百人ちかい人たちが、京都の鞍馬山での植樹に、朝早くから集まってくれたというわけです。
(立松和平『古事の森』)
注
- 西堀さん
- 筆者の友人で、国有林(=国が保護・管理する森林)を管理する林野庁の役人。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
今日の実験で使う試験管は、新しいものを十こ用意してください。
図書館でざっ誌を読んで、色々な情報を得た。
鳥が木のえだにとまって、さえずっている。
戦国時代には多くの大名が異なるせい力を持っていた。
彼はいつも時間によ裕を持って行動する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「太鼓判をおす」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友達の新しい髪型を見て、太鼓判をおす。
- イ レストランの新しいメニューを試食して、そのおいしさに太鼓判をおす。
- ウ 難しい算数の問題を解き、答えが合っていることに太鼓判をおす。
- エ テストの結果が返却され、太鼓判をおして、百点を取ったことを確認する。
Confirm Testの答え
- 答え
個
- 答え
雑
- 答え
枝
- 答え
勢
- 答え
余
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「植えたあとの管理」に必要な、次のA〜Cのことがらの説明としてもっともよいものを、あとのア〜ウから一つずつ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- A 枝打ち
- B 間伐
- C 下刈り
- ア 下のほうの余分な枝を切る。
- イ まわりの雑草などを刈る。
- ウ 木のあいだがきゅうくつになってきたときに、数を減らす。
Confirm Testの答え
- 答え
A ア B ウ C イ (完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
次のア〜エは、どの段落の要点をまとめたものですか。それぞれ段落番号で答えなさい。(完答)
- ア トントン拍子に進んだ「古事の森」。
- イ すべての寺社が伊勢神宮のように自分で山林をもてるわけではない。
- ウ 歴史ある木造建築物とその精神をつぎの世代に伝えるための「古事の森」。
- エ 木には、育つのにふさわしい土地がある。
Confirm Testの答え
- 答え
ア 1 イ 3 ウ 14 エ 4 (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
最初に「古事の森」の話を*西堀さんにしたのは、二〇〇一年の十月ころです。その三か月後には、候補地として京都の鞍馬山国有林が決まり、二〇〇二年の春には、植林することになった。まさにトントン拍子でした。
-
いい森をつくりたい。未来にたいせつな森を残していきたい。その思いは林野庁の人たちも同じだったのです。
-
古いお寺や神社のなかには、もともと、自分で山林をもっているところもあります。伊Aせ神宮は、二十年に一度、「遷宮」といって、社殿を新築してご神体をうつします。そのために必要なヒノキの森は、伊せ神宮が自ら育て、守っています。でも、全国のすべてのお寺や神社が、山林をもてるわけではありません。
-
それに、「適地適木」といって、その木が育つのにふさわしい土地があります。
-
法隆寺も、裏山に植林はしています。けれども、土地の性質からいって、どんなに育っても九十年ほどだそうです。法隆寺の大修理につかえるような、樹齢数百年以上のヒノキは、そこでは育たないのです。
-
四百年もヒノキを育てるとしたら、やはり、国有林がいいということになります。民有林にはどうしてもBこ人の事情が生じやすい。日本には七六〇万ヘクタールもの国有林があるのです。全部あわせたら国土の二割にもなります。
-
日本中にある国有林のなかから、その木にあった山を探すことができます。四百年のあいだ、「不伐の森」にすることも、国が太鼓判をおしてくれるというわけです。
-
木を苗木から育てるには、いろいろな手入れもしなければなりません。
-
根にじゅうぶんな栄養をいきわたらせるために、まわりのCざっ草などを刈る「下刈り」をしなければなりません。夏の暑い時期にやる作業です。
-
樹齢が十年をすぎるころになると、下のほうのDえだを切る「えだ打ち」もしなければなりません。Eよ分なえだを切ると、木材としてつかうときの材質がよくなるのです。ヒノキは十年おきに二、三回くりかえされます。
-
木がもっと大きくなると、となりどうしの木のあいだがきゅうくつになってきます。そのままにしておくと、えだとえだが重なりあって、うまく成長できない木がでてきます。
-
日差しが地面にあたらなくなるので、暗く、草もはえてきません。そうなると、森が荒れてしまうのです。それを防ぐためにおこなうのが「間伐」です。伐ってもいい木を選んで本数を減らすのです。
-
苗木を元気に大きく育て、建築材として立派な柱にもつかえるようにするためには、植えたあとの管理もたいせつな仕事なのです。その管理を四百年ものあいだ、きちんとやっていくには、民間の人たちがもっている民有林より、やはり国有林がいいにちがいありません。
-
代々受けつがれてきた木造建築物と、その建物のなかではぐくまれてきた精神や思想。それを、さらにつぎの世代の日本人に伝えるために、「四百年不伐の森」として育てていく。この「古事の森」の話に賛成してくれた二百人ちかい人たちが、京都の①鞍馬山での植樹に、朝早くから集まってくれたというわけです。
(立松和平『古事の森』)
注
- 西堀さん
- 筆者の友人で、国有林(=国が保護・管理する森林)を管理する林野庁の役人。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「太鼓判をおして」について、「太鼓判をおす」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 強く否定すること
- イ 強く認める、または保証すること
- ウ 非常に速く行動すること
- エ 大きなさわぎを起こすこと
Lessonの答え
- 答え
A 勢 B 個 C 雑 D 枝 E 余 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
最初に「古事の森」の話を*西堀さんにしたのは、二〇〇一年の十月ころです。その三か月後には、候補地として京都の鞍馬山国有林が決まり、二〇〇二年の春には、植林することになった。まさにトントン拍子でした。
-
いい森をつくりたい。未来にたいせつな森を残していきたい。その思いは林野庁の人たちも同じだったのです。
-
古いお寺や神社のなかには、もともと、自分で山林をもっているところもあります。伊勢神宮は、二十年に一度、「遷宮」といって、社殿を新築してご神体をうつします。そのために必要なヒノキの森は、伊勢神宮が自ら育て、守っています。でも、全国のすべてのお寺や神社が、山林をもてるわけではありません。
-
それに、「適地適木」といって、その木が育つのにふさわしい土地があります。
-
法隆寺も、裏山に植林はしています。けれども、土地の性質からいって、どんなに育っても九十年ほどだそうです。法隆寺の大修理につかえるような、樹齢数百年以上のヒノキは、そこでは育たないのです。
-
四百年もヒノキを育てるとしたら、やはり、①国有林がいいということになります。②民有林にはどうしても個人の事情が生じやすい。日本には七六〇万ヘクタールもの国有林があるのです。全部あわせたら国土の二割にもなります。
-
日本中にある国有林のなかから、その木にあった山を探すことができます。四百年のあいだ、「不伐の森」にすることも、国が太鼓判をおしてくれるというわけです。
-
木を苗木から育てるには、いろいろな手入れもしなければなりません。
-
根にじゅうぶんな栄養をいきわたらせるために、まわりの雑草などを刈る「下刈り」をしなければなりません。夏の暑い時期にやる作業です。
-
樹齢が十年をすぎるころになると、下のほうの枝を切る「枝打ち」もしなければなりません。余分な枝を切ると、木材としてつかうときの材質がよくなるのです。ヒノキは十年おきに二、三回くりかえされます。
-
木がもっと大きくなると、となりどうしの木のあいだがきゅうくつになってきます。そのままにしておくと、枝と枝が重なりあって、うまく成長できない木がでてきます。
-
日差しが地面にあたらなくなるので、暗く、草もはえてきません。そうなると、森が荒れてしまうのです。それを防ぐためにおこなうのが「間伐」です。伐ってもいい木を選んで本数を減らすのです。
-
苗木を元気に大きく育て、建築材として立派な柱にもつかえるようにするためには、植えたあとの管理もたいせつな仕事なのです。その管理を四百年ものあいだ、きちんとやっていくには、民間の人たちがもっている民有林より、やはり国有林がいいにちがいありません。
-
代々受けつがれてきた木造建築物と、その建物のなかではぐくまれてきた精神や思想。それを、さらにつぎの世代の日本人に伝えるために、「四百年不伐の森」として育てていく。この「古事の森」の話に賛成してくれた二百人ちかい人たちが、京都の鞍馬山での植樹に、朝早くから集まってくれたというわけです。
(立松和平『古事の森』)
注
- 西堀さん
- 筆者の友人で、国有林(=国が保護・管理する森林)を管理する林野庁の役人。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
市場で売られている野菜は、ざつに並べられていた。
彼はいきおいよく走り出し、すぐに先頭に立った。
アンケート調査で、こ別の意見が多く寄せられた。
風が強い日は、道に木のえだが落ちてくることがある。
つくったおにぎりがあまったので、妹にあげた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「強く認める、または保証すること」を表すことばをひらがな八字で書きなさい。
彼の技術には、社長もほどだ。
Practiceの答え
- 答え
雑
- 答え
勢い
- 答え
個
- 答え
枝
- 答え
余った
- 答え
たいこばんをおす
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「鞍馬山での植樹」とありますが、古事の森をつくる場所として鞍馬山が選ばれたのは、どんな条件に合っていたからですか。その条件の内容を、「ヒノキ」ということばを使って十八字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
ヒノキが四百年育つ土地であること。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
次のア〜ウは、線①「国有林」と②「民有林」のどちらにあてはまりますか。それぞれ番号で答えなさい。(完答)
- ア ある木に対する適地を探しやすい。
- イ 個人の事情に左右されやすい。
- ウ 長い期間の管理がしやすい。
Practiceの答え
- 答え
ア ① イ ② ウ ① (完答)
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の組み立てを図示したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
次のア〜エは、どの段落の要点をまとめたものですか。それぞれ段落番号で答えなさい。(完答)
- ア 植林のあと管理していくにも、国有林のほうがよい。
- イ いい森をつくりたいという思いは林野庁の人も同じ。
- ウ 法隆寺の裏山では、ヒノキは九十年ほどしか育たない。
- エ 木が成長して枝が重なりあうと、うまく成長できなくなる。
Practiceの答え
- 答え
ア 13 イ 2 ウ 5 エ 11 (完答)
7章 文法
ことわざ・慣用句
7-1 ことわざ
Confirm Test
次のことわざの( )にあてはまることばを書きなさい。
おぼれる者は( )をもつかむ
善は( )
( )ものにはふたをする
石の上にも( )
花より( )
Confirm Testの答え
- 答え
わら
- 答え
急げ
- 答え
くさい
- 答え
三年
- 答え
団子
Confirm Test
次のことわざについて、( )の指示にあてはまることわざを答えなさい。
念には念を入れよ(同じ意味のことわざ)
あとは野となれ山となれ(反対の意味のことわざ)
Confirm Testの答え
- 答え
石橋をたたいてわたる
- 答え
たつ鳥あとをにごさず
Point
Lesson
Lesson
次のことわざの( )にあてはまることばを書きなさい。
雨降って地( )
縁の下の( )
三人よれば( )の知恵
( )からこま
身から出た( )
Lessonの答え
- 答え
固まる
- 答え
力持ち
- 答え
もんじゅ
- 答え
ひょうたん
- 答え
さび
Practice
次のことわざの( )にあてはまることばを書きなさい。
能ある( )はつめをかくす
( )のせいくらべ
悪事( )を走る
急がば( )
( )の耳に念仏
Practiceの答え
- 答え
たか
- 答え
どんぐり
- 答え
千里
- 答え
回れ
- 答え
馬
Point
Lesson
Lesson
次のことわざについて、( )の指示にあてはまることわざを答えなさい。
のれんに腕押し(同じ意味のことわざ)
わたる世間に鬼はない(反対の意味のことわざ)
Lessonの答え
- 答え
ぬかにくぎ
- 答え
人を見たらどろぼうと思え
Practice
次のことわざについて、( )の指示にあてはまることわざを答えなさい。
弘法も筆のあやまり(同じ意味のことわざ)
うりのつるになすびはならぬ(反対の意味のことわざ)
Practiceの答え
- 答え
かっぱの川流れ(さるも木から落ちる)
- 答え
とんびがたかを生む
7-2 慣用句
Confirm Test
次の意味を表す慣用句となるように、( )にあてはまることばを答えなさい。
- (意味) やたらと人にしゃべらない。
- → 口が( )
- (意味) とても楽しみにして待つ。
- → ( )を長くする
- (意味) 進んで人のめんどうをみる。
- → ( )を焼く
- (意味) 自分の実力をはるかにこえていて、とても取りくめない。
- → ( )が立たない
- (意味) 注意して聞く。熱心に聞く。
- → 耳を( )
Confirm Testの答え
- 答え
かたい
- 答え
首
- 答え
世話
- 答え
歯
- 答え
かたむける
Point
Lesson
Lesson
次の意味を表す慣用句となるように、( )にあてはまることばを答えなさい。
- (意味) 気が合う。
- → ( )が合う
- (意味) 機嫌をそこねて意固地になる。すねる。
- → ( )を曲げる
- (意味) たいそう好きである。
- → ( )がない
- (意味) 世間に知られるようになる
- → ( )の( )を見る
- (意味) かんたんである。
- → ( )はない
Lessonの答え
- 答え
馬
- 答え
へそ
- 答え
目
- 答え
日、目(完答)
- 答え
わけ
Practice
次の意味を表す慣用句となるように、( )にあてはまることばを答えなさい。
- (意味) うまくいかないことがあって、なやむ。
- → ( )がいたい
- (意味) とても相手にかなわないと認めること。
- → かぶとを( )
- (意味) 得意である。じまんである。
- → 鼻が( )
- (意味) ふかく感じる。心の底から思うようになる。
- → 身に( )
- (意味) 注意して聞く。熱心に聞く。
- → 耳を( )
Practiceの答え
- 答え
頭
- 答え
ぬぐ
- 答え
高い
- 答え
しみる
- 答え
かたむける
8章 物語文
物語文の読み方
8-1 物語文6
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
家にも学校にも居場所がないと感じていた壮太は、テレビで知った「山村留学センター」へ行くことを決意し、そこで暮らし始めた。夏休みを自宅で過ごしたあと、キャンプに参加するため、センターへ向かった。
キャンプ集合地であるセンターへは夜勤明けだった父さんが送ってくれた。眠いのだろう、父さんは一分おきにあくびをした。居眠り運転するんじゃないかとひやひやした。母さんと*まりっぺがいないと、車内は静かだ。父さんがあくびをするたび、ぼくは必死で話題を探した。「父さんの小さいころって、ウルトラマンもういた?」「サイのつのって、ただのいぼなんだって」。
父さんからは、「おー、いたぞ」とか、「ふーん」とか気のない返事しか返ってこなかったけど、それでも少しは眠気覚ましになったはずだ。
いよいよ空高へと続く山道に差しかかると、ぼくの心臓がどくどくし始めた。あとひとつ、あとひとつトンネルをぬけると、みんなに会える。気持ちがはやる。センターの赤い八角形の屋根がカーブした道の先にのぞいたとたん、①ぼくは後部座席から身を乗り出していた。あ、開くんだ! 沙也も雄大もたくともみんないる!
「壮くーん」
センターの砂利道に車が入ったとたん、たくとが走り寄ってきた。「おかえりー」と車がバックする間もつきまとうから危なくてしょうがない。もしかして、ずっとぼくの到着を待っていたのか?
「②ただいま」
久しぶりに会うと、なんだか照れくさい。ぼくは窓から顔をつっこみそうなほど寄ってくるたくとに、そっけなく答えた。ぼくを降ろすと、父さんは車をUターンさせてすぐに帰っていった。たくとがぼくのお腹に抱きついてきた。
みんな少し色が白くなっていた。夏休み前はあんなに真っ黒だったのに。特に沙也。
「きゃー、スイカの赤ちゃんがなってる! すごーい」
ゆりたちと一緒に畑のスイカに*嬌声をあげる沙也がまぶしく見えた。ちぇ、また背が伸びてる。クラスで三人の四年生のうちダントツに背が高いのが沙也で、その次がぼく。一番小さいのが坂本真くんだ。この順位は当分ひっくり返りそうにない。
「おーい。みんなで手分けして荷物を積みこめよぉ」
センター前に停まった小型バスの運転席から飛び降りたセンター長が叫んでいる。バスの横腹には「空高町立老人ケアセンター」と書かれていた。そっか、デイケアのバスを借りてきたんだ。
「だっさぁ。ださすぎ!」
雄大がずっこけた。
重いテントや*飯ごうや鍋なんかをみんなで協力して積みこむうちに、ぎこちなさは消えた。
「そっち、しっかり持てよ」「持ってるし」。雄大とたくとはさっそくけんかを始めている。
目的地は、車で四十分ほど走ったところにあるキャンプ場だ。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
注
- まりっぺ
- 壮太の妹。
- 嬌声
- 女の子っぽい声。
- 飯ごう
- 底が深くてふたのある、携帯用の炊飯具。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
春になると、庭に鳥がよってきて、鳴き声がにぎやかになる。
ひさしぶりに友人と会い、昔話に花を咲かせた。
科学の授業で、火山の模けいを作って、噴火の仕組みを学んだ。
大雨でバスの運行がてい止した。
夏休みに海外へりゅう学することになった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「そっけない」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 先生に質問したのに、そっけない返事しか返ってこなかった。
- イ テストの結果が返され、そっけない点数に落ちこんだ。
- ウ 今日はそっけない天気で、気分が晴れない。
- エ 初めて会った人なのに、彼はそっけない笑顔であいさつしてくれた。
Confirm Testの答え
- 答え
寄って
- 答え
久しぶり
- 答え
型
- 答え
停
- 答え
留
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①を表すことばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 怒り
- イ いらだち
- ウ あせり
- エ 期待
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ただいま」といったときの壮太の様子として、もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 照れくさいので、もじもじと恥ずかしそうに答えた。
- イ 照れくさいので、わざとやさしいふりをして答えた。
- ウ 照れかくしをするため、明るく元気な感じで答えた。
- エ 照れかくしをするため、わざと冷たい感じで答えた。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
家にも学校にも居場所がないと感じていた壮太は、テレビで知った「山村Aりゅう学センター」へ行くことを決意し、そこで暮らし始めた。夏休みを自宅で過ごしたあと、キャンプに参加するため、センターへ向かった。
キャンプ集合地であるセンターへは夜勤明けだった父さんが送ってくれた。眠いのだろう、父さんは一分おきにあくびをした。居眠り運転するんじゃないかと した。母さんと*まりっぺがいないと、車内は静かだ。父さんがあくびをするたび、ぼくは必死で話題を探した。「父さんの小さいころって、ウルトラマンもういた?」「サイのつのって、ただのいぼなんだって」。
父さんからは、「おー、いたぞ」とか、「ふーん」とか気のない返事しか返ってこなかったけど、それでも少しは眠気覚ましになったはずだ。
いよいよ空高へと続く山道に差しかかると、ぼくの心臓がどくどくし始めた。あとひとつ、あとひとつトンネルをぬけると、みんなに会える。気持ちがはやる。センターの赤い八角形の屋根がカーブした道の先にのぞいたとたん、ぼくは後部座席から身を乗り出していた。あ、開くんだ! 沙也も雄大もたくともみんないる!
「壮くーん」
センターの砂利道に車が入ったとたん、たくとが走りBよってきた。「おかえりー」と車がバックする間もつきまとうから危なくてしょうがない。もしかして、ずっとぼくの到着を待っていたのか?
「ただいま」
Cひさしぶりに会うと、なんだか照れくさい。ぼくは①窓から顔をつっこみそうなほどよってくるたくとに、そっけなく答えた。ぼくを降ろすと、父さんは車をUターンさせてすぐに帰っていった。②たくとがぼくのお腹に抱きついてきた。
みんな少し色が白くなっていた。夏休み前はあんなに真っ黒だったのに。特に沙也。
「きゃー、スイカの赤ちゃんがなってる! すごーい」
ゆりたちと一緒に畑のスイカに*嬌声をあげる沙也がまぶしく見えた。ちぇ、また背が伸びてる。クラスで三人の四年生のうちダントツに背が高いのが沙也で、その次がぼく。一番小さいのが坂本真くんだ。この順位は当分ひっくり返りそうにない。
「おーい。みんなで手分けして荷物を積みこめよぉ」
センター前にDとまった小Eがたバスの運転席から飛び降りたセンター長が叫んでいる。バスの横腹には「空高町立老人ケアセンター」と書かれていた。そっか、デイケアのバスを借りてきたんだ。
「だっさぁ。ださすぎ!」
雄大がずっこけた。
重いテントや*飯ごうや鍋なんかをみんなで協力して積みこむうちに、ぎこちなさは消えた。
「そっち、しっかり持てよ」「持ってるし」。雄大とたくとはさっそくけんかを始めている。
目的地は、車で四十分ほど走ったところにあるキャンプ場だ。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
注
- まりっぺ
- 壮太の妹。
- 嬌声
- 女の子っぽい声。
- 飯ごう
- 底が深くてふたのある、携帯用の炊飯具。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「そっけなく」について、「そっけない」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 他人に対して心を開いて、親しみやすい様子
- イ 人の気持ちを細かく気にかけ、優しく対応する心づかい
- ウ 人と話す時、感情をあまり表さず、距離を感じさせる態度
- エ 感情の起伏が少なく、いつもおだやかで落ち着いている様子
Lessonの答え
- 答え
A 留 B 寄 C 久 D 停 E 型 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
家にも学校にも居場所がないと感じていた壮太は、テレビで知った「山村留学センター」へ行くことを決意し、そこで暮らし始めた。夏休みを自宅で過ごしたあと、キャンプに参加するため、センターへ向かった。
キャンプ集合地であるセンターへは夜勤明けだった父さんが送ってくれた。眠いのだろう、父さんは一分おきにあくびをした。居眠り運転するんじゃないかとひやひやした。母さんと*まりっぺがいないと、車内は静かだ。父さんがあくびをするたび、ぼくは必死で話題を探した。「父さんの小さいころって、ウルトラマンもういた?」「サイのつのって、ただのいぼなんだって」。
父さんからは、「おー、いたぞ」とか、「ふーん」とか気のない返事しか返ってこなかったけど、それでも少しは眠気覚ましになったはずだ。
いよいよ空高へと続く山道に差しかかると、①ぼくの心臓が し始めた。あとひとつ、あとひとつトンネルをぬけると、みんなに会える。気持ちがはやる。センターの赤い八角形の屋根がカーブした道の先にのぞいたとたん、ぼくは後部座席から身を乗り出していた。あ、開くんだ! 沙也も雄大もたくともみんないる!
「壮くーん」
センターの砂利道に車が入ったとたん、たくとが走り寄ってきた。「おかえりー」と車がバックする間もつきまとうから危なくてしょうがない。もしかして、ずっとぼくの到着を待っていたのか?
「ただいま」
久しぶりに会うと、なんだか照れくさい。ぼくは窓から顔をつっこみそうなほど寄ってくるたくとに、そっけなく答えた。ぼくを降ろすと、父さんは車をUターンさせてすぐに帰っていった。たくとがぼくのお腹に抱きついてきた。
みんな少し色が白くなっていた。夏休み前はあんなに真っ黒だったのに。特に沙也。
「きゃー、スイカの赤ちゃんがなってる! すごーい」
ゆりたちと一緒に畑のスイカに*嬌声をあげる沙也がまぶしく見えた。ちぇ、また背が伸びてる。クラスで三人の四年生のうちダントツに背が高いのが沙也で、その次がぼく。一番小さいのが坂本真くんだ。この順位は当分ひっくり返りそうにない。
「おーい。みんなで手分けして荷物を積みこめよぉ」
センター前に停まった小型バスの運転席から飛び降りたセンター長が叫んでいる。バスの横腹には「空高町立老人ケアセンター」と書かれていた。そっか、デイケアのバスを借りてきたんだ。
「だっさぁ。ださすぎ!」
雄大がずっこけた。
重いテントや*飯ごうや鍋なんかをみんなで協力して積みこむうちに、ぎこちなさは消えた。
「そっち、しっかり持てよ」「持ってるし」。雄大とたくとはさっそくけんかを始めている。
目的地は、車で四十分ほど走ったところにあるキャンプ場だ。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
注
- まりっぺ
- 壮太の妹。
- 嬌声
- 女の子っぽい声。
- 飯ごう
- 底が深くてふたのある、携帯用の炊飯具。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
学校の図書館には、ひさしく読まれていない本が多くある。
この列車は東京から京都の間で三つの駅にてい車する。
学校の図書館に新しい本がき付された。
彼女はクッキーのかたを取ることが得意だ。
雨が降り始めたので、家の中にとどまることにした。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、に当てはまる「人と話す時、感情をあまり表さず、距離を感じさせる態度」を表すことばを五字で書きなさい。
兄の返事はいつもので、何を考えているのかわからない。
Practiceの答え
- 答え
久しく
- 答え
停
- 答え
寄
- 答え
型
- 答え
留まる
- 答え
そっけない
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ひやひや
- イ そわそわ
- ウ わくわく
- エ いらいら
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア もやもや
- イ どくどく
- ウ ちくちく
- エ びくびく
Practiceの答え
- 答え
イ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①、②の「たくと」の行動から、「たくと」のどんな気持ちがわかりますか。「到着」ということばを使って、十五字以上二十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
壮太の到着がうれしくてしかたない気持ち。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ぼくの心臓が し始めた」について、このときの心情としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア センターのみんなに会うことは緊張する。
- イ センターへ一人きりでもどるのは不安だ。
- ウ センターのみんなに一刻も早く会いたい。
- エ センターへ何とか無事に着けてうれしい。
線①「ぼくの心臓が し始めた」について、このときの気持ちが壮太の行動に表れている部分を文中から一文でさがし、その初めの六字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
ウ
- 答え
センターの赤
8-2 物語文7
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日が落ちるのを待って、肝試しが始まった。山の中にある神社の、賽銭箱に貼り付けてあるセンター長が作ったお札を取ってくるというものだった。
枯れ葉を踏む音が大きくなって、山から開くんが飛び出してきた。
「取ったぞ!」
まるで金メダルみたいにみんなの前にお札をかざした。開くんの体からはプンッと汗と山の匂いがたち上った。
「おー、さすが六年生やなあ。よしっ、次はだれが行くんや」
松つぁんの問いかけに、
「はいっ!」
①ぼくはまっすぐ腕を突き上げた。どうせ行くんだ。だったら早いほうがいい。ぐずぐずしてたらよけいにこわくなる。ぎゅっ。両腕にすがっている雄大とたくとの手に力がこもった。頼りにされてると思うと、武者ぶるいが出る。
「よしっ。じゃ、行ってこい」
センター長がぽんとぼくの肩をたたいた。
【団子状態のぼくたちは、こわごわ山道に足を踏み入れた。懐中電灯は雄大が持っている一本きりだ。そいつを右へ左へ忙しく動かすから肝心の足元が暗くて見えない。おまけに浮かび上がる木のシルエットがガイコツみたいでこわかった。
「やめえや。足元照らせ」
声を上ずらせたとたん、
「ホーッ」
山に大きな鳥の声がこだました。ビクリとぼくたちの足がとまる。
「壮くん、歌を歌いながら行こう。『あるう日、森の中、松つぁんにでああったぁー』」
たくとが拾った枝をふりまわしながら「松つぁんの歌」を歌い出した。ぼくと雄大も続いた。
『松つぁんが、言うことにゃあー、頭がー、寒いからー、ヅラをくださいなー、ヅラをくださいなー』
歌ってるうちに森の暗さも気にならなくなってきた。頭に浮かぶのは、「こら、おかしな歌、歌うな」という松つぁんの怒った顔。雄大の持つ懐中電灯の明かりも楽しそうなリズムを刻んでいる。大声を張り上げながら進むぼくらの目に、苔むして傾きかけた木の鳥居がぼんやり浮かんで見えた。】
「……着いた」
三人一緒におそるおそる足を踏み入れる。ザクッと砂利が鳴った。
「壮くん、こわい」
たくとが足をすくませる。
「②だ、大丈夫だよ。開くんも行ったんだから」
そう言うぼくの声もふるえていた。
バサバサバサ。すぐ近くの木の枝から大きな鳥が飛びたった。
「こわいよお」
雄大が取り落とした懐中電灯を急いで拾った。
月が出ていた。まんじゅうをまっぷたつに割ったような半月だ。暗い森を背景にうすぼんやりと神社が浮き上がっていた。目をこらすと拝殿の真ん中あたりでなにか白いものが風にゆれている。
「お札だ!」
言うと同時に、ぼくらは砂利を蹴って駆け出した。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
今日はクラスでだん体行動をしましょう。
大きなテントをはって、運動会の準備をする。
父は最後まで仕事をつづけた。
服をし着して、サイズを確認する。
犬に名前をつけて、呼びかける。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「武者ぶるい」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア こわい話を聞いて、武者ぶるいした。
- イ 運動会の徒競走で、緊張して武者ぶるいする。
- ウ 寒い冬空の下、武者ぶるいしながらふるえている。
- エ 感動して武者ぶるいが止まらない。
Confirm Testの答え
- 答え
団
- 答え
張って
- 答え
続けた
- 答え
試
- 答え
付けて
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ぼくはまっすぐ腕を突き上げた」とありますが、このときのぼくについて述べたものとしてあてはまるものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア こわがるたくとを見て、あきれている。
- イ 何でも頼ってこられて、いらついている。
- ウ 大丈夫だと確信して、落ち着いている。
- エ 自分もこわいのに、強がって見せている。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「だ、大丈夫だよ。開くんも行ったんだから」とありますが、このときのぼくについて述べたものとしてあてはまるものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア こわがるたくとを見て、あきれている。
- イ 何でも頼ってこられて、いらついている。
- ウ 大丈夫だと確信して、落ち着いている。
- エ 自分もこわいのに、強がって見せている。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日が落ちるのを待って、肝Aだめしが始まった。山の中にある神社の、賽銭箱に貼りBつけてあるセンター長が作ったお札を取ってくるというものだった。
枯れ葉を踏む音が大きくなって、山から開くんが飛び出してきた。
「取ったぞ!」
①まるで金メダルみたいにみんなの前にお札をかざした。開くんの体からはプンッと汗と山の匂いがたち上った。
「おー、さすが六年生やなあ。よしっ、次はだれが行くんや」
松つぁんの問いかけに、
「はいっ!」
ぼくはまっすぐ腕を突き上げた。どうせ行くんだ。だったら早いほうがいい。ぐずぐずしてたらよけいにこわくなる。ぎゅっ。両腕にすがっている雄大とたくとの手に力がこもった。頼りにされてると思うと、武者ぶるいが出る。
「よしっ。じゃ、行ってこい」
センター長がぽんとぼくの肩をたたいた。
【Cだん子状態のぼくたちは、こわごわ山道に足を踏み入れた。懐中電灯は雄大が持っている一本きりだ。そいつを右へ左へ忙しく動かすから肝心の足元が暗くて見えない。おまけに浮かび上がる木のシルエットがガイコツみたいでこわかった。
「やめえや。足元照らせ」
声を上ずらせたとたん、
「ホーッ」
山に大きな鳥の声がこだました。ビクリとぼくたちの足がとまる。
「壮くん、歌を歌いながら行こう。『あるう日、森の中、松つぁんにでああったぁー』」
たくとが拾った枝をふりまわしながら「松つぁんの歌」を歌い出した。ぼくと雄大もDつづいた。
『松つぁんが、言うことにゃあー、頭がー、寒いからー、ヅラをくださいなー、ヅラをくださいなー』
歌ってるうちに森の暗さも気にならなくなってきた。頭に浮かぶのは、「こら、おかしな歌、歌うな」という松つぁんの怒った顔。雄大の持つ懐中電灯の明かりも楽しそうなリズムを刻んでいる。大声をEはり上げながら進むぼくらの目に、苔むして傾きかけた木の鳥居がぼんやり浮かんで見えた。】
「……着いた」
三人一緒に②おそるおそる足を踏み入れる。ザクッと砂利が鳴った。
「壮くん、こわい」
たくとが足をすくませる。
「だ、大丈夫だよ。開くんも行ったんだから」
そう言うぼくの声もふるえていた。
バサバサバサ。すぐ近くの木の枝から大きな鳥が飛びたった。
「こわいよお」
雄大が取り落とした懐中電灯を急いで拾った。
月が出ていた。まんじゅうをまっぷたつに割ったような半月だ。暗い森を背景にうすぼんやりと神社が浮き上がっていた。目をこらすと拝殿の真ん中あたりでなにか白いものが風にゆれている。
「お札だ!」
言うと同時に、ぼくらは砂利を蹴って駆け出した。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「武者ぶるい」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 騎士のようにゆうかんで、正義感が強い様子
- イ 他人の話に無関心で、自分の世界に没頭している様子
- ウ 人に命令して、自分の考えを強く押し付ける様子
- エ 戦いに出る前の、きんちょうや興奮で体がふるえる様子
Lessonの答え
- 答え
A 試 B 付 C 団 D 続 E 張 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
日が落ちるのを待って、肝試しが始まった。山の中にある神社の、賽銭箱に貼り付けてあるセンター長が作ったお札を取ってくるというものだった。
枯れ葉を踏む音が大きくなって、山から開くんが飛び出してきた。
「取ったぞ!」
まるで金メダルみたいにみんなの前にお札をかざした。開くんの体からはプンッと汗と山の匂いがたち上った。
「おー、さすが六年生やなあ。よしっ、次はだれが行くんや」
松つぁんの問いかけに、
「はいっ!」
ぼくはまっすぐ腕を突き上げた。どうせ行くんだ。だったら早いほうがいい。ぐずぐずしてたらよけいにこわくなる。ぎゅっ。両腕にすがっている雄大とたくとの手に力がこもった。①頼りにされてると思うと、武者ぶるいが出る。
「よしっ。じゃ、行ってこい」
センター長がぽんとぼくの肩をたたいた。
【②団子状態のぼくたちは、こわごわ山道に足を踏み入れた。懐中電灯は雄大が持っている一本きりだ。そいつを右へ左へ忙しく動かすから肝心の足元が暗くて見えない。おまけに浮かび上がる木のシルエットがガイコツみたいでこわかった。
「やめえや。足元照らせ」
声を上ずらせたとたん、
「ホーッ」
山に大きな鳥の声がこだました。ビクリとぼくたちの足がとまる。
「壮くん、歌を歌いながら行こう。『あるう日、森の中、松つぁんにでああったぁー』」
たくとが拾った枝をふりまわしながら「松つぁんの歌」を歌い出した。ぼくと雄大も続いた。
『松つぁんが、言うことにゃあー、頭がー、寒いからー、ヅラをくださいなー、ヅラをくださいなー』
歌ってるうちに森の暗さも気にならなくなってきた。頭に浮かぶのは、「こら、おかしな歌、歌うな」という松つぁんの怒った顔。雄大の持つ懐中電灯の明かりも楽しそうなリズムを刻んでいる。大声を張り上げながら進むぼくらの目に、苔むして傾きかけた木の鳥居がぼんやり浮かんで見えた。】
「……着いた」
三人一緒におそるおそる足を踏み入れる。ザクッと砂利が鳴った。
「壮くん、こわい」
たくとが足をすくませる。
「だ、大丈夫だよ。開くんも行ったんだから」
そう言うぼくの声もふるえていた。
バサバサバサ。すぐ近くの木の枝から大きな鳥が飛びたった。
「こわいよお」
雄大が取り落とした懐中電灯を急いで拾った。
月が出ていた。まんじゅうをまっぷたつに割ったような半月だ。暗い森を背景にうすぼんやりと神社が浮き上がっていた。目をこらすと拝殿の真ん中あたりでなにか白いものが風にゆれている。
「お札だ!」
言うと同時に、ぼくらは砂利を蹴って駆け出した。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
弦楽器の弦をはり、音色を整える。
自分の力をためしてみる。
たくさんの人が集まって地域のだん結が強まった。
わたしはこの物語のぞく編を心待ちにしている。
服に花粉がふ着する。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「戦いに出る前の、きんちょうや興奮で体がふるえる様子」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
勇者は大いなる試練の前に、心を奮い立たせした。
Practiceの答え
- 答え
張り
- 答え
試して
- 答え
団
- 答え
続
- 答え
付
- 答え
むしゃぶるい
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「まるで金メダルみたいにみんなの前にお札をかざした」とありますが、このときの開くんの気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感動して、泣き出したい気持ち。
- イ ほめられて、照れくさい気持ち。
- ウ やりとげて、ほこらしい気持ち。
- エ 無事に終わり、安心した気持ち。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「頼りにされてると思うと、武者ぶるいが出る」とありますが、このときのぼく(壮太)の心情としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 頼られるとは思わず、あわてている。
- イ 頼られていると知り、緊張している。
- ウ 頼られてしまい、がっかりしている。
- エ 頼られるのが意外でおどろいている。
Practiceの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「おそるおそる」とありますが、このことばと同じ意味を表す四字のことばを文中から書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
こわごわ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「団子状態のぼくたち」とありますが、このときの三人についての説明としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア こわいので、おたがいにぴったりと寄りそっている。
- イ こわさのあまり、その場から一歩も動けないでいる。
- ウ こわくてだれかを先に行かせようと押し合っている。
- エ こわさからのがれようと、自分の体をまるめている。
Practiceの答え
- 答え
ア
8-3 物語文8
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
十一月のある日のこと、みんなとトランプで遊んでいた雄大は、けんかをしてセンターを飛び出し、夜になっても帰らなかった。手分けして探しても見つからず、もし山に入っていたら大変危険だと、猟師の元さんに言われた。
ぼくは息苦しくなって、そっとセンターを抜け出した。夜の空が落ちてきそうな存在感で迫ってきた。目の前の真っ黒な巨人みたいな山に目をこらす。ぼくは、いつ元さんの鉄砲の音が響きわたるかとびくついた。最初はなにも見えなかったけれど、じっと見つめていると*漆黒の山肌にときおりホタルみたいに頼りない光がちらつくのが見えた。元さん、もうあんなとこまで上ったんだ。
こぶしに握ったぼくの手のひらに、①いつの間にか爪が食いこんでいた。
就寝時間はとっくに過ぎていた。
センターの玄関が開けられるひっそりとした音を、最初は夢かと思った。ベッドで横になっているうちに、ついうとうととしていたらしい。
「こんばんはー」
そこではっきり目が覚めた。正源寺のおしょうさんだ! はじかれたようにぼくはベッドから飛び降りた。玄関に走り出て、目を見張った。なにかがまるでおんぶおばけみたいに、おしょうさんの背中に張り付いている。口を開けて眠りこけているその顔は、雄大!
「お、重い。雄大のベッドはどこや」
おしょうさんのおでこには汗がびっしり浮かんでいた。
「雄大が帰ってきたー」
ぼくの叫び声に、寝ていたはずのみんなが飛び出してきて大騒ぎになった。事務室で明朝からの捜索を消防の人たちと相談していたセンター長と松つぁんも飛び出してきた。
「うおぅ」
おしょうさんの背中の雄大を認めると、センター長は、けものがほえるような声をあげて顔を真っ赤にした。
「まずはベッドに寝かせんと」
松つぁんが言ったので、ぼくらは祭りの神輿を先導するようにぞろぞろ全員で、雄大のベッドまでおしょうさんを連れていった。
「しー、静かに。雄大が起きるやろ」
口々に言いあうみんなの顔は、まるでヒーローを迎えるように輝いていた。
そんな騒ぎの中でも目を覚まさない雄大をベッドに横たえそっとドアを閉めたとたん、いっせいにみんなの口が開かれた。
「雄大、どこにおったん?」
「いやあ、重かったぁー」
「元さんと親御さんに、はよう連絡せんと」
「消防のみなさん、ほんとうにお世話をおかけしました。ありがとうございます」
「おしょうさん、まあ一服していってください」
「なあなあ、おしょうさん、雄大、ほんまどこおったん?」
そんな騒ぎを背に、ぼくは電気の消された部屋へと取って返した。ほんとうに雄大がもどってきているか、もう一度確かめずにはいられなかったんだ。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
注
- 漆黒
- 黒うるしをぬったような、つややかな黒色。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
毎日の努力が成功へとみちびく。
わたしはつとめを果たすために努力する。
夜にゆめを見る。
空港でたくさんのひ行機を見た。
時代とともに、街並みがへん化する。
Confirm Testの答え
- 答え
導く
- 答え
務め
- 答え
夢
- 答え
飛
- 答え
変
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「いつの間にか爪が食いこんでいた」とありますが、このときのぼく(壮太)について述べたものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 雄大のことを案じて心が張りつめ、体に力が入っている。
- イ 雄大のわがままにいきどおり、こぶしをふりあげている。
- ウ 元さんの鉄砲の音におどろいて、思わず手を握っている。
- エ 夜空の存在感や山の大きさにおびえ、体が固まっている。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章に描かれているぼくの心情について、あてはまるものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 雄大のことを一番心配していた自分が雄大を探せなかったことをくやんでいる。
- イ みんなが、雄大が帰ってきたとたん大騒ぎを始めたことに不信感を持っている。
- ウ おしょうさんだけに雄大を探させてしまったことを少し恥ずかしく思っている。
- エ 雄大のことを心配するあまり、帰ってきたことがいまだに信じられないでいる。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
十一月のある日のこと、みんなとトランプで遊んでいた雄大は、けんかをしてセンターをAとび出し、夜になっても帰らなかった。手分けして探しても見つからず、もし山に入っていたら大Bへん危険だと、猟師の元さんに言われた。
ぼくは息苦しくなって、そっとセンターを抜け出した。夜の空が落ちてきそうな存在感で迫ってきた。目の前の真っ黒な巨人みたいな山に目をこらす。ぼくは、いつ元さんの鉄砲の音が響きわたるかとびくついた。最初はなにも見えなかったけれど、じっと見つめていると*漆黒の山肌にときおりホタルみたいに頼りない光がちらつくのが見えた。元さん、もうあんなとこまで上ったんだ。
こぶしに握ったぼくの手のひらに、いつの間にか爪が食いこんでいた。
就寝時間はとっくに過ぎていた。
センターの玄関が開けられるひっそりとした音を、最初はCゆめかと思った。ベッドで横になっているうちに、ついうとうととしていたらしい。
「こんばんはー」
そこではっきり目が覚めた。正源寺のおしょうさんだ! ①はじかれたようにぼくはベッドからとび降りた。玄関に走り出て、目を見張った。なにかがまるでおんぶおばけみたいに、おしょうさんの背中に張り付いている。口を開けて眠りこけているその顔は、雄大!
「お、重い。雄大のベッドはどこや」
おしょうさんのおでこには汗がびっしり浮かんでいた。
「雄大が帰ってきたー」
ぼくの叫び声に、寝ていたはずのみんながとび出してきて大騒ぎになった。事Dむ室で明朝からの捜索を消防の人たちと相談していたセンター長と松つぁんもとび出してきた。
「うおぅ」
おしょうさんの背中の雄大を認めると、センター長は、②けものがほえるような声をあげて顔を真っ赤にした。
「まずはベッドに寝かせんと」
松つぁんが言ったので、ぼくらは祭りの神輿を先Eどうするようにぞろぞろ全員で、雄大のベッドまでおしょうさんを連れていった。
「しー、静かに。雄大が起きるやろ」
口々に言いあうみんなの顔は、まるでヒーローを迎えるように輝いていた。
そんな騒ぎの中でも目を覚まさない雄大をベッドに横たえそっとドアを閉めたとたん、いっせいにみんなの口が開かれた。
「雄大、どこにおったん?」
「いやあ、重かったぁー」
「元さんと親御さんに、はよう連絡せんと」
「消防のみなさん、ほんとうにお世話をおかけしました。ありがとうございます」
「おしょうさん、まあ一服していってください」
「なあなあ、おしょうさん、雄大、ほんまどこおったん?」
そんな騒ぎを背に、ぼくは電気の消された部屋へと取って返した。ほんとうに雄大がもどってきているか、もう一度確かめずにはいられなかったんだ。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
注
- 漆黒
- 黒うるしをぬったような、つややかな黒色。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 飛 B 変 C 夢 D 務 E 導 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
十一月のある日のこと、みんなとトランプで遊んでいた雄大は、けんかをしてセンターを飛び出し、夜になっても帰らなかった。手分けして探しても見つからず、もし山に入っていたら大変危険だと、猟師の元さんに言われた。
ぼくは息苦しくなって、そっとセンターを抜け出した。夜の空が落ちてきそうな存在感で迫ってきた。目の前の真っ黒な巨人みたいな山に目をこらす。ぼくは、いつ元さんの鉄砲の音が響きわたるかとびくついた。最初はなにも見えなかったけれど、じっと見つめていると①*漆黒の山肌にときおりホタルみたいに頼りない光がちらつくのが見えた。元さん、もうあんなとこまで上ったんだ。
こぶしに握ったぼくの手のひらに、いつの間にか爪が食いこんでいた。
就寝時間はとっくに過ぎていた。
センターの玄関が開けられるひっそりとした音を、最初は夢かと思った。ベッドで横になっているうちに、ついうとうととしていたらしい。
「こんばんはー」
そこではっきり目が覚めた。正源寺のおしょうさんだ! はじかれたようにぼくはベッドから飛び降りた。玄関に走り出て、目を見張った。なにかがまるでおんぶおばけみたいに、おしょうさんの背中に張り付いている。口を開けて眠りこけているその顔は、雄大!
「お、重い。雄大のベッドはどこや」
おしょうさんのおでこには汗がびっしり浮かんでいた。
「雄大が帰ってきたー」
ぼくの叫び声に、寝ていたはずのみんなが飛び出してきて大騒ぎになった。事務室で明朝からの捜索を消防の人たちと相談していたセンター長と松つぁんも飛び出してきた。
「うおぅ」
おしょうさんの背中の雄大を認めると、センター長は、けものがほえるような声をあげて顔を真っ赤にした。
「まずはベッドに寝かせんと」
松つぁんが言ったので、ぼくらは祭りの神輿を先導するようにぞろぞろ全員で、雄大のベッドまでおしょうさんを連れていった。
「しー、静かに。雄大が起きるやろ」
口々に言いあうみんなの顔は、まるでヒーローを迎えるように輝いていた。
そんな騒ぎの中でも目を覚まさない雄大をベッドに横たえそっと②ドアを閉めたとたん、いっせいにみんなの口が開かれた。
「雄大、どこにおったん?」
「いやあ、重かったぁー」
「元さんと親御さんに、はよう連絡せんと」
「消防のみなさん、ほんとうにお世話をおかけしました。ありがとうございます」
「おしょうさん、まあ一服していってください」
「なあなあ、おしょうさん、雄大、ほんまどこおったん?」
そんな騒ぎを背に、ぼくは電気の消された部屋へと取って返した。ほんとうに雄大がもどってきているか、もう一度確かめずにはいられなかったんだ。
(八束澄子 『ぼくらの山の学校』)
注
- 漆黒
- 黒うるしをぬったような、つややかな黒色。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
会社で重要な業むを担っている。
鳥が空をとんでいき、美しい姿を見せる。
先生が指どうして、難しい問題を解く。
む中になってうさぎを追いかける。
計画をかえる必要がある。
Practiceの答え
- 答え
務
- 答え
飛んで
- 答え
導
- 答え
夢
- 答え
変える
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「はじかれたようにぼくはベッドから飛び降りた」について、「はじかれたように」のここでの意味としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 反射的に
- イ 流動的に
- ウ 感覚的に
- エ 意識的に
線①「はじかれたようにぼくはベッドから飛び降りた」について、このことから、ぼくのどんなことがわかりますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア すっかり寝入ってしまったことを反省していること。
- イ 一度は目が覚めたと思ったがまだねぼけていること。
- ウ おしょうさんがなぜ来たのかとあやしんでいること。
- エ 雄大に関して何かがあったのかとあわてていること。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「漆黒の山肌」とありますが、この山の様子をたとえを用いて表している部分を文中から九字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
真っ黒な巨人みたい
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「けものがほえるような声をあげて顔を真っ赤にした」とありますが、このときのセンター長の心情としてあてはまるものを次のア〜オから二つ選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 興奮
- イ 喜び
- ウ 怒り
- エ 失望
- オ 悲しみ
Lessonの答え
- 答え
ア・イ (順不同・完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ドアを閉めたとたん、いっせいにみんなの口が開かれた」とありますが、このときのみんなの心情の説明としてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 雄大のあまりにも身勝手な行動にとても腹を立てている。
- イ 雄大に関して何から話せばよいのかわからず、とまどっている。
- ウ 安心したのと同時に、雄大の発見について好奇心がわいている。
- エ ケンカのせいで雄大を危険な目にあわせたことを反省している。
Practiceの答え
- 答え
ウ
9章 文法
多義語・かなづかい
9-1 多義語
Confirm Test
次の問いに答えなさい。
次の線部のことばの意味をあとから選び、記号で答えなさい。(完答)
- ① となりのおじさんは、この辺の地理に明るい。
- ② 母はどんなときでも明るいので、人に好かれる。
- ③ まどが大きいので、この部屋はとても明るい。
ア 光の量が多い イ 心が晴れ晴れしている
ウ よく知っている
次の線部のことばの意味をあとから選び、記号で答えなさい。(完答)
- ① 砂糖を入れすぎて、おかずがあまい。
- ② やさしすぎてあまい対応をとる。
- ③ 採点のやりかたがあまい。
- ④ あまいことばで誘う。
ア 基準が厳格でない
イ 話がうまく、人をたぶらかすようす
ウ みつのような味
エ きびしさに欠ける
Confirm Testの答え
- 答え
① ウ ② イ ③ ア (完答)
- 答え
① ウ ② エ ③ ア ④ イ (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の問いに答えなさい。
次の線部のことばの意味をあとから選び、記号で答えなさい。(完答)
- ① 機械を動かして、具合をみる。
- ② 小さな弟のめんどうをみる。
- ③ 庭に出て、さいている花をみる。
ア たしかめる イ 見張る ウ 観察する
Lessonの答え
- 答え
① ア ② イ ③ ウ (完答)
Practice
次の問いに答えなさい。
次の線部のことばの意味をあとから選び、記号で答えなさい。(完答)
- ① レベルの高い試合になった。
- ② このゲームは高いので今日は買えない。
- ③ 父はぼくよりも背が高い。
ア 上に長い イ たくさんお金がいる
ウ すぐれている
次の線部のことばの意味をあとから選び、記号で答えなさい。(完答)
- ① 荷物が多いので、手をかしてくれないか。
- ② ねんどを手でこねる。
- ③ 作品にもう少し手を加えた。
- ④ うまいこと言っても、その手には乗らないぞ。
ア 方法 イ 仕事 ウ 労働力
エ 体の手首から先の部分
Practiceの答え
- 答え
① ウ ② イ ③ ア (完答)
- 答え
① ウ ② エ ③ イ ④ ア (完答)
9-2 かなづかい
Confirm Test
次のことばの読みがなとして正しいほうを選び、記号で答えなさい。
言う { ア ゆう ・ イ いう }
地面 { ア じめん ・ イ ぢめん }
Confirm Testの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
Confirm Test
次の中から、かなづかいのまちがっているものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア とぢる
イ ちぢむ
ウ はなぢ
ア おとうさん
イ ほのう
ウ おおかみ
次の文はかなづかいがまちがっている。まちがっている部分に線をテキストの文に書き入れ、線の部分を正しい形に書きかえなさい。
わたしが「きょうもお願いします」とゆうと、彼女は、ていねいに礼をかえした。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
ゆう → いう
(または、ゆ → い)
Point
Lesson
Lesson
次のことばの読みがなとして正しいほうを選び、記号で答えなさい。
王様 { ア おうさま ・ イ おおさま }
氷 { ア こうり ・ イ こおり }
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
Practice
次のことばの読みがなとして正しいほうを選び、記号で答えなさい。
身近 { ア みじか ・ イ みぢか }
小包 { ア こずつみ ・ イ こづつみ }
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
イ
Lesson
Lesson
次の中から、かなづかいのまちがっているものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア いもうと
イ おうかみ
ウ おうえん
次の文はかなづかいがまちがっている。まちがっている部分に線をテキストの文に書き入れ、線の部分を正しい形に書きかえなさい。
先生に教わったとうりにつくりました。
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
とうり → とおり
(または、う → お)
Practice
次の中から、かなづかいのまちがっているものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア えいが
イ おねえさん
ウ せんせえ
ア つずく
イ かたづく
ウ もとづく
次の文はかなづかいがまちがっている。まちがっている部分に線をテキストの文に書き入れ、線の部分を正しい形に書きかえなさい。
道で友だちに会ったので、「こんにちわ」とあいさつした。
Practiceの答え
- 答え
ウ
- 答え
ア
- 答え
こんにちわ → こんにちは
(または、わ → は)
10章 説明文
説明文の読み方
10-1 説明文7
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者は縄文人の漁を研究している。
漁具の材料にするシカの角は、産地(?)が近いせいか、その当時は案外楽に入手できた。神社の境内で放し飼いになっているシカの角を、毎年一〇月になると観光客に危険なため鉄ノコで切り落としたのをもらえたためだが、今はそうはいかない。
この角を石器でけずって、釣りバリやモリを作ろうというのである。ほんとうは石器も拾ってきた石を割って規格どおりに作ればいいけれども、ぼくのところには遺跡で採集した石器の破片がいくらでもあるので、石器作りは省略し、漁具だけをこれで複製して実験につかうことにした。ぼくの持っていた角はそれほど太いわけではない。それでも、見つもってみると釣りバリの七、八本はなんとか作れそうだし、幹の部分をうまくとれば、*ヤスも二、三本はとれるかもしれない。刃物が石器だから、*ロスがかなり出そうだ。しかし、それもやってみないことにはわからないわけである。
角を加工しやすくするためには、まず縦に割る作業からはじめなければと考え、手ごろな石器を選んでゴシゴシけずりはじめたが、表面の凹凸がじゃまになって思うようにいかない。しかたがないから、場所をかえて縦に走る溝に添ってすり切りを始めたところ、こんどは一定の方向に石器をつかうことはできるが、いくらこすっても細くて浅い切りきずが少しつくだけで、まるで石のように堅かった。
まさかこれほど角が堅いものとは知らなかった。鉛筆をけずるようなわけには行かないまでも、三〇分もやれば片側に溝をつけることぐらいはできるのではないかと思っていたから、がっかりした。
やはり理屈どおりにはいかないものだということが、ここでも証明されたことになる。しかし、スタートから挫折したのでは話にならない。縄文人はたしかに石器だけで角をけずったのだから、なにか材質に悪い影響を与えないでやわらかくする方法を知っていたにちがいない。そうでなければ、いくら彼らにしても石器でつくることはできなかったはずだと、かってに決めてしまった。
翌日、①*遠藤さんをたずね、なにかよい方法はないでしょうかと話したところ、ご自分も昔、ぼくと同じようなことをしてみたが、歯が立たないのでやめたそうである。そして専門の考古学者のあいだでは、長い時間お湯で煮たり、あるいは酸のなかに浸しておいてやわらかくしてけずったのではないか、という説が一般的であることを教えられた。
そういえば、敗戦後、高知県の山奥で捕えたイノシシを食ったとき、関節のところをいろりにかけて長いあいだ煮ていたら、堅い骨や筋も口の中でとろけるようにやわらかくなったのを覚えている。それから、サーカスの曲芸師は骨をやわらかくするため、毎日酢を飲むのだなど、昔はまことしやかに言われたものである。たしかに*角の成分から考えると、煮たり酢に漬けたらやわらかくはなっても、そんなことをしたら、せっかくの角の性質が失われて、釣りバリやモリなど、形はつくれても実用品にはならないような気がした。
遠藤さんも、けっきょく、「縄文時代は今のようにアクセク働かなくても食える時代なので、きっと一本の釣りバリをつくるのに半年も一年もかけて気長につくったのだろう」ということだった。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
注
- ヤス
- 棒の先に、数本に分かれた、とがった部分をつけたもの。
- ロス
- ここでは、すてる部分。
- 遠藤さん
- 地元の考古学者。
- 角の成分
- カルシウムやコラーゲンなど、骨と同じような成分。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新しい製品のきかくを定める。
動物園では、たくさんの動物をし育している。
資料をふくせいして、配布する。
コップが落ちては損した。
長い文章を省りゃくして短くまとめ、要点を理解する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「一般的」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア うちの犬は一般的に肉が好きだ。
- イ 弟は一般的に宿題を布団の上でやる。
- ウ 一般的に、水は0度で凍る。
- エ わたしたちのクラスは一般的に金曜日にテストがある。
Confirm Testの答え
- 答え
規格
- 答え
飼
- 答え
複製
- 答え
破
- 答え
略
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「*遠藤さんをたずね、なにかよい方法はないでしょうかと話した」について、遠藤さんに何を相談したのですか。次の文の〔 〕にあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
〔 〕だけで〔 〕をけずりたいが、〔 〕方法はないかということ。
Confirm Testの答え
- 答え
石器・角・材質に悪い影響を与えないでやわらかくする (完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「*遠藤さんをたずね、なにかよい方法はないでしょうかと話した」について、遠藤さんから紹介してもらった方法について、筆者はどう考えましたか。次の文のにあてはまることばを文中から十六字で書きぬきなさい。
その方法では。
Confirm Testの答え
- 答え
形はつくれても実用品にはならない
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者は縄文人の漁を研究している。
漁具の材料にするシカの角は、産地(?)が近いせいか、その当時は案外楽に入手できた。神社の境内で放しAがいになっているシカの角を、毎年一〇月になると観光客に危険なため鉄ノコで切り落としたのをもらえたためだが、今はそうはいかない。
①この角を石器でけずって、釣りバリやモリを作ろうというのである。ほんとうは石器も拾ってきた石を割ってBきかくどおりに作ればいいけれども、ぼくのところには遺跡で採集した石器のCは片がいくらでもあるので、石器作りは省Dりゃくし、漁具だけをこれでEふくせいして実験につかうことにした。ぼくの持っていた角はそれほど太いわけではない。それでも、見つもってみると釣りバリの七、八本はなんとか作れそうだし、幹の部分をうまくとれば、*ヤスも二、三本はとれるかもしれない。刃物が石器だから、*ロスがかなり出そうだ。しかし、それもやってみないことにはわからないわけである。
角を加工しやすくするためには、まず縦に割る作業からはじめなければと考え、手ごろな石器を選んでゴシゴシけずりはじめたが、表面の凹凸がじゃまになって思うようにいかない。しかたがないから、場所をかえて縦に走る溝に添ってすり切りを始めたところ、こんどは一定の方向に石器をつかうことはできるが、いくらこすっても細くて浅い切りきずが少しつくだけで、まるで石のように堅かった。
まさかこれほど角が堅いものとは知らなかった。鉛筆をけずるようなわけには行かないまでも、三〇分もやれば片側に溝をつけることぐらいはできるのではないかと思っていたから、がっかりした。
やはり②理屈どおりにはいかないものだということが、ここでも証明されたことになる。しかし、スタートから挫折したのでは話にならない。縄文人はたしかに石器だけで角をけずったのだから、なにか材質に悪い影響を与えないでやわらかくする方法を知っていたにちがいない。そうでなければ、いくら彼らにしても石器でつくることはできなかったはずだと、かってに決めてしまった。
翌日、*遠藤さんをたずね、なにかよい方法はないでしょうかと話したところ、ご自分も昔、ぼくと同じようなことをしてみたが、歯が立たないのでやめたそうである。そして専門の考古学者のあいだでは、長い時間お湯で煮たり、あるいは酸のなかに浸しておいてやわらかくしてけずったのではないか、という説が一般的であることを教えられた。
そういえば、敗戦後、高知県の山奥で捕えたイノシシを食ったとき、関節のところをいろりにかけて長いあいだ煮ていたら、堅い骨や筋も口の中でとろけるようにやわらかくなったのを覚えている。それから、サーカスの曲芸師は骨をやわらかくするため、毎日酢を飲むのだなど、昔はまことしやかに言われたものである。たしかに*角の成分から考えると、煮たり酢に漬けたらやわらかくはなっても、そんなことをしたら、せっかくの角の性質が失われて、釣りバリやモリなど、形はつくれても実用品にはならないような気がした。
遠藤さんも、けっきょく、「縄文時代は今のようにアクセク働かなくても食える時代なので、きっと一本の釣りバリをつくるのに半年も一年もかけて気長につくったのだろう」ということだった。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
注
- ヤス
- 棒の先に、数本に分かれた、とがった部分をつけたもの。
- ロス
- ここでは、すてる部分。
- 遠藤さん
- 地元の考古学者。
- 角の成分
- カルシウムやコラーゲンなど、骨と同じような成分。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「一般的」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 多くの人に共通して認められていること
- イ ひとつだけに特化していること
- ウ 特定の小さなグループに限られること
- エ 非常にめずらしい事例であること
Lessonの答え
- 答え
A 飼 B 規格 C 破 D 略 E 複製 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者は縄文人の漁を研究している。
漁具の材料にするシカの角は、産地(?)が近いせいか、その当時は案外楽に入手できた。神社の境内で放し飼いになっているシカの角を、毎年一〇月になると観光客に危険なため鉄ノコで切り落としたのをもらえたためだが、今はそうはいかない。
この角を石器でけずって、釣りバリやモリを作ろうというのである。ほんとうは石器も拾ってきた石を割って規格どおりに作ればいいけれども、ぼくのところには遺跡で採集した石器の破片がいくらでもあるので、石器作りは省略し、①漁具だけをこれで複製して実験につかうことにした。ぼくの持っていた角はそれほど太いわけではない。それでも、見つもってみると釣りバリの七、八本はなんとか作れそうだし、幹の部分をうまくとれば、*ヤスも二、三本はとれるかもしれない。刃物が石器だから、*ロスがかなり出そうだ。しかし、それもやってみないことにはわからないわけである。
角を加工しやすくするためには、まず縦に割る作業からはじめなければと考え、手ごろな石器を選んでゴシゴシけずりはじめたが、表面の凹凸がじゃまになって思うようにいかない。しかたがないから、場所をかえて縦に走る溝に添ってすり切りを始めたところ、こんどは一定の方向に石器をつかうことはできるが、いくらこすっても細くて浅い切りきずが少しつくだけで、まるで石のように堅かった。
まさかこれほど角が堅いものとは知らなかった。鉛筆をけずるようなわけには行かないまでも、三〇分もやれば片側に溝をつけることぐらいはできるのではないかと思っていたから、がっかりした。
やはり理屈どおりにはいかないものだということが、ここでも証明されたことになる。しかし、スタートから挫折したのでは話にならない。縄文人はたしかに石器だけで角をけずったのだから、なにか材質に悪い影響を与えないでやわらかくする方法を知っていたにちがいない。そうでなければ、いくら彼らにしても石器でつくることはできなかったはずだと、かってに決めてしまった。
翌日、*遠藤さんをたずね、なにかよい方法はないでしょうかと話したところ、ご自分も昔、ぼくと同じようなことをしてみたが、歯が立たないのでやめたそうである。そして専門の考古学者のあいだでは、長い時間お湯で煮たり、あるいは酸のなかに浸しておいてやわらかくしてけずったのではないか、という説が一般的であることを教えられた。
そういえば、敗戦後、高知県の山奥で捕えたイノシシを食ったとき、関節のところをいろりにかけて長いあいだ煮ていたら、堅い骨や筋も口の中でとろけるようにやわらかくなったのを覚えている。それから、サーカスの曲芸師は骨をやわらかくするため、毎日酢を飲むのだなど、昔はまことしやかに言われたものである。たしかに*角の成分から考えると、煮たり酢に漬けたらやわらかくはなっても、そんなことをしたら、せっかくの角の性質が失われて、釣りバリやモリなど、形はつくれても実用品にはならないような気がした。
遠藤さんも、けっきょく、「縄文時代は今のようにアクセク働かなくても食える時代なので、きっと②一本の釣りバリをつくるのに半年も一年もかけて気長につくったのだろう」ということだった。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
注
- ヤス
- 棒の先に、数本に分かれた、とがった部分をつけたもの。
- ロス
- ここでは、すてる部分。
- 遠藤さん
- 地元の考古学者。
- 角の成分
- カルシウムやコラーゲンなど、骨と同じような成分。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
犬をかって、毎日散歩する。
彼はサッカーでルールをやぶった。
安全きかくを満たす、丈夫な建物を作る。
絵画をふくせいして、多くの人に作品を見てもらう。
敵の策りゃくにはまる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「多くの人に共通して認められていること」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
その意見はな見解とは異なっていた。
Practiceの答え
- 答え
飼って
- 答え
破った
- 答え
規格
- 答え
複製
- 答え
略
- 答え
いっぱんてき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この角」とは、何ですか。文中から二十字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
神社の境内で放しがいになっているシカの角
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「漁具」とありますが、具体的には何をつくろうとしたのですか。文中から三つ書きぬきなさい。(順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
釣りバリ・モリ・ヤス (順不同・完答)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「理屈どおりにはいかない」とありますが、筆者が角をけずることについてどのように考えていたかがわかる部分を、文中から五十一字でさがし、その初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Lessonの答え
- 答え
鉛筆をけ(〜)はないか
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「一本の釣りバリをつくるのに半年も一年もかけて気長につくったのだろう」とは、結局どんなことを意味しますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 縄文人は、角でないものを材料にして釣りバリをつくっていたのだろうということ。
- イ 縄文人は、角を堅いまま加工して釣りバリをつくっていたのだろうということ。
- ウ 縄文人は、石器以外の道具を使って釣りバリをつくっていたのだろうということ。
- エ 縄文人は、多くの人が協力して釣りバリをつくっていたのだろうということ。
Practiceの答え
- 答え
イ
10-2 説明文8
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者はシカの角を機械で加工してもらい、その釣りバリで釣りをする実験をした。
*懸念したとおり、釣りバリはやはり表面が白っぽくなり、心配なので一〇分置きくらいに予備のハリと交換してつかった。もし三〇センチ以上もある大物がかかったら、途中で折れたかもしれない。ただ、水にぬれた釣りバリもぬぐって置くと三、四分でもとの堅さとなめらかさを取り戻すので、めんどうがらずに手まめに交換しさえすればいいわけである。
帰りに*須田さんのところで問題の釣りバリを見せ、これで釣ったのだと自慢したところ、親子で「フーン」と感心し、何度もぼくの顔と釣りバリとを見くらべていたが、材料がシカの角だと聞いてなにか思い当たることがあるらしく、「なるほど」という顔になった。
いまは石器時代ではないから、まさかシカの角で釣りバリは作らないが、しかし、トッパ(カツオ釣りなどに使う擬似針〈バケ〉)やイカツノ(イカを釣る擬似針)の部分品には、つい最近まで本物の角をつかっていたそうである。だから須田さんは角製の釣りバリに魚がかかったのをそれほど不思議には感じなかったわけだ。が、なぜこんな釣りバリをわざわざ作って釣りにきたのかが、どうも気になるようだった。
第二回目の実験で角の釣りバリに魚が確実にかかったので、ぼくは内心得意になったが、よく考えてみたら、須田さんに指摘されるまでもなく釣れるのがあたりまえで、べつに実験の成功をうんぬんできるほどのことではなかった。たとえば、遺跡から見つかった石のナイフと同じものを、同じ材質の石でつくって肉を切っても、単に切れ味が確認されただけで、それ以上のことが少しもわからないのと同じである。
まして、こんどの場合、釣りバリを石器でつくる作業を省略しているので製作の工程はまったくわかっていないし、付属品である糸やおもりも現在のもので間にあわせたから、さいわい魚は釣れたもののルールを無視したうわべだけのテストであるため、内容は乏しいものであった。
それでも、わずか二回の小さい実験でさえ、①大きな釣りバリで手のひらくらいな魚が釣れる事実や、②シカの角は水にぬれるともろくなることなど、どの考古学者も知らないことがぼくにはわかったので、しいて言えば、それくらいが成果であり、やはり実験をしてよかったと思った。
縄文人は、生活に必要な道具を、みんな手近かに求めることのできる材料から選んでつくった。もちろんA道具をつくるためのB道具、すなわち刃物類も石器だから、釣りバリやモリも全部①石の小刀でけずったわけだ。ぼくも、遠藤さんも、そして何人かの考古学者も似たようなことを試したけれども、角はやっぱり堅くて歯がたたず、途中でサジを投げてしまった。
だが、②ほんとうに縄文人は、一本の釣りバリをつくるのに、半年も一年もかけたのだろうか。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
注
- 懸念
- 心配。
- 須田さん
- 地元の漁師。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この服は母の服ににている。
彼は新しい知識をえることに熱心だ。
このよう器は、たくさんの水を入れることができる。
大きなきかいが、重い荷物を軽々と持ち上げていた。
給食のメニューに新しい料理がくわわった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「手まめ」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 先生は、授業の準備を手まめな本で調べる。
- イ 彼女は、友達に手まめにおかしを配った。
- ウ 彼は、天気予報を手まめにラジオで聞いた。
- エ お母さんは、手まめに部屋を掃除してくれる。
Confirm Testの答え
- 答え
似ている
- 答え
得る
- 答え
容
- 答え
機械
- 答え
加わった
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ほんとうに縄文人は、一本の釣りバリをつくるのに、半年も一年もかけたのだろうか」とありますが、「縄文人は、一本の釣りバリをつくるのに、半年も一年もかけた」という考え方は、そもそも、筆者たちのどんな経験から導かれたものですか。次の文のにあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
をでけずってをつくろうとしてみたが、て歯がたたなかったという経験。
Confirm Testの答え
- 答え
角・石器・釣りバリ・堅く (完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「石の小刀」は線Aの「道具」とBの「道具」のどちらにあたりますか。記号で答えなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
B
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者はシカの角をAきかいでBか工してもらい、その釣りバリで釣りをする実験をした。
*懸念したとおり、釣りバリはやはり表面が白っぽくなり、心配なので一〇分置きくらいに予備のハリと交換してつかった。もし三〇センチ以上もある大物がかかったら、途中で折れたかもしれない。ただ、水にぬれた釣りバリもぬぐって置くと三、四分でもとの堅さとなめらかさを取り戻すので、めんどうがらずに手まめに交換しさえすればいいわけである。
帰りに*須田さんのところで問題の釣りバリを見せ、これで釣ったのだと自慢したところ、親子で「フーン」と感心し、何度もぼくの顔と釣りバリとを見くらべていたが、材料がシカの角だと聞いてなにか思い当たることがあるらしく、「なるほど」という顔になった。
いまは石器時代ではないから、まさかシカの角で釣りバリは作らないが、しかし、トッパ(カツオ釣りなどに使う擬Cじ針〈バケ〉)やイカツノ(イカを釣る擬じ針)の部分品には、つい最近まで本物の角をつかっていたそうである。だから須田さんは角製の釣りバリに魚がかかったのをそれほど不思議には感じなかったわけだ。が、なぜこんな釣りバリをわざわざ作って釣りにきたのかが、どうも気になるようだった。
第二回目の実験で角の釣りバリに魚が確実にかかったので、ぼくは内心Dとく意になったが、よく考えてみたら、須田さんに指摘されるまでもなく①釣れるのがあたりまえで、べつに実験の成功をうんぬんできるほどのことではなかった。たとえば、遺跡から見つかった石のナイフと同じものを、同じ材質の石でつくって肉を切っても、単に切れ味が確認されただけで、それ以上のことが少しもわからないのと同じである。
まして、こんどの場合、釣りバリを石器でつくる作業を省略しているので製作の工程はまったくわかっていないし、付属品である糸やおもりも現在のもので間にあわせたから、さいわい魚は釣れたもののルールを無視したうわべだけのテストであるため、内Eようは乏しいものであった。
それでも、わずか二回の小さい実験でさえ、①大きな釣りバリで手のひらくらいな魚が釣れる事実や、②シカの角は水にぬれるともろくなることなど、どの考古学者も知らないことがぼくにはわかったので、しいて言えば、それくらいが成果であり、やはり実験をしてよかったと思った。
縄文人は、生活に必要な道具を、みんな手近かに求めることのできる材料から選んでつくった。もちろんA道具をつくるためのB道具、すなわち刃物類も石器だから、②釣りバリやモリも全部石の小刀でけずったわけだ。ぼくも、遠藤さんも、そして何人かの考古学者もにたようなことを試したけれども、角はやっぱり堅くて歯がたたず、途中でサジを投げてしまった。
だが、ほんとうに縄文人は、一本の釣りバリをつくるのに、半年も一年もかけたのだろうか。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
注
- 懸念
- 心配。
- 須田さん
- 地元の漁師。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「手まめ」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 人との約束をしっかりと守ること
- イ 日々の仕事や家事を小まめにこなすこと
- ウ 大きな計画を立てること
- エ 思ったことをすぐに行動に移すこと
Lessonの答え
- 答え
A 機械 B 加 C 似 D 得 E 容 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
筆者はシカの角を機械で加工してもらい、その釣りバリで釣りをする実験をした。
*懸念したとおり、釣りバリはやはり表面が白っぽくなり、心配なので一〇分置きくらいに予備のハリと交換してつかった。もし三〇センチ以上もある大物がかかったら、途中で折れたかもしれない。ただ、水にぬれた釣りバリもぬぐって置くと三、四分でもとの堅さとなめらかさを取り戻すので、めんどうがらずに手まめに交換しさえすればいいわけである。
帰りに*須田さんのところで問題の釣りバリを見せ、これで釣ったのだと自慢したところ、親子で「フーン」と感心し、何度もぼくの顔と釣りバリとを見くらべていたが、材料がシカの角だと聞いてなにか思い当たることがあるらしく、「なるほど」という顔になった。
いまは石器時代ではないから、まさかシカの角で釣りバリは作らないが、しかし、トッパ(カツオ釣りなどに使う擬似針〈バケ〉)やイカツノ(イカを釣る擬似針)の部分品には、つい最近まで本物の角をつかっていたそうである。だから須田さんは角製の釣りバリに魚がかかったのをそれほど不思議には感じなかったわけだ。が、なぜこんな釣りバリをわざわざ作って釣りにきたのかが、どうも気になるようだった。
第二回目の実験で角の釣りバリに魚が確実にかかったので、ぼくは内心得意になったが、よく考えてみたら、須田さんに指摘されるまでもなく釣れるのがあたりまえで、べつに実験の成功をうんぬんできるほどのことではなかった。たとえば、遺跡から見つかった石のナイフと同じものを、同じ材質の石でつくって肉を切っても、単に切れ味が確認されただけで、それ以上のことが少しもわからないのと同じである。
まして、こんどの場合、釣りバリを石器でつくる作業を省略しているので製作の工程はまったくわかっていないし、付属品である糸やおもりも現在のもので間にあわせたから、さいわい魚は釣れたもののルールを無視した①うわべだけのテストであるため、内容は乏しいものであった。
それでも、わずか二回の小さい実験でさえ、①大きな釣りバリで手のひらくらいな魚が釣れる事実や、②シカの角は水にぬれるともろくなることなど、どの考古学者も知らないことがぼくにはわかったので、しいて言えば、それくらいが成果であり、やはり実験をしてよかったと思った。
縄文人は、生活に必要な道具を、みんな手近かに求めることのできる材料から選んでつくった。もちろんA道具をつくるためのB道具、すなわち刃物類も石器だから、釣りバリや②モリも全部石の小刀でけずったわけだ。ぼくも、遠藤さんも、そして何人かの考古学者も似たようなことを試したけれども、角はやっぱり堅くて歯がたたず、途中でサジを投げてしまった。
だが、ほんとうに縄文人は、一本の釣りバリをつくるのに、半年も一年もかけたのだろうか。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
注
- 懸念
- 心配。
- 須田さん
- 地元の漁師。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この商品はおとくな価格で販売している。
父は、壊れたきかいを修理する。
わたしのに顔絵を描いてください。
わたしの姉はいつも美ように気を使っている。
サッカーチームに新しい選手がか入した。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「日々の仕事や家事を小まめにこなすこと」を表すことばを三字で書きなさい。
祖母は庭の手入れをにしている。
Practiceの答え
- 答え
得
- 答え
機械
- 答え
似
- 答え
容
- 答え
加
- 答え
手まめ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「釣れるのがあたりまえで、べつに実験の成功をうんぬんできるほどのことではなかった」とありますが、実験によって、シカの角でつくった釣りバリで魚が釣れること以外に、どんなことがわかりましたか。文中から二つ、二十三字と十八字でさがし、それぞれ初めと終わりの四字を書きぬきなさい。(順不同・完答)
- 〜
- 〜
Lessonの答え
- 答え
- ・ 大きな釣(〜)れる事実
- ・ シカの角(〜)なること
(順不同・完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「うわべだけのテスト」とありますが、今回の実験のどんなところを「うわべだけ」と言っているのですか。二つ書きなさい。(順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
- ・ 釣りバリを石器でつくる作業を省略しているところ。
- ・ 糸やおもりを現在のもので間にあわせたところ。
(順不同・完答)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「釣りバリ」は線Aの「道具」とBの「道具」のどちらにあたりますか。記号で答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
A
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「モリ」は線Aの「道具」とBの「道具」のどちらにあたりますか。記号で答えなさい。
Practiceの答え
- 答え
A
10-3 説明文9
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
けっきょく、縄文人は角を煮たり酸につけたりしないで、堅いのをそのままけずったとしか考えられない。 もしそうだとしたら、ぼくが手をやいたのは、石器の選び方が悪いか、それとも使い方に誤りがあったことになる。
野菜は菜切り包丁、魚を三枚におろすときは出刃包丁、肉は骨すきとか筋すき包丁というように、料理につかう包丁も使い道によって違っている。(もっとも、うちのオバサンなど、黙って見ていると、小出刃一本で野菜も切れば魚もおろすし、あげくのはてはサシミまで切っているので、一概には言えないかもしれないが……)
いずれにしてもシカの角は堅いので、比較的厚手の石器でゴシゴシやってみたが、前のときと同じように、きずあとも付いていない。
それでまずければ、こんどはもっと薄手の石器、たとえば石のヤジリのように、薄くて鋭い、ぎざぎざの刃がたくさんついたものではどうだろうか、ということになる。たしかに、薄いと刃は欠けやすいかもしれないが、角の切断は鉛筆をナイフでけずるように〝切る〟のではなくて、ノコをひく要領、つまり〝擦り切り〟でおこなうため、石器の切れ味が悪くなったら、わざわざでも刃を打ち欠いてつけるので、①使用中の刃こぼれは、むしろ、つごうがよいくらいである。
さっそく、石のヤジリの半欠けを持ち出してきて角に挑戦したところ、案の定、小さな刃こぼれはできたが、角の表面に浅い溝がついてきた。しかし、ヤジリの大きさは親指のつめくらいなものであるため、指につまんで〝こする〟作業は、やりづらい。そのうち、削りかすが刃のまわりにたくさん着いてスリップし、ますます削りにくくなった。
石器が切れなくなったのは刃が磨滅したためではないから、水で洗ってカスを落とせばいいわけである。炊事場まで水を汲みにゆくのはめんどうとばかり、つくえの上の湯飲みに残っていたお茶で洗い、水気をぬぐいもしないでそのまま擦り切りをつづけたところ、角の削りぐあいがさっきまでとはまるで違っているのに気づいた。スーッと一引きするだけで絹糸のような細い削りかすが出てくるし、指先に伝わる感触も、あの堅い角を石器で削っているとは思えないほどすばらしい。
どうしたわけだろう。とにかく、お茶で石器を洗ったとたんに起きた現象だから、水分の作用で切れ味が変わったことだけは確かである。
いちもくさんに二階から駆け降りて、洗面器に水を汲んできた。とりあえず、さっきの角を水に一、二分漬け、溝に添って石器でこすったところ、角は魔術にでもかかったように、なんの抵抗もなく、削れた。
水でぬれているうちは切れるし、かわくと削れない。しかも、案外はやく乾燥して削りかすが石器や溝につまるので、しょっちゅう水で洗いながら作業をつづける必要がある。できたら、水道の蛇口のところで水をチョロチョロ出しながら削ったほうが仕事ははかどるけれども、一、二分おきに水で洗えば問題はない。
②いままでだれが試しても堅くてだめだと言われていたシカの角を石器で削る作業も、飲み残しのお茶で洗ったことがきっかけとなって、実にあっけなくなぞが解けてしまった。
これなど、実験といえるほど大げさなことをしたわけではない。ただなんとなく試しているうちに偶然わかったことに過ぎないけれども、綿密なつくえの上の計算で解明したものでないだけに、ぼくはぼくなりの方法でまた一歩縄文の世界に近づけた、と思うとたまらなくうれしかった。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
冬になると、母はいつもあつい手袋を用意してくれる。
実験でさん性の液体を使った。
友達からの誘いをことわって宿題を終わらせた。
友達と力をくらべるのは楽しい。
国の北部には広大なりょう域が広がっている。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「綿密」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア わたしは友達に綿密にお手紙を書いた。
- イ 妹は綿密にジュースを飲んだ。
- ウ 父は計画を綿密に立てて、キャンプを成功させた。
- エ 子どもたちは公園で綿密に遊んだ。
Confirm Testの答え
- 答え
厚い
- 答え
酸
- 答え
断って
- 答え
比べる
- 答え
領
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「使用中の刃こぼれは、むしろ、つごうがよいくらいである」とありますが、刃こぼれすると、なぜつごうがよいのですか。
Confirm Testの答え
- 答え
切れ味がよくなるから。
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「いままで……なぞが解けてしまった」とありますが、結局どうすればよいとわかったのですか。次の文のにあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
角をでうちに削ればよい。
Confirm Testの答え
- 答え
水・ぬれている (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
けっきょく、縄文人は角を煮たりAさんにつけたりしないで、堅いのをそのままけずったとしか考えられない。 もしそうだとしたら、ぼくが手をやいたのは、①石器の選び方が悪いか、それとも使い方に誤りがあったことになる。
野菜は菜切り包丁、魚を三枚におろすときは出刃包丁、肉は骨すきとか筋すき包丁というように、料理につかう包丁も使い道によって違っている。(もっとも、うちのオバサンなど、黙って見ていると、小出刃一本で野菜も切れば魚もおろすし、あげくのはてはサシミまで切っているので、一概には言えないかもしれないが……)
いずれにしてもシカの角は堅いので、Bひ較的Cあつ手の石器でゴシゴシやってみたが、前のときと同じように、きずあとも付いていない。
それでまずければ、こんどはもっと薄手の石器、たとえば石のヤジリのように、薄くて鋭い、ぎざぎざの刃がたくさんついたものではどうだろうか、ということになる。たしかに、薄いと刃は欠けやすいかもしれないが、角の切Dだんは鉛筆をナイフでけずるように〝切る〟のではなくて、ノコをひく要Eりょう、つまり〝擦り切り〟でおこなうため、石器の切れ味が悪くなったら、わざわざでも刃を打ち欠いてつけるので、使用中の刃こぼれは、むしろ、つごうがよいくらいである。
さっそく、石のヤジリの半欠けを持ち出してきて角に挑戦したところ、案の定、小さな刃こぼれはできたが、角の表面に浅い溝がついてきた。しかし、ヤジリの大きさは親指のつめくらいなものであるため、指につまんで〝こする〟作業は、やりづらい。そのうち、削りかすが刃のまわりにたくさん着いてスリップし、ますます削りにくくなった。
石器が切れなくなったのは刃が磨滅したためではないから、水で洗ってカスを落とせばいいわけである。炊事場まで水を汲みにゆくのはめんどうとばかり、つくえの上の湯飲みに残っていたお茶で洗い、水気をぬぐいもしないでそのまま②擦り切りをつづけたところ、角の削りぐあいがさっきまでとはまるで違っているのに気づいた。スーッと一引きするだけで絹糸のような細い削りかすが出てくるし、指先に伝わる感触も、あの堅い角を石器で削っているとは思えないほどすばらしい。
どうしたわけだろう。とにかく、お茶で石器を洗ったとたんに起きた現象だから、水分の作用で切れ味が変わったことだけは確かである。
いちもくさんに二階から駆け降りて、洗面器に水を汲んできた。とりあえず、さっきの角を水に一、二分漬け、溝に添って石器でこすったところ、角は魔術にでもかかったように、なんの抵抗もなく、削れた。
水でぬれているうちは切れるし、かわくと削れない。しかも、案外はやく乾燥して削りかすが石器や溝につまるので、しょっちゅう水で洗いながら作業をつづける必要がある。できたら、水道の蛇口のところで水をチョロチョロ出しながら削ったほうが仕事ははかどるけれども、一、二分おきに水で洗えば問題はない。
いままでだれが試しても堅くてだめだと言われていたシカの角を石器で削る作業も、飲み残しのお茶で洗ったことがきっかけとなって、実にあっけなくなぞが解けてしまった。
これなど、実験といえるほど大げさなことをしたわけではない。ただなんとなく試しているうちに偶然わかったことに過ぎないけれども、綿密なつくえの上の計算で解明したものでないだけに、ぼくはぼくなりの方法でまた一歩縄文の世界に近づけた、と思うとたまらなくうれしかった。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「綿密」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 物事を深く考えず、ざっくりと処理すること
- イ あわてずに落ち着いて物事を進めること
- ウ 何かをするとき、心をこめて、とても細かいところまで気をつけること
- エ 考えや計画が非常に細かく、すみずみまで行きとどいていること
Lessonの答え
- 答え
A 酸 B 比 C 厚 D 断 E 領 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
けっきょく、縄文人は角を煮たり酸につけたりしないで、堅いのをそのままけずったとしか考えられない。 もしそうだとしたら、ぼくが手をやいたのは、①石器の選び方が悪いか、それとも使い方に誤りがあったことになる。
野菜は菜切り包丁、魚を三枚におろすときは出刃包丁、肉は骨すきとか筋すき包丁というように、料理につかう包丁も使い道によって違っている。(もっとも、うちのオバサンなど、黙って見ていると、小出刃一本で野菜も切れば魚もおろすし、あげくのはてはサシミまで切っているので、一概には言えないかもしれないが……)
いずれにしてもシカの角は堅いので、比較的厚手の石器でゴシゴシやってみたが、前のときと同じように、きずあとも付いていない。
それでまずければ、こんどはもっと薄手の石器、たとえば石のヤジリのように、薄くて鋭い、ぎざぎざの刃がたくさんついたものではどうだろうか、ということになる。たしかに、薄いと刃は欠けやすいかもしれないが、角の切断は鉛筆をナイフでけずるように〝切る〟のではなくて、ノコをひく要領、つまり〝擦り切り〟でおこなうため、石器の切れ味が悪くなったら、わざわざでも刃を打ち欠いてつけるので、使用中の刃こぼれは、むしろ、つごうがよいくらいである。
さっそく、石のヤジリの半欠けを持ち出してきて角に挑戦したところ、案の定、小さな刃こぼれはできたが、角の表面に浅い溝がついてきた。しかし、ヤジリの大きさは親指のつめくらいなものであるため、指につまんで〝こする〟作業は、やりづらい。そのうち、削りかすが刃のまわりにたくさん着いてスリップし、ますます削りにくくなった。
②石器が切れなくなったのは刃が磨滅したためではないから、水で洗ってカスを落とせばいいわけである。炊事場まで水を汲みにゆくのはめんどうとばかり、つくえの上の湯飲みに残っていたお茶で洗い、水気をぬぐいもしないでそのまま擦り切りをつづけたところ、角の削りぐあいがさっきまでとはまるで違っているのに気づいた。スーッと一引きするだけで絹糸のような細い削りかすが出てくるし、指先に伝わる感触も、あの堅い角を石器で削っているとは思えないほどすばらしい。
どうしたわけだろう。とにかく、お茶で石器を洗ったとたんに起きた現象だから、水分の作用で切れ味が変わったことだけは確かである。
いちもくさんに二階から駆け降りて、洗面器に水を汲んできた。とりあえず、さっきの角を水に一、二分漬け、溝に添って石器でこすったところ、角は魔術にでもかかったように、なんの抵抗もなく、削れた。
水でぬれているうちは切れるし、かわくと削れない。しかも、案外はやく乾燥して削りかすが石器や溝につまるので、しょっちゅう水で洗いながら作業をつづける必要がある。できたら、水道の蛇口のところで水をチョロチョロ出しながら削ったほうが仕事ははかどるけれども、一、二分おきに水で洗えば問題はない。
いままでだれが試しても堅くてだめだと言われていたシカの角を石器で削る作業も、飲み残しのお茶で洗ったことがきっかけとなって、実にあっけなくなぞが解けてしまった。
これなど、実験といえるほど大げさなことをしたわけではない。ただなんとなく試しているうちに偶然わかったことに過ぎないけれども、綿密なつくえの上の計算で解明したものでないだけに、ぼくはぼくなりの方法でまた一歩縄文の世界に近づけた、と思うとたまらなくうれしかった。
(楠本政助『縄文人の知恵にいどむ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この飲みものにはレモンが入っているので、すっぱい。
算数の問題を解くときは、ひ例を使うことがある。
新しい布団はあつくて、寒い夜も暖かく過ごせる。
野球の試合は雨のため中だんした。
その島は昔から日本のりょう土だ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「考えや計画が非常に細かく、すみずみまで行きとどいていること」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
彼は旅行計画を立てるとき、いつもに考える。
Practiceの答え
- 答え
酸っぱい
- 答え
比
- 答え
厚くて
- 答え
断
- 答え
領
- 答え
めんみつ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「石器の選び方が悪いか、それとも使い方に誤りがあったことになる」と考えた筆者は、石器の選び方を工夫しています。まずどんな石器を試しましたか。文中から書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
比較的厚手の石器
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「石器の選び方が悪いか、それとも使い方に誤りがあったことになる」と考えた筆者は、石器の選び方を工夫しています。比較的厚手の石器を試したあと、次にどんな石器を試しましたか。文中から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
もっと薄手の石器(別解 石のヤジリの半欠け)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「擦り切り」はどんなふうにおこなうのですか。次の文のにあてはまることばを文中から九字で書きぬきなさい。
でおこなう。
Lessonの答え
- 答え
ノコをひく要りょう
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「石器が切れなくなったのは刃が磨滅したためではない」とありますが、では、石器が切れなくなった原因はどんなことにあったのですか。次の文のにあてはまることばを文中からそれぞれ書きぬきなさい。(完答)
がのまわりにたくさん着いたこと。
Practiceの答え
- 答え
削りかす・刃 (完答)
11章 物語
物語文の読み方
11-1 物語文9
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ロクの指さすほうを見たら、ひとりの小学生をとりかこんで、四、五人の中学生たちが、ポケットに両手をつっこんで立っていた。ポプラの大木が四本、かたまりあってはえてる校庭の右手のすみだ。ぼくはさきに立って、中学生たちのほうへ進んでいった。
「こら、ちびども、キンギョのふんみたいになんの用だ。」
いちばん目つきのわるいやつが、ぼくらをおどかすようににらみつけた。
「どうしたんだ。」
ぼくは、うつむいてまっさおな顔をしている、小学生の顔をのぞきこんだ。よくよく顔を見たら、六組のアオじゃないか。
「なんだ、おまえか。」
ひどくがっかりしたみたいに、ジックなんかはもう帰ろうとしてるんだ。
村尾真一ってのがアオの本名さ。おとうさんが大学の先生だそうだけど、くわしいことはだれも知らない。だけどそんなことはどうだっていいんだ。あんまりだれともつきあわないで、青い顔で勉強ばかりしてて、ずばぬけてできるから、みんながそんな名でよんでるだけさ。
「帰ろう。」
ぼくはアオのうでをひっぱった。アオも中学生たちもおどろいたようにぼくの顔をのぞきこんだ。
「でかい顔するじゃねえか。」
ずんぐりむっくりしたやつが、すごみをきかせて、ぼくをにらんだ。
「ちび、ひっこんでろ、ちび。」
となりの男がいった。ジックが、その男の横にひょいと立った。
「な、なにしやがる!」
中学生たちは、びくっとして、こぶしをかためて身がまえた。
ぼくらはくっくっわらった。ジックは、中学生より十センチほども背が高かったのさ。
「どうしたってのさ。」
と、ロクがアオにきいた。
アオはいまにもふるえだしそうで、だまったままだ。話したくても、声にならないんだ。
「こんなにどろんこにしやがって。」
ずんぐりむっくりのズボンをさして、となりの男がいった。アオのやつ、中学生たちにはねをひっかけちまったらしい。どじなやつ。
でも、そんなことは、雪どけのあとじゃよくあることなんだ。
「ちぇっ。」
と、ぼくは思わずいっちまった。
「なんだ、てめえら、さっきからだまってりゃ、その気になりやがって。やい、ちび、なめんじゃないよ。え、ちび、さっさと帰りな。それともいっぱつくらわされたいのか、どうなんだ、ちび。」
そりゃ、ぼくはちびさ。でもね、こうちびの安売りをされたんじゃ、ぼくもちっとは頭にきちゃうよ。ずんぐりむっくりがまだなにかをいってるまに、ぼくは①みんなにぴかぴかってまばたきすると、思いきりバシャッと、目の前の水たまりにとびこんだ。
みんなはもちろんぱっと逃げたけど、まぬけの中学生たちはまともにどろ水を頭からかぶって、②赤んぼうみたいな悲鳴をあげた。
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
理科の実験で温度計の目盛りをさして、温度の読み方を学んだ。
わたしたちは図書館のりょう側に花を植えた。
そのお城には美しいてい園がある。
この道をまっすぐすすんで、信号を左に曲がってください。
学校では毎日べん強することが大切だ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「ずんぐりむっくり」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 新しいクラスの先生は、ずんぐりむっくりとした優しそうな雰囲気だ。
- イ 彼は試験の解答がずんぐりむっくりとうかんできた。
- ウ 祖父はずんぐりむっくりとした声で話す。
- エ 秋になると、木の葉はずんぐりむっくりと色づく。
Confirm Testの答え
- 答え
指して
- 答え
両
- 答え
庭
- 答え
進んで
- 答え
勉
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「みんなにぴかぴかってまばたきする」とありますが、これは何の合図ですか。次の文のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。(完答)
これからにとびこむから、うまくなよ、という合図。
Confirm Testの答え
- 答え
水たまり・逃げ (完答)
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「赤んぼうみたいな悲鳴」に表れている中学生たちの気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア どろ水をかぶった不快感。
- イ どろ水をかけたぼくへのにくしみ。
- ウ どろ水をかけられたおそろしさ。
- エ どろ水遊びをする楽しさ。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ロクのAゆびさすほうを見たら、ひとりの小学生をとりかこんで、四、五人の中学生たちが、ポケットにBりょう手をつっこんで立っていた。ポプラの大木が四本、かたまりあってはえてる校Cていの右手のすみだ。ぼくはさきに立って、中学生たちのほうへDすすんでいった。
「こら、ちびども、キンギョのふんみたいになんの用だ。」
いちばん目つきのわるいやつが、ぼくらをおどかすようににらみつけた。
「どうしたんだ。」
ぼくは、うつむいてまっさおな顔をしている、小学生の顔をのぞきこんだ。よくよく顔を見たら、六組のアオじゃないか。
「なんだ、おまえか。」
ひどくがっかりしたみたいに、ジックなんかはもう帰ろうとしてるんだ。
村尾真一ってのがアオの本名さ。おとうさんが大学の先生だそうだけど、くわしいことはだれも知らない。だけどそんなことはどうだっていいんだ。あんまりだれともつきあわないで、青い顔でEべん強ばかりしてて、ずばぬけてできるから、みんながそんな名でよんでるだけさ。
「帰ろう。」
ぼくはアオのうでをひっぱった。アオも中学生たちもおどろいたようにぼくの顔をのぞきこんだ。
「でかい顔するじゃねえか。」
ずんぐりむっくりしたやつが、すごみをきかせて、ぼくをにらんだ。
「ちび、ひっこんでろ、ちび。」
となりの男がいった。ジックが、その男の横にひょいと立った。
「な、なにしやがる!」
中学生たちは、びくっとして、こぶしをかためて身がまえた。
①ぼくらはくっくっわらった。ジックは、中学生より十センチほども背が高かったのさ。
「どうしたってのさ。」
と、ロクがアオにきいた。
アオはいまにもふるえだしそうで、だまったままだ。話したくても、声にならないんだ。
「こんなにどろんこにしやがって。」
ずんぐりむっくりのズボンをさして、となりの男がいった。アオのやつ、中学生たちにはねをひっかけちまったらしい。どじなやつ。
でも、そんなことは、雪どけのあとじゃよくあることなんだ。
「ちぇっ。」
と、ぼくは思わずいっちまった。
「なんだ、てめえら、さっきからだまってりゃ、その気になりやがって。やい、ちび、なめんじゃないよ。え、ちび、さっさと帰りな。それともいっぱつくらわされたいのか、どうなんだ、ちび。」
そりゃ、ぼくはちびさ。でもね、こう②ちびの安売りをされたんじゃ、ぼくもちっとは頭にきちゃうよ。ずんぐりむっくりがまだなにかをいってるまに、ぼくはみんなにぴかぴかってまばたきすると、思いきりバシャッと、目の前の水たまりにとびこんだ。
みんなはもちろんぱっと逃げたけど、まぬけの中学生たちはまともにどろ水を頭からかぶって、赤んぼうみたいな悲鳴をあげた。
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「ずんぐりむっくり」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 体が短くて太く、がっしりとしていること
- イ 体が細くて、動きがすばやいこと
- ウ とても大きくて、迫力があること
- エ 身長が高く、手足が長いこと
Lessonの答え
- 答え
A 指 B 両 C 庭 D 進 E 勉 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ロクの指さすほうを見たら、ひとりの小学生をとりかこんで、四、五人の中学生たちが、ポケットに両手をつっこんで立っていた。ポプラの大木が四本、かたまりあってはえてる校庭の右手のすみだ。ぼくはさきに立って、中学生たちのほうへ進んでいった。
「こら、ちびども、①キンギョのふんみたいになんの用だ。」
いちばん目つきのわるいやつが、ぼくらをおどかすようににらみつけた。
「どうしたんだ。」
ぼくは、うつむいてまっさおな顔をしている、小学生の顔をのぞきこんだ。よくよく顔を見たら、六組のアオじゃないか。
「なんだ、おまえか。」
ひどくがっかりしたみたいに、ジックなんかはもう帰ろうとしてるんだ。
村尾真一ってのがアオの本名さ。おとうさんが大学の先生だそうだけど、くわしいことはだれも知らない。だけどそんなことはどうだっていいんだ。あんまりだれともつきあわないで、青い顔で勉強ばかりしてて、ずばぬけてできるから、みんながそんな名でよんでるだけさ。
「帰ろう。」
ぼくはアオのうでをひっぱった。アオも中学生たちもおどろいたようにぼくの顔をのぞきこんだ。
「でかい顔するじゃねえか。」
ずんぐりむっくりしたやつが、すごみをきかせて、ぼくをにらんだ。
「ちび、ひっこんでろ、ちび。」
となりの男がいった。ジックが、その男の横にひょいと立った。
「な、なにしやがる!」
中学生たちは、びくっとして、こぶしをかためて身がまえた。
ぼくらはくっくっわらった。ジックは、中学生より十センチほども背が高かったのさ。
「どうしたってのさ。」
と、ロクがアオにきいた。
アオはいまにもふるえだしそうで、だまったままだ。話したくても、声にならないんだ。
「こんなにどろんこにしやがって。」
ずんぐりむっくりのズボンをさして、となりの男がいった。アオのやつ、中学生たちにはねをひっかけちまったらしい。どじなやつ。
でも、そんなことは、雪どけのあとじゃよくあることなんだ。
「②ちぇっ。」
と、ぼくは思わずいっちまった。
「なんだ、てめえら、さっきからだまってりゃ、その気になりやがって。やい、ちび、なめんじゃないよ。え、ちび、さっさと帰りな。それともいっぱつくらわされたいのか、どうなんだ、ちび。」
そりゃ、ぼくはちびさ。でもね、こうちびの安売りをされたんじゃ、ぼくもちっとは頭にきちゃうよ。ずんぐりむっくりがまだなにかをいってるまに、ぼくはみんなにぴかぴかってまばたきすると、思いきりバシャッと、目の前の水たまりにとびこんだ。
みんなはもちろんぱっと逃げたけど、まぬけの中学生たちはまともにどろ水を頭からかぶって、赤んぼうみたいな悲鳴をあげた。
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
彼はりょう親に手紙を書く。
科学のしん歩は人類の生活を豊かにしている。
野球でボールをうまく捕れずに、ゆびをけがした。
今日はおじいちゃんと一緒ににわで野菜を植えた。
べん強会にはたくさんの生徒が集まった。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「体が短くて太く、がっしりとしていること」を表すことばを八字で書きなさい。
その力士はした体型で知られている。
Practiceの答え
- 答え
両
- 答え
進
- 答え
指
- 答え
庭
- 答え
勉
- 答え
ずんぐりむっくり
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ちびの安売り」とは、どんなことを指していますか。
Lessonの答え
- 答え
何度もちびと呼ぶこと。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「キンギョのふんみたいに」とは、どんな様子を指していったことばですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ぼくたちが遠くのほうからだんだん近づいていった様子。
- イ ぼくたちが気づかれないようにそっと近づいていった様子。
- ウ ぼくたちがぞろぞろ連なって近づいていった様子。
- エ ぼくたちがゆっくり大またで近づいていった様子。
Practiceの答え
- 答え
ウ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ぼくらはくっくっわらった」とありますが、何がおかしかったのですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ぼくのことをちび呼ばわりした中学生が、実は本人も背が低かったこと。
- イ ぼくの身長の低さをばかにした中学生が、背の高いジックにならばれただけでおびえたこと。
- ウ ジックより十センチも背の低い中学生が勝てるはずもないのにけんかをしようとしたこと。
- エ ジックがすっかり横に立ってしまってから中学生が今さらのように身がまえたこと。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ちぇっ」と言ったときの「ぼく」の気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 何だ、アオは何も言い返せないのか。
- イ 何だ、アオがやられているんじゃないのか。
- ウ 何だ、その程度のことで文句を言っているのか。
- エ 何だ、もういざこざは終わったのか。
Practiceの答え
- 答え
ウ
11-2 物語文10
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
六年三組では、担任の先生(キリコ)もふくめた全員がお互いにおくりものをしあうことにきまり、そのためのくじびきをした。
「そうね。ひとりひとりが、だれのものになるかわからないけど、心をこめて作ったのね。わたしもだれのものになるのかは、わからないけど、心をこめて作ったわ。みんなは、どうかしら。」
ぼくらはすこしざわついた。だれもこたえるやつはいなかった。
「だれにあたるんだかわからないし、どうせだれが作ったものだかわからないんだからなんて思って、らくがきをするように作った人はあったかしら?」
①教室の中はしずまりかえっていた。ぼくらはキリコがなにをいおうとしているかを、いっしょうけんめい考えた。
「よろしい。」と、キリコはいった。「だれかはわからないおおぜいの人たち、その人たちのなかには、あなたがたひとりひとりがはいってるのよ。そのおおぜいの人たちに、あなたがたは、名まえなしで、おくりものをしました。名まえのない、あなたがたひとりひとりのおくりものは、名まえもわからない、あなたがたひとりひとりの手もとにとどきました。いい、いちばんたいせつなおくりものは、このようなおくりもののことなのよ。どうかしら? わかってもらえたかしら?」
ぼくらは、ふたたびざわめいた。と、ミツコがいった。
「むずかしいけど、すこしわかります。」
「先生っ!」と、ロクがいきおいよく手をあげた。「ぼくはてんでわかっちゃうよ。ほめてもらったり、ほうびをもらったりするためにだけやるようなことは、ぐれつだっていうんでしょ。」
「そう、そうなのよ。」
と、キリコがいきおいこんでいったので、ぼくらは思わずわらった。
「先生がいつもしつっこくいってることだもん。」
と、ロクがいった。キリコはちょっと赤くなった。ぼくらはまたわらった。
「先生。」と、デッコがいった。「でも、いくら心をこめたものだからって、これはひどすぎます。」
デッコは立ちあがって、みんなに見えるように、歌集をかかげた。てるてるぼうずが三つ、空中にぶらさがってる絵だった。ぼくらは考えることもなしに、げたげたわらって、やじをとばした。
「わたしは、そうは思わないわ。」
キリコがよくとおる声で、きっぱりいった。
「じょうずじゃないわ。でも、ほら、いっしょうけんめいにかいてあるわ。そして、そのことだけが、いつでも、どんなときでも、いちばんたいせつで、りっぱなことなのよ。」
ぼくらは、キリコの真剣なちょうしにあっとうされて、もいちどてるてるぼうずを見なおした。教室はまたしずまりかえった。
と、ガタンといすが鳴って、金井がひょこんと立ちあがった。
「ぼく、ぼく、いっしょうけんめい︱!」
金井はそれだけを、声をふるわせていった。
いつでもなんだかしょぼくれてて、てんでめだたないやつなんだ。
「よろしい。」と、キリコは金井にうなずいてみせていった。「おすわりなさい。」
「いやです!」と、金井は声をふりしぼってさけんだ。
「いっしょうけんめいかいたって、こんなにわらわれるんだ。先生、いっしょうけんめいやることがいちばんたいせつだって、先生はいつもいうけど、そんなもの、②なんにもなりやしないよ!」
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
徳川家康が新しい将軍ににん命された。
クラスのぜんいんが遠足で山を登った。
放課後に公園でしゅう合することになっている。
その事件のしん相を知ったとき、わたしたちはとても驚いた。
わたしは友達と手をくんで大きな絵を描いた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「てんで」ということばの使い方として最も適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア このお店の料理はおいしかったのでてんで行く。
- イ 彼は宿題とてんで関係ない本を読んでいた。
- ウ わたしの趣味は友達の趣味とてんで一緒だ。
- エ わたしの姉はてんで遅くは走れない。
Confirm Testの答え
- 答え
任
- 答え
全員
- 答え
集
- 答え
真
- 答え
組んで
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「教室の中はしずまりかえっていた」とありますが、これとは対照的なぼくらの様子を文中から一文でさがし、その初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Confirm Testの答え
- 答え
ぼくらは〜ばした。
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「なんにもなりやしない」とはどういう意味ですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア いっしょうけんめいかどうかわからない。
- イ いっしょうけんめいやったことにならない。
- ウ だれもみとめてくれない。
- エ だれもやろうと思わない。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
六年三Aくみでは、担Bにんの先生(キリコ)もふくめたCぜんいんがお互いにおくりものをしあうことにきまり、そのためのくじびきをした。
「そうね。ひとりひとりが、だれのものになるかわからないけど、心をこめて作ったのね。わたしもだれのものになるのかは、わからないけど、心をこめて作ったわ。みんなは、どうかしら。」
ぼくらはすこしざわついた。だれもこたえるやつはいなかった。
「だれにあたるんだかわからないし、どうせだれが作ったものだかわからないんだからなんて思って、らくがきをするように作った人はあったかしら?」
教室の中はしずまりかえっていた。ぼくらはキリコがなにをいおうとしているかを、いっしょうけんめい考えた。
「よろしい。」と、キリコはいった。「だれかはわからないおおぜいの人たち、その人たちのなかには、あなたがたひとりひとりがはいってるのよ。そのおおぜいの人たちに、あなたがたは、名まえなしで、おくりものをしました。名まえのない、あなたがたひとりひとりのおくりものは、名まえもわからない、あなたがたひとりひとりの手もとにとどきました。いい、いちばんたいせつなおくりものは、このようなおくりもののことなのよ。どうかしら? わかってもらえたかしら?」
ぼくらは、ふたたびざわめいた。と、ミツコがいった。
「むずかしいけど、すこしわかります。」
「先生っ!」と、ロクがいきおいよく手をあげた。「ぼくはてんでわかっちゃうよ。ほめてもらったり、ほうびをもらったりするためにだけやるようなことは、ぐれつだっていうんでしょ。」
「そう、そうなのよ。」
と、①キリコがいきおいこんでいったので、ぼくらは思わずわらった。
「先生がいつもしつっこくいってることだもん。」
と、ロクがいった。キリコはちょっと赤くなった。ぼくらはまたわらった。
「先生。」と、デッコがいった。「でも、いくら心をこめたものだからって、これはひどすぎます。」
デッコは立ちあがって、みんなに見えるように、歌Dしゅうをかかげた。てるてるぼうずが三つ、空中にぶらさがってる絵だった。ぼくらは考えることもなしに、げたげたわらって、やじをとばした。
「わたしは、そうは思わないわ。」
キリコがよくとおる声で、きっぱりいった。
「じょうずじゃないわ。でも、ほら、いっしょうけんめいにかいてあるわ。そして、②そのことだけが、いつでも、どんなときでも、いちばんたいせつで、りっぱなことなのよ。」
ぼくらは、キリコのEしん剣なちょうしにあっとうされて、もいちどてるてるぼうずを見なおした。教室はまたしずまりかえった。
と、ガタンといすが鳴って、金井がひょこんと立ちあがった。
「ぼく、ぼく、いっしょうけんめい︱!」
金井はそれだけを、声をふるわせていった。
いつでもなんだかしょぼくれてて、てんでめだたないやつなんだ。
「よろしい。」と、キリコは金井にうなずいてみせていった。「おすわりなさい。」
「いやです!」と、金井は声をふりしぼってさけんだ。
「いっしょうけんめいかいたって、こんなにわらわれるんだ。先生、いっしょうけんめいやることがいちばんたいせつだって、先生はいつもいうけど、そんなもの、なんにもなりやしないよ!」
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「てんで」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 完全に一致した
- イ とても速い、あっという間
- ウ 非常に、とても
- エ 事情をくわしく知っている
Lessonの答え
- 答え
A 組 B 任 C 全員 D 集 E 真 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
六年三組では、担任の先生(キリコ)もふくめた全員がお互いにおくりものをしあうことにきまり、そのためのくじびきをした。
「そうね。ひとりひとりが、だれのものになるかわからないけど、心をこめて作ったのね。わたしもだれのものになるのかは、わからないけど、心をこめて作ったわ。みんなは、どうかしら。」
ぼくらはすこしざわついた。だれもこたえるやつはいなかった。
「①だれにあたるんだかわからないし、どうせだれが作ったものだかわからないんだからなんて思って、らくがきをするように作った人はあったかしら?」
教室の中はしずまりかえっていた。ぼくらはキリコがなにをいおうとしているかを、いっしょうけんめい考えた。
「よろしい。」と、キリコはいった。「だれかはわからないおおぜいの人たち、その人たちのなかには、あなたがたひとりひとりがはいってるのよ。そのおおぜいの人たちに、あなたがたは、名まえなしで、おくりものをしました。名まえのない、あなたがたひとりひとりのおくりものは、名まえもわからない、あなたがたひとりひとりの手もとにとどきました。いい、いちばんたいせつなおくりものは、このようなおくりもののことなのよ。どうかしら? わかってもらえたかしら?」
ぼくらは、ふたたびざわめいた。と、ミツコがいった。
「むずかしいけど、すこしわかります。」
「先生っ!」と、ロクがいきおいよく手をあげた。「ぼくはてんでわかっちゃうよ。ほめてもらったり、ほうびをもらったりするためにだけやるようなことは、ぐれつだっていうんでしょ。」
「そう、そうなのよ。」
と、キリコがいきおいこんでいったので、ぼくらは思わずわらった。
「先生がいつもしつっこくいってることだもん。」
と、ロクがいった。キリコはちょっと赤くなった。ぼくらはまたわらった。
「先生。」と、デッコがいった。「でも、いくら心をこめたものだからって、これはひどすぎます。」
デッコは立ちあがって、②みんなに見えるように、歌集をかかげた。てるてるぼうずが三つ、空中にぶらさがってる絵だった。ぼくらは考えることもなしに、げたげたわらって、やじをとばした。
「わたしは、そうは思わないわ。」
キリコがよくとおる声で、きっぱりいった。
「じょうずじゃないわ。でも、ほら、いっしょうけんめいにかいてあるわ。そして、そのことだけが、いつでも、どんなときでも、いちばんたいせつで、りっぱなことなのよ。」
ぼくらは、キリコの真剣なちょうしにあっとうされて、もいちどてるてるぼうずを見なおした。教室はまたしずまりかえった。
と、ガタンといすが鳴って、金井がひょこんと立ちあがった。
「ぼく、ぼく、いっしょうけんめい︱!」
金井はそれだけを、声をふるわせていった。
いつでもなんだかしょぼくれてて、てんでめだたないやつなんだ。
「よろしい。」と、キリコは金井にうなずいてみせていった。「おすわりなさい。」
「いやです!」と、金井は声をふりしぼってさけんだ。
「いっしょうけんめいかいたって、こんなにわらわれるんだ。先生、いっしょうけんめいやることがいちばんたいせつだって、先生はいつもいうけど、そんなもの、なんにもなりやしないよ!」
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ぜんいんで教室のそうじをした。
わたしは裁判でしん実を話した。
わたしは犬の散歩を弟にまかせたが、うまくいったようだ。
秋になると、木の葉が地面にたくさんあつまる。
クラスで発表するグループをくみ分けした。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「非常に、とても」を表すことばを三字で書きなさい。
彼の意見とわたしの意見は異なっている。
Practiceの答え
- 答え
全員
- 答え
真
- 答え
任せた
- 答え
集まる
- 答え
組
- 答え
てんで
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「そのこと」の指す内容を十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
いっしょうけんめいにやること。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「だれにあたるんだかわからないし、どうせだれが作ったものだかわからないんだからなんて思って、らくがきをするように作」ることと正反対の行いを説明した次のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。
作ること。
Practiceの答え
- 答え
心をこめて
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「キリコがいきおいこんでいった」のはなぜですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ロクが自分の考えに賛成してくれたと思ったから。
- イ ロクが自分の言いたいことをわかってくれたと思ったから。
- ウ ロクが心をこめて歌集を作ったのだと思ったから。
- エ ロクがみんなの思いを口にしてくれたのだと思ったから。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「みんなに見えるように、歌集をかかげた」のは何のためですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ひどい歌集であることをみんなにわかってもらうため。
- イ 心がこもっているかどうかを、みんなに判断してもらうため。
- ウ 心をこめた歌集を受けとったことを、作った本人に知らせるため。
- エ 心がこもっていないさまを、みんなに見てもらうため。
Practiceの答え
- 答え
ア
11-3 物語文11
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ぼくはアオと自転車をならべ、石狩川の土手のあたりまで送っていった。
「きみの家は、いつもあんなににぎやかなの?」
「そうだ。」と、ぼくはこたえた。「ときどきは、うるさいと思うこともあるけどね。」
「ぼくの家はたった四人だぜ。」と、アオはいった。
「四人ぜんぶそろったって、たいていあんまり話もしないんだ。テレビがひとりでわめきちらしてるよ。つまんないからぼくは勉強するのさ。勉強してれば、けっこう時間はつぶれるし、わがままはいえるし、ママにほめられるしね。またきっとくるよ。ほんとにね。」
と、念をおして、アオは帰っていった。
そのことばどおり、つぎの日から、午後になると、アオはしょっちゅうぼくの家へやってきた。かあさんやとうさんや、マキまでもが、「アオ君。」「アオ君。」とよび、ぼくらは親しくなっていった。ノブさんやシドやジョウとも仲よしになった。とくにノブさんやシドには、学校のこととか、勉強のことについて話をききたがった。もっとも、ノブさんもシドも、そういう話はあんまりしたがらなかったけどね。
「ぼくの家じゃ、ほとんどそんな話をしないんだ。」っていったら、アオはひどくおどろいたような顔をしていた。
ジックやロクもよく遊びにきた。ある日、三人はもうしあわせたように、いっしょにやってきた。
その日は、市場が休みで、出荷はなかったから、ぼくらはつれだって、石狩川へいった。
とちゅうでスイカを二つもいで、川についたら、石にしばって、入り江にしずめておいた。
やけつくような白い石原の上に、衣類をぬぎちらしたまま、すっぱだかになって、からだをろくにぬらしもせず、いきなり石狩川の中にとびこんだ。アオはちょっとためらってたけど、水のかけっこをしてはしゃぎはじめたぼくらを見ると、思いきったようにはだかになり、声をあげてとびこんできた。
もぐりっこをしたり、石とりをしたり、木の上からのとびこみをしたり、何年も前に使って、いまは使っていないわたし舟を修理してこぎまわったりした。
およぐのにもあきて、ぼくらがイタドリの青いくきをかじりはじめたら、
「そんなもの、ほんとに食べられるの? おなかこわさないの?」
と、アオは目をまるくしてきいた。
「美味、美味、胃の薬。」
と、ぼくらはいった。
うたがわしそうに、アオは見てたけど、じぶんでもとってきて、目をつぶるようにしてかじった。
「美味だろう?」
ぼくらは、ガマガエルみたいに顔をゆがめたアオを見てわらった。
「美味だ。」
アオはなんどもつばをはいてこたえた。
それで①ぼくらは、アオを胴あげして川の深みへほうりこんだ。アオはなかなか平およぎがうまかった。ぼくらはすこしつかれたので、石原にあおむけにねそべってからだをかわかし、ひやしてあったスイカを、げんこつでわって食べた。
アオはげんこつでわるのがおもしろくて、ぼくらがあきれてとめるまで、スイカをぐしゃぐしゃにつぶして声をあげて、わらった。
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ねんのために、毎日英単語を十個覚えることにした。
夏休みには、なかのよい友達と海へ行った。
いるいを旅行かばんにつめた。
遠足で山道を歩いているとき、石につまずいてころんだ。
郵便で荷物をおくった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「もうしあわせる」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア わたしは一人で宿題をする時間をもうしあわせた。
- イ 彼女は友達と手紙で、秘密をもうしあわせた。
- ウ 彼女は本を読む速さをもうしあわせた。
- エ クラスのみんなで、明日は赤い服を着てくるともうしあわせた。
Confirm Testの答え
- 答え
念
- 答え
仲
- 答え
衣類
- 答え
転んだ
- 答え
送った
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ぼくらは、アオを胴あげして川の深みへほうりこんだ」からわかることとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア アオとほかの三人の間には見えないかべがあり、何かにつけアオはのけ者にされていること。
- イ アオがすっかりみんなになじみ、仲間の一人としてとけこんだこと。
- ウ 勉強ばかりしてひ弱なアオをどうにかしてきたえてやろうとみんなで協力していること。
- エ 友達と遊ぼうと努力しているアオがどれぐらい本気なのか、みんなにためされていること。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ぼくはアオと自Aてん車をならべ、石狩川の土手のあたりまでBおくっていった。
「①きみの家は、いつもあんなににぎやかなの?」
「そうだ。」と、ぼくはこたえた。「ときどきは、うるさいと思うこともあるけどね。」
「ぼくの家はたった四人だぜ。」と、アオはいった。
「四人ぜんぶそろったって、たいていあんまり話もしないんだ。テレビがひとりでわめきちらしてるよ。つまんないからぼくは勉強するのさ。勉強してれば、けっこう時間はつぶれるし、わがままはいえるし、ママにほめられるしね。またきっとくるよ。ほんとにね。」
と、Cねんをおして、アオは帰っていった。
そのことばどおり、つぎの日から、午後になると、アオはしょっちゅうぼくの家へやってきた。かあさんやとうさんや、マキまでもが、「アオ君。」「アオ君。」とよび、ぼくらは親しくなっていった。ノブさんやシドやジョウともDなかよしになった。とくにノブさんやシドには、学校のこととか、勉強のことについて話をききたがった。もっとも、ノブさんもシドも、そういう話はあんまりしたがらなかったけどね。
「ぼくの家じゃ、ほとんどそんな話をしないんだ。」っていったら、アオはひどくおどろいたような顔をしていた。
ジックやロクもよく遊びにきた。ある日、三人はもうしあわせたように、いっしょにやってきた。
その日は、市場が休みで、出荷はなかったから、ぼくらはつれだって、石狩川へいった。
とちゅうでスイカを二つもいで、川についたら、石にしばって、入り江にしずめておいた。
やけつくような白い石原の上に、Eいるいをぬぎちらしたまま、すっぱだかになって、からだをろくにぬらしもせず、いきなり石狩川の中にとびこんだ。アオはちょっとためらってたけど、水のかけっこをしてはしゃぎはじめたぼくらを見ると、思いきったようにはだかになり、声をあげてとびこんできた。
もぐりっこをしたり、石とりをしたり、木の上からのとびこみをしたり、何年も前に使って、いまは使っていないわたし舟を修理してこぎまわったりした。
およぐのにもあきて、ぼくらがイタドリの青いくきをかじりはじめたら、
「そんなもの、ほんとに食べられるの? おなかこわさないの?」
と、アオは目をまるくしてきいた。
「美味、美味、胃の薬。」
と、ぼくらはいった。
うたがわしそうに、アオは見てたけど、じぶんでもとってきて、目をつぶるようにしてかじった。
「美味だろう?」
ぼくらは、ガマガエルみたいに顔をゆがめたアオを見てわらった。
「美味だ。」
アオはなんどもつばをはいてこたえた。
それでぼくらは、アオを胴あげして川の深みへほうりこんだ。アオはなかなか平およぎがうまかった。ぼくらはすこしつかれたので、石原にあおむけにねそべってからだをかわかし、ひやしてあったスイカを、げんこつでわって食べた。
アオはげんこつでわるのがおもしろくて、ぼくらがあきれてとめるまで、スイカをぐしゃぐしゃにつぶして声をあげて、わらった。
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「もうしあわせ」について、「もうしあわせる」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分の意見をはっきりと言うこと
- イ 人と事前に話し合って、同じ行動を取ること
- ウ 他人に秘密を教えること
- エ 難しい問題を一人で解決すること
Lessonの答え
- 答え
A 転 B 送 C 念 D 仲 E 衣類 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ぼくはアオと自転車をならべ、石狩川の土手のあたりまで送っていった。
「きみの家は、いつもあんなににぎやかなの?」
「そうだ。」と、ぼくはこたえた。「ときどきは、うるさいと思うこともあるけどね。」
「ぼくの家はたった四人だぜ。」と、アオはいった。
「四人ぜんぶそろったって、たいていあんまり話もしないんだ。テレビがひとりでわめきちらしてるよ。つまんないからぼくは勉強するのさ。勉強してれば、けっこう時間はつぶれるし、わがままはいえるし、ママにほめられるしね。またきっとくるよ。ほんとにね。」
と、念をおして、アオは帰っていった。
そのことばどおり、つぎの日から、午後になると、アオはしょっちゅうぼくの家へやってきた。かあさんやとうさんや、マキまでもが、「アオ君。」「アオ君。」とよび、ぼくらは親しくなっていった。ノブさんやシドやジョウとも仲よしになった。とくにノブさんやシドには、学校のこととか、勉強のことについて話をききたがった。もっとも、ノブさんもシドも、そういう話はあんまりしたがらなかったけどね。
「ぼくの家じゃ、ほとんどそんな話をしないんだ。」っていったら、アオはひどくおどろいたような顔をしていた。
ジックやロクもよく遊びにきた。ある日、三人はもうしあわせたように、いっしょにやってきた。
その日は、市場が休みで、出荷はなかったから、ぼくらはつれだって、石狩川へいった。
とちゅうでスイカを二つもいで、川についたら、石にしばって、入り江にしずめておいた。
やけつくような白い石原の上に、衣類をぬぎちらしたまま、すっぱだかになって、からだをろくにぬらしもせず、いきなり石狩川の中にとびこんだ。アオはちょっとためらってたけど、水のかけっこをしてはしゃぎはじめたぼくらを見ると、思いきったようにはだかになり、声をあげてとびこんできた。
もぐりっこをしたり、石とりをしたり、木の上からのとびこみをしたり、何年も前に使って、いまは使っていないわたし舟を修理してこぎまわったりした。
およぐのにもあきて、ぼくらがイタドリの青いくきをかじりはじめたら、
「そんなもの、ほんとに食べられるの? おなかこわさないの?」
と、アオは目をまるくしてきいた。
「美味、美味、胃の薬。」
と、ぼくらはいった。
うたがわしそうに、アオは見てたけど、じぶんでもとってきて、①目をつぶるようにしてかじった。
「美味だろう?」
ぼくらは、ガマガエルみたいに顔をゆがめたアオを見てわらった。
「美味だ。」
アオはなんどもつばをはいてこたえた。
それでぼくらは、アオを胴あげして川の深みへほうりこんだ。アオはなかなか平およぎがうまかった。ぼくらはすこしつかれたので、石原にあおむけにねそべってからだをかわかし、ひやしてあったスイカを、げんこつでわって食べた。
アオはげんこつでわるのがおもしろくて、ぼくらがあきれてとめるまで、スイカをぐしゃぐしゃにつぶして声をあげて、わらった。
(後藤竜二『天使で大地はいっぱいだ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
三人の兄弟は、いつもなかがよい。
運動会のリレーで、てん倒しながらも最後まで走りきった。
お坊さんは毎日ねん仏を唱える。
古いいるいを寄付した。
新年のあいさつをメールでそう信した。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「人と事前に話し合って、同じ行動を取ること」を表すことばを七字で書きなさい。
わたしたちはたように、先生に同じことを言った。
Practiceの答え
- 答え
仲
- 答え
転
- 答え
念
- 答え
衣類
- 答え
送
- 答え
もうしあわせ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「きみの家は、いつもあんなににぎやかなの?」とありますが、このときのアオの気持ちとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア なぜにぎやかなのか不思議だ。
- イ 「ぼく」の家がうらやましい。
- ウ うるささにうんざりした。
- エ 自分の家に帰りたくない。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「目をつぶるようにしてかじった」とありますが、結局味はどうだったのですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア まずくはないが、それほどおいしくもなかった。
- イ とてもおいしかった。
- ウ ひどい味がした。
- エ 何の味もしなかった。
Practiceの答え
- 答え
ウ
12章 文法
同音異義語・同訓異字
12-1 同音異義語
Confirm Test
次の漢字を組み合わせて、同音異義語を二つ作りなさい。ただし、同じ漢字を二度使ってもよい。(順不同・完答)
好・協・放・医・力・解・意・強・校・開
キョウリョク
Confirm Testの答え
- 答え
協力・強力 (順不同・完答)
Confirm Test
次の線部のかたかなの漢字として正しいものを選び、記号で答えなさい。
今度の旅行の行き先についてメイアンを思いついた。
{ ア・名案 イ・明暗 }
登場人物や場面を参考にして、シンジョウを読みとる。
{ ア・身上 イ・信条 ウ・心情 }
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
Confirm Test
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
貴重品は、かならずコジンで管理してください。
とつぜんの事故で亡くなったコジンをしのぶ。
Confirm Testの答え
- 答え
個人
- 答え
故人
Point
Lesson
Lesson
次の漢字を組み合わせて、同音異義語を二つ作りなさい。ただし、同じ漢字を二度使ってもよい。(順不同・完答)
好・協・放・医・力・解・意・強・校・開
コウイ
Lessonの答え
- 答え
好意・校医 (順不同・完答)
Practice
次の漢字を組み合わせて、同音異義語を二つ作りなさい。ただし、同じ漢字を二度使ってもよい。(順不同・完答)
好・協・放・医・力・解・意・強・校・開
カイホウ
Practiceの答え
- 答え
解放・開放 (順不同・完答)
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなの漢字として正しいものを選び、記号で答えなさい。
かれはボランティア活動にカンシンをもっている。
{ ア・関心 イ・感心 }
ぼくはキカイをいじるのが大好きだ。
{ ア・機会 イ・機械 }
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
Practice
次の線部のかたかなの漢字として正しいものを選び、記号で答えなさい。
夏休みのカダイに取り組む。
{ ア・過大 イ・課題 }
理想のスイングができるようツイキュウする。
{ ア・追及 イ・追求 ウ・追究 }
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
イ
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
キシャに乗って旅に出る。
わたしの夢は新聞キシャになることです。
Lessonの答え
- 答え
汽車
- 答え
記者
Practice
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
都道府県ごとにキカンが設置されている。
夏休みのキカンは、八月の最後の週までです。
Practiceの答え
- 答え
機関
- 答え
期間
12-2 同訓異字
Confirm Test
次の線部の漢字の使い方として正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア やっと家に代えることができた。
イ 予定を代えるわけにはいかない。
ウ 正気に代えるのを待とう。
エ 命に代えることはできない。
ア 年が空ける。
イ 戸を空ける。
ウ 小さなあなを空ける。
エ 新しく店を空ける。
ア ストップウォッチで計る。
イ ビーカーで計る。
ウ じょうぎで計る。
エ バネばかりで計る。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
- 答え
ウ
- 答え
ア
Confirm Test
次の( )内のことばを、にあてはまるよう漢字で書きなさい。(完答)
(なく)
- ① 子どもがく。
- ② 小鳥がく。
(さす)
- ① 右をして安全を確認する。
- ② 部屋に朝日がしこむ。
(さめる)
- ① つくえに置いたごはんがめる。
- ② 夜中に目がめる。
Confirm Testの答え
- 答え
①泣 ②鳴 (完答)
- 答え
①指 ②差 (完答)
- 答え
①冷 ②覚 (完答)
Confirm Test
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
サイシンのカメラを買う。
サイシンの注意をはらう。
Confirm Testの答え
- 答え
最新
- 答え
細心
Point
Lesson
Lesson
次の線部の漢字の使い方として正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア 時間を計る。
イ 重さを計る。
ウ 高さを計る。
ア すがたを表す。
イ 正体を表す。
ウ 気持ちを表す。
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
Practice
次の線部の漢字の使い方として正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア 身につける。
イ 身を結ぶ。
ウ 身の無い話だ。
ア よく気が着く。
イ 手紙が着く。
ウ よごれが着く。
エ 貯金の利息が着く。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなを漢字で書き分けなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
① 開 ② 空 ③ 明 (完答)
- 答え
① 暑 ② 熱 (完答)
Practice
次のにあてはまる漢字を書きなさい。(完答)
Practiceの答え
- 答え
① 建 ② 立 (完答)
- 答え
① 速 ② 早 (完答)
- 答え
① 登 ② 上 (完答)
Lesson
Lesson
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
世界でサイショウの国。
事故の件数は過去サイショウとなった。
Lessonの答え
- 答え
最小
- 答え
最少
Practice
次の線部のかたかなを漢字に直しなさい。
五年生をタイショウにしている。
タイショウ的な性格だ。
Practiceの答え
- 答え
対象
- 答え
対照
13章 説明文
説明文の読み方
13-1 説明文10
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生まれたばかりの子犬はお母さん犬の母乳をたくさん飲んで、体に必要な栄養や病気にならないための*免疫抗体を受け取り、ぐんぐん大きくなっていきます。
お母さん犬に甘えたり兄弟犬と遊んだりけんかをしたりしながら、犬の社会に必要なルールを学びます。子犬が悪いことや危ないことをすると、ふだんはやさしいお母さん犬が厳しく叱ります。そして子犬は何が危険なのか、いたずらはどこまで許されるのか、などを学んでいくのです。人間と同じですね。そして人間とどう接するかもこの時期に知ります。生まれてからの数カ月は、犬にとってたいへん重要な時間なのです。
だから日本の法律では、生まれてから8週間以上たたないと犬を売り買いしてはいけないことになっています。お母さん犬からの免疫抗体の効果がこの時期に切れるので、最初のワクチン注射を打つのもこの時期。また犬用のドライフードもこの頃から食べられるようになります。
犬も猫も動物はみな、子どものときは本当にかわいいものです。
ぬいぐるみのように丸くて、コロコロと元気に遊ぶかわいい姿を見て、子犬を飼いたいと思ったら、まずよく考えてみましょう。
きみは、この子犬が大人になって、死ぬまできちんと面倒をみることができますか?
犬は人間よりずっと早く年をとります。
大型犬の場合、生まれてから最初の1年で人間の12歳ぐらいになり、10歳になると人間でいえば76歳ぐらいのおじいちゃん、おばあちゃんになってしまいます。
きみが10歳のときに子犬を飼ったとしたら、20歳になる頃に、犬の体の年齢は何歳ぐらいになっているでしょう。そのときもきみは今と変わらず、その犬を大切にできますか?
家族で夏休みに旅行に行くとき、犬はどうしますか? ①犬は長いあいだ、ひとりで留守番することはできません。
朝晩の散歩や食事の世話をお母さんやお父さんに任せっぱなしにしないで面倒をみる自信がありますか?
年をとれば、犬も人間と同じように病気になることが増えてきます。関節が痛くて歩けなくなったり、*白内障になって目が見えにくくなったり、耳も遠くなります。毛づやが悪くなり、口臭や体臭も強くなります。そうなると、汚いとか病院にかかるお金がもったいないなどといって、犬の世話をしなくなる人がいます。もう面倒をみきれないといって「動物愛護センター」や「動物保護センター」に持ち込んだり、山の中に捨ててしまったりする人もいるのです。
きみたちは決してそんなことをしないでください。
(日野原重明『いのちのギフト』)
注
- 免疫抗体
- 体に入ってきた病原菌などに抵抗する物質。
- 白内障
- 目がにごって見えにくくなる病気。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
図書館の利用は会員カードを持っている人だけにきょ可されている。
傷口をほごするために、ばんそうこうを貼った。
社長と直せつ話をした。
植物が成長するためには水がひつようだ。
えいようのあるものを食べれば早く元気になるでしょう。
Confirm Testの答え
- 答え
許
- 答え
保護
- 答え
接
- 答え
必要
- 答え
栄養
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「犬は長いあいだ、ひとりで留守番することはできません」とありますが、ここで筆者が言いたいこととしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 犬の世話をする人が必要だということ。
- イ 犬は旅行に連れて行けないということ。
- ウ 犬と人間はちがうということ。
- エ 犬を一頭で飼ってはいけないということ。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で筆者がいいたいことを具体的に表したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 犬は生まれたばかりのときはお母さん犬の免疫抗体をもっているが、大きくなると病気になりやすい。
- イ 生まれたばかりの子犬でも、年をとった犬でも、人間と同じところがたくさんある。
- ウ 犬は子どものときはかわいいものだが、飼うならば死ぬまで面倒をみる覚悟をもたなくてはいけない。
- エ 犬はぐんぐん大きくなるので、自分が何歳のときに犬の体が何歳ぐらいになるのかを知っておく必要がある。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生まれたばかりの子犬はお母さん犬の母乳をたくさん飲んで、体にAひつようなBえいようや病気にならないための*免疫抗体を受け取り、ぐんぐん大きくなっていきます。
お母さん犬に甘えたり兄弟犬と遊んだりけんかをしたりしながら、①犬の社会にひつようなルールを学びます。子犬が悪いことや危ないことをすると、ふだんはやさしいお母さん犬が厳しく叱ります。そして子犬は何が危険なのか、いたずらはどこまでCゆるされるのか、などを学んでいくのです。人間と同じですね。そして人間とどうDせっするかもこの時期に知ります。生まれてからの数カ月は、犬にとってたいへん重要な時間なのです。
だから日本の法律では、生まれてから8週間以上たたないと犬を売り買いしてはいけないことになっています。お母さん犬からの免疫抗体の効果がこの時期に切れるので、最初のワクチン注射を打つのもこの時期。また犬用のドライフードもこの頃から食べられるようになります。
犬も猫も動物はみな、子どものときは本当にかわいいものです。
ぬいぐるみのように丸くて、コロコロと元気に遊ぶかわいい姿を見て、子犬を飼いたいと思ったら、まずよく考えてみましょう。
②きみは、この子犬が大人になって、死ぬまできちんと面倒をみることができますか?
犬は人間よりずっと早く年をとります。
大型犬の場合、生まれてから最初の1年で人間の12歳ぐらいになり、10歳になると人間でいえば76歳ぐらいのおじいちゃん、おばあちゃんになってしまいます。
きみが10歳のときに子犬を飼ったとしたら、20歳になる頃に、犬の体の年齢は何歳ぐらいになっているでしょう。そのときもきみは今と変わらず、その犬を大切にできますか?
家族で夏休みに旅行に行くとき、犬はどうしますか? 犬は長いあいだ、ひとりで留守番することはできません。
朝晩の散歩や食事の世話をお母さんやお父さんに任せっぱなしにしないで面倒をみる自信がありますか?
年をとれば、犬も人間と同じように病気になることが増えてきます。関節が痛くて歩けなくなったり、*白内障になって目が見えにくくなったり、耳も遠くなります。毛づやが悪くなり、口臭や体臭も強くなります。そうなると、汚いとか病院にかかるお金がもったいないなどといって、犬の世話をしなくなる人がいます。もう面倒をみきれないといって「動物愛ごセンター」や「動物Eほごセンター」に持ち込んだり、山の中に捨ててしまったりする人もいるのです。
きみたちは決してそんなことをしないでください。
(日野原重明『いのちのギフト』)
注
- 免疫抗体
- 体に入ってきた病原菌などに抵抗する物質。
- 白内障
- 目がにごって見えにくくなる病気。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 必要 B 栄養 C 許 D 接 E 保護 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
生まれたばかりの子犬はお母さん犬の母乳をたくさん飲んで、体に必要な栄養や病気にならないための*免疫抗体を受け取り、ぐんぐん大きくなっていきます。
お母さん犬に甘えたり兄弟犬と遊んだりけんかをしたりしながら、犬の社会に必要なルールを学びます。子犬が悪いことや危ないことをすると、ふだんはやさしいお母さん犬が厳しく叱ります。そして子犬は何が危険なのか、いたずらはどこまで許されるのか、などを学んでいくのです。人間と同じですね。そして人間とどう接するかもこの時期に知ります。生まれてからの数カ月は、犬にとってたいへん重要な時間なのです。
だから日本の法律では、生まれてから8週間以上たたないと犬を売り買いしてはいけないことになっています。お母さん犬からの免疫抗体の効果がこの時期に切れるので、最初のワクチン注射を打つのもこの時期。また犬用のドライフードもこの頃から食べられるようになります。
犬も猫も動物はみな、子どものときは本当にかわいいものです。
ぬいぐるみのように丸くて、コロコロと元気に遊ぶかわいい姿を見て、子犬を飼いたいと思ったら、まずよく考えてみましょう。
①きみは、この子犬が大人になって、死ぬまできちんと面倒をみることができますか?
犬は人間よりずっと早く年をとります。
大型犬の場合、生まれてから最初の1年で人間の12歳ぐらいになり、10歳になると人間でいえば76歳ぐらいのおじいちゃん、おばあちゃんになってしまいます。
きみが10歳のときに子犬を飼ったとしたら、20歳になる頃に、犬の体の年齢は何歳ぐらいになっているでしょう。そのときもきみは今と変わらず、その犬を大切にできますか?
家族で夏休みに旅行に行くとき、犬はどうしますか? 犬は長いあいだ、ひとりで留守番することはできません。
朝晩の散歩や食事の世話をお母さんやお父さんに任せっぱなしにしないで面倒をみる自信がありますか?
年をとれば、犬も人間と同じように病気になることが増えてきます。関節が痛くて歩けなくなったり、*白内障になって目が見えにくくなったり、耳も遠くなります。毛づやが悪くなり、口臭や体臭も強くなります。そうなると、汚いとか病院にかかるお金がもったいないなどといって、犬の世話をしなくなる人がいます。もう面倒をみきれないといって「動物愛護センター」や「動物保護センター」に持ち込んだり、山の中に捨ててしまったりする人もいるのです。
きみたちは決して②そんなことをしないでください。
(日野原重明『いのちのギフト』)
注
- 免疫抗体
- 体に入ってきた病原菌などに抵抗する物質。
- 白内障
- 目がにごって見えにくくなる病気。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
環境ほごについて調べ学習をした。
コーヒーにお砂糖はひつようですか。
わたしは自分の考えをゆるしてもらえるか不安だった。
フランスはドイツにせっしている。
野菜にはえいようがあるので、毎日食べる。
Practiceの答え
- 答え
保護
- 答え
必要
- 答え
許して
- 答え
接して
- 答え
栄養
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「きみは、この子犬が大人になって、死ぬまできちんと面倒をみることができますか?」とありますが、具体的にどんなことを考える必要があるのですか。次の文のにあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。(完答)
- ・年をとって、犬がになったり、につやがなくなったり、やが強くなったりしても大切にできるのかということ。
- ・家族でとき犬をどうするのかということ。
Lessonの答え
- 答え
病気・毛・口臭・体臭・旅行に行く (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「きみは、この子犬が大人になって、死ぬまできちんと面倒をみることができますか?」とありますが、具体的にどんなことを考える必要があるのですか。次の文のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
- ・やを自分でできるのかということ。
Practiceの答え
- 答え
朝晩の散歩・食事の世話 (完答)
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「犬の社会にひつようなルールを学びます」とありますが、たとえば何を学ぶのですか。文中に挙げられている例を二つ書きぬきなさい。(順不同・完答)
Lessonの答え
- 答え
- ・ 何が危険なのか
- ・ いたずらはどこまでゆるされるのか
(順不同・完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「そんなこと」とは、どんなことですか。次の文の〔 〕にあてはまることばを、それぞれ書きなさい。(完答)
〔 〕の〔 〕をしなくなること。
Practiceの答え
- 答え
年をとった犬・世話 (完答)
13-2 説明文11
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
年をとった犬はつまらないでしょうか?
「いいえ、そんなことはありません」と、犬を長く飼っている人の多くがそういいます。
老犬には老犬にしかない魅力がたくさんあるそうです。
まず、とても落ち着いています。若い犬のようにだれかれかまわずじゃれついたり、吠えたり、いたずらをすることが少ないのです。世の中は犬の好きな人ばかりではありません。犬に近づかれただけで動けなくなるほど苦手な人もいます。そこへいくと、年齢を重ねた犬は動作もゆっくりしているし、少々のことでうるさく騒ぎ立てたりしません。
年をとった犬は、子犬のときのような好奇心よりもマイペースを好み、一日中寝ていることが多くなります。それでもゆったりと寝ている犬がそこにいる、というだけで安心感を与えてくれます。
学校や仕事場といった外の社会でいろいろなことがあり、なんだか疲れてしまったとき、家族に老犬がいるというだけで、不思議にしみじみと平和な気持ちになるものです。
若い犬なら決してしないような間違いをしてみんなの笑いを誘ったり、若いときにはプライドが高かったのに老いてからとても甘えん坊の犬に変わったという例もあります。犬を長く飼ってきて、年老いた犬がいちばん愛おしいという人も多いのです。
犬も長生きすると、人間と同じように認知症になる場合があります。
そうなると昼と夜が逆転したり、いくら食べても「ごはんはまだかなあ」と何度も催促に来たりするかもしれません。
オムツをする犬もいます。排泄をしていいところといけないところの区別がつかなくなったり、区別はついても、コントロールする力がなくなっておもらしをしてしまったりするからです。
そんな犬を見たら、きみたちは汚いと思うかもしれません。
でも考えてみてください。きみたちも赤ちゃんのときはオムツをしていましたね。それでもお母さんやお父さんは嫌な顔ひとつせず、「いいウンチが出たね」とニコニコしながらうれしそうにオムツを取り替えていたのです。
人間だって大人になってから病気やケガ、それからうんと年をとって動けなくなるとオムツをすることがあります。もちろんきみたちだって、いつかそうなるかもしれません。そんなとき、きみたちは家族やまわりの人たちにどういうふうに接してほしいですか?
悲しいことや苦しいこと、たくさんのストレスに押しつぶされそうになって、もう死にたいと思ってしまったことはありますか?
そんなとき、長く生きてきた老犬の姿は「小さなことは気にしないでいいんだよ」という、生きかたのコツを教えてくれます。
犬は病気になっても、年をとっても、犬同士でけんかしていじめられても、そしていちばん大好きで信頼していた人間に裏切られても、自分から死のうとすることは決してありません。
動物は、生き延びることしか考えません。
苦しいときには、それを乗り越えるために強くなり、あるいは苦しみから逃れる知恵を出し、あるいはじっと耐え忍ぶことで、老犬になるまで生き抜いてきました。そして満足そうにそこで寝ているのです。
犬は何もいわないけれど、そこにいるだけで、きみたちが①生きていくために大切なことを身をもって教えてくれるのです。
(日野原重明『いのちのギフト』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
将来は弁護しになりたい。
先生はいつも、人と人とのあいの大切さを教えてくれる。
今日はふしぎなことばかりが起こる。
わらうことは健康に良いと言われている。
先生が実験のれいを見せるとき、クラス全体が静かになった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「好奇心」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 父は毎日のランニングを好奇心で続けた。
- イ 子どもたちは好奇心で質問しなかった。
- ウ 理科の先生は、実験を見せることで生徒に好奇心を持たせた。
- エ 彼は好奇心で授業中ずっと黙っていた。
Confirm Testの答え
- 答え
士
- 答え
愛
- 答え
不思議
- 答え
笑う
- 答え
例
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「生きていくために大切なことを身をもって教えてくれる」とありますが、具体的に何を教えてくれるのですか。次の文のにあてはまることばを文中から七字で書きぬきなさい。
苦しくても生き抜くための。
Confirm Testの答え
- 答え
生きかたのコツ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
年をとった犬はつまらないでしょうか?
「いいえ、そんなことはありません」と、犬を長く飼っている人の多くがそういいます。
老犬には老犬にしかない魅力がたくさんあるそうです。
まず、とても落ち着いています。若い犬のようにだれかれかまわずじゃれついたり、吠えたり、いたずらをすることが少ないのです。世の中は犬の好きな人ばかりではありません。犬に近づかれただけで動けなくなるほど苦手な人もいます。そこへいくと、年齢を重ねた犬は動作もゆっくりしているし、少々のことでうるさく騒ぎ立てたりしません。
年をとった犬は、子犬のときのような好奇心よりもマイペースをこのみ、一日中寝ていることが多くなります。それでもゆったりと寝ている犬がそこにいる、というだけで安心感を与えてくれます。
学校や仕事場といった外の社会でいろいろなことがあり、なんだか疲れてしまったとき、家族に老犬がいるというだけで、Aふしぎにしみじみと平和な気持ちになるものです。
若い犬なら決してしないような間違いをしてみんなのBわらいを誘ったり、若いときにはプライドが高かったのに老いてからとても甘えん坊の犬に変わったというCれいもあります。犬を長く飼ってきて、年老いた犬がいちばんDいとおしいという人も多いのです。
①犬も長生きすると、人間と同じように認知症になる場合があります。
そうなると昼と夜が逆転したり、いくら食べても「ごはんはまだかなあ」と何度も催促に来たりするかもしれません。
②オムツをする犬もいます。排泄をしていいところといけないところの区別がつかなくなったり、区別はついても、コントロールする力がなくなっておもらしをしてしまったりするからです。
そんな犬を見たら、きみたちは汚いとおもうかもしれません。
でも考えてみてください。きみたちも赤ちゃんのときはオムツをしていましたね。それでもお母さんやお父さんは嫌な顔ひとつせず、「いいウンチが出たね」とニコニコしながらうれしそうにオムツを取り替えていたのです。
人間だって大人になってから病気やケガ、それからうんと年をとって動けなくなるとオムツをすることがあります。もちろんきみたちだって、いつかそうなるかもしれません。そんなとき、きみたちは家族やまわりの人たちにどういうふうに接してほしいですか?
悲しいことや苦しいこと、たくさんのストレスに押しつぶされそうになって、もう死にたいとおもってしまったことはありますか?
そんなとき、長く生きてきた老犬の姿は「小さなことは気にしないでいいんだよ」という、生きかたのコツを教えてくれます。
犬は病気になっても、年をとっても、犬同Eしでけんかしていじめられても、そしていちばん大好きで信頼していた人間に裏切られても、自分から死のうとすることは決してありません。
動物は、生き延びることしか考えません。
苦しいときには、それを乗り越えるために強くなり、あるいは苦しみから逃れる知恵を出し、あるいはじっと耐え忍ぶことで、老犬になるまで生き抜いてきました。そして満足そうにそこで寝ているのです。
犬は何もいわないけれど、そこにいるだけで、きみたちが生きていくために大切なことを身をもって教えてくれるのです。
(日野原重明『いのちのギフト』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「好奇心」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 新しいことや知らないことへの強い興味と学びたいという気持ち
- イ 何にでも積極的に取り組む、元気で活動的な性格
- ウ よく考えずにすぐに行動する、さっさと動く性格
- エ 長時間、同じ事に注意を向け続ける能力
Lessonの答え
- 答え
A 不思議 B 笑 C 例 D 愛 E 士 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
年をとった犬はつまらないでしょうか?
「いいえ、そんなことはありません」と、犬を長く飼っている人の多くがそういいます。
老犬には老犬にしかない魅力がたくさんあるそうです。
まず、とても落ち着いています。若い犬のようにだれかれかまわずじゃれついたり、吠えたり、いたずらをすることが少ないのです。世の中は犬の好きな人ばかりではありません。犬に近づかれただけで動けなくなるほど苦手な人もいます。そこへいくと、年齢を重ねた犬は動作もゆっくりしているし、少々のことでうるさく騒ぎ立てたりしません。
年をとった犬は、子犬のときのような好奇心よりもマイペースを好み、一日中寝ていることが多くなります。それでもゆったりと寝ている犬がそこにいる、というだけで安心感を与えてくれます。
学校や仕事場といった外の社会でいろいろなことがあり、なんだか疲れてしまったとき、家族に老犬がいるというだけで、不思議にしみじみと平和な気持ちになるものです。
若い犬なら決してしないような間違いをしてみんなの笑いを誘ったり、若いときにはプライドが高かったのに老いてからとても甘えん坊の犬に変わったという例もあります。犬を長く飼ってきて、年老いた犬がいちばん愛おしいという人も多いのです。
犬も長生きすると、人間と同じように認知症になる場合があります。
そうなると昼と夜が逆転したり、いくら食べても「ごはんはまだかなあ」と何度も催促に来たりするかもしれません。
オムツをする犬もいます。排泄をしていいところといけないところの区別がつかなくなったり、区別はついても、コントロールする力がなくなっておもらしをしてしまったりするからです。
そんな犬を見たら、きみたちは汚いと思うかもしれません。
でも考えてみてください。きみたちも赤ちゃんのときはオムツをしていましたね。それでもお母さんやお父さんは嫌な顔ひとつせず、「いいウンチが出たね」とニコニコしながらうれしそうにオムツを取り替えていたのです。
人間だって大人になってから病気やケガ、それからうんと年をとって動けなくなるとオムツをすることがあります。もちろんきみたちだって、いつかそうなるかもしれません。①そんなとき、きみたちは家族やまわりの人たちにどういうふうに接してほしいですか?
悲しいことや苦しいこと、たくさんのストレスに押しつぶされそうになって、もう死にたいと思ってしまったことはありますか?
そんなとき、長く生きてきた老犬の姿は「小さなことは気にしないでいいんだよ」という、生きかたのコツを教えてくれます。
犬は病気になっても、年をとっても、犬同士でけんかしていじめられても、そしていちばん大好きで信頼していた人間に裏切られても、自分から死のうとすることは決してありません。
動物は、生き延びることしか考えません。
苦しいときには、それを乗り越えるために強くなり、あるいは苦しみから逃れる知恵を出し、あるいはじっと耐え忍ぶことで、老犬になるまで生き抜いてきました。そして満足そうにそこで寝ているのです。
犬は何もいわないけれど、そこにいるだけで、きみたちが生きていくために大切なことを身をもって教えてくれるのです。
(日野原重明『いのちのギフト』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
おじいちゃんは、いつも庭の花をいとおしんでいる。
わたしはえ顔で友達にあいさつした。
彼とわたしは隣同しの席だ。
わたしの弟はふしぎな力を持っている。
自分の夢を大きな船にたとえて話をした。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「新しいことや知らないことへの強い興味と学びたいという気持ち」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
子どもたちは宇宙に対するを持っている。
Practiceの答え
- 答え
愛おしんで
- 答え
笑
- 答え
士
- 答え
不思議
- 答え
例えて
- 答え
こうきしん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「犬も長生きすると、人間と同じように認知症になる場合があります」、②「オムツをする犬もいます」とありますが、これらの例を通して筆者が言いたいこととしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 犬は人間とまったく同じように考えねばならないということ。
- イ 犬がわずらわしい存在になるかも知れないということ。
- ウ 犬にもいろんな個性があるということ。
- エ 犬は人間の思う通りには行動しないということ。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そんなとき、きみたちは家族やまわりの人たちにどういうふうに接してほしいですか?」と問いかけていますが、筆者はここでどんなことが言いたいのですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 家族やまわりの人たちはきみにも犬にも同じように接するはずだ。
- イ きみたちが犬を家族と同じように考え、あつかうことはできるはずだ。
- ウ 家族やまわりの人にきみたちの希望をちゃんと伝えておくべきだ。
- エ きみたちが人からこう接してほしいとのぞむ接し方で、きみたちも犬に接してあげるべきだ。
Practiceの答え
- 答え
エ
13-3 説明文12
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
そしてある日、そのいのちが消える日が来ます。
手のひらに乗るほど小さかった子犬が大人になって、元気に外を走り、いつか年老いて、死んでしまいます。
きみを玄関で出迎えてくれたり、そばにいて話を聞いてくれたりした、楽しいたくさんの思い出がありますね。犬が死んでから気づくことや、謝りたいこともたくさん思い出すでしょう。
子犬のときはあんなに遊んだのに、犬が年をとってから世話をしなくなっていたこと。きみが犬のことを忘れて遊んでいるときも、犬はきみが帰ってくるのをずっと待っていたのです。きみを恨むことなく、ただ早く帰ってきてとひたすら待っていました。
そんなことが限りなく思い出されて、後悔で涙が止まらないこともあるでしょう。
お別れはとても辛いものです。犬を大切にしてきた人ほど、その悲しみは深いはずです。その悲しみがあまりに深いので、もう二度と動物は飼わないという人もいます。
でも、きみがいつまでも泣いていると、きみを大好きだった犬はきっと悲しんでいます。
もう「ごめんね」も「ありがとう」も死んでしまった犬にいうことはできません。でも、きみにできることがあります。
きみが犬にもらった幸せを、ほかのだれかに分けてあげるのです。それを「ペイフォワード」といいます。
だれかから良いことをしてもらったら、それをその人にお返しすることは「ペイバック」といいます。誕生日のプレゼントをもらったから、その人の誕生日にお返しのプレゼントをする、それがぺイバックです。
でも、死んでしまった愛犬に幸せのお返しをすることはもうできません。そこで、その愛犬にもらった幸せをほかの犬や動物に向けるのです。
それが「ペイフォワード」の考えかたです。
たとえば、ひどい目にあっている犬、ひとりぼっちになってしまった保護犬をセンターから引き取って、きみの家に迎えるというのもひとつの方法です。
もう犬や猫が飼えない、というのであれば、保護犬や保護猫、被災した犬や動物たち、盲導犬や*セラピードッグなどのために、きみができることはないか考えてみませんか。
どんな方法でもいいですから、ひとつずつやってみてください。
①だれかといっしょに楽しんだり、感動したり、泣いたりする時間を大切にしたいと私はいつも思います。心健やかに人生を楽しむためには、「憎む」という気持ちをもたないことです。人生には、もっとほかに時間をかけなければならないことがたくさんあります。
大切なのは、穏やかな笑顔をつくってあげたいと寄り添う気持ち、「愛の心をもつ」ということです。犬や動物のいのちに寄り添うことで、きみのいのちは支え合って輝くのです。
(日野原重明『いのちのギフト』)
注
- セラピードッグ
- 心身がきずついた人や障害を持つ人とふれ合うことで、心をいやしたり、治療効果を高めたりすることができるように訓練された犬。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この商品は数量げん定で販売される。
大きな木が家のささえになって、台風でも安心だ。
仲直りするためにしゃ罪する。
ろう人には親切にしましょう。
二つの町を結ぶかん門が完成した。
Confirm Testの答え
- 答え
限
- 答え
支え
- 答え
謝
- 答え
老
- 答え
関
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「だれかといっしょに楽しんだり、感動したり、泣いたりする時間を大切にしたい」のは、どんな気持ちの表れといえますか。次のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
だれかのいのちに気持ち。
この文章で、筆者は犬や動物を飼う意義をどう述べていますか。次の文のにあてはまることばを、それぞれ文中から六字と三字で書きぬきなさい。(完答)
心健やかにために大切な、をもつことができる。
Confirm Testの答え
- 答え
寄り添う
- 答え
人生を楽しむ・愛の心 (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
そしてある日、そのいのちが消える日が来ます。
手のひらに乗るほど小さかった子犬が大人になって、元気に外を走り、いつか年Aおいて、死んでしまいます。
きみを玄Bかんで出迎えてくれたり、そばにいて話を聞いてくれたりした、楽しいたくさんの思い出がありますね。犬が死んでから気づくことや、Cあやまりたいこともたくさん思い出すでしょう。
子犬のときはあんなに遊んだのに、犬が年をとってから世話をしなくなっていたこと。きみが犬のことを忘れて遊んでいるときも、犬はきみが帰ってくるのをずっと待っていたのです。きみを恨むことなく、ただ早く帰ってきてとひたすら待っていました。
そんなことがDかぎりなく思い出されて、後悔で涙が止まらないこともあるでしょう。
お別れはとても辛いものです。犬を大切にしてきた人ほど、その悲しみは深いはずです。その悲しみがあまりに深いので、①もう二度と動物は飼わないという人もいます。
でも、きみがいつまでも泣いていると、きみを大好きだった犬はきっと悲しんでいます。
もう「ごめんね」も「ありがとう」も死んでしまった犬にいうことはできません。でも、きみにできることがあります。
きみが犬にもらった幸せを、ほかのだれかに分けてあげるのです。それを「ペイフォワード」といいます。
だれかから良いことをしてもらったら、それをその人にお返しすることは「ペイバック」といいます。誕生日のプレゼントをもらったから、その人の誕生日にお返しのプレゼントをする、それがぺイバックです。
でも、死んでしまった愛犬に幸せのお返しをすることはもうできません。そこで、その愛犬にもらった幸せをほかの犬や動物に向けるのです。
それが「ペイフォワード」の考えかたです。
たとえば、ひどい目にあっている犬、ひとりぼっちになってしまった保護犬をセンターから引き取って、きみの家に迎えるというのもひとつの方法です。
もう犬や猫が飼えない、というのであれば、保護犬や保護猫、被災した犬や動物たち、盲導犬や*セラピードッグなどのために、きみができることはないか考えてみませんか。
どんな方法でもいいですから、ひとつずつやってみてください。
だれかといっしょに楽しんだり、感動したり、泣いたりする時間を大切にしたいと私はいつも思います。心健やかに人生を楽しむためには、「憎む」という気持ちをもたないことです。人生には、もっとほかに時間をかけなければならないことがたくさんあります。
大切なのは、穏やかな笑顔をつくってあげたいと寄り添う気持ち、「愛の心をもつ」ということです。犬や動物のいのちに寄り添うことで、きみのいのちはEささえ合って輝くのです。
(日野原重明『いのちのギフト』)
注
- セラピードッグ
- 心身がきずついた人や障害を持つ人とふれ合うことで、心をいやしたり、治療効果を高めたりすることができるように訓練された犬。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 老 B 関 C 謝 D 限 E 支 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
そしてある日、そのいのちが消える日が来ます。
手のひらに乗るほど小さかった子犬が大人になって、元気に外を走り、いつか年老いて、死んでしまいます。
きみを玄関で出迎えてくれたり、そばにいて話を聞いてくれたりした、楽しいたくさんの思い出がありますね。犬が死んでから気づくことや、謝りたいこともたくさん思い出すでしょう。
子犬のときはあんなに遊んだのに、犬が年をとってから世話をしなくなっていたこと。きみが犬のことを忘れて遊んでいるときも、犬はきみが帰ってくるのをずっと待っていたのです。きみを恨むことなく、ただ早く帰ってきてとひたすら待っていました。
そんなことが限りなく思い出されて、後悔で涙が止まらないこともあるでしょう。
お別れはとても辛いものです。犬を大切にしてきた人ほど、その悲しみは深いはずです。その悲しみがあまりに深いので、もう二度と動物は飼わないという人もいます。
でも、きみがいつまでも泣いていると、きみを大好きだった犬はきっと悲しんでいます。
①もう「ごめんね」も「ありがとう」も死んでしまった犬にいうことはできません。でも、きみにできることがあります。
きみが犬にもらった幸せを、ほかのだれかに分けてあげるのです。それを「ペイフォワード」といいます。
だれかから良いことをしてもらったら、それをその人にお返しすることは「ペイバック」といいます。誕生日のプレゼントをもらったから、その人の誕生日にお返しのプレゼントをする、それがぺイバックです。
でも、死んでしまった愛犬に幸せのお返しをすることはもうできません。そこで、その愛犬にもらった幸せをほかの犬や動物に向けるのです。
それが「ペイフォワード」の考えかたです。
たとえば、ひどい目にあっている犬、ひとりぼっちになってしまった保護犬をセンターから引き取って、きみの家に迎えるというのもひとつの方法です。
もう犬や猫が飼えない、というのであれば、保護犬や保護猫、被災した犬や動物たち、盲導犬や*セラピードッグなどのために、きみができることはないか考えてみませんか。
どんな方法でもいいですから、ひとつずつやってみてください。
だれかといっしょに楽しんだり、感動したり、泣いたりする時間を大切にしたいと私はいつも思います。心健やかに人生を楽しむためには、「憎む」という気持ちをもたないことです。人生には、もっとほかに時間をかけなければならないことがたくさんあります。
大切なのは、穏やかな笑顔をつくってあげたいと寄り添う気持ち、「愛の心をもつ」ということです。犬や動物のいのちに寄り添うことで、きみのいのちは支え合って輝くのです。
(日野原重明『いのちのギフト』)
注
- セラピードッグ
- 心身がきずついた人や障害を持つ人とふれ合うことで、心をいやしたり、治療効果を高めたりすることができるように訓練された犬。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
急いで出かけるし度をした。
おいた母と二人で暮らしている。
時間がかぎられているので、急いで宿題を終わらせよう。
遅刻したことをあやまった。
医者は命にかかわる仕事だ。
Practiceの答え
- 答え
支
- 答え
老いた
- 答え
限られて
- 答え
謝った
- 答え
関わる
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「もう二度と動物は飼わないという人もいます」とありますが、それはなぜだと考えられますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア またすぐに次の動物を飼うのは、長いこといっしょにいた、死んだ動物に対して失礼だから。
- イ 自分もずいぶん年をとったので、動物を飼うような体力がないから。
- ウ これまでを思い返してみて、動物を飼って楽しいことはなかったから。
- エ 次の動物が死ぬときに、また同じような悲しみを味わうのがいやだから。
Lessonの答え
- 答え
エ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「もう『ごめんね』も『ありがとう』も死んでしまった犬にいうことはできません」について、「ごめんね」をいいたいのは、どんなことに対してですか。それが書かれている部分の初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
線①「もう『ごめんね』も『ありがとう』も死んでしまった犬にいうことはできません」について、「ありがとう」をいいたいのは、どんなことに対してですか。文中のことばを使って書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
子犬のと(〜)ました。
- 答え
玄関で出迎えてくれたり、そばにいて話を聞いてくれたりしたこと。
14章 詩
詩の読み方
14-1 詩2
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
奈々子に 吉野 弘
- 赤い林檎の頰をして
- 眠っている 奈々子。
- お前のお母さんの頰の赤さは
- そっくり
- 奈々子の頰にいってしまって
- ひところのお母さんの
- つややかな頰は少し青ざめた
- お父さんにも ちょっと
- 酸っぱい思いがふえた。
- 唐突だが
- 奈々子
- ①お父さんは お前に
- 多くを期待しないだろう。
- ひとが
- ほかからの期待に応えようとして
- どんなに
- 自分を駄目にしてしまうか
- お父さんは はっきり
- 知ってしまったから。
- お父さんが
- お前にあげたいものは
- 健康と
- 自分を愛する心だ。
- ひとが
- ひとでなくなるのは
- 自分を愛することをやめるときだ。
- 自分を愛することをやめるとき
- ひとは
- 他人を愛することをやめ
- 世界を見失ってしまう。
- 自分があるとき
- 他人があり
- 世界がある。
- お父さんにも
- お母さんにも
- 酸っぱい苦労がふえた。
- 苦労は
- 今は
- お前にあげられない。
- お前にあげたいものは
- 香りのよい健康と
- かちとるにむづかしく
- はぐくむにむづかしい
- 自分を愛する心だ。
次の にあてはまることばを漢字四字で書きなさい。
この詩の種類は 詩である。
Confirm Testの答え
- 答え
口語自由
Confirm Test
Training1(または確認テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
線①「お父さんは お前に/多くを期待しないだろう」とありますが、それはなぜですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 奈々子には、お父さんとお母さんの酸っぱい苦労に、自分で気づいてほしいから。
- イ 奈々子はまだおさなすぎるので、どんなことを期待したらよいかがわからないから。
- ウ 奈々子には、自分を見失うことなく、のびのびと育っていってほしいから。
- エ 奈々子に期待をかけすぎて、あとでがっかりするのはいやだから。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
奈々子に 吉野 弘
- 赤い林檎の頰をして
- 眠っている 奈々子。
- お前のお母さんの頰の赤さは
- そっくり
- 奈々子の頰にいってしまって
- ①ひところのお母さんの
- つややかな頰は少し青ざめた
- お父さんにも ちょっと
- 酸っぱい思いがふえた。
- 唐突だが
- 奈々子
- お父さんは お前に
- 多くを期待しないだろう。
- ひとが
- ほかからの期待に応えようとして
- どんなに
- 自分を駄目にしてしまうか
- お父さんは はっきり
- 知ってしまったから。
- お父さんが
- お前にあげたいものは
- 健康と
- 自分を愛する心だ。
- ひとが
- ひとでなくなるのは
- 自分を愛することをやめるときだ。
- 自分を愛することをやめるとき
- ひとは
- 他人を愛することをやめ
- 世界を見失ってしまう。
- 自分があるとき
- 他人があり
- 世界がある。
- お父さんにも
- お母さんにも
- 酸っぱい苦労がふえた。
- 苦労は
- 今は
- お前にあげられない。
- お前にあげたいものは
- 香りのよい健康と
- かちとるにむづかしく
- はぐくむにむづかしい
- 自分を愛する心だ。
この詩の種類としてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
ア 口語自由詩 イ 口語定型詩
ウ 文語自由詩 エ 文語定型詩
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
奈々子に 吉野 弘
- 赤い林檎の頰をして
- 眠っている 奈々子。
- お前のお母さんの頰の赤さは
- そっくり
- 奈々子の頰にいってしまって
- ひところのお母さんの
- つややかな頰は少し青ざめた
- お父さんにも ちょっと
- 酸っぱい思いがふえた。
- 唐突だが
- 奈々子
- お父さんは お前に
- 多くを期待しないだろう。
- ひとが
- ほかからの期待に応えようとして
- どんなに
- 自分を駄目にしてしまうか
- お父さんは はっきり
- 知ってしまったから。
- お父さんが
- お前にあげたいものは
- 健康と
- 自分を愛する心だ。
- ひとが
- ひとでなくなるのは
- 自分を愛することをやめるときだ。
- 自分を愛することをやめるとき
- ひとは
- 他人を愛することをやめ
- 世界を見失ってしまう。
- 自分があるとき
- 他人があり
- 世界がある。
- お父さんにも
- お母さんにも
- 酸っぱい苦労がふえた。
- ①苦労は
- 今は
- お前にあげられない。
- お前にあげたいものは
- 香りのよい健康と
- かちとるにむづかしく
- はぐくむにむづかしい
- 自分を愛する心だ。
次の にあてはまることばを漢字四字で書きなさい。
この詩の種類は 詩である。
Practiceの答え
- 答え
口語自由
Point
Lesson
Lesson
Lesson1(または確認テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
線①「ひところのお母さんの/つややかな頰は少し青ざめた」について、「少し青ざめた」とは、どんなことを表していますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア お母さんの頰が以前にも増してやせ細ったということ。
- イ お母さんが一人前のりっぱな大人になったということ。
- ウ お母さんがさまざまな苦労を経験してきたということ。
- エ お母さんが酸っぱいものを食べすぎてしまったということ。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
Practice1(または確認テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
線①「苦労は/今は/お前にあげられない」とありますが、作者は、奈々子に、苦労ではなく、何をあげたいと考えていますか。詩の中から二つ書きぬきなさい。(順不同・完答)
Practiceの答え
- 答え
(香りのよい)健康・自分を愛する心 (順不同・完答)
15章 物語
物語文の読み方
15-1 物語文12
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
三上くんは、手紙を何通か少年に書き送っていた。
引っ越して間もない四月に届いた手紙には、〈今度の学校は、あまりおもしろくありません〉とあった。〈トシユキや南小の友だちのことを、しょっちゅう思いだします〉とも書いていた。手紙の締めくくりは〈南小四年一組、*フォーエバー!〉だった。
五月の手紙には、S市のことが書いてあった。
〈デパートがたくさんあって、日曜日は買い物に行くのが楽しみです〉〈アーケードの商店街もあります〉〈市営球場ではプロ野球の試合もあるというので、いまから楽しみです〉〈今度、学校の社会科見学で新聞社の支局に行きます〉〈S市のほうが都会です〉
少年が住んでいるのは「町」だった。S市は、十万人以上の人口がある、県内でも大きいほうの「市」︱県の職員だった三上くんのお父さんは出世してS市に転勤になったんだと、町役場に勤める少年のお父さんは少しうらやましそうに言っていた。
五月に届いた別の手紙には、新しい学校のことが書いてあった。〈けっこうおもしろい友だちもいます〉〈こっちはクラスの数も多いので、運動会はすごくもり上がるそうです〉〈足の速い子がたくさんいるので、リレーの選手にはなれないかもしれません〉〈トシユキと同じ名前の(みょう字はちがいます)友だちがいて、トシユキのことを教えてあげると、「今度会ってみたい」と言っていました〉〈こっちは男子と女子がわりと仲がよくて、恋人になってる二人もいます〉〈前の学校より勉強の進み方が速いので、宿題をやるのが大変です〉
それを読んだとき、少年はちょっとムッとした。〈こっち〉や〈前の学校〉という言い方がおもしろくなかった。自分と同じトシユキという名前の奴のことを、どうせたいしたことないよ、と決めつけた。
手紙の返事に、〈約束どおり、夏休みになったら遊びに行きます〉と書いた。南小の友だちの様子を一人ずつこまかく教えてやって、最後に〈南小も五年生になったら急に勉強が難しくなりました〉と書いた。
①六月の手紙は、葉書だった。〈遊びに来るのを楽しみにしています〉とあった。
手紙のやり取りは、そこまでだった。S市を訪ねる段取りは、夏休み前にお母さんとおばさんに決めてもらった。「自分で電話すればいいのに」とお母さんはあきれ顔になって言ったが、少年は「いいよ、お母さんが決めて」と電話番号のメモを渡しただけで、自分では受話器を取ろうとしなかった。
「もしも断られたら嫌だから?」とお母さんはいたずらっぽい口調で訊いた。
「違うよ」と少年はすぐさま首を横に振った。
「じゃあ、アレでしょ、三上くんとしゃべるのが恥ずかしいんでしょ」
「違うってば。いいから早く電話してよ」
三上くんの家に電話したお母さんは、おばさんと長話をして、「そうなんですよ、トシユキが、もう、とにかく三上くんに会いたい会いたいって言ってるんで……」と笑った。頰を赤くした少年は、電話を終えたお母さんに「違うよ、そんなこと言ってないよ、嘘つかないでよ」と抗議した。でも、お母さんにきょとんとした顔で「でも、会いたいから遊びに行くんでしょ?」と訊かれると、なにも答えられなかった。
(重松清『南小、フォーエバー』)
注
- フォーエバー
- 英語で「永遠に」という意味。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ケーキ屋さんは今日もえい業している。
週末は家族でまちに出かける。
これい上待っても何もいいことはないよ。
ここは公園とべつの場所だ。
商品の中から好きなものをせん択する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「きょとんとする」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 教室で急に電気が消えた時、みんなはきょとんとした。
- イ 母は散歩中にきょとんとした。
- ウ 兄は食事中ずっときょとんとしていた。
- エ わたしは勉強している間、きょとんとした。
Confirm Testの答え
- 答え
営
- 答え
街
- 答え
以
- 答え
別
- 答え
選
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「六月の手紙は、葉書だった」とありますが、このことからどんなことがわかりますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア トシユキの様子が気になっていること。
- イ トシユキの返事が気に入らなかったこと。
- ウ トシユキに会えないつらさがとても大きいこと。
- エ トシユキに知らせたいことが少なくなったこと。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
三上くんは、手紙を何通か少年に書き送っていた。
引っ越して間もない四月に届いた手紙には、〈今度の学校は、あまりおもしろくありません〉とあった。〈トシユキや南小の友だちのことを、しょっちゅう思いだします〉とも書いていた。手紙の締めくくりは〈南小四年一組、*フォーエバー!〉だった。
五月の手紙には、S市のことが書いてあった。
〈デパートがたくさんあって、日曜日は買い物に行くのが楽しみです〉〈アーケードの商店Aがいもあります〉〈市Bえい球場ではプロ野球の試合もあるというので、いまから楽しみです〉〈今度、学校の社会科見学で新聞社の支局に行きます〉〈S市のほうが都会です〉
少年が住んでいるのは「町」だった。S市は、十万人Cい上の人口がある、県内でも大きいほうの「市」県の職員だった三上くんのお父さんは出世してS市に転勤になったんだと、町役場に勤める少年のお父さんは少しうらやましそうに言っていた。
五月に届いたDべつの手紙には、新しい学校のことが書いてあった。〈けっこうおもしろい友だちもいます〉〈こっちはクラスの数も多いので、運動会はすごくもり上がるそうです〉〈足の速い子がたくさんいるので、リレーのEせん手にはなれないかもしれません〉〈トシユキと同じ名前の(みょう字はちがいます)友だちがいて、トシユキのことを教えてあげると、「今度会ってみたい」と言っていました〉〈こっちは男子と女子がわりと仲がよくて、恋人になってる二人もいます〉〈前の学校より勉強の進み方が速いので、宿題をやるのが大変です〉
それを読んだとき、少年はちょっとムッとした。①〈こっち〉や〈前の学校〉という言い方がおもしろくなかった。自分と同じトシユキという名前の奴のことを、どうせたいしたことないよ、と決めつけた。
手紙の返事に、〈約束どおり、夏休みになったら遊びに行きます〉と書いた。南小の友だちの様子を一人ずつこまかく教えてやって、最後に〈南小も五年生になったら急に勉強が難しくなりました〉と書いた。
六月の手紙は、葉書だった。〈遊びに来るのを楽しみにしています〉とあった。
手紙のやり取りは、そこまでだった。S市を訪ねる段取りは、夏休み前にお母さんとおばさんに決めてもらった。「自分で電話すればいいのに」とお母さんはあきれ顔になって言ったが、少年は「いいよ、お母さんが決めて」と電話番号のメモを渡しただけで、自分では受話器を取ろうとしなかった。
「もしも断られたら嫌だから?」とお母さんはいたずらっぽい口調で訊いた。
「違うよ」と少年はすぐさま首を横に振った。
「じゃあ、アレでしょ、三上くんとしゃべるのが恥ずかしいんでしょ」
「違うってば。いいから早く電話してよ」
三上くんの家に電話したお母さんは、おばさんと長話をして、「そうなんですよ、トシユキが、もう、とにかく三上くんに会いたい会いたいって言ってるんで……」と笑った。頰を赤くした少年は、電話を終えたお母さんに「違うよ、そんなこと言ってないよ、嘘つかないでよ」と抗議した。でも、お母さんにきょとんとした顔で「でも、会いたいから遊びに行くんでしょ?」と訊かれると、なにも答えられなかった。
(重松清『南小、フォーエバー』)
注
- フォーエバー
- 英語で「永遠に」という意味。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「きょとんとした」について、「きょとんとする」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 急に何かを思い出して、あわてふためくこと
- イ 一つの物事や場所に長時間集中して見つめ続けること
- ウ 非常に集中していて、周囲の状況を忘れること
- エ 何かに驚いたり、理解できなかったりして、ぼんやりとした表情をすること
Lessonの答え
- 答え
A 街 B 営 C 以 D 別 E 選 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
三上くんは、手紙を何通か少年に書き送っていた。
引っ越して間もない四月に届いた手紙には、〈今度の学校は、あまりおもしろくありません〉とあった。〈トシユキや南小の友だちのことを、しょっちゅう思いだします〉とも書いていた。手紙の締めくくりは〈南小四年一組、*フォーエバー!〉だった。
五月の手紙には、S市のことが書いてあった。
〈デパートがたくさんあって、日曜日は買い物に行くのが楽しみです〉〈アーケードの商店街もあります〉〈市営球場ではプロ野球の試合もあるというので、いまから楽しみです〉〈今度、学校の社会科見学で新聞社の支局に行きます〉〈S市のほうが都会です〉
少年が住んでいるのは「町」だった。S市は、十万人以上の人口がある、県内でも大きいほうの「市」︱県の職員だった三上くんのお父さんは出世してS市に転勤になったんだと、町役場に勤める少年のお父さんは少しうらやましそうに言っていた。
五月に届いた別の手紙には、新しい学校のことが書いてあった。〈けっこうおもしろい友だちもいます〉〈こっちはクラスの数も多いので、運動会はすごくもり上がるそうです〉〈足の速い子がたくさんいるので、リレーの選手にはなれないかもしれません〉〈トシユキと同じ名前の(みょう字はちがいます)友だちがいて、トシユキのことを教えてあげると、「今度会ってみたい」と言っていました〉〈こっちは男子と女子がわりと仲がよくて、恋人になってる二人もいます〉〈前の学校より勉強の進み方が速いので、宿題をやるのが大変です〉
それを読んだとき、少年はちょっとムッとした。〈こっち〉や〈前の学校〉という言い方がおもしろくなかった。自分と同じトシユキという名前の奴のことを、どうせたいしたことないよ、と決めつけた。
手紙の返事に、〈約束どおり、夏休みになったら遊びに行きます〉と書いた。南小の友だちの様子を一人ずつこまかく教えてやって、最後に〈①南小も五年生になったら急に勉強が難しくなりました〉と書いた。
六月の手紙は、葉書だった。〈遊びに来るのを楽しみにしています〉とあった。
手紙のやり取りは、そこまでだった。S市を訪ねる段取りは、夏休み前にお母さんとおばさんに決めてもらった。「自分で電話すればいいのに」とお母さんはあきれ顔になって言ったが、少年は「いいよ、お母さんが決めて」と電話番号のメモを渡しただけで、自分では受話器を取ろうとしなかった。
「もしも断られたら嫌だから?」とお母さんはいたずらっぽい口調で訊いた。
「違うよ」と少年はすぐさま首を横に振った。
「じゃあ、アレでしょ、三上くんとしゃべるのが恥ずかしいんでしょ」
「違うってば。いいから早く電話してよ」
三上くんの家に電話したお母さんは、おばさんと長話をして、「そうなんですよ、トシユキが、もう、とにかく三上くんに会いたい会いたいって言ってるんで……」と笑った。頰を赤くした少年は、電話を終えたお母さんに「違うよ、そんなこと言ってないよ、嘘つかないでよ」と抗議した。でも、お母さんにきょとんとした顔で「でも、会いたいから遊びに行くんでしょ?」と訊かれると、なにも答えられなかった。
(重松清『南小、フォーエバー』)
注
- フォーエバー
- 英語で「永遠に」という意味。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
家の近くに大きなかい道がある。
彼はわかれの言葉も言わずに去って行った。
彼は農業をいとなむ。
十八世紀い降、産業が大きく発達した。
わたしはえらぶのが苦手だ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「思いがけないことに出会ったとき、びっくりして目を丸くすること」を表すことばを四字で書きなさい。
突然の大音量に、教室中の生徒がとして周りを見回した。
Practiceの答え
- 答え
街
- 答え
別れ
- 答え
営む
- 答え
以
- 答え
選ぶ
- 答え
きょとん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「〈こっち〉や〈前の学校〉という言い方がおもしろくなかった」について、四月の手紙では、〈こっち〉や〈前の学校〉のことを何と言っていますか。(完答)
- こっち〔 〕 前の学校〔 〕
線①「〈こっち〉や〈前の学校〉という言い方がおもしろくなかった」について、その言い方がおもしろくないのはなぜですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア S市の都会ぶりを見せつけられたように感じたから。
- イ 三上くんがS市の人間になってしまったように感じたから。
- ウ トシユキたちの町をばかにされたように感じたから。
- エ 三上くんがトシユキたちの町をわすれてしまっているように感じたから。
Lessonの答え
- 答え
〈こっち〉 今度の学校 〈前の学校〉 南小 (完答)
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「南小も……難しくなりました」とありますが、このことばにはトシユキのどんな気持ちがこめられていますか。次の文のにあてはまることばを、それぞれ文中から書きぬきなさい。(完答)
になったから勉強が難しくなっただけで、S市の学校のほうがわけではないと、三上くんに反発したい気持ち。
Practiceの答え
- 答え
五年生・勉強の進み方が速い (完答)
15-2 物語文13
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
三上くんの家は県の職員住宅だった。前に住んでいた家よりも広い。まだ三上くんは帰っていなかったので、おばさんが「ケイジには内緒よ」と勉強部屋を見せてくれた。
机や本棚は昔と同じだったが、机に出しっぱなしだった算数の教科書は、南小で使っているのとは違うものだった。壁に貼った時間割表も違う。月曜日の一時間目から算数なんてかわいそーっ、と笑った。南小では、月曜日の一時間目はどのクラスでも学級活動の時間だ。南小のほうがいい。ずっといい。
部屋に入ったときに、すぐに気づいたことがある。
三上くんが引っ越す前に、仲良しの友だちみんなと写真を撮った。すぐにプリントをして、みんなでお金を出し合って買った写真立てに入れて三上くんに渡した。
三上くんはそのプレゼントをすごく喜んでくれて、「部屋に飾っとくから」と言った。少年たちも「そうだよ、ずーっと一緒だから」「もし新しい学校でいじめられても、俺たちがついてるから」とうれしそうに言った。
でも、部屋のどこにも写真はない。何度見回しても、同じ。だから写真なんて最初から探さなかったんだ、ということにした。
「トシくん、カルピスつくったわよお」
台所にいるおばさんに呼ばれて部屋を出る前、蛍光灯のスイッチの紐の先に、軽く一発、右*フックをぶつけた。
紐は思いのほか大きく揺れ動いて、ろくに狙いをつけずに放った二発目のパンチは、空振りになってしまった。
正午を回った頃、やっと三上くんが帰ってきた。居間でテレビを観ていた少年に、「おーっ、ひさしぶりぃ!」と笑顔で声をかける。息が荒い。顔が汗びっしょりになっている。自転車をとばして帰ってきた早く会うために帰ってきてくれた、のだろうか。
一瞬ふわっとゆるんだ少年の頰は、三上くんと言葉を交わす間もなく、しぼんだ。
三上くんはおばさんに「お昼ごはん、なんでもいいから、早く食べれるものにして」と言ったのだ。「一時から五組と試合することになったから」
おばさんは台所から顔を出して、「ケイジ、なに言ってんの」と怒った。「トシくんと遊ぶんでしょ、今日は」
三上くんは、あっ、という顔になった。あわてて「わかってるって、そんなのわかってるって」と繰り返したが、あせった目があちこちに動いた。
けろっと忘れていたのだろう。ソフトボールの練習中に急に「試合しよう」という話になって、「じゃあ、俺も行く」と安請け合いしてしまったのだろう、どうせ。
「ケイジ、あんたねえ、せっかくトシくんがわざわざ遊びに来てくれたのに、迎えもお母さんに行かせて、ずーっと待ってもらって……もうちょっと考えなさい」
しょんぼりと肩を落として「はーい……」と応える三上くんよりも、少年のほうがうつむく角度は深かった。①おばさんが味方についてくれたのが、うれしくて、悔しくて、恥ずかしくて、悲しい。
(重松清『南小、フォーエバー』)
注
- フック
- ひじを曲げて横から打つパンチ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
電話におう答してください。
みんなはよろこんでパーティーに参加した。
わたしはさいしょに宿題をやった。
街とうが道を照らしている。
京都で紅葉をかん賞する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「安請け合い」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼女は毎日の宿題を安請け合いで完成させた。
- イ 先生は安請け合いで授業を面白くした。
- ウ 彼は友達に宿題を手伝うと安請け合いしたが、時間がなかった。
- エ 彼らは安請け合いでサッカーの技術を向上させた。
Confirm Testの答え
- 答え
応
- 答え
喜んで
- 答え
最初
- 答え
灯
- 答え
観
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「おばさんが味方についてくれたのが……悲しい」とありますが、このときのトシユキの気持ちを説明したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア おばさんがたしなめなければならないほど三上くんがいやな性格になっていることにショックを受けた。
- イ おばさんが気をつかって間に入ってくれるほど三上くんと遠い間がらになったことを実感した。
- ウ おばさんがトシユキの味方になったことで、三上くんと敵対関係にあることを痛感した。
- エ おばさんが味方したくなるほど自分が元気を失っていることを思い知らされた。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
三上くんの家は県の職員住宅だった。前に住んでいた家よりも広い。まだ三上くんは帰っていなかったので、おばさんが「ケイジには内緒よ」と勉強部屋を見せてくれた。
机や本棚は昔と同じだったが、机に出しっぱなしだった算数の教科書は、南小で使っているのとは違うものだった。壁に貼った時間割表も違う。月曜日の一時間目から算数なんてかわいそーっ、と笑った。南小では、月曜日の一時間目はどのクラスでも学級活動の時間だ。南小のほうがいい。ずっといい。
①部屋に入ったときに、すぐに気づいたことがある。
三上くんが引っ越す前に、仲良しの友だちみんなと写真を撮った。すぐにプリントをして、みんなでお金を出し合って買った写真立てに入れて三上くんに渡した。
三上くんはそのプレゼントをすごくAよろこんでくれて、「部屋に飾っとくから」と言った。少年たちも「そうだよ、ずーっと一緒だから」「もし新しい学校でいじめられても、俺たちがついてるから」とうれしそうに言った。
でも、部屋のどこにも写真はない。何度見回しても、同じ。だから写真なんてBさいしょから探さなかったんだ、ということにした。
「トシくん、カルピスつくったわよお」
台所にいるおばさんに呼ばれて部屋を出る前、蛍光Cとうのスイッチの紐の先に、軽く一発、右*フックをぶつけた。
紐は思いのほか大きく揺れ動いて、ろくに狙いをつけずに放った二発目のパンチは、空振りになってしまった。
正午を回った頃、やっと三上くんが帰ってきた。居間でテレビをDみていた少年に、「おーっ、ひさしぶりぃ!」と笑顔で声をかける。息が荒い。顔が汗びっしょりになっている。自転車をとばして帰ってきた早く会うために帰ってきてくれた、のだろうか。
一瞬ふわっとゆるんだ少年の頰は、三上くんと言葉を交わす間もなく、しぼんだ。
三上くんはおばさんに「お昼ごはん、なんでもいいから、早く食べれるものにして」と言ったのだ。「一時から五組と試合することになったから」
おばさんは台所から顔を出して、「ケイジ、なに言ってんの」と怒った。「トシくんと遊ぶんでしょ、今日は」
三上くんは、あっ、という顔になった。あわてて「わかってるって、そんなのわかってるって」と繰り返したが、あせった目があちこちに動いた。
けろっと忘れていたのだろう。ソフトボールの練習中に急に「試合しよう」という話になって、「じゃあ、俺も行く」と安請け合いしてしまったのだろう、どうせ。
「ケイジ、あんたねえ、せっかくトシくんがわざわざ遊びに来てくれたのに、迎えもお母さんに行かせて、ずーっと待ってもらって……もうちょっと考えなさい」
しょんぼりと肩を落として「はーい……」とEこたえる三上くんよりも、少年のほうがうつむく角度は深かった。おばさんが味方についてくれたのが、うれしくて、悔しくて、恥ずかしくて、悲しい。
(重松清『南小、フォーエバー』)
注
- フック
- ひじを曲げて横から打つパンチ。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「安請け合い」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 物事に対してしんちょうに考えること
- イ 他人のたのみごとをよく考えずにすぐに引き受けること
- ウ 大きな声で堂々と話すこと
- エ 何事にも動じず冷静を保つこと
Lessonの答え
- 答え
A 喜 B 最初 C 灯 D 観 E 応 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
三上くんの家は県の職員住宅だった。前に住んでいた家よりも広い。まだ三上くんは帰っていなかったので、おばさんが「ケイジには内緒よ」と勉強部屋を見せてくれた。
机や本棚は昔と同じだったが、机に出しっぱなしだった算数の教科書は、南小で使っているのとは違うものだった。壁に貼った時間割表も違う。月曜日の一時間目から算数なんてかわいそーっ、と笑った。南小では、月曜日の一時間目はどのクラスでも学級活動の時間だ。南小のほうがいい。ずっといい。
部屋に入ったときに、すぐに気づいたことがある。
三上くんが引っ越す前に、仲良しの友だちみんなと写真を撮った。すぐにプリントをして、みんなでお金を出し合って買った写真立てに入れて三上くんに渡した。
三上くんはそのプレゼントをすごく喜んでくれて、「部屋に飾っとくから」と言った。少年たちも「そうだよ、ずーっと一緒だから」「もし新しい学校でいじめられても、俺たちがついてるから」とうれしそうに言った。
でも、部屋のどこにも写真はない。何度見回しても、同じ。だから写真なんて最初から探さなかったんだ、ということにした。
「トシくん、カルピスつくったわよお」
台所にいるおばさんに呼ばれて部屋を出る前、蛍光灯のスイッチの紐の先に、軽く一発、右*フックをぶつけた。
紐は思いのほか大きく揺れ動いて、ろくに狙いをつけずに放った二発目のパンチは、空振りになってしまった。
正午を回った頃、やっと三上くんが帰ってきた。居間でテレビを観ていた少年に、「おーっ、ひさしぶりぃ!」と笑顔で声をかける。息が荒い。顔が汗びっしょりになっている。自転車をとばして帰ってきた早く会うために帰ってきてくれた、のだろうか。
①一瞬ふわっとゆるんだ少年の頰は、三上くんと言葉を交わす間もなく、しぼんだ。
三上くんはおばさんに「お昼ごはん、なんでもいいから、早く食べれるものにして」と言ったのだ。「一時から五組と試合することになったから」
おばさんは台所から顔を出して、「ケイジ、なに言ってんの」と怒った。「トシくんと遊ぶんでしょ、今日は」
三上くんは、あっ、という顔になった。あわてて「わかってるって、そんなのわかってるって」と繰り返したが、あせった目があちこちに動いた。
けろっと忘れていたのだろう。ソフトボールの練習中に急に「試合しよう」という話になって、「じゃあ、俺も行く」と安請け合いしてしまったのだろう、どうせ。
「ケイジ、あんたねえ、せっかくトシくんがわざわざ遊びに来てくれたのに、迎えもお母さんに行かせて、ずーっと待ってもらって……もうちょっと考えなさい」
しょんぼりと肩を落として「はーい……」と応える三上くんよりも、少年のほうがうつむく角度は深かった。おばさんが味方についてくれたのが、うれしくて、悔しくて、恥ずかしくて、悲しい。
(重松清『南小、フォーエバー』)
注
- フック
- ひじを曲げて横から打つパンチ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
チームが試合に勝って、よろこんだ。
洗面所の蛍光とうが切れている。
姉は期待にこたえる。
さいしょのうちはうまくできなかったが、練習して上達した。
テレビで映画をみる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味が通る文となるように、にあてはまる「他人のたのみごとをよく考えずにすぐに引き受けること」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
彼はよく考えもせずに、友達のたのみごとをしてしまう。
Practiceの答え
- 答え
喜んだ
- 答え
灯
- 答え
応える
- 答え
最初
- 答え
観る
- 答え
やすうけあい
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「部屋に入ったときに、すぐに気づいたことがある」について、どんなことに気づいたのですか。次の文のにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。
と撮った写真が部屋にないこと。
線①「部屋に入ったときに、すぐに気づいたことがある」について、「すぐに気づいた」ということから、トシユキ(少年)についてどんなことがわかりますか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 写真を友情のしるしとして大事に思っていること。
- イ 三上くんの部屋に初めて一人で入ったこと。
- ウ 三上くんがいじめられていないか気になっていたこと。
- エ 三上くんと同じ学校に通えないことを残念に思っていること。
Lessonの答え
- 答え
仲良しの友だちみんな
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「一瞬ふわっとゆるんだ……しぼんだ」とありますが、このときのトシユキの気持ちをまとめた次の文のにあてはまることばをそれぞれ文中から書きぬき、〔 〕にあてはまることばをそれぞれ考えて書きなさい。(完答)
自分に早くために急いで帰ってきてくれたのかと〔 〕思ったが、早くを食べて試合に出かけるためだとわかり、〔 〕なった。
Practiceの答え
- 答え
会う・うれしく・お昼ごはん・悲しく (完答)
15-3 物語文14
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
トシユキ(少年)は、三上くんの誘いでソフトボールの試合に来ていた。
「いま、俺ら九人いるから……トシ、ピンチヒッターでいい?途中で、絶対に出番つくってやるから」
泣きたくなった。来るんじゃなかった、と思った。
「……やっぱり、帰るから」
少年は言った。校門前のバス停から駅行きのバスが出ているのは、さっき確かめておいた。
「ええーっ? なんで?」と驚く三上くんに「バイバイ」と言って、最後にがんばって笑って、ダッシュで校門に向かった。
三上くんは追いかけてこなかった。
次のバスは五分後だった。ベンチに座って、ぼんやりと足元を見つめていると、グラウンドのほうから歓声が聞こえてきて、また目に涙がにじみそうになった。
予定よりもずっと早い列車で帰ることになる。まだ明るいうちに家に帰り着けるだろう。急いで出かければ、南小のグラウンドで遊んでいる友だちにも会えるかもしれない。早く帰りたい。みんなと遊びたい。もう「三上、元気かなあ……」なんて言わない。これからは、ずっと。
そろそろだな、と膝に載せていたリュックサックを背負って立ち上がったら、「トシ!」と校門から三上くんが駆けてきた。
「悪い悪い、ごめんなあ……ほんと、ごめん、守備のときは抜けられないから」
一回表の五組の攻撃が終わると、全力疾走してきたのだという。少しでも時間がとれるよう、ふだんは三番の打順も九番に下げてもらった。
「トシのこと忘れてたわけじゃないんだけど、やっぱり、こっちもこっちでいろいろあるから」
「……わかってるから、いいって」
「バスが来るまで一緒にいるから」
「いいよ、そんなの悪いから」
「でも……せっかく来てくれたんだし」
三上くんはグローブを二つ持ってきていた。ボールもあった。「ちょっとだけでも、キャッチボールしよう」と笑って、自分が使っていたグローブを少年に差し出した。
少年が黙って受け取ると、三上くんは照れくさそうに笑った。少年も目を伏せて笑い返す。
小走りに距離をとった三上くんが、山なりのボールを放った。それを軽くキャッチしたときに、気づいた。
〈南小4年1組フォーエバー!〉
グローブの甲に、サインペンで書いてあった。転校したての頃に書いたのだろう、黒い文字は薄れかかっていた。
へへっ、と少年は笑う。うれしいのか悲しいのかよくわからなかったが、自然と笑みが浮かんだ。
「なに?」とけげんそうに訊く三上くんにはなにも答えず、ボールを投げ返した。
三上くんが「バス、来たぞ」と言った。振り向くと、道路の先のほうにバスの車体が小さく見えた。
「ラスト一球」さっきより少し強いボールを、少年は右手をグローブに添えて捕った。
〈南小4年1組フォーエバー!〉の文字の上を右手の親指でなぞると、うっすらと積もっていた砂埃が拭い取られて、少しだけ、文字が鮮やかになった。
(重松清『南小、フォーエバー』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
わたしはたえることなく努力を続けた。
その少女は悲しくて、ないた。
妹はじゅん調に練習を続けている。
二人の意見には大きなさがある。
月の光が地面をてらす。
Confirm Testの答え
- 答え
絶える
- 答え
泣いた
- 答え
順
- 答え
差
- 答え
照らす
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
トシユキが、ばく然とした思いをかかえながらも、ある種の満足感を得ていることがわかる表現を文中から十字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
自然と笑みが浮かんだ
Confirm Test
すでに読んだTraining1(または確認テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の主題は何ですか。もっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 過去にこだわる気持ちを乗りこえる少年の心の成長。
- イ はなれた場所にいる人間が心を通いあわせることの難しさ。
- ウ 決して永遠ではあり得ない人の気持ちの移ろい。
- エ 気持ちのすれちがいから生じた少年の心の迷い。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
トシユキ(少年)は、三上くんの誘いでソフトボールの試合に来ていた。
「いま、俺ら九人いるから……トシ、ピンチヒッターでいい?途中で、Aぜっ対に出番つくってやるから」
Bなきたくなった。来るんじゃなかった、と思った。
「……やっぱり、帰るから」
少年は言った。校門前のバス停から駅行きのバスが出ているのは、さっき確かめておいた。
「ええーっ? なんで?」と驚く三上くんに「バイバイ」と言って、最後にがんばって笑って、ダッシュで校門に向かった。
三上くんは追いかけてこなかった。
次のバスは五分後だった。ベンチに座って、ぼんやりと足元を見つめていると、①グラウンドのほうから歓声が聞こえてきて、また目に涙がにじみそうになった。
予定よりもずっと早い列車で帰ることになる。まだ明るいうちに家に帰り着けるだろう。急いで出かければ、南小のグラウンドで遊んでいる友だちにも会えるかもしれない。早く帰りたい。みんなと遊びたい。もう「三上、元気かなあ……」なんて言わない。これからは、ずっと。
②そろそろだな、と膝に載せていたリュックサックを背負って立ち上がったら、「トシ!」と校門から三上くんが駆けてきた。
「悪い悪い、ごめんなあ……ほんと、ごめん、守備のときは抜けられないから」
一回表の五組の攻撃が終わると、全力疾走してきたのだという。少しでも時間がとれるよう、ふだんは三番の打Cじゅんも九番に下げてもらった。
「トシのこと忘れてたわけじゃないんだけど、やっぱり、こっちもこっちでいろいろあるから」
「……わかってるから、いいって」
「バスが来るまで一緒にいるから」
「いいよ、そんなの悪いから」
「でも……せっかく来てくれたんだし」
三上くんはグローブを二つ持ってきていた。ボールもあった。「ちょっとだけでも、キャッチボールしよう」と笑って、自分が使っていたグローブを少年にDさし出した。
少年が黙って受け取ると、三上くんはEてれくさそうに笑った。少年も目を伏せて笑い返す。
小走りに距離をとった三上くんが、山なりのボールを放った。それを軽くキャッチしたときに、気づいた。
〈南小4年1組フォーエバー!〉
グローブの甲に、サインペンで書いてあった。転校したての頃に書いたのだろう、黒い文字は薄れかかっていた。
へへっ、と少年は笑う。うれしいのか悲しいのかよくわからなかったが、自然と笑みが浮かんだ。
「なに?」とけげんそうに訊く三上くんにはなにも答えず、ボールを投げ返した。
三上くんが「バス、来たぞ」と言った。振り向くと、道路の先のほうにバスの車体が小さく見えた。
「ラスト一球」さっきより少し強いボールを、少年は右手をグローブに添えて捕った。
〈南小4年1組フォーエバー!〉の文字の上を右手の親指でなぞると、うっすらと積もっていた砂埃が拭い取られて、少しだけ、文字が鮮やかになった。
(重松清『南小、フォーエバー』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 絶 B 泣 C 順 D 差 E 照 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
トシユキ(少年)は、三上くんの誘いでソフトボールの試合に来ていた。
「いま、俺ら九人いるから……トシ、ピンチヒッターでいい?途中で、絶対に出番つくってやるから」
泣きたくなった。来るんじゃなかった、と思った。
「……やっぱり、帰るから」
少年は言った。校門前のバス停から駅行きのバスが出ているのは、さっき確かめておいた。
「ええーっ? なんで?」と驚く三上くんに「バイバイ」と言って、最後にがんばって笑って、ダッシュで校門に向かった。
三上くんは追いかけてこなかった。
次のバスは五分後だった。ベンチに座って、ぼんやりと足元を見つめていると、グラウンドのほうから歓声が聞こえてきて、また目に涙がにじみそうになった。
予定よりもずっと早い列車で帰ることになる。まだ明るいうちに家に帰り着けるだろう。急いで出かければ、南小のグラウンドで遊んでいる友だちにも会えるかもしれない。早く帰りたい。みんなと遊びたい。もう「三上、元気かなあ……」なんて言わない。これからは、ずっと。
そろそろだな、と膝に載せていたリュックサックを背負って立ち上がったら、「トシ!」と校門から三上くんが駆けてきた。
「悪い悪い、ごめんなあ……ほんと、ごめん、守備のときは抜けられないから」
一回表の五組の攻撃が終わると、全力疾走してきたのだという。少しでも時間がとれるよう、ふだんは三番の打順も九番に下げてもらった。
「トシのこと忘れてたわけじゃないんだけど、やっぱり、こっちもこっちでいろいろあるから」
「……わかってるから、いいって」
「バスが来るまで一緒にいるから」
「いいよ、そんなの悪いから」
「でも……せっかく来てくれたんだし」
三上くんはグローブを二つ持ってきていた。ボールもあった。「ちょっとだけでも、キャッチボールしよう」と笑って、自分が使っていたグローブを少年に差し出した。
少年が黙って受け取ると、三上くんは照れくさそうに笑った。少年も目を伏せて笑い返す。
小走りに距離をとった三上くんが、山なりのボールを放った。それを軽くキャッチしたときに、気づいた。
〈南小4年1組フォーエバー!〉
グローブの甲に、サインペンで書いてあった。転校したての頃に書いたのだろう、①黒い文字は薄れかかっていた。
へへっ、と少年は笑う。うれしいのか悲しいのかよくわからなかったが、自然と笑みが浮かんだ。
「なに?」とけげんそうに訊く三上くんにはなにも答えず、ボールを投げ返した。
三上くんが「バス、来たぞ」と言った。振り向くと、道路の先のほうにバスの車体が小さく見えた。
②「ラスト一球」さっきより少し強いボールを、少年は右手をグローブに添えて捕った。
〈南小4年1組フォーエバー!〉の文字の上を右手の親指でなぞると、うっすらと積もっていた砂埃が拭い取られて、少しだけ、文字が鮮やかになった。
(重松清『南小、フォーエバー』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
赤ちゃんのなき声で目が覚めた。
商品にはさ額が設定されている。
山頂からの景色はぜっ景だった。
じゅん番を守って並んでください。
この部屋のしょう明はとても明るい。
Practiceの答え
- 答え
泣き
- 答え
差
- 答え
絶
- 答え
順
- 答え
照
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「グラウンドのほうから歓声が聞こえてきて、また目に涙がにじみそうになった」とありますが、このときのトシユキの気持ちを説明したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分は三上くんにすっかりきらわれてしまったのだ。
- イ 三上くんは南小のことなどまったく覚えてはいないのだ。
- ウ 三上くんは自分とはかかわりのないところにいるのだ。
- エ 自分は三上くんのことを何も知ってはいなかったのだ。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「『ラスト一球』……捕った」とありますが、このときのトシユキの気持ちを説明したものとしてもっともよいものを次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 三上くんが自分と遊んでくれるのはこれで最後だと言われた気がして、落ちこんでいる。
- イ 三上くんのえんりょのないボールに、二人の気持ちのすれちがいを感じている。
- ウ 三上くんがもうキャッチボールに興味がないことがわかり、がっかりしている。
- エ 三上くんの気持ちのこもったボールから、二人の友情を感じ取っている。
Practiceの答え
- 答え
エ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「そろそろだな」とありますが、何がそろそろなのですか。
Lessonの答え
- 答え
バスが来る時間。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「黒い文字は薄れかかっていた」とありますが、黒い文字とともに何が薄れていると言えますか。
Practiceの答え
- 答え
(三上くんの)南小4年1組の仲間に対する思い。
16章 説明文
説明文の読み方
16-1 説明文13
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
何ごとにも終わりはくる。
これまでの生命進化の歴史からいって、ひとつの種が永遠に生きのびることは、まずないと考えていい。
だから、フンボルトペンギンはもちろん、人間もやがてはこの世界からいなくなる。それがずっと先だとしても、意外に近くだとしても。
「じゃあ、絶滅しかけた生き物を守る意味なんてないじゃない。どうせいなくなるんだから」という人がいる。
でも、ぼくはそれはちがうと思う。
ぼくは同じこの時代に生きた生き物たちと、できるだけ長く一緒にいたいと思う。
恐竜には会いたかったけれど、彼らは六五〇〇万年も前にこの世を去った。今さらしかたない。
ジャイアントペンギンをひとめ見たかったのに、彼らも二〇〇〇万年前にはいなくなった。これもしかたない。
でも、フンボルトペンギンは、今、ぼくらと一緒にいるのだ。気が遠くなるような時間の流れの中で、たまたま同じ時間を生きることの奇蹟を大切にしたい、とぼくは思う。
もちろんこれは、とても感情的ないいぐさ。
もう少し、科学的で、理論的な「理由」だってある。
ぼくたち生き物は、地球全体をおおう「①生態系」のメンバーだ。
生態系という言葉の意味はむずかしいけれど、こんなことを想像してほしい。
ゾウのような大きな生き物から、土の中の細菌や、水の中の*プランクトンまで、すべての生き物が、この世界の中で、少しずつ自分の役割を持って生きているのだ、と。
おたがいに利用しあったり、役に立ちあったり。食べたり、食べられたり。うばったり、うばわれたり。つくったり、分解したり。そういった生き物どうしのかかわりあいが、この地球の生き物の世界をささえている。その複雑なつながりのことを生態系と呼ぶ。
生態系の中で、ひとつの生き物がほろんだとする。その役割は、別の生き物がなんとかこなすので、当面はたいしたことがないように見える。
しかし、生態系の中からメンバーがどんどん歯がぬけるように少なくなっていくと、あるとき、とつぜん、生態系そのものがガタガタになってしまうかもしれない。
一般に、ゾウやクジラのように体が大きい動物や、ライオンやトラのようにほかの生き物をとらえて食べる動物(捕食動物)は、絶滅したり数がへったりしたとき、生態系に大きな影響をあたえることがわかっている。ペンギンは、ゾウやクジラほどではないにしても大型動物の中に入るし、また、魚やイカを食べる捕食動物でもある。生態系の中での役割は大きいと考えられる。
また、ペンギンの生活のしかたにも、注目しなければならない。彼らは、海で魚をとり、陸で卵を産んで子育てする。つまり、海の生態系と陸の生態系を結ぶ、大切な「結び目」の役割を持っているのだ。
だから、ぼくたちは、単にペンギンが好きだという感情だけでなく、彼らを特別に注目しておく必要があるのだ。
(川端裕人『サボテン島のペンギン会議』)
注
- プランクトン
- 泳ぐ能力がほとんどなく、水中や水面をただよっている生き物。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
古代れきしについて詳しく調べた。
この道はえいえんに続く。
この問題をどうやってとくか考えた。
ふくすうの選択肢から正しいものを選ぶ。
お母さんが新しいクッキーのかたを買った。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「理論的」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 話し合いを理論的な方法で行う。
- イ 私は理論的に騒ぐのが苦手だ。
- ウ 理論的に眠いなと感じる。
- エ 金曜日は理論的に好きだ。
Confirm Testの答え
- 答え
歴史
- 答え
永遠
- 答え
解く
- 答え
複数
- 答え
型
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「生態系」とありますが、生態系とはどのようなものですか。それを説明した次の文の a〜cにあてはまることばを、文中からaは二字、bは六字、cは四字で書きぬきなさい。 (完答)
- すべての生き物がそれぞれ a を持って生きることで、地球の b をささえている、複雑な c のこと。
- a
- b
- c
Confirm Testの答え
- 答え
a 役割 b 生き物の世界 c つながり (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
何ごとにも終わりはくる。
これまでの生命進化のAれきしからいって、ひとつの種がBえい遠に生きのびることは、まずないと考えていい。
だから、フンボルトペンギンはもちろん、人間もやがてはこの世界からいなくなる。それがずっと先だとしても、意外に近くだとしても。
「じゃあ、絶滅しかけた生き物を守る意味なんてないじゃない。どうせいなくなるんだから」という人がいる。
でも、ぼくはそれはちがうと思う。
ぼくは同じこの時代に生きた生き物たちと、できるだけ長く一緒にいたいと思う。
恐竜には会いたかったけれど、彼らは六五〇〇万年も前にこの世を去った。今さらしかたない。
ジャイアントペンギンをひとめ見たかったのに、彼らも二〇〇〇万年前にはいなくなった。これもしかたない。
でも、フンボルトペンギンは、今、ぼくらと一緒にいるのだ。気が遠くなるような時間の流れの中で、たまたま同じ時間を生きることの奇蹟を大切にしたい、とぼくは思う。
もちろんこれは、とても感情的ないいぐさ。
もう少し、科学的で、理論的な「理由」だってある。
ぼくたち生き物は、地球全体をおおう「生態系」のメンバーだ。
生態系という言葉の意味はむずかしいけれど、こんなことを想像してほしい。
ゾウのような大きな生き物から、土の中の細菌や、水の中の*プランクトンまで、すべての生き物が、この世界の中で、少しずつ自分の役割を持って生きているのだ、と。
おたがいに利用しあったり、役に立ちあったり。食べたり、食べられたり。うばったり、うばわれたり。つくったり、分Cかいしたり。そういった生き物どうしのかかわりあいが、この地球の生き物の世界をささえている。そのDふくざつなつながりのことを生態系と呼ぶ。
生態系の中で、ひとつの生き物がほろんだとする。その役割は、別の生き物がなんとかこなすので、当面はたいしたことがないように見える。
しかし、①生態系の中からメンバーがどんどん歯がぬけるように少なくなっていくと、あるとき、とつぜん、生態系そのものがガタガタになってしまうかもしれない。
一般に、ゾウやクジラのように体が大きい動物や、ライオンやトラのようにほかの生き物をとらえて食べる動物(捕食動物)は、絶滅したり数がへったりしたとき、生態系に大きな影響をあたえることがわかっている。ペンギンは、ゾウやクジラほどではないにしても大Eがた動物の中に入るし、また、魚やイカを食べる捕食動物でもある。生態系の中での役割は大きいと考えられる。
また、ペンギンの生活のしかたにも、注目しなければならない。彼らは、海で魚をとり、陸で卵を産んで子育てする。つまり、海の生態系と陸の生態系を結ぶ、大切な「結び目」の役割を持っているのだ。
だから、ぼくたちは、単にペンギンが好きだという感情だけでなく、彼らを特別に注目しておく必要があるのだ。
(川端裕人『サボテン島のペンギン会議』)
注
- プランクトン
- 泳ぐ能力がほとんどなく、水中や水面をただよっている生き物。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「理論的」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 何かあったときにすぐに対処する様子。
- イ それぞれの現象を法則にもとづいたり、統一して説明できるように筋道を立てて組み立てられている様子。
- ウ 遠くから見ていて、近くで何が起きているかわからない様子。
- エ 物事を慎重に考えすぎて理解するのに時間がかかる様子。
Lessonの答え
- 答え
A 歴史 B 永 C 解 D 複雑 E 型 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
何ごとにも終わりはくる。
これまでの生命進化の歴史からいって、ひとつの種が永遠に生きのびることは、まずないと考えていい。
だから、フンボルトペンギンはもちろん、①人間もやがてはこの世界からいなくなる。それがずっと先だとしても、意外に近くだとしても。
「じゃあ、絶滅しかけた生き物を守る意味なんてないじゃない。どうせいなくなるんだから」という人がいる。
でも、ぼくはそれはちがうと思う。
ぼくは同じこの時代に生きた生き物たちと、できるだけ長く一緒にいたいと思う。
恐竜には会いたかったけれど、彼らは六五〇〇万年も前にこの世を去った。今さらしかたない。
ジャイアントペンギンをひとめ見たかったのに、彼らも二〇〇〇万年前にはいなくなった。これもしかたない。
でも、フンボルトペンギンは、今、ぼくらと一緒にいるのだ。気が遠くなるような時間の流れの中で、たまたま同じ時間を生きることの奇蹟を大切にしたい、とぼくは思う。
もちろんこれは、とても感情的ないいぐさ。
もう少し、科学的で、理論的な「理由」だってある。
ぼくたち生き物は、地球全体をおおう「生態系」のメンバーだ。
生態系という言葉の意味はむずかしいけれど、こんなことを想像してほしい。
ゾウのような大きな生き物から、土の中の細菌や、水の中の*プランクトンまで、すべての生き物が、この世界の中で、少しずつ自分の役割を持って生きているのだ、と。
おたがいに利用しあったり、役に立ちあったり。食べたり、食べられたり。うばったり、うばわれたり。つくったり、分解したり。そういった生き物どうしのかかわりあいが、この地球の生き物の世界をささえている。その複雑なつながりのことを生態系と呼ぶ。
生態系の中で、ひとつの生き物がほろんだとする。その役割は、別の生き物がなんとかこなすので、当面はたいしたことがないように見える。
しかし、生態系の中からメンバーがどんどん歯がぬけるように少なくなっていくと、あるとき、とつぜん、生態系そのものがガタガタになってしまうかもしれない。
一般に、ゾウやクジラのように体が大きい動物や、ライオンやトラのようにほかの生き物をとらえて食べる動物(捕食動物)は、絶滅したり数がへったりしたとき、生態系に大きな影響をあたえることがわかっている。ペンギンは、ゾウやクジラほどではないにしても大型動物の中に入るし、また、魚やイカを食べる捕食動物でもある。生態系の中での役割は大きいと考えられる。
また、ペンギンの生活のしかたにも、注目しなければならない。彼らは、海で魚をとり、陸で卵を産んで子育てする。つまり、海の生態系と陸の生態系を結ぶ、大切な「結び目」の役割を持っているのだ。
だから、ぼくたちは、単にペンギンが好きだという感情だけでなく、彼らを特別に注目しておく必要があるのだ。
(川端裕人『サボテン島のペンギン会議』)
注
- プランクトン
- 泳ぐ能力がほとんどなく、水中や水面をただよっている生き物。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
かれは学校のれきしの授業が大好きだ。
えいえんの平和を願う。
先生がかい説してくれたので分かった。
ふくざつな問題をとくのはむずかしい。
古いけい式の機械を直す。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「それぞれの現象を法則にもとづいたり、統一して説明できるように筋道を立てて組み立てられている様子」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
- 彼はに問題を解決した。
Practiceの答え
- 答え
歴史
- 答え
永遠
- 答え
解
- 答え
複雑
- 答え
型
- 答え
りろんてき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「メンバーがどんどん歯がぬけるように少なくなっていく」とありますが、どういうことですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 体が大きい生き物が生態系からはなれること。
- イ すべての生き物が一気に地球上から姿を消すこと。
- ウ いろいろな生き物が次々にほろんでいくこと。
- エ ある生き物の数だけが特に少なくなること。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この世界からいなくなる」とありますが、ひとつの種がこの世界からいなくなることを一語で言いかえたことばを文中から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
絶滅
16-2 説明文14
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
世の人生訓などでは、背伸びをする、ということは、避けるべきことであると教えられます。身の丈に合った生き方をしなさい、という提言の裏には、自分の力量以上に背伸びをするな、という戒めがこめられています。しかし、私は必ずしもそうは思いません。自分の力量をこんなものだと、最初から測って判ったように思って、その範囲のなかで生き、その範囲のなかで行動したのでは、向上も進歩も望めないでしょう。現在の力量からはみだしたものに挑戦する、つまりは背伸びをすることこそ、人間の新しい可能性を拓いてくれるものです。そして背伸びをする動機として、仲間から認めて貰いたい、という願いは、大事なものの一つだと言いたいのです。
旧制の高校生たちが、判っても判らなくても、難しい*原書を抱えて、*闊歩していたという話も、単なるご愛嬌ではなくて、そこから可能性への拓きが生まれることがあるという点で、認めてあげてもよいように思います。
しかし、それでもなお、私は本を読むという行為の本質は、孤独のなかにあると考えています。人間が実際に体験できる世界は、実際の世界の本当にわずかな一部にしか過ぎません。しかも、それを体験によって知っていくときに、私たちは、多くの喜びを受け取ることも事実ですが、もう一方では、多くの苦しみや犠牲を*代償に払わなければなりません。
書物は、そうして得られた自分の世界に対して、いとも容易くそれとは①別の「世界」を私たちに見せてくれます。現在、コンピュータを*媒介にして体験する世界のことを「ヴァーチャル・リアリティ」(仮想現実)などと言う習慣がありますが、「仮想的現実」というのなら、書物の方がはるかに先輩で、はるかに豊富な「仮想的世界」を私たちに伝え、体験させてくれます。コンピュータに現れる「仮想現実」は視覚的に与えられます。しかし書物が描き出す「仮想現実」は、文字を仲立ちとするだけに、人間の想像力をはるかに豊かに動員するものとなります。
映像やイラストレーションの方が、判りやすい、と言う人もいるでしょう。しかし、写真として見せられた美人は、それだけの印象しか与えませんが、言葉で表現された美しい人は、それを読む一人一人が、想像を逞しくして、どのようにでも自分のなかに描いてみることのできる豊かな自由度を持っています。
②書物で読んだことのある小説が映画化されることがあります。文字から想像していた主人公のイメージと、映像化されたそれとが、見事に一致していることもあれば、およそかけ離れているということもあるでしょう。言いかえれば、文字で描かれた世界というのは、映像の世界のように、一つの可能性だけが実現してしまっているのとは違って、百人の読者がいたら、百人の受け取り方ができるような、文字通り「可能的」な世界であるのです。
(中略)
そんな曖昧なことでは困る、とおっしゃるでしょうか。しかし、個人が書物と向かい合っているとき、その個人は、人生における経験も、知識も、味わった喜びの大きさも、流した涙の量も、それぞれがまちまちです。それでよい、というか、それしかあり得ないのですから、書物から何を読み取るか、ということは、およそ個人的なことなのです。
(村上陽一郎『困った注文』)
注
- 原書
- 外国で出版された、外国語のままの本。
- 闊歩
- いばって気ままにふるまうこと。
- 代償
- 目的を達するために、犠牲にしたり失ったりするもの。
- 媒介
- 仲立ち。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
その問題についててい言した。
風の速さをはかるのは難しい。
かねんごみを出す日だ。
きゅう校舎を取り壊す。
彼の知識はとてもほう富だ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「曖昧」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 宿題が多くて、算数の宿題をやったか記憶が曖昧だ。
- イ 曖昧に遊ぶのを楽しみにしている。
- ウ 学校の給食を食べる時間にはすでに曖昧だ。
- エ 考えることが苦手だが曖昧に頑張っている。
Confirm Testの答え
- 答え
提
- 答え
測る
- 答え
可燃
- 答え
旧
- 答え
豊
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「別の『世界』」とありますが、どのような世界ですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 体験で得る喜びの代償に苦しみや犠牲を払わなければならない現実の世界。
- イ コンピュータを媒介にして体験することができる仮想現実の世界。
- ウ 文字を仲立ちとし、人間が想像力を豊かに働かせて思い描く世界。
- エ 映像やイラストレーションで表現されるだれにでもよく判る世界。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「書物で読んだ……ることもある」とありますが、その理由について説明した次の文の a・bにあてはまることばを、文中からa・bそれぞれ二字で書きぬきなさい。 (完答)
- a の世界とは違い、 b で描かれた世界というのは、人によって様々な受け取り方ができるから。
- a
- b
Confirm Testの答え
- 答え
- a 映像
- b 文字
(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
世の人生訓などでは、背伸びをする、ということは、避けるべきことであると教えられます。身の丈に合った生き方をしなさい、というAてい言の裏には、自分の力量以上に背伸びをするな、という戒めがこめられています。しかし、①私は必ずしもそうは思いません。自分の力量をこんなものだと、最初からBはかって判ったように思って、その範囲のなかで生き、その範囲のなかで行動したのでは、向上も進歩も望めないでしょう。現在の力量からはみだしたものに挑戦する、つまりは背伸びをすることこそ、人間の新しいCかのうせいを拓いてくれるものです。そして背伸びをする動機として、仲間から認めて貰いたい、という願いは、大事なものの一つだと言いたいのです。
Dきゅうせいの高校生たちが、判っても判らなくても、難しい*原書を抱えて、*闊歩していたという話も、単なるご愛嬌ではなくて、そこからかのうせいへの拓きが生まれることがあるという点で、認めてあげてもよいように思います。
しかし、それでもなお、私は本を読むという行為の本質は、孤独のなかにあると考えています。人間が実際に体験できる世界は、実際の世界の本当にわずかな一部にしか過ぎません。しかも、それを体験によって知っていくときに、私たちは、多くの喜びを受け取ることも事実ですが、もう一方では、多くの苦しみや犠牲を*代償に払わなければなりません。
書物は、そうして得られた自分の世界に対して、いとも容易くそれとは別の「世界」を私たちに見せてくれます。現在、コンピュータを*媒介にして体験する世界のことを「ヴァーチャル・リアリティ」(仮想現実)などと言う習慣がありますが、「仮想的現実」というのなら、書物の方がはるかに先輩で、はるかにほうふな「仮想的世界」を私たちに伝え、体験させてくれます。コンピュータに現れる「仮想現実」は視覚的に与えられます。しかし書物が描き出す「仮想現実」は、文字を仲立ちとするだけに、人間の想像力をはるかにEゆたかに動員するものとなります。
映像やイラストレーションの方が、判りやすい、と言う人もいるでしょう。しかし、写真として見せられた美人は、それだけの印象しか与えませんが、言葉で表現された美しい人は、それを読む一人一人が、想像を逞しくして、どのようにでも自分のなかに描いてみることのできるゆたかな自由度を持っています。
書物で読んだことのある小説が映画化されることがあります。文字から想像していた主人公のイメージと、映像化されたそれとが、見事に一致していることもあれば、およそかけ離れているということもあるでしょう。言いかえれば、文字で描かれた世界というのは、映像の世界のように、一つのかのうせいだけが実現してしまっているのとは違って、百人の読者がいたら、百人の受け取り方ができるような、文字通り「かのう的」な世界であるのです。
(中略)
そんな曖昧なことでは困る、とおっしゃるでしょうか。しかし、個人が書物と向かい合っているとき、その個人は、人生における経験も、知識も、味わった喜びの大きさも、流した涙の量も、それぞれがまちまちです。それでよい、というか、それしかあり得ないのですから、②書物から何を読み取るか、ということは、およそ個人的なことなのです。
(村上陽一郎『困った注文』)
注
- 原書
- 外国で出版された、外国語のままの本。
- 闊歩
- いばって気ままにふるまうこと。
- 代償
- 目的を達するために、犠牲にしたり失ったりするもの。
- 媒介
- 仲立ち。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「曖昧」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分が決めたことを最後までやりとげる様子。
- イ 目の前にあることに集中する様子。
- ウ 態度やものごとがはっきりしないこと。あやふやな様子。
- エ わからないことや困っていることが一つもない様子。
Lessonの答え
- 答え
A 提 B 測 C 可能性 D 旧制 E 豊 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
世の人生訓などでは、背伸びをする、ということは、避けるべきことであると教えられます。身の丈に合った生き方をしなさい、という提言の裏には、自分の力量以上に背伸びをするな、という戒めがこめられています。しかし、私は必ずしもそうは思いません。自分の力量をこんなものだと、最初から測って判ったように思って、その範囲のなかで生き、その範囲のなかで行動したのでは、向上も進歩も望めないでしょう。現在の力量からはみだしたものに挑戦する、つまりは①背伸びをすることこそ、人間の新しい可能性を拓いてくれるものです。そして背伸びをする動機として、仲間から認めて貰いたい、という願いは、大事なものの一つだと言いたいのです。
旧制の高校生たちが、判っても判らなくても、難しい*原書を抱えて、*闊歩していたという話も、単なるご愛嬌ではなくて、そこから可能性への拓きが生まれることがあるという点で、認めてあげてもよいように思います。
しかし、それでもなお、私は本を読むという行為の本質は、孤独のなかにあると考えています。人間が実際に体験できる世界は、実際の世界の本当にわずかな一部にしか過ぎません。しかも、それを体験によって知っていくときに、私たちは、多くの喜びを受け取ることも事実ですが、もう一方では、多くの苦しみや犠牲を*代償に払わなければなりません。
書物は、そうして得られた自分の世界に対して、いとも容易くそれとは別の「世界」を私たちに見せてくれます。現在、コンピュータを*媒介にして体験する世界のことを「ヴァーチャル・リアリティ」(仮想現実)などと言う習慣がありますが、「仮想的現実」というのなら、書物の方がはるかに先輩で、はるかに豊富な「仮想的世界」を私たちに伝え、体験させてくれます。コンピュータに現れる「仮想現実」は視覚的に与えられます。しかし書物が描き出す「仮想現実」は、文字を仲立ちとするだけに、人間の想像力をはるかに豊かに動員するものとなります。
映像やイラストレーションの方が、判りやすい、と言う人もいるでしょう。しかし、写真として見せられた美人は、それだけの印象しか与えませんが、言葉で表現された美しい人は、それを読む一人一人が、想像を逞しくして、どのようにでも自分のなかに描いてみることのできる豊かな自由度を持っています。
書物で読んだことのある小説が映画化されることがあります。文字から想像していた主人公のイメージと、映像化されたそれとが、見事に一致していることもあれば、およそかけ離れているということもあるでしょう。言いかえれば、文字で描かれた世界というのは、映像の世界のように、一つの可能性だけが実現してしまっているのとは違って、百人の読者がいたら、百人の受け取り方ができるような、文字通り「可能的」な世界であるのです。
(中略)
そんな曖昧なことでは困る、とおっしゃるでしょうか。しかし、個人が書物と向かい合っているとき、その個人は、人生における経験も、知識も、味わった喜びの大きさも、流した涙の量も、それぞれがまちまちです。それでよい、というか、それしかあり得ないのですから、②書物から何を読み取るか、ということは、およそ個人的なことなのです。
(村上陽一郎『困った注文』)
注
- 原書
- 外国で出版された、外国語のままの本。
- 闊歩
- いばって気ままにふるまうこと。
- 代償
- 目的を達するために、犠牲にしたり失ったりするもの。
- 媒介
- 仲立ち。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新しい計画をてい案した。
水の流れをそく定する。
この本は読むことがかのうだ。
きゅう友と再会した。
この地域は自然がゆたかだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「態度やものごとがはっきりしないこと。あやふやな様子。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
彼はな返事をしてごまかした。
Practiceの答え
- 答え
提
- 答え
測
- 答え
可能
- 答え
旧
- 答え
豊か
- 答え
あいまい
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「書物から何を読み取るか、ということは、およそ個人的なことなのです」と同じ内容が書かれている部分を第三段落までの文中から二十二字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
本を読むという行為の本質は、孤独のなかにある
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「背伸びをする」を言いかえている部分を文中から十九字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
現在の力量からはみだしたものに挑戦する
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私は必ずしもそうは思いません」とありますが、それはなぜですか。文中のことばを使って三十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
自分の力量をはみ出すことで新しい可能性を拓けるから。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「書物から何を読み取るか、ということは、およそ個人的なことなのです」について、「書物から何を読み取るか、ということは、およそ個人的なこと」なのはなぜだと筆者は述べていますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 書物に向き合っている一人一人の人間は、それぞれに人生の経験も知識も異なるから。
- イ 人の読み取りの能力はまちまちなので、全員が著者の意図を読み取れるとは限らないから。
- ウ 文章には、書いた著者でさえ言いたいことを一つに決められない曖昧なところがあるから。
- エ 個人がどのように書物に向かい合っているかということは、他人に明かされることではないから。
Practiceの答え
- 答え
ア
16-3 説明文15
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
スイカの原産地はアフリカの砂漠地帯である。アフリカでは現在でも、貴重な水分の補給源としてスイカを大切にしているという。砂漠に住む人々にとってスイカは水がめの役割を果たしているのだ。
砂漠のような厳しい環境条件の中で、スイカが苦労をして水分たっぷりの甘い果実を実らせるのにはわけがある。実は鳥や動物に食べてもらおうとしているのである。
飢えた虎にわが身を与えたという*釈迦さながら、砂漠で果実を与えるとはなんという*慈しみの心だろう。現代で言えば、お腹のすいた人に自らの顔を食べさせるアンパンマンのようなヒーローなのだろうか。
もちろん、スイカがなんの見返りもなく、果実を食べさせているはずはない。甘く熟れたスイカにはあるたくらみがあるのだ。スイカの果実をむさぼり食べた動物や鳥は、スイカの種子も一緒に飲み込んでしまう。これこそスイカのもくろみなのだ。そして、スイカはお腹の中を通り抜け、糞と一緒に体外へ出るのである。
植物は動物のように自由に動けないが、行動範囲を広げるチャンスが一つだけある。それが種子である。タンポポの種子は綿毛で風に乗って遠くへ飛んでいくし、オナモミの種子はとげとげした実で衣服に引っかかって遠くへ運ばれていく。スイカの種子が好んで鳥や動物の体内に入りたがる理由も、まさにここにある。スイカの種子は食べられて、動物や鳥にあちらこちらへ運ばれる。だから、スイカの種子は食べられなければいけないのだ。
もちろん、まんまと食べてもらったスイカの種が、胃の中で芽を出したり、盲腸に引っかかるようなヘマをするはずはない。それどころか、①スイカの種子はできるだけゆっくり時間をかけて胃腸を通り、体内にとどまるようにしているという。そうすることで、少しでも遠くまで運ばれようとしているのだ。胃の中も腸の中も、まったく平気なのだ。なんという余裕だろう。
そう言えば、スイカ独特の縞模様も鳥や動物に見つかりやすいように発達したと言われている。そこまでしても、スイカは食べてもらいたいと思っていたのである。そう考えると、種を食べずに器用に吐き出してしまう人間は、ずいぶん迷惑な存在だ。
スイカだけでなく、多くの植物が鳥や動物に食べられて種子を運ぶという作戦を選んでいる。食べられるような果実をつける植物は、ほとんどが果実と一緒に種子を食べさせて、種子を遠くへ運んでもらおうとしているのだ。
例えばリンゴやモモ、カキ、ミカン、ブドウなど木の上で熟した果実は赤色、橙色、桃色、紫色のように赤系統の色彩をしていることが多い。これは鳥が赤色をもっとも認識するからである。一方、熟していない果実は緑色をしていて苦い。種子が未熟なうちに食べられては困るので、苦味物質を蓄えて果実を守っているのである。種子が熟してくると、果実は苦味物質を消去し、糖分を蓄え甘くおいしくなる。そして、果実の色を緑色から赤色に変えて食べ頃のサインを出すのである。「緑色は食べるな」「赤色は食べてほしい」。これが、植物が鳥と交わした色のサインである。
(蓮実香佑『「植物」という不思議な生き方』)
注
- 釈迦
- 仏教を始めた人物。
- 慈しみ
- かわいがること。弱い者に愛情を注ぐ気持ち。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
このじょうぶんは難しくて理解しにくい。
机をかこんで話し合う。
あの店ではめんのシャツを売っている。
どくがくでピアノを弾けるようになった。
めいろに入ってしまい抜け出せなかった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「器用」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア かれは器用な足で速く走る。
- イ この料理は器用な味がする。
- ウ かれは悔しくて、器用に泣き出した。
- エ かのじょは手先が器用なので、料理を作るのがとても上手だ。
Confirm Testの答え
- 答え
条文
- 答え
囲
- 答え
綿
- 答え
独学
- 答え
迷路
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「スイカの種子は……とどまるようにしている」とありますが、スイカがこのような作戦をとっているのは何のためですか。次の文の a・bにあてはまることばを、文中からaは二字、bは八字で書きぬきなさい。(完答)
鳥や動物に a を b 運んでもらうため。
- a
- b
Confirm Testの答え
- 答え
a 種子 b 少しでも遠くまで (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
スイカの原産地はアフリカの砂漠地帯である。アフリカでは現在でも、貴重な水分の補給源としてスイカを大切にしているという。砂漠に住む人々にとってスイカは水がめの役割を果たしているのだ。
砂漠のような厳しい環境Aじょうけんの中で、スイカが苦労をして水分たっぷりの甘い果実を実らせるのにはわけがある。実は鳥や動物に食べてもらおうとしているのである。
飢えた虎にわが身を与えたという*釈迦さながら、砂漠で果実を与えるとはなんという*慈しみの心だろう。現代で言えば、お腹のすいた人に自らの顔を食べさせるアンパンマンのようなヒーローなのだろうか。
もちろん、スイカがなんの見返りもなく、果実を食べさせているはずはない。甘く熟れたスイカにはあるたくらみがあるのだ。スイカの果実をむさぼり食べた動物や鳥は、スイカの種子も一緒に飲み込んでしまう。これこそスイカのもくろみなのだ。そして、スイカはお腹の中を通り抜け、糞と一緒に体外へ出るのである。
植物は動物のように自由に動けないが、行動範Bいを広げるチャンスが一つだけある。それが種子である。タンポポの種子はCわた毛で風に乗って遠くへ飛んでいくし、オナモミの種子はとげとげした実で衣服に引っかかって遠くへ運ばれていく。スイカの種子が好んで鳥や動物の体内に入りたがる理由も、まさにここにある。スイカの種子は食べられて、動物や鳥にあちらこちらへ運ばれる。だから、スイカの種子は食べられなければいけないのだ。
もちろん、まんまと食べてもらったスイカの種が、胃の中で芽を出したり、盲腸に引っかかるようなヘマをするはずはない。それどころか、スイカの種子はできるだけゆっくり時間をかけて胃腸を通り、体内にとどまるようにしているという。そうすることで、少しでも遠くまで運ばれようとしているのだ。胃の中も腸の中も、まったく平気なのだ。なんという余裕だろう。
そう言えば、スイカDどく特の縞模様も鳥や動物に見つかりやすいように発達したと言われている。そこまでしても、スイカは食べてもらいたいと思っていたのである。そう考えると、種を食べずに器用に吐き出してしまう人間は、ずいぶん
Eめい惑な存在だ。
スイカだけでなく、多くの植物が鳥や動物に食べられて種子を運ぶという作戦を選んでいる。食べられるような果実をつける植物は、ほとんどが果実と一緒に種子を食べさせて、種子を遠くへ運んでもらおうとしているのだ。
例えばリンゴやモモ、カキ、ミカン、ブドウなど木の上で熟した果実は赤色、橙色、桃色、紫色のように赤系統の色彩をしていることが多い。これは鳥が赤色をもっとも認識するからである。一方、熟していない果実は緑色をしていて苦い。種子が未熟なうちに食べられては困るので、苦味物質を蓄えて果実を守っているのである。種子が熟してくると、果実は苦味物質を消去し、糖分を蓄え甘くおいしくなる。そして、果実の色を緑色から赤色に変えて食べ頃のサインを出すのである。「①緑色は食べるな」「赤色は食べてほしい」。これが、植物が鳥と交わした色のサインである。
(蓮実香佑『「植物」という不思議な生き方』)
注
- 釈迦
- 仏教を始めた人物。
- 慈しみ
- かわいがること。弱い者に愛情を注ぐ気持ち。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「器用」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 要領よく、いろいろなものごとを処理する様子。
- イ 自分の都合だけを考えて物事を進める様子。
- ウ わからないことを積極的に聞いて解決しようとする様子。
- エ あともう少しで答えが出る様子。
Lessonの答え
- 答え
A 条件 B 囲 C 綿 D 独 E 迷 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
スイカの原産地はアフリカの砂漠地帯である。①アフリカでは現在でも、貴重な水分の補給源としてスイカを大切にしているという。砂漠に住む人々にとってスイカは水がめの役割を果たしているのだ。
砂漠のような厳しい環境条件の中で、スイカが苦労をして水分たっぷりの甘い果実を実らせるのにはわけがある。実は鳥や動物に食べてもらおうとしているのである。
飢えた虎にわが身を与えたという*釈迦さながら、砂漠で果実を与えるとはなんという*慈しみの心だろう。現代で言えば、お腹のすいた人に自らの顔を食べさせるアンパンマンのようなヒーローなのだろうか。
もちろん、スイカがなんの見返りもなく、果実を食べさせているはずはない。甘く熟れたスイカにはあるたくらみがあるのだ。スイカの果実をむさぼり食べた動物や鳥は、スイカの種子も一緒に飲み込んでしまう。これこそスイカのもくろみなのだ。そして、スイカはお腹の中を通り抜け、糞と一緒に体外へ出るのである。
植物は動物のように自由に動けないが、行動範囲を広げるチャンスが一つだけある。それが種子である。タンポポの種子は綿毛で風に乗って遠くへ飛んでいくし、オナモミの種子はとげとげした実で衣服に引っかかって遠くへ運ばれていく。スイカの種子が好んで鳥や動物の体内に入りたがる理由も、まさにここにある。スイカの種子は食べられて、動物や鳥にあちらこちらへ運ばれる。だから、スイカの種子は食べられなければいけないのだ。
もちろん、まんまと食べてもらったスイカの種が、胃の中で芽を出したり、盲腸に引っかかるようなヘマをするはずはない。それどころか、スイカの種子はできるだけゆっくり時間をかけて胃腸を通り、体内にとどまるようにしているという。そうすることで、少しでも遠くまで運ばれようとしているのだ。胃の中も腸の中も、まったく平気なのだ。なんという余裕だろう。
そう言えば、スイカ独特の縞模様も鳥や動物に見つかりやすいように発達したと言われている。そこまでしても、スイカは食べてもらいたいと思っていたのである。そう考えると、種を食べずに器用に吐き出してしまう人間は、ずいぶん迷惑な存在だ。
スイカだけでなく、多くの植物が鳥や動物に食べられて種子を運ぶという作戦を選んでいる。食べられるような果実をつける植物は、ほとんどが果実と一緒に種子を食べさせて、種子を遠くへ運んでもらおうとしているのだ。
例えばリンゴやモモ、カキ、ミカン、ブドウなど木の上で熟した果実は赤色、橙色、桃色、紫色のように赤系統の色彩をしていることが多い。これは鳥が赤色をもっとも認識するからである。一方、熟していない果実は緑色をしていて苦い。種子が未熟なうちに食べられては困るので、苦味物質を蓄えて果実を守っているのである。種子が熟してくると、果実は苦味物質を消去し、糖分を蓄え甘くおいしくなる。そして、果実の色を緑色から赤色に変えて食べ頃のサインを出すのである。「緑色は食べるな」「赤色は食べてほしい」。これが、植物が鳥と交わした色のサインである。
(蓮実香佑『「植物」という不思議な生き方』)
注
- 釈迦
- 仏教を始めた人物。
- 慈しみ
- かわいがること。弱い者に愛情を注ぐ気持ち。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
あなたはこのじょうけんに同意しました。
学校の運動場はフェンスでかこまれている。
冬にはわた入りのコートを着る。
彼の考えはとてもどくとくだ。
道にまよってしまって帰れなかった。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「要領よく、いろいろなものごとを処理する様子」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
彼はに問題を解決した。
Practiceの答え
- 答え
条件
- 答え
囲
- 答え
綿
- 答え
独特
- 答え
迷って
- 答え
器用
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「緑色は食べるな」について、植物は、なぜ緑色の果実を食べてほしくないのですか。文中から十九字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
種子が未熟なうちに食べられては困るので
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「アフリカでは現在でも……大切にしている」とありますが、これはスイカにどのような性質があるからですか。それを説明した次の文の a・bにあてはまることばを、文中からaは七字、bは二字で書きぬきなさい。(完答)
砂漠のような a の中で、 b の多い果実を実らせる性質。
- a
- b
Practiceの答え
- 答え
a 厳しい環境条件 b 水分 (完答)
17章 物語文
物語文の読み方
17-1 物語文15
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
視力に障がいがある「私」は、盲導犬の訓練を受けることにした。
訓練を受けにきたほかの三人は、みんな思い思いに犬の頭をなでたり、名前を呼びながら、毛なみの感触を楽しんだりしています。
「ひゃあ! 顔をなめられてしまった。大きな舌なんだなあ」
などと、うれしそうに言っている人もいました。
私もなんとかして頭をなでなければと思うのですが、なかなか勇気が出ません。やっとの思いで、おそるおそる右手の人差指を一本だけ出してみました。ほんとうに気持ちが動転していて、手のひらで犬の頭をなでることさえ忘れてしまっていたのです。
指導員の先生が「そこは顔ですよ」と言いました。すると私は、あわてて指を引っこめました。
「郡司さん、あなた、ベルナの口の中に手を入れてごらんなさい」
塩屋先生の声がかかりました。
私はびっくりしました。頭さえなでられないものが、どうして口の中になど手を入れることができるでしょうか。雪の上にたおれたときに、目の前に大きく開けられたあの口の中にです。
「できません……」
私は答えました。
「できない? あなた何をするためにここに来たのですか? すぐに荷物をまとめて帰りなさい!」
先生の怖い声が追いかけてきました。
時間がすべて止まったような瞬間です。
私は泣きそうになりました。怖くて怖くて、犬の口の中になど、どう考えても手を入れることはできません。でも、それができないといって、このまま荷物をまとめて家に帰ることもできないのです。なにしろ今度帰ってくるときには、盲導犬といっしょだからねと、幸治さんに言いきって来たのですから。それになんといっても、視力のない私が赤ちゃんを育てるには、盲導犬の力を必要としていたのです。
私は、ギュッと目を固くつむりました。息を止めます。
喰いちぎられて指がなくなっても、かまうものか。もうあとには引けないのだから。
えい、やあ!
引き綱を持たない右手を、ベルナの口の中につっこみました。
ゆっくりとしたテンポで、ときが流れていきます。
あれ?
不思議な気持ちがして、私は我にかえりました。手を口の中につっこまれたベルナは、驚いた様子もなく、目の前の私を見上げているようです。
えー⁉︎ 普通の犬とは、違うんだなあ。
我にかえっていちばんに思ったのは、そのことでした。
それに犬の口の中って、なんて温かで気持ちがいいんだろう。固くて健康そうな歯があります。生ハムのようなぶあつい舌があります。
そっと手を口の中から出しました。指を折ったり伸ばしたりしてみました。痛くもなんともありません。血が流れている様子もありません。
塩屋先生が私のその手を持って、ベルナの頭の上に置きました。そして①先生は、自分の手をその上に重ねて、私の手をやさしくなでてくださいました。
「ベルナ、一生懸命にがんばるからよろしくね」
張りつめていた気持ちがやわらかくほぐれて、私の胸いっぱいに熱いものが広がりました。私を見上げていたベルナも、うれしそうにバタバタとしっぽを振って、体をすり寄せてきます。
ベルナの心に初めてふれたひとときでした。
(郡司ななえ『ベルナのしっぽ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
彼のアドバイスが成功にみちびいた。
弟は、アイデアをねるのが得意だ。
適度なふかをかけたトレーニングをする。
緊ちょうしながら発表をした。
募金活動にきふして協力した。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「気が動転する」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 外で遊ぶのは暑すぎるから気が動転しないように室内で遊ぼう。
- イ 気が動転するまでお手伝いを頑張った。
- ウ 目の前で人が倒れて気が動転した。
- エ 気が動転したのでテレビを見ることができた。
Confirm Testの答え
- 答え
導いた
- 答え
練る
- 答え
負荷
- 答え
張
- 答え
寄付
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「先生は、自分の手をその上に重ねて、私の手をやさしくなでてくださいました」とありますが、ここから「先生」のどんな気持ちが読み取れますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 「私」のためとはいえ、きびしい言い方をしてしまったことを申し訳なく思う気持ち。
- イ ベルナのおだやかな性質を「私」にわかってもらい、ベルナを気に入ってもらいたいと期待する気持ち。
- ウ ベルナが「私」に危害を加えなかったことにほっとし、これからうまくやっていけそうだと安心する気持ち。
- エ ベルナと「私」がよい関係を築いてくれることを願うとともに、「私」をはげます気持ち。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
視力に障がいがある「私」は、盲Aどう犬のBくんれんを受けることにした。
くんれんを受けにきたほかの三人は、みんな思い思いに犬の頭をなでたり、名前を呼びながら、毛なみの感触を楽しんだりしています。
「ひゃあ! 顔をなめられてしまった。大きな舌なんだなあ」
などと、うれしそうに言っている人もいました。
私もなんとかして頭をなでなければと思うのですが、なかなか勇気が出ません。やっとの思いで、おそるおそる右手の人差指を一本だけ出してみました。ほんとうに気持ちが動転していて、手のひらで犬の頭をなでることさえ忘れてしまっていたのです。
指どう員の先生が「そこは顔ですよ」と言いました。すると私は、あわてて指を引っこめました。
「郡司さん、あなた、ベルナの口の中に手を入れてごらんなさい」
塩屋先生の声がかかりました。
私はびっくりしました。頭さえなでられないものが、どうして口の中になど手を入れることができるでしょうか。雪の上にたおれたときに、目の前に大きく開けられたあの口の中にです。
「できません……」
私は答えました。
「できない? あなた何をするためにここに来たのですか? すぐにCにもつをまとめて帰りなさい!」
先生の怖い声が追いかけてきました。
時間がすべて止まったような瞬間です。
私は泣きそうになりました。怖くて怖くて、犬の口の中になど、どう考えても手を入れることはできません。でも、それができないといって、このままにもつをまとめて家に帰ることもできないのです。なにしろ今度帰ってくるときには、盲どう犬といっしょだからねと、幸治さんに言いきって来たのですから。それになんといっても、視力のない私が赤ちゃんを育てるには、盲どう犬の力を必要としていたのです。
①私は、ギュッと目を固くつむりました。息を止めます。
喰いちぎられて指がなくなっても、かまうものか。もうあとには引けないのだから。
えい、やあ!
引き綱を持たない右手を、ベルナの口の中につっこみました。
ゆっくりとしたテンポで、ときが流れていきます。
あれ?
不思議な気持ちがして、私は我にかえりました。手を口の中につっこまれたベルナは、驚いた様子もなく、目の前の私を見上げているようです。
えー⁉︎ 普通の犬とは、違うんだなあ。
我にかえっていちばんに思ったのは、そのことでした。
それに犬の口の中って、なんて温かで気持ちがいいんだろう。固くて健康そうな歯があります。生ハムのようなぶあつい舌があります。
そっと手を口の中から出しました。指を折ったり伸ばしたりしてみました。痛くもなんともありません。血が流れている様子もありません。
塩屋先生が私のその手を持って、ベルナの頭の上に置きました。そして先生は、自分の手をその上に重ねて、私の手をやさしくなでてくださいました。
「ベルナ、一生懸命にがんばるからよろしくね」
Dはりつめていた気持ちがやわらかくほぐれて、私の胸いっぱいに熱いものが広がりました。私を見上げていたベルナも、うれしそうにバタバタとしっぽを振って、体をすりEよせてきます。
ベルナの心に初めてふれたひとときでした。
(郡司ななえ『ベルナのしっぽ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「気持ちが動転して」について、「気が動転する」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 非常に驚いて平静を失うこと。
- イ 何かあったらすぐに出られるように、素早く準備をすること。
- ウ 大事な試合前などに気合いを入れること。
- エ 自分一人では解決することができず、どうしたらいいか確認すること。
Lessonの答え
- 答え
A 導 B 訓練 C 荷物 D 張 E 寄 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
視力に障がいがある「私」は、盲導犬の訓練を受けることにした。
訓練を受けにきたほかの三人は、みんな思い思いに犬の頭をなでたり、名前を呼びながら、毛なみの感触を楽しんだりしています。
「ひゃあ! 顔をなめられてしまった。大きな舌なんだなあ」
などと、うれしそうに言っている人もいました。
私もなんとかして頭をなでなければと思うのですが、なかなか勇気が出ません。①やっとの思いで、おそるおそる右手の人差指を一本だけ出してみました。ほんとうに気持ちが動転していて、手のひらで犬の頭をなでることさえ忘れてしまっていたのです。
指導員の先生が「そこは顔ですよ」と言いました。すると私は、あわてて指を引っこめました。
「郡司さん、あなた、ベルナの口の中に手を入れてごらんなさい」
塩屋先生の声がかかりました。
私はびっくりしました。頭さえなでられないものが、どうして口の中になど手を入れることができるでしょうか。雪の上にたおれたときに、目の前に大きく開けられたあの口の中にです。
「できません……」
私は答えました。
「できない? あなた何をするためにここに来たのですか? すぐに荷物をまとめて帰りなさい!」
先生の怖い声が追いかけてきました。
時間がすべて止まったような瞬間です。
私は泣きそうになりました。怖くて怖くて、犬の口の中になど、どう考えても手を入れることはできません。でも、それができないといって、このまま荷物をまとめて家に帰ることもできないのです。なにしろ今度帰ってくるときには、盲導犬といっしょだからねと、幸治さんに言いきって来たのですから。それになんといっても、視力のない私が赤ちゃんを育てるには、盲導犬の力を必要としていたのです。
私は、ギュッと目を固くつむりました。息を止めます。
喰いちぎられて指がなくなっても、かまうものか。もうあとには引けないのだから。
えい、やあ!
引き綱を持たない右手を、ベルナの口の中につっこみました。
ゆっくりとしたテンポで、ときが流れていきます。
あれ?
不思議な気持ちがして、私は我にかえりました。手を口の中につっこまれたベルナは、驚いた様子もなく、目の前の私を見上げているようです。
えー⁉︎ 普通の犬とは、違うんだなあ。
我にかえっていちばんに思ったのは、そのことでした。
それに犬の口の中って、なんて温かで気持ちがいいんだろう。固くて健康そうな歯があります。生ハムのようなぶあつい舌があります。
そっと手を口の中から出しました。指を折ったり伸ばしたりしてみました。痛くもなんともありません。血が流れている様子もありません。
塩屋先生が私のその手を持って、ベルナの頭の上に置きました。そして先生は、自分の手をその上に重ねて、私の手をやさしくなでてくださいました。
「ベルナ、一生懸命にがんばるからよろしくね」
張りつめていた気持ちがやわらかくほぐれて、私の胸いっぱいに熱いものが広がりました。私を見上げていたベルナも、うれしそうにバタバタとしっぽを振って、体をすり寄せてきます。
ベルナの心に初めてふれたひとときでした。
(郡司ななえ『ベルナのしっぽ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新しいシステムをどうにゅうする。
警察犬は、特別なくんれんを受けている。
玄関でにもつを受け取った。
テントをはってキャンプをする。
学校の帰りに公園によった。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「非常に驚いて平静を失うこと。驚きあわてること。」を表すことばを四字で書きなさい。
悲しみのあまりしていた。
Practiceの答え
- 答え
導入
- 答え
訓練
- 答え
荷物
- 答え
張って
- 答え
寄った
- 答え
気が動転
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私は、ギュッと目を固くつむりました。息を止めます」とありますが、このときの「私」はどのような気持ちでしたか。三十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
怖いけれどがんばって犬の口の中に手を入れようとかくごを決める気持ち。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「やっとの思いで、おそるおそる右手の人差指を一本だけ出してみました」とありますが、この様子から「私」のどんな気持ちが読み取れますか。「……という気持ち。」につながる形で十五字以内で書きなさい。
という気持ち。
Practiceの答え
- 答え
犬の頭をなでるのが怖い〈という気持ち。〉
17-2 物語文16
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ねぇ、由美ちゃん。私、どうして突然由美ちゃんに嫌われたのか、わかんないんだ。お誕生日会のとき、私、なにか悪いことしちゃったかな……」
花蓮ちゃんの声が、かすれて、とぎれる。風がゆるく吹いて、花たちがゆれる。まるで、由美を応援してくれているみたいに、由美のほうを見あげてゆれている。
大丈夫、ちゃんと言える。友達じゃないって言える。
由美は覚悟を決めて、大きく息を吸った。
「悪いことなんてしてないよ……」
大きく息を吸ったわりには、すぐに言葉がとぎれてしまう。もう一度大きく吸って、吐き出すその勢いで声を出す。
「花蓮ちゃんは悪くないから」
こんどはちゃんと声が出たから、由美はその勢いにのって、つづけた。
「私は、花蓮ちゃんに似合わないから、だから友達でいるのやめようって、思っただけだから」
そっと顔をあげると、花蓮ちゃんが、由美をじっと見あげていた。由美は、その顔を見て、やっぱりかわいいなぁと思った。花蓮ちゃんは、この庭によく似合う。不思議の国のアリスみたいなのは、私じゃなくて花蓮ちゃんのほうだ。
「花蓮ちゃんは志保ちゃんたちといっしょにいるほうが、似合ってるし、話も合うみたいだし、楽しそうだし、だから、私とは友達じゃなくていいから。花蓮ちゃんの仲良しは、志保ちゃんたちだけでいいから」
由美はそこまで言うと、ふたたびうつむいて、クローブピンクとコリアンダーを見つめた。小さくゆれつづけている花たちを見て、由美はよくがんばったねと、拍手されている気分になった。
すみれさんは「草花はひとにはかなわない」って言ってたけど、そんなことないと思った。だって、いま、助けられたもの。勇気出せたもの。
由美は言いたいことが言えたので、ゆっくりと身体を回転させた。
もう、ほかに言うことはない。あとのことは、勝手に花蓮ちゃんを呼んだすみれさんにまかせよう。
由美は大きく深呼吸すると、小屋のほうへと顔をあげて歩きだした。
「勝手に決めないでよ!」
突然、背中に強くて大きな声が、あたった。一瞬、だれだかわからないくらい、それはとげとげしい声だった。
「楽しそうにしているだけかもしれないでしょ?」
だけど、 その声は、たしかに花蓮ちゃんの声だった。その声があまりに哀しそうで、由美は、歩きだしたばかりの足を止めた。
「ママたちが仲良しで、おまけにクラスまで同じになっちゃって、それで、仕方なく仲良くしてるだけかもしれないでしょう?」
ゆっくり振り向くと、①花蓮ちゃんはものすごく恐い顔をして、由美が置いたコップを見つめていた。
「性格悪いなぁ、好きじゃないなぁって思っても、ママたちが仲良しで、だから私も、志保ちゃんたちと仲良しにならなきゃいけなくて……」
しゃべりながら、苦しそうに顔をゆがませているその姿を見て、由美は混乱した。
本当なの? だって、そんな風には見えなかったよ。花蓮ちゃんは楽しそうだったよ。志保ちゃんたちと、気持ちが通じ合っているように見えたよ。
(草野たき『ハーブガーデン』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
緊急事態におうじて避難する。
台風のせいりょくが強まっている。
私と姉は、考えがるいじしている。
法律について、ぎ論する。
その動物は穏やかなせいしつがある。
Confirm Testの答え
- 答え
応
- 答え
勢力
- 答え
類似
- 答え
議
- 答え
性質
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「花蓮ちゃんはものすごく恐い顔をして、由美が置いたコップを見つめていた」とありますが、このときの花蓮ちゃんの気持ちとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 由美が勝手な決めつけで、勝手に友達でいるのをやめると言い出したことを、腹立たしく、また悲しく思う気持ち。
- イ 好きではない志保ちゃんたちと仲良くできる自分のことを由美にみとめてもらいたいと思う気持ち。
- ウ 由美が、志保ちゃんたちとは楽しそうにしているだけだと気づいてくれないことを、仕方がないと思う気持ち。
- エ あえて自分が悪者であるかのようにふるまって、友達をやめると言い出した由美に、がっかりする気持ち。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまる言葉としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 相変わらず元気な声で言った
- イ 少し低い声でもう一度言った
- ウ 何か言いたそうにしながら言った
- エ かわいらしい声で言った
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ねぇ、由美ちゃん。私、どうして突然由美ちゃんに嫌われたのか、わかんないんだ。お誕生日会のとき、私、なにか悪いことしちゃったかな……」
花蓮ちゃんの声が、かすれて、とぎれる。風がゆるく吹いて、花たちがゆれる。まるで、由美をAおう援してくれているみたいに、由美のほうを見あげてゆれている。
大丈夫、ちゃんと言える。友達じゃないって言える。
由美は覚悟を決めて、大きく息を吸った。
「悪いことなんてしてないよ……」
大きく息を吸ったわりには、すぐに言葉がとぎれてしまう。もう一度大きく吸って、吐き出すそのBいきおいで声を出す。
「花蓮ちゃんは悪くないから」
こんどはちゃんと声が出たから、由美はそのいきおいにのって、つづけた。
「私は、花蓮ちゃんにCに合わないから、だから友達でいるのやめようって、おもっただけだから」
そっと顔をあげると、花蓮ちゃんが、由美をじっと見あげていた。由美は、その顔を見て、やっぱりかわいいなぁとおもった。花蓮ちゃんは、この庭によくに合う。Dふしぎの国のアリスみたいなのは、私じゃなくて花蓮ちゃんのほうだ。
「花蓮ちゃんは志保ちゃんたちといっしょにいるほうが、に合ってるし、話も合うみたいだし、楽しそうだし、だから、私とは友達じゃなくていいから。花蓮ちゃんの仲良しは、志保ちゃんたちだけでいいから」
由美はそこまで言うと、ふたたびうつむいて、クローブピンクとコリアンダーを見つめた。小さくゆれつづけている花たちを見て、由美はよくがんばったねと、拍手されている気分になった。
すみれさんは「草花はひとにはかなわない」って言ってたけど、そんなことないとおもった。だって、いま、助けられたもの。勇気出せたもの。
①由美は言いたいことが言えたので、ゆっくりと身体を回転させた。
もう、ほかに言うことはない。あとのことは、勝手に花蓮ちゃんを呼んだすみれさんにまかせよう。
由美は大きく深呼吸すると、小屋のほうへと顔をあげて歩きだした。
「勝手に決めないでよ!」
突然、背中に強くて大きな声が、あたった。一瞬、だれだかわからないくらい、それはとげとげしい声だった。
「楽しそうにしているだけかもしれないでしょ?」
だけど、少し低い声でもう一度言ったその声は、たしかに花蓮ちゃんの声だった。その声があまりに哀しそうで、由美は、歩きだしたばかりの足を止めた。
「ママたちが仲良しで、おまけにクラスまで同じになっちゃって、それで、仕方なく仲良くしてるだけかもしれないでしょう?」
ゆっくり振り向くと、花蓮ちゃんはものすごく恐い顔をして、由美が置いたコップを見つめていた。
「Eせいかく悪いなぁ、好きじゃないなぁっておもっても、ママたちが仲良しで、だから私も、志保ちゃんたちと仲良しにならなきゃいけなくて……」
しゃべりながら、苦しそうに顔をゆがませているその姿を見て、②由美は混乱した。
本当なの? だって、そんな風には見えなかったよ。花蓮ちゃんは楽しそうだったよ。志保ちゃんたちと、気持ちが通じ合っているように見えたよ。
(草野たき『ハーブガーデン』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 応 B 勢 C 似 D 不思議 E 性格 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ねぇ、由美ちゃん。私、どうして突然由美ちゃんに嫌われたのか、わかんないんだ。お誕生日会のとき、私、なにか悪いことしちゃったかな……」
花蓮ちゃんの声が、かすれて、とぎれる。風がゆるく吹いて、花たちがゆれる。まるで、由美を応援してくれているみたいに、由美のほうを見あげてゆれている。
大丈夫、ちゃんと言える。友達じゃないって言える。
由美は①覚悟を決めて、大きく息を吸った。
「悪いことなんてしてないよ……」
大きく息を吸ったわりには、すぐに言葉がとぎれてしまう。もう一度大きく吸って、吐き出すその勢いで声を出す。
「花蓮ちゃんは悪くないから」
こんどはちゃんと声が出たから、由美はその勢いにのって、つづけた。
「私は、花蓮ちゃんに似合わないから、だから友達でいるのやめようって、思っただけだから」
そっと顔をあげると、花蓮ちゃんが、由美をじっと見あげていた。由美は、その顔を見て、やっぱりかわいいなぁと思った。花蓮ちゃんは、この庭によく似合う。不思議の国のアリスみたいなのは、私じゃなくて花蓮ちゃんのほうだ。
「花蓮ちゃんは志保ちゃんたちといっしょにいるほうが、似合ってるし、話も合うみたいだし、楽しそうだし、だから、私とは友達じゃなくていいから。花蓮ちゃんの仲良しは、志保ちゃんたちだけでいいから」
由美はそこまで言うと、ふたたびうつむいて、クローブピンクとコリアンダーを見つめた。小さくゆれつづけている花たちを見て、由美はよくがんばったねと、拍手されている気分になった。
すみれさんは「草花はひとにはかなわない」って言ってたけど、そんなことないと思った。だって、いま、助けられたもの。勇気出せたもの。
由美は言いたいことが言えたので、ゆっくりと②身体を回転させた。
もう、ほかに言うことはない。あとのことは、勝手に花蓮ちゃんを呼んだすみれさんにまかせよう。
由美は大きく深呼吸すると、小屋のほうへと顔をあげて歩きだした。
「勝手に決めないでよ!」
突然、背中に強くて大きな声が、あたった。一瞬、だれだかわからないくらい、それはとげとげしい声だった。
「楽しそうにしているだけかもしれないでしょ?」
だけど、少し低い声でもう一度言ったその声は、たしかに花蓮ちゃんの声だった。その声があまりに哀しそうで、由美は、歩きだしたばかりの足を止めた。
「ママたちが仲良しで、おまけにクラスまで同じになっちゃって、それで、仕方なく仲良くしてるだけかもしれないでしょう?」
ゆっくり振り向くと、花蓮ちゃんはものすごく恐い顔をして、由美が置いたコップを見つめていた。
「性格悪いなぁ、好きじゃないなぁって思っても、ママたちが仲良しで、だから私も、志保ちゃんたちと仲良しにならなきゃいけなくて……」
しゃべりながら、苦しそうに顔をゆがませているその姿を見て、由美は混乱した。
本当なの? だって、そんな風には見えなかったよ。花蓮ちゃんは楽しそうだったよ。志保ちゃんたちと、気持ちが通じ合っているように見えたよ。
(草野たき『ハーブガーデン』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
家族の期待にこたえるように努力する。
風のいきおいが強くなってきた。
新しい髪型がにあっている。
昨日、ふしぎな夢を見た。
友達は優しいせいかくの持ち主だ。
Practiceの答え
- 答え
応える
- 答え
勢い
- 答え
似合
- 答え
不思議
- 答え
性格
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「由美は言いたいことが言えた」とありますが、由美が花蓮ちゃんに対して言いたかったこととはどんなことでしたか。五十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
花蓮ちゃんは自分より志保ちゃんたちといるほうが似合うから自分は友達でいなくていいということ。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「覚悟を決めて、大きく息を吸った」とありますが、このときの由美の気持ちとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 動揺する気持ちを相手に知られたくないという気持ち。
- イ 腹立たしさはあるが、冷静に話をしようという気持ち。
- ウ 言いにくいことだが、勇気を出して伝えようという気持ち。
- エ 残念なことだけれど、やむをえないのであきらめようという気持ち。
Practiceの答え
- 答え
ウ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「由美は混乱した」とありますが、なぜですか。その理由として適当なものを次のうちから二つ選び、記号で答えなさい。(完答)
- ア 花蓮ちゃんの言っていることが、彼女らしくない言いわけがましいものに聞こえたから。
- イ 花蓮ちゃんのことばづかいや話す内容が、いつもの彼女とはまったく違った乱暴なものだったから。
- ウ 花蓮ちゃんの言うことが、ふだんの彼女の様子からは想像することさえできないものだったから。
- エ 花蓮ちゃんの本当の気持ちがわかり、今までの自分の見方が浅いものだったと気づいたから。
- オ 花蓮ちゃんの話す様子を見て、いつもの姿と今の姿のどちらが本当の姿なのかわからなくなったから。
Lessonの答え
- 答え
ウ・オ(順不同・完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「身体を回転させた」とはどういうことですか。次の文のにあてはまることばを五字以内で書きなさい。
由美が花蓮ちゃんにこと。
Practiceの答え
- 答え
せを向けた
18章 文法
方言と共通語/和語・漢語・外来語
18-1 方言と共通語
Confirm Test
次のそれぞれの文は、共通語と方言のどちらかについて説明したものである。共通語についての説明ならばア、方言についての説明ならばイを記号で答えなさい。
地域の風土や生活にもとづく表現が多い。
全国向けのテレビ番組で使われることが多い。
どの地域の人にも通用する。
語句や文法、アクセントなどの表現に地域ごとの特色があらわれる。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ア
- 答え
イ
Confirm Test
次のそれぞれのことばについて、言いかえた語句の組から方言を選び、記号で答えなさい。
こぼれる (ア マケル イ アフレル)
〈人などが〉存在しない (ア イナイ イ オラン)
次のそれぞれの文の線部が共通語であればア、方言であればイを記号で答えなさい。
そろそろ行かんとおえん。
かばんをからっていく。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
イ
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次のそれぞれの文は、共通語と方言のどちらかについて説明したものである。共通語についての説明ならばア、方言についての説明ならばイを記号で答えなさい。
語句や文法、アクセントなどの表現に地域ごとの特色があらわれる。
どの地域の人にも通用する。
全国向けのテレビ番組で使われることが多い。
地域の風土や生活にもとづく表現が多い。
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ア
- 答え
イ
Practice
次のそれぞれの文は、共通語と方言のどちらかについて説明したものである。共通語についての説明ならばア、方言についての説明ならばイを記号で答えなさい。
どの地域の人にも通用する。
全国向けのテレビ番組で使われることが多い。
語句や文法、アクセントなどの表現に地域ごとの特色があらわれる。
地域の風土や生活にもとづく表現が多い。
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
イ
Lesson
Lesson
次のそれぞれのことばについて、言いかえた語句の組から方言を選び、記号で答えなさい。
最下位 (ア ビリ イ ドベ)
交換する (ア トリカエル イ パクル)
次のそれぞれの文の線部が共通語であればア、方言であればイを記号で答えなさい。
どうも熱っぽいから、今日はいぬわ。
おなかがいっぱいになった。
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
イ
- 答え
イ
- 答え
ア
Practice
次のそれぞれのことばについて、言いかえた語句の組から方言を選び、記号で答えなさい。
非常に (ア トテモ イ ブチ)
めちゃくちゃ (ア ワヤ イ ヒドイ)
次のそれぞれの文の線部が共通語であればア、方言であればイを記号で答えなさい。
学校の廊下は走ってはいけない。
どうぞゆくっていってね。
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ア
- 答え
イ
18-2 和語・漢語・外来語
Confirm Test
次のそれぞれの文の線部が和語ならばア、漢語ならばイ、外来語ならばウを記号で答えなさい。
プレゼントにぬいぐるみを買ってもらった。
私の趣味は、野球観戦です。
十年かけて念願のステージに立った。
次の混種語(和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉)は、どのような言葉が組み合わさってできているか。〈例〉を参考にその組み合わせを書きなさい。
〈例〉大型テレビ → 和語 + 外来語
サービス券
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
外来語 + 漢語
Point
Lesson
Lesson
次のそれぞれの文の線部が和語ならばア、漢語ならばイ、外来語ならばウを記号で答えなさい。
熱いコーヒーを飲む。
スカイダイビングの体験ツアーに申し込む。
機械を操作する。
次の混種語(和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉)は、どのような言葉が組み合わさってできているか。〈例〉を参考にその組み合わせを書きなさい。
- 〈例〉 大型テレビ → 和語 + 外来語
長ズボン
Lessonの答え
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
イ
- 答え
和語 + 外来語
Practice
次のそれぞれの文の線部が和語ならばア、漢語ならばイ、外来語ならばウを記号で答えなさい。
事件の捜査中だ。
かなわぬ夢を追いつづける。
このチームは選手一人ひとりのレベルが高い。
次の混種語(和語・漢語・外来語が混ざってできた言葉)は、どのような言葉が組み合わさってできているか。〈例〉を参考にその組み合わせを書きなさい。
- 〈例〉 大型テレビ → 和語 + 外来語
貸し切りバス
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ウ
- 答え
和語 + 外来語
19章 説明文
説明文の読み方
19-1 説明文16
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
直立二足歩行をすると、どんなよいことがあるかを考えてみよう。それには、いろいろな説がある。
一つ目は、太陽光に当たる面積が少なくなる、という説だ。アフリカのサバンナ(草原)では、強烈な日差しが照りつけてくる。しかし、サバンナには樹木が少ないので、なかなか木陰で休むわけにもいかず、熱射病になる可能性が高い。そのため、直立姿勢をとることによって、太陽光が当たる面積を減らしたというのである。たしかに四足歩行をしていれば、背中全体に太陽光が当たってしまう。一方、直立していれば、太陽光が当たるのは頭と肩ぐらいなので、かなり涼しいはずだ。
二つ目は、頭が地面から離れるので涼しくなる、という説だ。ジャングルの場合は樹木が太陽光を遮ってくれるので、それほど地面は熱くならない。しかし、サバンナの場合は太陽光が直接地面に当たるので、地面も熱くなるし、太陽光の照り返しも強い。そこで、頭部が地面から離れていれば、涼しくなるというのである。
三つ目は、①遠くが見渡せる、という説だ。草原で肉食獣に襲われないためには、少しでも早く肉食獣を見つける必要がある。そのためには、立ち上がった方が遠くまで見えるのでよい、というわけだ。
四つ目は、大きな脳を下から支えられる、という説だ。私たちヒトの頭部はかなり重く、だいたいボウリングのボールぐらいある。もしも私たちが四足歩行をしていたなら、首の骨で重い頭を横から支えなくてはならない。これは、かなりつらいので、あまり頭を大きくすることはできないだろう。一方、直立二足歩行なら、重い頭を真下から支えられるので、楽なうえに姿勢としても安定する。私たちの脳が大きくなれた理由の一つは、直立二足歩行をしていたからだろう。
五つ目は、エネルギー効率がよい、という説だ。チンパンジーやボノボは一日に三キロメートルぐらいしか歩かないし、ゴリラやオランウータンが歩く距離はもっと少ない。しかし、ヒトは平気で一〇キロメートル以上歩く。ヒトの方が活動的な理由の一つは、同じ距離を歩くために少しのエネルギーしか使わないからだといわれている。チンパンジーとヒトが歩行するときに使うエネルギーを測定した実験も行われているが、やはりヒトの方がエネルギーを使わないようだ。
六つ目は、両手が空くので武器が使える、という説だ。
七つ目は、両手が空くので食料を運べる、という説だ。直立二足歩行をすると、両手を歩行以外の用途に使えるようになる。その手で何をしたかで、いくつかの説があるが、有名なものはこの二つである。
以上の七つの説は、それぞれもっともである。直立二足歩行って、結構よいものみたいだ。でも、それならどうして、直立二足歩行が今まで一度も進化しなかったのだろう。
考えてみると、一つ目から三つ目の説は、サバンナで直立二足歩行をしたときの利点である。もしも、暑いサバンナで直立二足歩行をすることが有利なら、サバンナで直立二足歩行をする生物がたくさん進化しそうなものだ。でも、そんな生物は、これまで一度も進化しなかった。草原で暮らす霊長類(ヒトや類人猿も含めたサルの仲間)にはヒヒやパタスモンキーがいるが、みんな四足歩行をしているのだ。
また近年では、人類の初期の化石が見つかったために、②最初に人類が進化したのは草原ではなく、森林や*疎林のような樹木がある環境だったと考えられるようになった。そのため、一つ目〜三つ目の説は、人類が直立二足歩行を始めた理由としては、正しくないだろう。四つ目〜七つ目の説は、森林や疎林でも成り立つので、その中には正しい説があるかもしれない。
(更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』)
注
- 疎林
- 木がまばらに生えている林。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
風のいきおいが強くて歩けない。
クラスの人数がげんしょうした。
この薬は風邪にきくと言われた。
毎朝体温をはかっている。
ぶどうの稽古に毎日通っている。
Confirm Testの答え
- 答え
勢い
- 答え
減少
- 答え
効く
- 答え
測って
- 答え
武道
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「遠くが見渡せる」ことで、どんなよいことがあるのですか。次の文の にあてはまることばを文中から十字で書きぬきなさい。
ことができ、襲われることをふせげる。
Confirm Testの答え
- 答え
早く肉食獣を見つける
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「最初に人類が……る環境だった」について、そう考えられるようになったのはなぜですか。次の文のにあてはまることばを文中から十四字で書きぬきなさい。
森林や疎林のような樹木がある環境で、から。
Confirm Testの答え
- 答え
人類の初期の化石が見つかった
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
直立二足歩行をすると、どんなよいことがあるかを考えてみよう。それには、いろいろな説がある。
一つ目は、太陽光に当たる面積が少なくなる、という説だ。アフリカのサバンナ(草原)では、強烈な日差しが照りつけてくる。しかし、サバンナには樹木が少ないので、なかなか木陰で休むわけにもいかず、熱射病になる可能性が高い。そのため、直立姿Aせいをとることによって、太陽光が当たる面積をBへらしたというのである。たしかに四足歩行をしていれば、背中全体に太陽光が当たってしまう。一方、直立していれば、太陽光が当たるのは頭と肩ぐらいなので、かなり涼しいはずだ。
二つ目は、①頭が地面から離れるので涼しくなる、という説だ。ジャングルの場合は樹木が太陽光を遮ってくれるので、それほど地面は熱くならない。しかし、サバンナの場合は太陽光が直接地面に当たるので、地面も熱くなるし、太陽光の照り返しも強い。そこで、頭部が地面から離れていれば、涼しくなるというのである。
三つ目は、遠くが見渡せる、という説だ。草原で肉食獣に襲われないためには、少しでも早く肉食獣を見つける必要がある。そのためには、立ち上がった方が遠くまで見えるのでよい、というわけだ。
四つ目は、大きな脳を下から支えられる、という説だ。私たちヒトの頭部はかなり重く、だいたいボウリングのボールぐらいある。もしも私たちが四足歩行をしていたなら、首の骨で重い頭を横から支えなくてはならない。これは、かなりつらいので、あまり頭を大きくすることはできないだろう。一方、直立二足歩行なら、重い頭を真下から支えられるので、楽なうえに姿せいとしても安定する。私たちの脳が大きくなれた理由の一つは、直立二足歩行をしていたからだろう。
五つ目は、エネルギーCこうりつがよい、という説だ。チンパンジーやボノボは一日に三キロメートルぐらいしか歩かないし、ゴリラやオランウータンが歩く距離はもっと少ない。しかし、②ヒトは平気で一〇キロメートル以上歩く。ヒトの方が活動的な理由の一つは、同じ距離を歩くために少しのエネルギーしか使わないからだといわれている。チンパンジーとヒトが歩行するときに使うエネルギーをDそく定した実験も行われているが、やはりヒトの方がエネルギーを使わないようだ。
六つ目は、両手が空くのでEぶ器が使える、という説だ。
七つ目は、両手が空くので食料を運べる、という説だ。直立二足歩行をすると、両手を歩行以外の用途に使えるようになる。その手で何をしたかで、いくつかの説があるが、有名なものはこの二つである。
以上の七つの説は、それぞれもっともである。直立二足歩行って、結構よいものみたいだ。でも、それならどうして、直立二足歩行が今まで一度も進化しなかったのだろう。
考えてみると、一つ目から三つ目の説は、サバンナで直立二足歩行をしたときの利点である。もしも、暑いサバンナで直立二足歩行をすることが有利なら、サバンナで直立二足歩行をする生物がたくさん進化しそうなものだ。でも、そんな生物は、これまで一度も進化しなかった。草原で暮らす霊長類(ヒトや類人猿も含めたサルの仲間)にはヒヒやパタスモンキーがいるが、みんな四足歩行をしているのだ。
また近年では、人類の初期の化石が見つかったために、最初に人類が進化したのは草原ではなく、森林や*疎林のような樹木がある環境だったと考えられるようになった。そのため、一つ目〜三つ目の説は、人類が直立二足歩行を始めた理由としては、正しくないだろう。四つ目〜七つ目の説は、森林や疎林でも成り立つので、その中には正しい説があるかもしれない。
(更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』)
注
- 疎林
- 木がまばらに生えている林。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 勢 B 減 C 効率 D 測定 E 武 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
直立二足歩行をすると、どんなよいことがあるかを考えてみよう。それには、いろいろな説がある。
一つ目は、①太陽光に当たる面積が少なくなる、という説だ。アフリカのサバンナ(草原)では、強烈な日差しが照りつけてくる。しかし、サバンナには樹木が少ないので、なかなか木陰で休むわけにもいかず、熱射病になる可能性が高い。そのため、直立姿勢をとることによって、太陽光が当たる面積を減らしたというのである。たしかに四足歩行をしていれば、背中全体に太陽光が当たってしまう。一方、直立していれば、太陽光が当たるのは頭と肩ぐらいなので、かなり涼しいはずだ。
二つ目は、頭が地面から離れるので涼しくなる、という説だ。ジャングルの場合は樹木が太陽光を遮ってくれるので、それほど地面は熱くならない。しかし、サバンナの場合は太陽光が直接地面に当たるので、地面も熱くなるし、太陽光の照り返しも強い。そこで、頭部が地面から離れていれば、涼しくなるというのである。
三つ目は、遠くが見渡せる、という説だ。草原で肉食獣に襲われないためには、少しでも早く肉食獣を見つける必要がある。そのためには、立ち上がった方が遠くまで見えるのでよい、というわけだ。
四つ目は、大きな脳を下から支えられる、という説だ。私たちヒトの頭部はかなり重く、だいたいボウリングのボールぐらいある。もしも私たちが四足歩行をしていたなら、首の骨で重い頭を横から支えなくてはならない。これは、かなりつらいので、②あまり頭を大きくすることはできないだろう。一方、直立二足歩行なら、重い頭を真下から支えられるので、楽なうえに姿勢としても安定する。私たちの脳が大きくなれた理由の一つは、直立二足歩行をしていたからだろう。
五つ目は、エネルギー効率がよい、という説だ。チンパンジーやボノボは一日に三キロメートルぐらいしか歩かないし、ゴリラやオランウータンが歩く距離はもっと少ない。しかし、ヒトは平気で一〇キロメートル以上歩く。ヒトの方が活動的な理由の一つは、同じ距離を歩くために少しのエネルギーしか使わないからだといわれている。チンパンジーとヒトが歩行するときに使うエネルギーを測定した実験も行われているが、やはりヒトの方がエネルギーを使わないようだ。
六つ目は、両手が空くので武器が使える、という説だ。
七つ目は、両手が空くので食料を運べる、という説だ。直立二足歩行をすると、両手を歩行以外の用途に使えるようになる。その手で何をしたかで、いくつかの説があるが、有名なものはこの二つである。
以上の七つの説は、それぞれもっともである。直立二足歩行って、結構よいものみたいだ。でも、それならどうして、直立二足歩行が今まで一度も進化しなかったのだろう。
考えてみると、一つ目から三つ目の説は、サバンナで直立二足歩行をしたときの利点である。もしも、暑いサバンナで直立二足歩行をすることが有利なら、サバンナで直立二足歩行をする生物がたくさん進化しそうなものだ。でも、そんな生物は、これまで一度も進化しなかった。草原で暮らす霊長類(ヒトや類人猿も含めたサルの仲間)にはヒヒやパタスモンキーがいるが、みんな四足歩行をしているのだ。
また近年では、人類の初期の化石が見つかったために、最初に人類が進化したのは草原ではなく、森林や*疎林のような樹木がある環境だったと考えられるようになった。そのため、一つ目〜三つ目の説は、人類が直立二足歩行を始めた理由としては、正しくないだろう。四つ目〜七つ目の説は、森林や疎林でも成り立つので、その中には正しい説があるかもしれない。
(更科功『若い読者に贈る美しい生物学講義』)
注
- 疎林
- 木がまばらに生えている林。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
台風のせいりょくが弱まった。
宿題の量がへって楽になった。
勉強のこうりつを上げるために工夫する。
今日は身長をそくていする日だ。
ぶきを使った訓練を見た。
Practiceの答え
- 答え
勢力
- 答え
減
- 答え
効率
- 答え
測定
- 答え
武器
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「頭が地面から離れるので涼しくなる」とありますが、これはどのような場所においてよいことなのですか。次の文の a〜cにあてはまることばを、文中からaは四字、bは三字、cは二字で書きぬきなさい。(完答)
a のように、 b が直接 c にあたる場所。
- a
- b
- c
Lessonの答え
- 答え
- a サバンナ
- b 太陽光
- c 地面
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「太陽光に当たる面積が少なくなる」ことで、どんなよいことがあるのですか。次の文のにあてはまることばを文中から三字で書きぬきなさい。
になる可能性を減らせる。
Practiceの答え
- 答え
熱射病
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ヒトは平気で一〇キロメートル以上歩く」とありますが、ヒトの方がチンパンジーやゴリラよりも長い距離を歩けるのはなぜですか。次の文のにあてはまることばを文中から五字で書きぬきなさい。
直立二足歩行をすることで、同じ距離でも、歩くのに使うが少しですむから。
Lessonの答え
- 答え
エネルギー
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「あまり頭を大きくすることはできない」理由としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 脳を入れるのにあまり大きな頭は必要ないから。
- イ 頭が大きくなると、二足歩行ができなくなるから。
- ウ 四足歩行で大きく重い頭を支えるのはつらいから。
- エ 首の骨は、下から頭を支えることができないから。
Practiceの答え
- 答え
ウ
19-2 説明文17
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ギリシャの哲学者プラトンは、「文字を発明して人間は*堕落した」とまで言っています。ひねくれ者の哲学者の言ではありますが、「文字などを発明するから、それまでは自分の魂で考え蓄えてきたのに、魂の外にあるものに頼って自分で考えなくなるからだめだ」と言います(プラトン『パイドロス』)。
-
とはいえ、その言葉が文字に書かれたからこそ、私たちがプラトンの考えを知ることができたわけで、大いなる*矛盾ではあります。つまり、文字の最大の特徴はこの「残る」ということなのです。現代では、文字どころか音や映像も保存できるようになった。人間の中に記憶するのではなく、人間の外に置いておくことが可能になった。それが、データとしてウェブ上にも残っているわけですから、生きている人間はプラトンから見れば空っぽも空っぽ、空洞になっているという見方もできるわけです。
-
さて、そこで「落語」です。
-
文字のない時代は、知識を伝えるには口から口へが基本です。落語もまた、師匠が喋ることを書き取ったりせず、そのまま体に染み込ませていきます。文字化して固定し確定させていくものではありません。
-
一方、例えば、演劇はチームで取り組むものですから、書き取って台本にしておかないと、演出家や芝居をする人、舞台をつくる人が共有できません。書物になったものは繰り返し読まれ世界をつなぎ人類の遺産となれる。台本があるから時代を超えて繰り返し上演することができるわけです。ただし、文字化して固定することで、ある意味死んだ状態になるわけで、そこに息を吹き込み、魂を与えていくのが演出家であり役者であるという構造が生まれます。
-
他方、落語の面白さは、演出も役者も小道具も、すべてを一人の人間がこなすというところにあります。つまり文字にして外化しなくても自分の中で完結するというところが、面白い。落語は今も*口伝の世界に生きており、落語には、声の文化が持っていた一回限りの、喋ったら消えてしまうけれど、魂から出てくる魅力があると言えるのではないでしょうか。
-
そして、現代では録音、録画技術の進歩で、文字化しなくても過去を魂の外に記録していくことが可能です。文字の歴史に比べれば、ほんの一〇〇年、個人*ユースでは数十年の歴史しかありませんが、録音・録画できるようになってしまった時代は、文化というもの、文化のあり方に根本的な影響を与えているのです。
(黒崎政男『哲学者クロサキの哲学超入門』)
注
- 堕落
- することや態度が悪くなる。
- 矛盾
- 先に言ったこととあとに言ったことが食いちがうこと。つじつまが合わないこと。
- 口伝
- 文字によらずにことばで教え伝えること。
- ユース
- 使用。使うこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
雲の間から太陽があらわれた。
歴史上の人物を再現したぞうを作る。
研究のもととなるデータを集める。
書道のし範が作品を評価した。
有名な俳優のえんぎをテレビで見た。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「外化」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 今日習ったことを外化する。
- イ 外化してから外に出ることにしよう。
- ウ おたがい何も持っていなくて外化になる。
- エ そんなこと言うなんて外化だけだよ。
Confirm Testの答え
- 答え
現
- 答え
像
- 答え
基
- 答え
師
- 答え
演技
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
4〜6段落の段落どうしの関係としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 4段落で述べた内容について、5・6段落で根拠となる例を挙げてくわしく説明している。
- イ 4段落で述べた内容について、5段落で例を挙げて説明し、6段落では別の考えをしょうかいしている。
- ウ 4段落で述べた内容について、5・6段落でそれを否定する考えを例を挙げながら述べている。
- エ 4段落で述べた内容について、5段落でいったん逆の例を挙げたうえで、6段落で説明している。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ギリシャの哲学者プラトンは、「文字を発明して人間は*堕落した」とまで言っています。ひねくれ者の哲学者の言ではありますが、「文字などを発明するから、それまでは自分の魂で考え蓄えてきたのに、魂の外にあるものに頼って自分で考えなくなるからだめだ」と言います(プラトン『パイドロス』)。
-
とはいえ、その言葉が文字に書かれたからこそ、私たちがプラトンの考えを知ることができたわけで、大いなる*矛盾ではあります。つまり、文字の最大の特徴はこの「残る」ということなのです。Aげん代では、文字どころか音や映Bぞうも保存できるようになった。人間の中に記憶するのではなく、人間の外に置いておくことが可能になった。それが、データとしてウェブ上にも残っているわけですから、生きている人間はプラトンから見れば空っぽも空っぽ、空洞になっているという見方もできるわけです。
-
さて、そこで「落語」です。
-
文字のない時代は、知識を伝えるには口から口へがCき本です。落語もまた、Dし匠が喋ることを書き取ったりせず、そのまま体に染み込ませていきます。文字化して固定し確定させていくものではありません。
-
一方、例えば、Eえん劇はチームで取り組むものですから、書き取って台本にしておかないと、えん出家や芝居をする人、舞台をつくる人が共有できません。書物になったものは繰り返し読まれ世界をつなぎ人類の遺産となれる。台本があるから時代を超えて繰り返し上えんすることができるわけです。ただし、文字化して固定することで、ある意味死んだ状態になるわけで、そこに息を吹き込み、魂を与えていくのがえん出家であり役者であるという構造が生まれます。
-
他方、落語の面白さは、えん出も役者も小道具も、すべてを一人の人間がこなすというところにあります。つまり文字にして外化しなくても自分の中で完結するというところが、面白い。落語は今も*口伝の世界に生きており、落語には、声の文化が持っていた一回限りの、喋ったら消えてしまうけれど、魂から出てくる魅力があると言えるのではないでしょうか。
-
そして、げん代では録音、録画技術の進歩で、文字化しなくても過去を魂の外に記録していくことが可能です。文字の歴史に比べれば、ほんの一〇〇年、個人*ユースでは数十年の歴史しかありませんが、録音・録画できるようになってしまった時代は、文化というもの、文化のあり方に根本的な影響を与えているのです。
(黒崎政男『哲学者クロサキの哲学超入門』)
注
- 堕落
- することや態度が悪くなる。
- 矛盾
- 先に言ったこととあとに言ったことが食いちがうこと。つじつまが合わないこと。
- 口伝
- 文字によらずにことばで教え伝えること。
- ユース
- 使用。使うこと。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「外化」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 行動するのではなく、頭の中でじっくりと考えること。
- イ 書く、話す、発表するなどの活動を通して、知識の理解や頭の中で思考したことなどを表現すること。
- ウ 明日どうなるかわからずに外に目を向けること。
- エ 家の中で遊ぶのではなく、外で遊ぶこと。
Lessonの答え
- 答え
A 現 B 像 C 基 D 師 E 演 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ギリシャの哲学者プラトンは、「文字を発明して人間は*堕落した」とまで言っています。ひねくれ者の哲学者の言ではありますが、「文字などを発明するから、それまでは自分の魂で考え蓄えてきたのに、魂の外にあるものに頼って自分で考えなくなるからだめだ」と言います(プラトン『パイドロス』)。
-
とはいえ、その言葉が文字に書かれたからこそ、私たちがプラトンの考えを知ることができたわけで、大いなる*矛盾ではあります。つまり、文字の最大の特徴はこの「残る」ということなのです。現代では、文字どころか音や映像も保存できるようになった。人間の中に記憶するのではなく、人間の外に置いておくことが可能になった。それが、データとしてウェブ上にも残っているわけですから、生きている人間はプラトンから見れば空っぽも空っぽ、空洞になっているという見方もできるわけです。
-
さて、そこで「落語」です。
-
文字のない時代は、知識を伝えるには口から口へが基本です。落語もまた、師匠が喋ることを書き取ったりせず、そのまま体に染み込ませていきます。文字化して固定し確定させていくものではありません。
-
一方、例えば、演劇はチームで取り組むものですから、書き取って台本にしておかないと、演出家や芝居をする人、舞台をつくる人が共有できません。書物になったものは繰り返し読まれ世界をつなぎ人類の遺産となれる。台本があるから時代を超えて繰り返し上演することができるわけです。ただし、文字化して固定することで、ある意味死んだ状態になるわけで、そこに息を吹き込み、魂を与えていくのが演出家であり役者であるという構造が生まれます。
-
他方、落語の面白さは、演出も役者も小道具も、すべてを一人の人間がこなすというところにあります。つまり文字にして外化しなくても自分の中で完結するというところが、面白い。落語は今も*口伝の世界に生きており、落語には、声の文化が持っていた一回限りの、喋ったら消えてしまうけれど、魂から出てくる魅力があると言えるのではないでしょうか。
-
そして、現代では録音、録画技術の進歩で、文字化しなくても過去を魂の外に記録していくことが可能です。文字の歴史に比べれば、ほんの一〇〇年、個人*ユースでは数十年の歴史しかありませんが、録音・録画できるようになってしまった時代は、文化というもの、文化のあり方に根本的な影響を与えているのです。
(黒崎政男『哲学者クロサキの哲学超入門』)
注
- 堕落
- することや態度が悪くなる。
- 矛盾
- 先に言ったこととあとに言ったことが食いちがうこと。つじつまが合わないこと。
- 口伝
- 文字によらずにことばで教え伝えること。
- ユース
- 使用。使うこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
げんだい社会ではインターネットが不可欠だ。
銅でできたぞうが公園に立っている。
学校できほん的な知識を身につける。
恩しの教えを忘れずに努力する。
音楽会で見事なえん奏を披露した。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「書く、話す、発表するなどの活動を通して、知識の理解や頭の中で思考したことなどを表現すること」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
会議の前に自分の知識をする。
Practiceの答え
- 答え
現代
- 答え
像
- 答え
基本
- 答え
師
- 答え
演
- 答え
外化
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の要旨を次のようにまとめました。
a〜dにあてはまることばを、文中からそれぞれ二字で書きぬきなさい(同じ記号には同じことばがあてはまります)。(完答)
a の最大の特徴は人間の外に残せることである。 b は今でも a 化せず、口伝の世界に生きているが、そこには声の c が持っていた一回限りの、魂から出てくる魅力がある。現代では、録音や d の技術により、 a 化せずに人間の外に過去を記録できるようになったが、このことも c に根本的な影響を与えている。
- a
- b
- c
- d
Lessonの答え
- 答え
- a 文字
- b 落語
- c 文化
- d 録画
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章を意味のまとまりで三つに分けるとしたらどうなりますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 12
3456
7
- イ 1
234
567
- ウ 1
2345
67
- エ 1234
5
67
Practiceの答え
- 答え
ア
19-3 説明文18
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ヒトの親指は、手にも足にもあります。親指について、あれこれ語るには、まず手足がどうしてできたのか、からはじめなくてはなりません。
-
それを知るために、ヒト、いや生き物の祖先が生まれた海にもぐりましょう。
-
地球に生命が生まれたのは、およそ40億年前と考えられています。はじめは*細胞がひとつしかない細菌のようなものでした。それが子孫をのこしていくのにつごうのよい体の形にぐうぜん変わっていく進化をくりかえし、魚があらわれたのが約5億年前になります。
-
だれもが知っているように魚には泳ぐためのひれが体についています。ところが、①このひれのなかに、手足のもとになるような骨をもった魚のなかまがぐうぜん生まれました。これが3億8500万年くらい前のことでした。
-
さて、それまでの魚のひれは、金魚などを見ても明らかなように、細い骨がうちわのように*放射状に広がっていて、それをうすい膜がおおっているだけでした。
-
それが、この魚のなかまでは、ひれのまんなかに芯となるような太い骨ができ、そのまわりに枝のように細い骨がのびていました。 骨に応じるように筋肉も分かれてついていて、こまかい骨がそれぞれべつの動きをするようになっていました。手や足のもとができているのを感じますね。このことは、何体か見つかっている化石からわかったことです。
-
ここではその代表として、化石から復元された、ギリシャ語で「たくましいひれ」という意味をもつユーステノプテロンの姿を紹介しておきましょう。体の大きさは30センチメートルから120センチメートルくらいで、肉食と考えられています。
-
しかし、このたくましいひれが、どう役立っていたかは謎でした。歩けるほどにはなっていませんから、泳ぐときにつかわれたのでしょうが、この魚の子孫は*絶滅していて、現代には生きのこっていないのです。
-
ところが、1930年ころ、インド洋で、古い形を保ったままのある魚が見つかりました。そう、シーラカンスです。
-
シーラカンスは、化石で見つかったユーステノプテロンなどとは、同じなかまではありませんが、やはり手足のような骨のあるたくましいひれをもっていました。
-
そこで、生きたシーラカンスの同じようなひれの動きを観察することから、化石しかない魚類のひれの役目がおおよそわかったのでした。
-
シーラカンスは、そのひれをつかって、しばらくの間、水中の同じところにとどまったり、ごくゆっくりと水中を移動したりと、ほかの魚にはできない、かなり複雑な動きをしていました。
-
このことから、化石で見つかった、手足のような骨のあるひれをもつユーステノプテロンといった魚のなかまが、体をささえ、さらに歩くという複雑な動きの必要な手足をもつことができ、さらに背骨のある生き物としては、はじめて、3億5000万年前ころに陸に上がったと考えられています。
(山本省三『ヒトの親指はエライ!』)
注
- 細胞
- 生物の体を作っている、ごく小さな単位。
- 放射状
- 一つの中心となる点から、さまざまな方向にまっすぐにのび出ている様子。
- 絶滅
- ほろびて、すっかりなくなること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
夏休みにそふの家に泊まりに行く。
公園でえだを拾って遊んだ。
友達の呼びかけにすぐにこたえる。
机を運んで体育館にうつした。
配線がふくざつで組み立てることができない。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「復元」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア パソコンの操作は復元だ。
- イ 私は元気がないとよく言われるので復元した。
- ウ 明日雨が降るので復元にする。
- エ 恐竜の骨格を復元する。
Confirm Testの答え
- 答え
祖父
- 答え
枝
- 答え
応
- 答え
移
- 答え
複雑
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「このひれ」とは、どのようなひれですか。文中から七字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
泳ぐためのひれ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ところが
- イ あるいは
- ウ そこで
- エ さらに
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ヒトの親指は、手にも足にもあります。親指について、あれこれ語るには、まず手足がどうしてできたのか、からはじめなくてはなりません。
-
それを知るために、ヒト、いや生き物のAそ先が生まれた海にもぐりましょう。
-
地球に生命が生まれたのは、およそ40億年前と考えられています。はじめは*細胞がひとつしかない細菌のようなものでした。それが子孫をのこしていくのにつごうのよい体の形にぐうぜん変わっていく進化をくりかえし、魚があらわれたのが約5億年前になります。
-
だれもが知っているように魚には泳ぐためのひれが体についています。ところが、このひれのなかに、手足のもとになるような骨をもった魚のなかまがぐうぜん生まれました。これが3億8500万年くらい前のことでした。
-
さて、それまでの魚のひれは、金魚などを見ても明らかなように、細い骨がうちわのように*放射状に広がっていて、それをうすい膜がおおっているだけでした。
-
それが、①この魚のなかまでは、ひれのまんなかに芯となるような太い骨ができ、そのまわりにBえだのように細い骨がのびていました。さらに骨にCおうじるように筋肉も分かれてついていて、こまかい骨がそれぞれべつの動きをするようになっていました。手や足のもとができているのを感じますね。このことは、何体か見つかっている化石からわかったことです。
-
ここではその代表として、化石から復元された、ギリシャ語で「たくましいひれ」という意味をもつユーステノプテロンの姿を紹介しておきましょう。体の大きさは30センチメートルから120センチメートルくらいで、肉食と考えられています。
-
しかし、このたくましいひれが、どう役立っていたかは謎でした。歩けるほどにはなっていませんから、泳ぐときにつかわれたのでしょうが、この魚の子孫は*絶滅していて、現代には生きのこっていないのです。
-
ところが、1930年ころ、インド洋で、古い形を保ったままのある魚が見つかりました。そう、シーラカンスです。
-
シーラカンスは、化石で見つかったユーステノプテロンなどとは、同じなかまではありませんが、やはり手足のような骨のあるたくましいひれをもっていました。
-
、生きたシーラカンスの同じようなひれの動きを観察することから、化石しかない魚類のひれの役目がおおよそわかったのでした。
-
シーラカンスは、そのひれをつかって、しばらくの間、水中の同じところにとどまったり、ごくゆっくりと水中をDい動したりと、ほかの魚にはできない、かなりEふくざつな動きをしていました。
-
このことから、化石で見つかった、手足のような骨のあるひれをもつユーステノプテロンといった魚のなかまが、体をささえ、さらに歩くというふくざつな動きの必要な手足をもつことができ、さらに背骨のある生き物としては、はじめて、3億5000万年前ころに陸に上がったと考えられています。
(山本省三『ヒトの親指はエライ!』)
注
- 細胞
- 生物の体を作っている、ごく小さな単位。
- 放射状
- 一つの中心となる点から、さまざまな方向にまっすぐにのび出ている様子。
- 絶滅
- ほろびて、すっかりなくなること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「復元」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア もう一度挑戦すること。
- イ 同じことがくり返し行われること。
- ウ 走りまわって落ち着きがないこと。
- エ もとの形態・位置に戻ること。
Lessonの答え
- 答え
A 祖 B 枝 C 応 D 移 E 複雑 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
ヒトの親指は、手にも足にもあります。親指について、あれこれ語るには、まず手足がどうしてできたのか、からはじめなくてはなりません。
-
それを知るために、ヒト、いや生き物の祖先が生まれた海にもぐりましょう。
-
地球に生命が生まれたのは、およそ40億年前と考えられています。はじめは*細胞がひとつしかない細菌のようなものでした。それが子孫をのこしていくのにつごうのよい体の形にぐうぜん変わっていく進化をくりかえし、魚があらわれたのが約5億年前になります。
-
だれもが知っているように魚には泳ぐためのひれが体についています。ところが、このひれのなかに、手足のもとになるような骨をもった魚のなかまがぐうぜん生まれました。これが3億8500万年くらい前のことでした。
-
さて、それまでの魚のひれは、金魚などを見ても明らかなように、細い骨がうちわのように*放射状に広がっていて、それをうすい膜がおおっているだけでした。
-
それが、①この魚のなかまでは、ひれのまんなかに芯となるような太い骨ができ、そのまわりに枝のように細い骨がのびていました。さらに骨に応じるように筋肉も分かれてついていて、こまかい骨がそれぞれべつの動きをするようになっていました。手や足のもとができているのを感じますね。このことは、何体か見つかっている化石からわかったことです。
-
ここではその代表として、化石から復元された、ギリシャ語で「たくましいひれ」という意味をもつユーステノプテロンの姿を紹介しておきましょう。体の大きさは30センチメートルから120センチメートルくらいで、肉食と考えられています。
-
しかし、このたくましいひれが、どう役立っていたかは謎でした。歩けるほどにはなっていませんから、泳ぐときにつかわれたのでしょうが、この魚の子孫は*絶滅していて、現代には生きのこっていないのです。
-
、1930年ころ、インド洋で、古い形を保ったままのある魚が見つかりました。そう、シーラカンスです。
-
シーラカンスは、化石で見つかったユーステノプテロンなどとは、同じなかまではありませんが、やはり手足のような骨のあるたくましいひれをもっていました。
-
そこで、生きたシーラカンスの同じようなひれの動きを観察することから、化石しかない魚類のひれの役目がおおよそわかったのでした。
-
シーラカンスは、そのひれをつかって、しばらくの間、水中の同じところにとどまったり、ごくゆっくりと水中を移動したりと、ほかの魚にはできない、かなり複雑な動きをしていました。
-
このことから、化石で見つかった、手足のような骨のあるひれをもつユーステノプテロンといった魚のなかまが、体をささえ、さらに歩くという複雑な動きの必要な手足をもつことができ、さらに背骨のある生き物としては、はじめて、3億5000万年前ころに陸に上がったと考えられています。
(山本省三『ヒトの親指はエライ!』)
注
- 細胞
- 生物の体を作っている、ごく小さな単位。
- 放射状
- 一つの中心となる点から、さまざまな方向にまっすぐにのび出ている様子。
- 絶滅
- ほろびて、すっかりなくなること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
私のそせんは九州に住んでいた。
木のえだに鳥の巣があった。
状況におうじて計画を変更する。
家具を部屋の中でいどうさせる。
この迷路はかなりふくざつだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「もとの形態・位置に戻ること」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
こわされた建物をする。
Practiceの答え
- 答え
祖先
- 答え
枝
- 答え
応
- 答え
移動
- 答え
複雑
- 答え
復元
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この魚のなかま」について、「この魚」とは、どのような魚ですか。線①より前の文中から二十四字でさがし、初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Lessonの答え
- 答え
ひれのな〈〜〉もった魚
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この魚のなかま」が地球上に生まれたのは、いつのことですか。文中から書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
3億8500万年くらい前
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア ところが
- イ あるいは
- ウ そこで
- エ なぜなら
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ところが
- イ あるいは
- ウ そこで
- エ なぜなら
Practiceの答え
- 答え
ア
20章 随筆文
随筆文の読み方
20-1 随筆文1
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学校六年生の時だった。家庭科で調理実習の時間というのがあり、「目玉焼き」を習った。五〜六人のグループごとに、コンロが一つ、フライパンが一つ。ジャンケンか何かで順番を決め、一人ずつ挑戦する。残りの四〜五人から見守られる中、手際よく焼きあげるのはなかなか難しい。モタモタしているうちにフライパンから煙がもうもう上がったり、白身がチリチリに焦げてしまったり……。そのたびににぎやかな笑い声。うまくいけば拍手喝采。だんだん自分の番が近づいてくると、ドキドキする。
(中略)
不幸なことに私のグループは人数がやや多く、最後の私がもじもじとフライパンの前に立つころには、他グループからの冷やかし組も集まってきて、すごいギャラリーになってしまった。
卵を割りそこねた子はまだいないらしいことが、さらにプレッシャーをかける。すっかり舞いあがってしまった私。ええいとばかり卵をフライパンのふちに打ちつけ、そのままぐしゃっと握りつぶすような格好になってしまった。
わあっと湧きあがる声。こういう時、子どもは残酷である。ピーピーと口笛を吹く子もいれば、手を打ってはやす子もいる。その後どんな目玉焼きができあがったのか全く覚えていない。見届ける前に私の目玉がうるんでしまっていた。
家に帰って①この「事件」のことを母に話していると、また涙が出てくる。
「落ち着いてやれば何でもないことなのに、ばかね、ほら、やってごらん」
笑いながらフライパンと卵を出してくる母。うわっもう見たくもないと思いながら、一緒にコンロの前に立った。おそるおそる卵をフライパンのふちにぶつける。ぺちっと殻にひびが入るだけで割れなかった。ぺちっぺちっぺちっ……うーん。もどかしくなっていきなり力をこめた瞬間、ぐしゃっ――またやってしまった。流れだす黄味を、絶望的な思いで見ている私に、明るく母が言う。
「さあ、おいしい炒り卵を作ろう」
フライ返しを菜箸に持ちかえさせられて、ほら、ほら、早くかきまぜて、と急かされる。
「このへんでおしょう油を入れると、いい香りがするのよ」
できたての、ほわほわの、炒り卵。――おいしかった。負け惜しみではなく、目玉焼きよりもずっと。なんだか元気が出てきて、もう一度やってみようかな、と思う。
「フライパンを火にかけているとあせっちゃうから、まずお茶碗に割ってごらん」
不思議なほど、楽な気持ち。今度は、うまくいった。
「もしここで失敗したら、オムレツにしちゃえばいいの」
ありあわせのハムとミックスベジタブルを混ぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。②これがまたおいしかった。夢のように。
思えばあれが、母と一緒に台所に立って何かを習った最初のことだった。今でも生卵を割るときは、家庭科室での光景がふっと頭をよぎる。幼い心にうけた傷は深い。が、一方でこのできごとは、料理に興味を持つきっかけにもなった。卵一個で母が見せてくれた魔法。
(俵万智『母と私と台所』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
今年は事故のけんすうが去年より少ない。
将来のゆめを語り合う。
絵の具をまぜて新しい色を作る。
運動にふさわしいかっこうをする。
家族の支えでぜつぼうから立ち直る。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「残酷」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 残酷なシーンを見てしまい、気分が悪くなる。
- イ ここにいる人はみんな残酷に時が過ぎていく。
- ウ 山に登ろうと体力をつけるのは残酷だ。
- エ 月曜日からケンカをするなんて残酷ですよ。
Confirm Testの答え
- 答え
件数
- 答え
夢
- 答え
混
- 答え
格好
- 答え
絶望
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この「事件」」とはどんな事件のことですか。次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 卵をうまく割ることができず、涙が出そうになったこと。
- イ お腹が空いて卵を先に食べてしまったこと。
- ウ 自分が卵を割るときにとても盛り上がっていたこと。
- エ 家庭科の調理実習のグループが気に食わなかったこと。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「これがまたおいしかった。夢のように。」で使われている表現技法を、次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 倒置法
- イ 体言止め
- ウ 対句
- エ 擬人法
- オ くり返し
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学校六年生の時だった。家庭科で調理実習の時間というのがあり、「目玉焼き」を習った。五〜六人のグループごとに、コンロが一つ、フライパンが一つ。ジャンケンか何かで順番を決め、一人ずつ挑戦する。残りの四〜五人から見守られる中、手際よく焼きあげるのはなかなか難しい。モタモタしているうちにフライパンから煙がもうもう上がったり、白身がチリチリに焦げてしまったり……。そのたびににぎやかな笑い声。うまくいけば拍手喝采。だんだん自分の番が近づいてくると、ドキドキする。
(中略)
不幸なことに私のグループは人数がやや多く、最後の私がもじもじとフライパンの前に立つころには、他グループからの冷やかし組も集まってきて、すごいギャラリーになってしまった。
卵を割りそこねた子はまだいないらしいことが、さらにプレッシャーをかける。すっかり舞いあがってしまった私。ええいとばかり卵をフライパンのふちに打ちつけ、そのままぐしゃっと握りつぶすようなAかっ好になってしまった。
わあっと湧きあがる声。こういう時、子どもは残酷である。ピーピーと口笛を吹く子もいれば、手を打ってはやす子もいる。その後どんな目玉焼きができあがったのか全く覚えていない。見届ける前に私の目玉がうるんでしまっていた。
家に帰ってこの「事Bけん」のことを母に話していると、また涙が出てくる。
「落ち着いてやれば何でもないことなのに、ばかね、ほら、やってごらん」
笑いながらフライパンと卵を出してくる母。うわっもう見たくもないと思いながら、一緒にコンロの前に立った。おそるおそる卵をフライパンのふちにぶつける。ぺちっと殻にひびが入るだけで割れなかった。ぺちっぺちっぺちっ……うーん。もどかしくなっていきなり力をこめた瞬間、ぐしゃっ――またやってしまった。流れだす黄味を、Cぜつ望的な思いで見ている私に、明るく母が言う。
「さあ、おいしい炒り卵を作ろう」
フライ返しを菜箸に持ちかえさせられて、ほら、ほら、早くかきまぜて、と急かされる。
「このへんでおしょう油を入れると、いい香りがするのよ」
できたての、ほわほわの、炒り卵。――おいしかった。負け惜しみではなく、目玉焼きよりもずっと。なんだか元気が出てきて、もう一度やってみようかな、と思う。
「フライパンを火にかけているとあせっちゃうから、まずお茶碗に割ってごらん」
不思議なほど、楽な気持ち。今度は、うまくいった。
「もしここで失敗したら、オムレツにしちゃえばいいの」
ありあわせのハムとミックスベジタブルをDまぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。これがまたおいしかった。Eゆめのように。
思えばあれが、母と一緒に台所に立って何かを習った最初のことだった。今でも生卵を割るときは、家庭科室での光景がふっと頭をよぎる。幼い心にうけた傷は深い。が、一方でこのできごとは、料理に興味を持つきっかけにもなった。卵一個で①母が見せてくれた魔法。
(俵万智『母と私と台所』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「残酷」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア やり方を間違えてしまい困っている様子。
- イ 雨や風が強すぎて立っていられない様子。
- ウ まともに見ていられないようなひどいやり方の様子。
- エ 残っている宿題を必死で終わらせる様子。
Lessonの答え
- 答え
A 格 B 件 C 絶 D 混 E 夢 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学校六年生の時だった。家庭科で調理実習の時間というのがあり、「目玉焼き」を習った。五〜六人のグループごとに、コンロが一つ、フライパンが一つ。ジャンケンか何かで順番を決め、一人ずつ挑戦する。残りの四〜五人から見守られる中、手際よく焼きあげるのはなかなか難しい。モタモタしているうちにフライパンから煙がもうもう上がったり、白身がチリチリに焦げてしまったり……。そのたびににぎやかな笑い声。うまくいけば拍手喝采。だんだん自分の番が近づいてくると、ドキドキする。
(中略)
不幸なことに私のグループは人数がやや多く、最後の私がもじもじとフライパンの前に立つころには、他グループからの冷やかし組も集まってきて、すごいギャラリーになってしまった。
卵を割りそこねた子はまだいないらしいことが、さらにプレッシャーをかける。すっかり舞いあがってしまった私。ええいとばかり卵をフライパンのふちに打ちつけ、そのままぐしゃっと握りつぶすような格好になってしまった。
わあっと湧きあがる声。こういう時、子どもは残酷である。ピーピーと口笛を吹く子もいれば、手を打ってはやす子もいる。その後どんな目玉焼きができあがったのか全く覚えていない。見届ける前に私の①目玉がうるんでしまっていた。
家に帰ってこの「事件」のことを母に話していると、また涙が出てくる。
「落ち着いてやれば何でもないことなのに、ばかね、ほら、やってごらん」
笑いながらフライパンと卵を出してくる母。うわっもう見たくもないと思いながら、一緒にコンロの前に立った。おそるおそる卵をフライパンのふちにぶつける。ぺちっと殻にひびが入るだけで割れなかった。ぺちっぺちっぺちっ……うーん。もどかしくなっていきなり力をこめた瞬間、ぐしゃっ――またやってしまった。流れだす黄味を、絶望的な思いで見ている私に、明るく母が言う。
「さあ、おいしい炒り卵を作ろう」
フライ返しを菜箸に持ちかえさせられて、ほら、ほら、早くかきまぜて、と急かされる。
「このへんでおしょう油を入れると、いい香りがするのよ」
できたての、ほわほわの、炒り卵。――おいしかった。負け惜しみではなく、目玉焼きよりもずっと。なんだか元気が出てきて、もう一度やってみようかな、と思う。
「フライパンを火にかけているとあせっちゃうから、まずお茶碗に割ってごらん」
不思議なほど、楽な気持ち。今度は、うまくいった。
「もしここで失敗したら、オムレツにしちゃえばいいの」
②ありあわせのハムとミックスベジタブルを混ぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。これがまたおいしかった。夢のように。
思えばあれが、母と一緒に台所に立って何かを習った最初のことだった。今でも生卵を割るときは、家庭科室での光景がふっと頭をよぎる。幼い心にうけた傷は深い。が、一方でこのできごとは、料理に興味を持つきっかけにもなった。卵一個で母が見せてくれた魔法。
(俵万智『母と私と台所』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
プロは初心者とはかくが違うと感じた。
道が工事でこんざつしていた。
弟は、むちゅうでゲームをしている。
あのレストランの料理はぜっぴんだ。
教室は昨日のじけんのことで盛り上がっていた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「まともに見ていられないようなひどいやり方の様子」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
近所でな事件が起きた。
Practiceの答え
- 答え
格
- 答え
混雑
- 答え
夢中
- 答え
絶品
- 答え
事件
- 答え
ざんこく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「母が見せてくれた魔法」の意味としてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 卵の割り方を何度も教えてくれたことによって、不器用な「私」が上手に卵を割れるようになったこと。
- イ 卵料理のいろいろな作り方を教えてくれただけでなく、台所用品の使い方まで教えてくれたこと。
- ウ 割るのに失敗した卵を炒り卵やオムレツにして気持ちを楽にし、料理に興味を持たせてくれたこと。
- エ 台所で楽しくすごしながら、卵料理だけでなくさまざまな料理の作り方を教えてくれたこと。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「目玉がうるん」について、「目玉がうるむ」と同じ意味のことばを文中から六字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
涙が出てくる
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の表現の特徴について述べたものとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 現在形の文を多用することで臨場感を生み出している。また、擬人法を効果的に用いて物事の様子をあざやかにえがいている。
- イ 体言止めの文をはさむことで文章にリズムをあたえている。また、擬態語・擬声語を効果的に用いて物事の様子を生き生きと伝えている。
- ウ 現在形の文と過去形の文とを交互に使うことで文章にめりはりをあたえている。また、擬声語を多用し、場面の様子を生き生きとえがいている。
- エ 体言止めの文をはさむことで文章が単調になるのを防いでいる。また、直喩を多用することで、場面の様子を印象的なものにしている。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「ありあわせのハムとミックスベジタブルを混ぜてその場で母が焼いてくれたオムレツ。」で使われている表現技法を、次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 倒置法
- イ 体言止め
- ウ 対句
- エ 擬人法
- オ くり返し
Practiceの答え
- 答え
イ
20-2 随筆文2
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
熊野の海を見てきた旅の帰り、名古屋から乗ったひかり号が多摩川を渡ってしばらくすると、右手遠くに花火が見えはじめた。
東京の町は都心を離れれば意外に暗い。窓のいくつかに灯火の残るビルがちらちら見えるだけで、その上空に大小の花火が赤く青くひろがっては消えている。
乗客が降りる仕度でざわめいている。窓の外には音のない花火が乱れ打ちで上がっている。
窓が開けられたら花火の音が聞こえるのだろうとふっと思い、その一瞬、腹にひびく音が聞こえ、*硝煙の匂いを嗅いだような気がしたが、もちろん新幹線という気密室のなかに外の音や匂いが入ってくるわけはない。
するするっと上昇する光りの尾の先に思いがけず大きな色輪がひろがる。どこで上げているのだろうか。そこでは見物の人びとが歓声をあげているはずだが、新幹線の窓から見る東京の町は花火に無関心にうすぐらく地に伏しているだけだった。
音のない花火は、芝居の*書割りのようで、見ているとしだいに①現実感を喪い、別の世界に浮遊してゆく気分になる。
――②どこかで、こんなふうに、音のない花火を見たことがあった。どこだろう?
冬の花火だったような気がする。雪山ヘスキーに行く途中の汽車から見たのだったか。雪国の冬を走る夜汽車なら窓を閉め切っているから音はたぶん聞こえない。
雪の山を彩って上がる花火の光景が、見えてきそうになるのだが、もうすこしのところですっと引いていってしまう。どこかの*ヒュッテの*バルコニーで見ていたような気もする。それなら音のひびく花火だろうと思うのに、そのかすかな記憶にも音がない。よほど遠くの花火だったのか、その場所が音を運んでこない地形だったのか。
宿で晩めしを食べていたとき、杉木立の向こうに花火が上がり、女中さんが秋祭りだと教えてくれたことがあったのも思い出した。それも、どこであったか、部屋の匂いまで思い出せそうなのに、土地の名は浮かんでこないし、花火の音も聞こえてこない。
古い記憶からは、音は欠けてしまうのだろうか。新幹線の窓から見えている花火は、そうすると、記憶のなかの花火に似ている。いま見ているのだが、これは現象としては過去を見ているのと同じことだ。
しかし、もっと古い花火の記憶でも、音のある記憶がある。
学生のころ京都の宝ヶ池へ花火を見に出かけたときの記憶は、かえって音が中心になっている。昭和二十年代のことで、花火大会といっても人びとが押し寄せるほどのことはなくて、仕掛け花火も少なかったのだが、借りたボートで池のまんなかに出ていると、花火の音が池をとりまく山々に反響して、まるで太鼓の胴に入ったようだった。水面に硝煙がたなびいて、その臭気と大音響のなかで、戦場にでもまぎれこんだような気がしたものだった。あのときはたしか、途中で逃げ出して帰った。
両国の花火を親類の家の物干場で見ていたときの記憶も、ござを敷いて湯豆腐を肴に飲みながら、花火の音が腹にひびいて悪酔しそうだと思っていたものだった。
新幹線が新橋、有楽町を通るころには、ビルとビルの間から花火の輪の半分くらいが見えるだけになって、音のない花火の幻想感は消えてしまった。
(高田宏『旅・忘れ残り』)
注
- 硝煙
- 火薬の発火によって出るけむり。
- 書割り
- 劇の背景で板などに建物や景色などをえがいたもの。
- ヒュッテ
- 山小屋。
- バルコニー
- ベランダ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
大きな木のみきに触れてみた。
新しいじゅうきょに引っ越した。
ウイルスの流行は、社会げんしょうとなった。
学校の近くを通りすぎた。
神社によってお参りをした。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「幻想」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 車が空を飛ぶ世界を幻想する。
- イ 幻想があるから明日は雨が降るだろう。
- ウ 過去に起きたことを幻想しよう。
- エ 敵か味方かわからない時は幻想してみる。
Confirm Testの答え
- 答え
幹
- 答え
住居
- 答え
現象
- 答え
過
- 答え
寄
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「現実感を喪い」とありますが、花火の現実感とは何から感じるのですか。四字以内で書きなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
音や匂い
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「どこかで、こんなふうに、音のない花火を見たことがあった」について、「音のない花火」を何にたとえていますか。文中から六字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
芝居の書割り
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
熊野の海を見てきた旅の帰り、名古屋から乗ったひかり号が多摩川を渡ってしばらくすると、右手遠くに花火が見えはじめた。
東京の町は都心を離れれば意外に暗い。窓のいくつかに灯火の残るビルがちらちら見えるだけで、その上空に大小の花火が赤く青くひろがっては消えている。
乗客が降りる仕度でざわめいている。窓の外には音のない花火が乱れ打ちで上がっている。
窓が開けられたら花火の音が聞こえるのだろうとふっと思い、その一瞬、腹にひびく音が聞こえ、*硝煙の匂いを嗅いだような気がしたが、もちろん新Aかん線という気密室のなかに外の音や匂いが入ってくるわけはない。
するするっと上昇する光りの尾の先に思いがけず大きな色輪がひろがる。どこで上げているのだろうか。そこでは見物の人びとが歓声をあげているはずだが、新かん線の窓から見る①東京の町は花火に無関心にうすぐらく地に伏しているだけだった。
音のない花火は、芝Bいの*書割りのようで、見ているとしだいにげん実感を喪い、別の世界に浮遊してゆく気分になる。
――②どこかで、こんなふうに、音のない花火を見たことがあった。どこだろう?
冬の花火だったような気がする。雪山ヘスキーに行く途中の汽車から見たのだったか。雪国の冬を走る夜汽車なら窓を閉め切っているから音はたぶん聞こえない。
雪の山を彩って上がる花火の光景が、見えてきそうになるのだが、もうすこしのところですっと引いていってしまう。どこかの*ヒュッテの*バルコニーで見ていたような気もする。それなら音のひびく花火だろうと思うのに、そのかすかな記憶にも音がない。よほど遠くの花火だったのか、その場所が音を運んでこない地形だったのか。
宿で晩めしを食べていたとき、杉木立の向こうに花火が上がり、女中さんが秋祭りだと教えてくれたことがあったのも思い出した。それも、どこであったか、部屋の匂いまで思い出せそうなのに、土地の名は浮かんでこないし、花火の音も聞こえてこない。
古い記憶からは、音は欠けてしまうのだろうか。新かん線の窓から見えている花火は、そうすると、記憶のなかの花火に似ている。いま見ているのだが、これはCげんしょうとしてはDかこを見ているのと同じことだ。
しかし、もっと古い花火の記憶でも、音のある記憶がある。
学生のころ京都の宝ヶ池へ花火を見に出かけたときの記憶は、かえって音が中心になっている。昭和二十年代のことで、花火大会といっても人びとが押しEよせるほどのことはなくて、仕掛け花火も少なかったのだが、借りたボートで池のまんなかに出ていると、花火の音が池をとりまく山々に反響して、まるで太鼓の胴に入ったようだった。水面に硝煙がたなびいて、その臭気と大音響のなかで、戦場にでもまぎれこんだような気がしたものだった。あのときはたしか、途中で逃げ出して帰った。
両国の花火を親類の家の物干場で見ていたときの記憶も、ござを敷いて湯豆腐を肴に飲みながら、花火の音が腹にひびいて悪酔しそうだと思っていたものだった。
新かん線が新橋、有楽町を通るころには、ビルとビルの間から花火の輪の半分くらいが見えるだけになって、音のない花火の幻想感は消えてしまった。
(高田宏『旅・忘れ残り』)
注
- 硝煙
- 火薬の発火によって出るけむり。
- 書割り
- 劇の背景で板などに建物や景色などをえがいたもの。
- ヒュッテ
- 山小屋。
- バルコニー
- ベランダ。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「幻想」について、「幻想する」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 現実にはないことをあるかのように心に思い描くこと。
- イ 思い出に残るように写真をとること。
- ウ あることないことうわさをすること。
- エ 夢か現実かわからなくなること。
Lessonの答え
- 答え
A 幹 B 居 C 現象 D 過 E 寄 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
熊野の海を見てきた旅の帰り、名古屋から乗ったひかり号が多摩川を渡ってしばらくすると、右手遠くに花火が見えはじめた。
東京の町は都心を離れれば意外に暗い。窓のいくつかに灯火の残るビルがちらちら見えるだけで、その上空に大小の花火が赤く青くひろがっては消えている。
乗客が降りる仕度でざわめいている。窓の外には①音のない花火が乱れ打ちで上がっている。
窓が開けられたら花火の音が聞こえるのだろうとふっと思い、その一瞬、腹にひびく音が聞こえ、*硝煙の匂いを嗅いだような気がしたが、もちろん新幹線という気密室のなかに外の音や匂いが入ってくるわけはない。
するするっと上昇する光りの尾の先に思いがけず大きな色輪がひろがる。どこで上げているのだろうか。そこでは見物の人びとが歓声をあげているはずだが、新幹線の窓から見る東京の町は花火に無関心にうすぐらく地に伏しているだけだった。
音のない花火は、芝居の*書割りのようで、見ているとしだいに現実感を喪い、別の世界に浮遊してゆく気分になる。
――どこかで、こんなふうに、音のない花火を見たことがあった。どこだろう?
冬の花火だったような気がする。雪山ヘスキーに行く途中の汽車から見たのだったか。雪国の冬を走る夜汽車なら窓を閉め切っているから音はたぶん聞こえない。
雪の山を彩って上がる花火の光景が、見えてきそうになるのだが、もうすこしのところですっと引いていってしまう。どこかの*ヒュッテの*バルコニーで見ていたような気もする。それなら音のひびく花火だろうと思うのに、そのかすかな記憶にも音がない。よほど遠くの花火だったのか、その場所が音を運んでこない地形だったのか。
宿で晩めしを食べていたとき、杉木立の向こうに花火が上がり、女中さんが秋祭りだと教えてくれたことがあったのも思い出した。それも、どこであったか、部屋の匂いまで思い出せそうなのに、土地の名は浮かんでこないし、花火の音も聞こえてこない。
古い記憶からは、音は欠けてしまうのだろうか。新幹線の窓から見えている花火は、そうすると、 花火に似ている。いま見ているのだが、これは現象としては過去を見ているのと同じことだ。
しかし、もっと古い花火の記憶でも、音のある記憶がある。
学生のころ京都の宝ヶ池へ花火を見に出かけたときの記憶は、かえって音が中心になっている。昭和二十年代のことで、花火大会といっても人びとが押し寄せるほどのことはなくて、仕掛け花火も少なかったのだが、借りたボートで池のまんなかに出ていると、花火の音が池をとりまく山々に反響して、まるで太鼓の胴に入ったようだった。水面に硝煙がたなびいて、その臭気と大音響のなかで、戦場にでもまぎれこんだような気がしたものだった。あのときはたしか、途中で逃げ出して帰った。
両国の花火を親類の家の物干場で見ていたときの記憶も、ござを敷いて湯豆腐を肴に飲みながら、花火の音が腹にひびいて悪酔しそうだと思っていたものだった。
新幹線が新橋、有楽町を通るころには、ビルとビルの間から花火の輪の半分くらいが見えるだけになって、音のない花火の幻想感は消えてしまった。
(高田宏『旅・忘れ残り』)
注
- 硝煙
- 火薬の発火によって出るけむり。
- 書割り
- 劇の背景で板などに建物や景色などをえがいたもの。
- ヒュッテ
- 山小屋。
- バルコニー
- ベランダ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
しんかんせんの速さに驚いた。
家族全員が、いまで過ごしている。
オーロラは自然げんしょうの一つだ。
かこの経験から学ぶことが大切だ。
たくさんの旅行客が押しよせる観光地。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「現実にはないこと」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
彼は夢の中での世界を旅した。
Practiceの答え
- 答え
新幹線
- 答え
居間
- 答え
現象
- 答え
過去
- 答え
寄
- 答え
げんそう
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「東京の町は花火に無関心にうすぐらく地に伏している」について説明した、次の文の にあてはまることばとしてもっとも適当なものをあとから選び、記号で答えなさい。
東京の町を、地に横たわっている生き物にたとえて、空の花火のはなやかさとは対照的な 様子を表現している。
- ア みにくい
- イ 静まり返った
- ウ のそのそした
- エ ざわめいている
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「音のない花火が乱れ打ちで上がっている」とありますが、花火が上がっていく様子をえがいている一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
するするっ
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「どこかで、こんなふうに、音のない花火を見たことがあった」について、「音のない花火」を思い出している部分はどこからどこまでですか。文中から初めと終わりの四字を書きぬきなさい(句読点も字数にふくめます)。
〜
Lessonの答え
- 答え
冬の花火〈〜〉こない。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 映像のなかの
- イ 雪景色のなかの
- ウ 部屋から見る
- エ 記憶のなかの
Practiceの答え
- 答え
エ
21章 文法
二字・三字・四字熟語/修飾語・文の組み立て
21-1 二字・三字・四字熟語
Confirm Test
次の熟語の組み立てとしてもっとも適当なものを、ア〜オの中から一つ選び、記号で答えなさい(同じ記号を二回以上使ってもよい)。
- ア 似た意味の字を組み合わせたもの。
- イ 反対の意味の字を組み合わせたもの。
- ウ 上下の字が主語・述語の関係になっているもの。
- エ 上の字が下の字を修飾しているもの。
- オ 下の字が上の字の動作の対象や目的を表すもの。
失敗
損得
防犯
有無
次のに共通して入る漢字をア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 性
- イ 然
- ウ 的
- エ 化
- 理
- 天
- 個
- 品
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
イ
- 答え
オ
- 答え
イ
- 答え
ア
Confirm Test
次のに「不・無・非・未」のどれか一つを入れて、三字熟語を完成させなさい。
課税
健康
次のに「的・然・化・性」のどれか一つを入れて、三字熟語を完成させなさい。
建設
重要
次の意味に合うように、に漢字一字を入れて三字熟語を完成させなさい。
それ以上はこえることができないぎりぎりのはんい
- 大限
作品や品物などを広く見せる集まり
- 展覧
Confirm Testの答え
- 答え
非
- 答え
不
- 答え
的
- 答え
性
- 答え
最
- 答え
会
Confirm Test
次の四字熟語の意味としてもっとも適当なものをあとから選び、記号で答えなさい。
小春日和
- ア 温和な性格であること。
- イ 春の初めの温かい気候。
- ウ 冬の初めの、春のように温かい気候。
次の意味の四字熟語をア〜カの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 臨機応変
- イ 本末転倒
- ウ 意味深長
- エ 八方美人
- オ 心機一転
- カ 針小棒大
何かのきっかけで、気持ちを新たに入れかえること。
大切なこととそうでないことを取りちがえること。
次の意味になるように、に漢字一字を入れて四字熟語を完成させなさい。 (完答)
大切にして、決して表に出さないこと。
- 外出
頭を下げて、あやまったりたのんだりすること。
- 平低
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
- 答え
オ
- 答え
イ
- 答え
門・不(完答)
- 答え
身・頭(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の熟語の組み立てとしてもっとも適当なものを、ア〜オの中から一つ選び、記号で答えなさい(同じ記号を二回以上使ってもよい)。
- ア 似た意味の字を組み合わせたもの。
- イ 反対の意味の字を組み合わせたもの。
- ウ 上下の字が主語・述語の関係になっているもの。
- エ 上の字が下の字を修飾しているもの。
- オ 下の字が上の字の動作の対象や目的を表すもの。
帰国
公私
願望
明白
次のに共通して入る漢字をア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 性
- イ 然
- ウ 的
- エ 化
- 公
- 私
- 病
- 知
Lessonの答え
- 答え
オ
- 答え
イ
- 答え
ア
- 答え
ア
- 答え
ウ
Practice
次の熟語の組み立てとしてもっとも適当なものを、ア〜オの中から一つ選び、記号で答えなさい(同じ記号を二回以上使ってもよい)。
- ア 似た意味の字を組み合わせたもの。
- イ 反対の意味の字を組み合わせたもの。
- ウ 上下の字が主語・述語の関係になっているもの。
- エ 上の字が下の字を修飾しているもの。
- オ 下の字が上の字の動作の対象や目的を表すもの。
銅像
市営
投球
新米
次のに共通して入る漢字をア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 性
- イ 然
- ウ 的
- エ 化
- 悪
- 強
- 酸
- 美
Practiceの答え
- 答え
エ
- 答え
ウ
- 答え
オ
- 答え
エ
- 答え
エ
Lesson
Lesson
次のに「不・無・非・未」のどれか一つを入れて、三字熟語を完成させなさい。
利益
記名
次のに「的・然・化・性」のどれか一つを入れて、三字熟語を完成させなさい。
速効
寒冷
次の意味に合うように、に漢字一字を入れて三字熟語を完成させなさい。
先に立って人を連れていく役目の人
- 引率
自分の家で使うためのもの
- 自家
Lessonの答え
- 答え
不
- 答え
無
- 答え
性
- 答え
化
- 答え
者
- 答え
用
Practice
次のに「不・無・非・未」のどれか一つを入れて、三字熟語を完成させなさい。
常識
発表
次のに「的・然・化・性」のどれか一つを入れて、三字熟語を完成させなさい。
感情
学者
次の意味に合うように、に漢字一字を入れて三字熟語を完成させなさい。
外国で勉強する学生
- 学生
ある分野でもっとも重要な活動をしているところ
- 一線
Practiceの答え
- 答え
非
- 答え
未
- 答え
的
- 答え
然(的)
- 答え
留
- 答え
第
Lesson
Lesson
次の四字熟語の意味としてもっとも適当なものをあとから選び、記号で答えなさい。
五里霧中
- ア 何かに熱中して周りが見えなくなること。
- イ 何の手がかりもなく迷うこと。
- ウ 目的地まで、はるか遠くであること。
次の意味の四字熟語をア〜カの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 臨機応変
- イ 本末転倒
- ウ 意味深長
- エ 八方美人
- オ 心機一転
- カ 針小棒大
言動に何か深い意味がかくされている様子。
だれに対してもよく思われるようにふるまうこと。
次の意味になるように、に漢字一字を入れて四字熟語を完成させなさい。 (完答)
さまざまなまちがいがある様子。
- 差別
その人の能力に適した仕事を割り当てること。
- 適適
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
ウ
- 答え
エ
- 答え
千・万(完答)
- 答え
材・所(完答)
Practice
次の四字熟語の意味としてもっとも適当なものをあとから選び、記号で答えなさい。
一日千秋
- ア とても待ち遠しく思うこと。
- イ 年月が過ぎるのは速いということ。
- ウ 秋は日がしずむのが早いということ。
次の意味の四字熟語をア〜カの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 臨機応変
- イ 本末転倒
- ウ 意味深長
- エ 八方美人
- オ 心機一転
- カ 針小棒大
その場に合わせて、うまく対処すること。
小さなことをおおげさに言うこと。
次の意味になるように、に漢字一字を入れて四字熟語を完成させなさい。 (完答)
値段がとても安いこと。
- 束文
物事をためらうことなく片付けること。
- 一両
Practiceの答え
- 答え
ア
- 答え
ア
- 答え
カ
- 答え
二・三(完答)
- 答え
刀・断(完答)
21-2 修飾語・文の成分
Confirm Test
次の線部がくわしくしている(修飾している)ことばを線ア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
次の線部のことばの状態や程度をくわしくしている(修飾している)ことばを線ア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
- 解説
- 答え
イ
- 解説
- 答え
ア
Confirm Test
次の線部と線部のことばの関係をア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 主語・述語の関係
- イ 修飾・被修飾の関係
- ウ 並立の関係
- エ 補助の関係
遠くから 水が 流れる 音が 聞こえる。
この 本は あまり おもしろく なかった。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の線部がくわしくしている(修飾している)ことばを線ア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
次の線部のことばの状態や程度をくわしくしている(修飾している)ことばを線ア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
Lessonの答え
- 答え
イ
- 答え
オ
- 答え
ウ
Practice
次の線部がくわしくしている(修飾している)ことばを線ア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
次の線部のことばの状態や程度をくわしくしている(修飾している)ことばを線ア〜ウから一つ選び、記号で答えなさい。
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
エ
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の線部と線部のことばの関係をア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 主語・述語の関係
- イ 修飾・被修飾の関係
- ウ 並立の関係
- エ 補助の関係
かれは 明るくて やさしい 人だ。
夕食の 前に 宿題を して おく。
Lessonの答え
- 答え
ウ
- 答え
エ
Practice
次の線部と線部のことばの関係をア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 主語・述語の関係
- イ 修飾・被修飾の関係
- ウ 並立の関係
- エ 補助の関係
母は うれしそうに 笑った。
雨が ふったり やんだり して いる。
Practiceの答え
- 答え
イ
- 答え
ウ
22章 説明文
説明文の読み方
22-1 説明文19
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
スイスのヌーシャテル大学のブシャリ博士らによる研究を紹介しましょう。ここでは、ヒトではなく、なんと、サカナを使って実験をしています。
使用したのは*ホンソメワケベラです。海水魚ファンにはおなじみの魚でしょう。
ホンソメワケベラには独特な行動があります。クエやハタなどの巨大な魚(ここでは*クライアントと呼びましょう)についた寄生虫を食べて、掃除するのです。夫婦仲がよく、しばしば雄雌2匹がつがいとなって、クライアントを掃除します。
ところが①面白いことに、ホンソメワケベラは、じつは、寄生虫がそれほど好きではありません。本当はクライアントが分泌する粘液を食べるほうが好みなのです。しかし、粘液を食べすぎてしまうと、クライアントは、そのホンソメワケベラを見捨てて、泳ぎ去ってしまいます。つまり、失業しないように、しかたなく寄生虫を食べているという状況なのです。
とくにペアで行動しているときには、自分が粘液を食べることで(自分はおいしい思いができますが)、相棒には一方的に迷惑をかけてしまうでしょう。ここに他者を意識した行動が生まれる可能性があります。
この点に目を付けたブシャリ博士らは、一人で掃除しているときとペアで掃除しているときで、粘液を食べる率を比較してみました。興味深いことに、ペアで掃除しているときは、粘液を食べる割合が半分程度に低下しました。他者がいることで(一見)*独り善がりな行動を控えるわけです。
博士らはさらに実験を続けます。水槽で飼っているホンソメワケベラに、エサとして「エビ」と「サメ肉」を同時に与えてみたのです。ホンソメワケベラは一匹のときは通常はエビを好んで食べるのですが、二匹でエサを分け合う場面では、エビを食べる率が減って、よりサメ肉を選ぶことがわかりました。
ホンソメワケベラが何をどう考えて行動を変えるのか想像のしようもありませんが、私には、単なる「協調性」を超えた、「気遣い」や「思いやり」すら感じます。
社会行動において重要な要素は「自己犠牲」です。自分が損してでも他人のために尽くす。社会向上に貢献するボランティアの精神――美しい姿です。
たとえば、なぜ人の物を盗んではいけないのでしょうか。そんなことは「あたりまえのルール」であって、問うまでもない疑問に思えます。しかし、改めて真剣に答えようとすると、ずいぶんとむずかしいことがわかります。実際、哲学者でさえひどく頭を悩ませるほどの難題なのです。
なぜ私たちは人の物を盗まないのか、あるいは、なぜ盗んではいけないような気がするのか――唯一はっきりしていることは「他人の所有物を自由に盗んでよいとすると、回り回って、結局は自分の物も盗まれる可能性が高い」ということです。すると、物を盗まないのは、実は「自分のため」だという隠れた意味が浮かび上がってきます。
(池谷裕二『脳には妙なクセがある』)
注
- ホンソメワケベラ
- 体長十センチメートルほどの小型の魚。
- クライアント
- 本来は、「顧客」「相談者」という意味のことば。
- 独り善がり
- 自分だけでいいと思いこんで、人の意見を聞かないこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
病院のふじんかに通院する。
植物の葉からえきが出ている。
友達と一緒にきょうみ深い本を読んだ。
ミスで大きなそんしつを出した。
彼はせいいっぱい最後まで走った。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「協調性」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 今すぐにやらないと協調性が出てくるよ。
- イ 周りと協力できない彼は協調性に欠ける。
- ウ 協調性は明日になったらくるから大丈夫。
- エ お祭りに出たいなら協調性をつけたから行こう。
Confirm Testの答え
- 答え
婦人科
- 答え
液
- 答え
興味
- 答え
損失
- 答え
精一杯
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「面白いことに」とありますが、筆者が面白いと感じているのは、どのようなことですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ホンソメワケベラが雄雌でつがいとなって行動すること。
- イ ホンソメワケベラがじつはしかたなく寄生虫を食べていること。
- ウ ホンソメワケベラがクライアントの粘液を好んで食べること。
- エ クライアントがホンソメワケベラを見捨てて泳ぎ去ること。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で述べられている内容と合うものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 気遣いや思いやりは、人間だけが持つ特別なものである。
- イ 「自己犠牲」の精神は自分の損になるので持つ人が少ない。
- ウ 社会向上にボランティアの精神が大切なのは言うまでもない。
- エ 私たちが人の物を盗まないのは、自分自身のためだとも言える。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
スイスのヌーシャテル大学のブシャリ博士らによる研究を紹介しましょう。ここでは、ヒトではなく、なんと、サカナを使って実験をしています。
使用したのは*ホンソメワケベラです。海水魚ファンにはおなじみの魚でしょう。
ホンソメワケベラには①独特な行動があります。クエやハタなどの巨大な魚(ここでは*クライアントと呼びましょう)についた寄生虫を食べて、掃除するのです。夫Aふ仲がよく、しばしば雄雌2匹がつがいとなって、クライアントを掃除します。
ところが面白いことに、ホンソメワケベラは、じつは、寄生虫がそれほど好きではありません。本当はクライアントが分泌する粘Bえきを食べるほうが好みなのです。しかし、粘えきを食べすぎてしまうと、クライアントは、そのホンソメワケベラを見捨てて、泳ぎ去ってしまいます。つまり、失業しないように、しかたなく寄生虫を食べているという状況なのです。
とくにペアで行動しているときには、自分が粘えきを食べることで(自分はおいしい思いができますが)、相棒には一方的に迷惑をかけてしまうでしょう。ここに他者を意識した行動が生まれる可能性があります。
この点に目を付けたブシャリ博士らは、一人で掃除しているときとペアで掃除しているときで、粘えきを食べる率を比較してみました。Cきょう味深いことに、ペアで掃除しているときは、粘えきを食べる割合が半分程度に低下しました。他者がいることで(一見)*独り善がりな行動を控えるわけです。
博士らはさらに実験を続けます。水槽で飼っているホンソメワケベラに、エサとして「エビ」と「サメ肉」を同時に与えてみたのです。ホンソメワケベラは一匹のときは通常はエビを好んで食べるのですが、二匹でエサを分け合う場面では、エビを食べる率が減って、よりサメ肉を選ぶことがわかりました。
ホンソメワケベラが何をどう考えて行動を変えるのか想像のしようもありませんが、私には、単なる「協調性」を超えた、「気遣い」や「思いやり」すら感じます。
社会行動において重要な要素は「自己犠牲」です。自分がDそんしてでも他人のために尽くす。社会向上に貢献するボランティアのEせい神――美しい姿です。
たとえば、なぜ人の物を盗んではいけないのでしょうか。そんなことは「あたりまえのルール」であって、問うまでもない疑問に思えます。しかし、改めて真剣に答えようとすると、ずいぶんとむずかしいことがわかります。実際、哲学者でさえひどく頭を悩ませるほどの難題なのです。
なぜ私たちは人の物を盗まないのか、あるいは、なぜ盗んではいけないような気がするのか――唯一はっきりしていることは「他人の所有物を自由に盗んでよいとすると、回り回って、結局は自分の物も盗まれる可能性が高い」ということです。すると、物を盗まないのは、実は「自分のため」だという隠れた意味が浮かび上がってきます。
(池谷裕二『脳には妙なクセがある』)
注
- ホンソメワケベラ
- 体長十センチメートルほどの小型の魚。
- クライアント
- 本来は、「顧客」「相談者」という意味のことば。
- 独り善がり
- 自分だけでいいと思いこんで、人の意見を聞かないこと。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「協調性」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア もう一度挑戦すること。
- イ 友達と遊びの日程を調整すること。
- ウ 立場などの異なるものどうしが協力しながら共通の目標に向かって行動できる能力のこと。
- エ 人がたくさん集まって騒がしいこと。
Lessonの答え
- 答え
A 婦 B 液 C 興 D 損 E 精 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
スイスのヌーシャテル大学のブシャリ博士らによる研究を紹介しましょう。ここでは、ヒトではなく、なんと、サカナを使って実験をしています。
使用したのは*ホンソメワケベラです。海水魚ファンにはおなじみの魚でしょう。
ホンソメワケベラには独特な行動があります。クエやハタなどの巨大な魚(ここでは*クライアントと呼びましょう)についた寄生虫を食べて、掃除するのです。夫婦仲がよく、しばしば雄雌2匹がつがいとなって、クライアントを掃除します。
ところが面白いことに、ホンソメワケベラは、じつは、寄生虫がそれほど好きではありません。本当はクライアントが分泌する粘液を食べるほうが好みなのです。しかし、粘液を食べすぎてしまうと、クライアントは、そのホンソメワケベラを見捨てて、泳ぎ去ってしまいます。つまり、失業しないように、しかたなく寄生虫を食べているという状況なのです。
とくにペアで行動しているときには、自分が粘液を食べることで(自分はおいしい思いができますが)、相棒には一方的に迷惑をかけてしまうでしょう。ここに他者を意識した行動が生まれる可能性があります。
この点に目を付けたブシャリ博士らは、一人で掃除しているときとペアで掃除しているときで、粘液を食べる率を比較してみました。興味深いことに、ペアで掃除しているときは、粘液を食べる割合が半分程度に低下しました。他者がいることで(一見)*独り善がりな行動を控えるわけです。
博士らはさらに実験を続けます。水槽で飼っているホンソメワケベラに、エサとして「エビ」と「サメ肉」を同時に与えてみたのです。①ホンソメワケベラは一匹のときは通常はエビを好んで食べるのですが、二匹でエサを分け合う場面では、エビを食べる率が減って、よりサメ肉を選ぶことがわかりました。
ホンソメワケベラが何をどう考えて行動を変えるのか想像のしようもありませんが、私には、単なる「協調性」を超えた、「気遣い」や「思いやり」すら感じます。
社会行動において重要な要素は「自己犠牲」です。自分が損してでも他人のために尽くす。社会向上に貢献するボランティアの精神――美しい姿です。
たとえば、なぜ人の物を盗んではいけないのでしょうか。そんなことは「あたりまえのルール」であって、問うまでもない疑問に思えます。しかし、改めて真剣に答えようとすると、ずいぶんとむずかしいことがわかります。実際、哲学者でさえひどく頭を悩ませるほどの難題なのです。
なぜ私たちは人の物を盗まないのか、あるいは、なぜ盗んではいけないような気がするのか――唯一はっきりしていることは「他人の所有物を自由に盗んでよいとすると、回り回って、結局は自分の物も盗まれる可能性が高い」ということです。すると、物を盗まないのは、実は「自分のため」だという隠れた意味が浮かび上がってきます。
(池谷裕二『脳には妙なクセがある』)
注
- ホンソメワケベラ
- 体長十センチメートルほどの小型の魚。
- クライアント
- 本来は、「顧客」「相談者」という意味のことば。
- 独り善がり
- 自分だけでいいと思いこんで、人の意見を聞かないこと。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ふうふで旅行に出かける。
このえきたいは危険なので触らない。
私は美術にきょうみを持っている。
お金をそんしてしまった。
せいしんを集中させて、絵を描く。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「立場などの異なるものどうしが協力しながら共通の目標に向かって行動できる能力のこと。」を表すことばを漢字三字で書きなさい。
行事を成功させるためにはが必要だ。
Practiceの答え
- 答え
夫婦
- 答え
液体
- 答え
興味
- 答え
損
- 答え
精神
- 答え
協調性
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「独特な行動」とは、どんな行動ですか。二十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
ほかの魚の寄生虫を食べて掃除するという行動。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ホンソメワケベラは……よりサメ肉を選ぶ」とありますが、これはどんな行動といえますか。文中から九字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
他者を意識した行動
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で述べられている内容と合うものを次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 気遣いや思いやりは、人間だけが持つ特別なものである。
- イ 私たちが人の物を盗まないのは、自分自身のためだとも言える。
- ウ 社会向上にボランティアの精神が大切なのは言うまでもない。
- エ 「自己犠牲」の精神は自分の損になるので持つ人が少ない。
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章で述べられている内容と合うものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 社会向上にボランティアの精神が大切なのは言うまでもない。
- イ 気遣いや思いやりは、人間だけが持つ特別なものである。
- ウ 私たちが人の物を盗まないのは、自分自身のためだとも言える。
- エ 「自己犠牲」の精神は自分の損になるので持つ人が少ない。
Practiceの答え
- 答え
ウ
22-2 説明文20
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ところで、ディサビリティ・スポーツとはいったいどういうものなのでしょうか? 簡単にいうと、障害のある人が実践できるスポーツや運動ということです。とはいっても、ディサビリティ・スポーツの目指す目的や、タイプにはいろいろなものがあります。
たとえば、病院やリハビリテーションセンターでは、治療やリハビリテーションの手段の一つとして、運動やスポーツプログラムをとり入れています。また、治療やリハビリテーションを終えてから、日常的にスポーツをおこなっている人は、楽しみや健康のため、あるいは、生きがいを求めてスポーツをやっています。これらは、障害のない人のスポーツとまったくおなじ、生涯スポーツといえます。
競技レベルの面からみれば、健康づくりや友だちづくり、ストレス解消などを主たる目的とした競技性、競争性が低いものから、パラリンピックや世界選手権などで見られるような、競技性が非常に高く、厳しい競争をともなうものまであります。
次に、障害との関係からみてみましょう。ディサビリティ・スポーツの中には、視覚障害のある人のために考え出されたゴールボールや、下肢障害のある人のためのシッティングバレーボール、車いす利用者のための、車いすバスケットボールのように、特定の障害を持つ人のために創られたスポーツがあります。(中略)
障害のない人がしているスポーツを、障害のある人もできるようにアレンジしたものもあります。視覚障害のある人のための陸上競技は、障害のない人がやるのとほとんどかわりませんが、ガイドがついたり、音を出して走る方向を教えるといった、いくつかのルールに工夫が見られます。
このほか、障害のない人とおなじ条件でできるスポーツもあります。車いすを使っておこなうアーチェリーやスタンディングバレーボール(義足や義手などを使っている人がおこなう一般的なバレーボール)などです。
これらのスポーツはすべて、障害を考慮しながら、使える能力を十分に発揮できるようにと考えられたものです。
できないことを基準にするのではなく、できることを活かし、それを伸ばすという理念のもとに創られたものです。この考え方の根底には、障害に注目するのではなく、その人自身に目をむけようとする人間第一の思想が流れているのです。
ディサビリティ・スポーツは、かつては、障害の A 人だけがおこなうスポーツという意味合いが強い言葉でした。
しかし、最近では車いすテニスの*ニューミックスと呼ばれる競技、車いすダンス、*盲人マラソンなどのような、障害の B 人とない人がいっしょにできるスポーツが登場してきました。また、障害の C 人が車いすを利用してスポーツをする場もみられるようになりました。
これから先は、障害の D 人のためだけのスポーツという狭い概念ではなく、もっと大きな概念でとらえる必要があります。
(藤田紀昭『ディサビリティ・スポーツ――ぼくたちの挑戦――』)
注
- ニューミックス
- 車いすの選手と障害のない選手がダブルスを組んでおこなうテニス。
- 盲人マラソン
- 視覚障害のある選手が目が見えるガイドと共に走るマラソン。ブラインドマラソン。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
つねに健康でいるように心がける。
工場では高いぎじゅつが使われている。
ぎむを果たすために頑張った。
実現かのうな計画を立てる。
明日の遠足のじゅんびをする。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「概念」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア お腹が空くと概念がこわれてしまう。
- イ 私は元気がないと概念しようとする。
- ウ 概念を渡すにはもう少し時間がかかる。
- エ 良いことと悪いことの概念をはっきりと決める。
Confirm Testの答え
- 答え
常
- 答え
技術
- 答え
義務
- 答え
可能
- 答え
準備
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
A 〜 D には「ある」か「ない」かのどちらかのことばが入る。それぞれあてはまることばを書きなさい。(完答)
Confirm Testの答え
- 答え
- A ある
- B ある
- C ない
- D ある
(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ところで、①ディサビリティ・スポーツとはいったいどういうものなのでしょうか? 簡単にいうと、障害のある人が実践できるスポーツや運動ということです。とはいっても、ディサビリティ・スポーツの目指す目的や、タイプにはいろいろなものがあります。
たとえば、病院やリハビリテーションセンターでは、治療やリハビリテーションの手段の一つとして、運動やスポーツプログラムをとり入れています。また、治療やリハビリテーションを終えてから、日Aじょう的にスポーツをおこなっている人は、楽しみや健康のため、あるいは、生きがいを求めてスポーツをやっています。これらは、障害のない人のスポーツとまったくおなじ、生涯スポーツといえます。
競Bぎレベルの面からみれば、健康づくりや友だちづくり、ストレス解消などを主たる目的とした競ぎ性、競争性が低いものから、パラリンピックや世界選手権などで見られるような、競ぎ性が非じょうに高く、厳しい競争をともなうものまであります。
次に、障害との関係からみてみましょう。ディサビリティ・スポーツの中には、視覚障害のある人のために考え出されたゴールボールや、下肢障害のある人のためのシッティングバレーボール、車いす利用者のための、車いすバスケットボールのように、特定の障害を持つ人のために創られたスポーツがあります。(中略)
障害のない人がしているスポーツを、障害のある人もできるようにアレンジしたものもあります。視覚障害のある人のための陸上競ぎは、障害のない人がやるのとほとんどかわりませんが、ガイドがついたり、音を出して走る方向を教えるといった、いくつかのルールに工夫が見られます。
このほか、障害のない人とおなじ条件でできるスポーツもあります。車いすを使っておこなうアーチェリーやスタンディングバレーボール(Cぎ足やぎ手などを使っている人がおこなう一般的なバレーボール)などです。
これらのスポーツはすべて、障害を考慮しながら、使えるDのう力を十分に発揮できるようにと考えられたものです。
できないことをEきじゅんにするのではなく、できることを活かし、それを伸ばすという理念のもとに創られたものです。この考え方の根底には、障害に注目するのではなく、その人自身に目をむけようとする人間第一の思想が流れているのです。
ディサビリティ・スポーツは、かつては、障害のある人だけがおこなうスポーツという意味合いが強い言葉でした。
しかし、最近では車いすテニスの*ニューミックスと呼ばれる競ぎ、車いすダンス、*盲人マラソンなどのような、障害のある人とない人がいっしょにできるスポーツが登場してきました。また、障害のない人が車いすを利用してスポーツをする場もみられるようになりました。
これから先は、障害のある人のためだけのスポーツという狭い概念ではなく、もっと大きな概念でとらえる必要があります。
(藤田紀昭『ディサビリティ・スポーツ――ぼくたちの挑戦――』)
注
- ニューミックス
- 車いすの選手と障害のない選手がダブルスを組んでおこなうテニス。
- 盲人マラソン
- 視覚障害のある選手が目が見えるガイドと共に走るマラソン。ブラインドマラソン。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「概念」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア おおまかに考えている将来の夢のこと。
- イ 毎日欠かさず行っていることがあること。
- ウ 努力して夢を実現させること。
- エ ある物事や考えについての「おおまかなイメージ」や「まとまった考え」のこと。
Lessonの答え
- 答え
A 常 B 技 C 義 D 能 E 基準 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ところで、ディサビリティ・スポーツとはいったいどういうものなのでしょうか? 簡単にいうと、障害のある人が実践できるスポーツや運動ということです。とはいっても、ディサビリティ・スポーツの目指す目的や、タイプにはいろいろなものがあります。
たとえば、病院やリハビリテーションセンターでは、治療やリハビリテーションの手段の一つとして、運動やスポーツプログラムをとり入れています。また、治療やリハビリテーションを終えてから、日常的にスポーツをおこなっている人は、楽しみや健康のため、あるいは、生きがいを求めてスポーツをやっています。これらは、障害のない人のスポーツとまったくおなじ、生涯スポーツといえます。
競技レベルの面からみれば、健康づくりや友だちづくり、ストレス解消などを主たる目的とした競技性、競争性が低いものから、パラリンピックや世界選手権などで見られるような、競技性が非常に高く、厳しい競争をともなうものまであります。
次に、障害との関係からみてみましょう。ディサビリティ・スポーツの中には、視覚障害のある人のために考え出されたゴールボールや、下肢障害のある人のためのシッティングバレーボール、車いす利用者のための、車いすバスケットボールのように、特定の障害を持つ人のために創られたスポーツがあります。(中略)
障害のない人がしているスポーツを、障害のある人もできるようにアレンジしたものもあります。視覚障害のある人のための陸上競技は、障害のない人がやるのとほとんどかわりませんが、ガイドがついたり、音を出して走る方向を教えるといった、いくつかのルールに工夫が見られます。
このほか、障害のない人とおなじ条件でできるスポーツもあります。車いすを使っておこなうアーチェリーやスタンディングバレーボール(義足や義手などを使っている人がおこなう一般的なバレーボール)などです。
これらのスポーツはすべて、①障害を考慮しながら、使える能力を十分に発揮できるようにと考えられたものです。
できないことを基準にするのではなく、できることを活かし、それを伸ばすという理念のもとに創られたものです。この考え方の根底には、障害に注目するのではなく、その人自身に目をむけようとする人間第一の思想が流れているのです。
ディサビリティ・スポーツは、かつては、障害のある人だけがおこなうスポーツという意味合いが強い言葉でした。
しかし、最近では車いすテニスの*ニューミックスと呼ばれる競技、車いすダンス、*盲人マラソンなどのような、障害のある人とない人がいっしょにできるスポーツが登場してきました。また、障害のない人が車いすを利用してスポーツをする場もみられるようになりました。
これから先は、障害のある人のためだけのスポーツという狭い概念ではなく、もっと大きな概念でとらえる必要があります。
(藤田紀昭『ディサビリティ・スポーツ――ぼくたちの挑戦――』)
注
- ニューミックス
- 車いすの選手と障害のない選手がダブルスを組んでおこなうテニス。
- 盲人マラソン
- 視覚障害のある選手が目が見えるガイドと共に走るマラソン。ブラインドマラソン。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
にちじょうの中で小さな幸せを見つける。
彼の手品のわざはとても見事だ。
新しいぎそくを使って、運動をする。
コンピュータののうりょくが向上した。
厳しいきじゅんで評価する。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる『ある物事や考えについての「おおまかなイメージ」や「まとまった考え」のこと。』を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
その事柄についてのをつかむ。
Practiceの答え
- 答え
日常
- 答え
技
- 答え
義足
- 答え
能力
- 答え
基準
- 答え
がいねん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ディサビリティ・スポーツ」について、ディサビリティ・スポーツとは何ですか。文中から二十字以内で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
障害のある人が実践できるスポーツや運動
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「障害を考慮しながら、使える能力を十分に発揮できるように」とありますが、こうした考え方の根底にあるのは何ですか。文中から二十二字でさがし、初めと終わりの五字を書きぬきなさい。
- 初め
- 終わり
Practiceの答え
- 答え
初め:その人自身
終わり:第一の思想
22-3 説明文21
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
地球の年齢をどうやって調べると思いますか。
これは、むずかしい質問でしょう。地球の誕生から現在まで、しだいに変わってきた「なにか」があれば、それを逆にたどれば、はじめの状態、つまり地球の年齢がわかることになります。では、その「なにか」とはどんなものなのでしょう。
この「なにか」として、地球の温度を考えた学者がいました。たとえば一九世紀にイギリスで活躍したケルビン卿です。彼は熱や電気について研究した大学者でした。絶対温度という温度をはかる単位に、ケルビン(記号はK)という名前がつけられているくらい有名な学者でした。
ケルビン卿は、はじめ溶けていた地球が、だんだん冷えていっていまの地球の温度になるためには何年かかるか、という計算をしたのです。岩が溶ける温度はわかっていますし、いま地球の表面の温度もわかっていますから、こういった計算ができるのです。犯人が逃げ出したベッドのぬくもりから、何時間前に逃げ出したかを割りだすようなものです。
ケルビン卿の計算の結果は、短くて二〇〇〇万年、長ければ四億年というものでした。計算の結果にあいまいさがあるのは、地球から熱が逃げていったり、太陽など地球の外部から熱を受けとったり、また地球のなかでどのように熱が伝わっていくかといったことが、あまり正確にわかっていないせいでした。
いずれにせよたいへんな時間の長さです。これは、同じ温度の湯でも風呂のほうがコップよりも冷めにくいように、地球ほど大きなものは温度が下がるのにたいへんな時間がかかるのです。噴火している火山で、溶けた真っ赤な溶岩を地球科学者が棒の先で採ってくることがありますが、みるみる冷えてしまいます。地球の大きさとは大ちがいなのです。
、この計算結果に疑いをもつ地球科学者も多かったのです。たとえば化石を研究している科学者から見れば、そのくらいの時間で生物が進化してしまうとは信じられないことだったのです。たしかにケルビン卿のせっかくの計算は大ハズレでした。じっさいの地球の年齢は、この計算結果よりもはるかに大きい四六億年という長さだったのです。なぜケルビン卿ほどの大学者が、こんなまちがった結果を出してしまったのでしょう。
もちろん、計算そのものをまちがえたのではありませんでした。じつは犯人が逃げ出したあとのベッドをあたためていた「①*共犯者」がいたのを見逃していたのです。このために、計算から割りだした時間よりもずっと前に、犯人は逃げおおせていたのでした。
その共犯者とは、地球のなかにある放射性同位元素(放射性同位体ともいう)でした。原子力発電や核爆弾に使われるウランとかプルトニウムという元素のことは聞いたことがあるでしょう。ケルビン卿は放射性同位体がとても多くの熱を出すことを考えていませんでした。つまり地球は、はじめ熱かったものが、ただ単純に冷えていっているのではなかったのです。昔から、そしていまでも、地球のなかで新しい熱が出つづけているのです。
(島村英紀『地球がわかる50話』)
注
- 共犯者
- 犯罪をともに行った人。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
とてもしつの高い製品を作る。
常識にさからった行動をとる。
鳥のさえずりがたえまなく聞こえる。
忘れ物がないかたしかめた。
夏休みに昆虫さいしゅうをした。
Confirm Testの答え
- 答え
質
- 答え
逆らった
- 答え
絶え
- 答え
確かめた
- 答え
採集
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア では
- イ でも
- ウ ただし
- エ なぜなら
- オ つまり
- カ たとえば
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「共犯者」とは何を指していますか。文中から十五字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
地球のなかにある放射性同位元素
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
地球の年齢をどうやって調べると思いますか。
これは、むずかしいAしつ問でしょう。地球の誕生から現在まで、しだいに変わってきた「なにか」があれば、それをBぎゃくにたどれば、はじめの状態、 地球の年齢がわかることになります。では、その「なにか」とはどんなものなのでしょう。
この「なにか」として、地球の温度を考えた学者がいました。たとえば一九世紀にイギリスで活躍したケルビン卿です。彼は熱や電気について研究した大学者でした。Cぜっ対温度という温度をはかる単位に、ケルビン(記号はK)という名前がつけられているくらい有名な学者でした。
ケルビン卿は、はじめ溶けていた地球が、だんだん冷えていっていまの地球の温度になるためには何年かかるか、という計算をしたのです。岩が溶ける温度はわかっていますし、いま地球の表面の温度もわかっていますから、こういった計算ができるのです。犯人が逃げ出したベッドのぬくもりから、何時間前に逃げ出したかを割りだすようなものです。
ケルビン卿の計算の結果は、短くて二〇〇〇万年、長ければ四億年というものでした。計算の結果にあいまいさがあるのは、地球から熱が逃げていったり、太陽など地球の外部から熱を受けとったり、また地球のなかでどのように熱が伝わっていくかといったことが、あまり正Dかくにわかっていないせいでした。
いずれにせよたいへんな時間の長さです。これは、同じ温度の湯でも風呂のほうがコップよりも冷めにくいように、地球ほど大きなものは温度が下がるのにたいへんな時間がかかるのです。噴火している火山で、溶けた真っ赤な溶岩を地球科学者が棒の先でEとってくることがありますが、みるみる冷えてしまいます。地球の大きさとは大ちがいなのです。
でも、この計算結果に疑いをもつ地球科学者も多かったのです。たとえば化石を研究している科学者から見れば、①そのくらいの時間で生物が進化してしまうとは信じられないことだったのです。たしかにケルビン卿のせっかくの計算は大ハズレでした。じっさいの地球の年齢は、この計算結果よりもはるかに大きい四六億年という長さだったのです。なぜケルビン卿ほどの大学者が、こんなまちがった結果を出してしまったのでしょう。
もちろん、計算そのものをまちがえたのではありませんでした。じつは犯人が逃げ出したあとのベッドをあたためていた「*共犯者」がいたのを見逃していたのです。このために、計算から割りだした時間よりもずっと前に、犯人は逃げおおせていたのでした。
その共犯者とは、地球のなかにある放射性同位元素(放射性同位体ともいう)でした。原子力発電や核爆弾に使われるウランとかプルトニウムという元素のことは聞いたことがあるでしょう。ケルビン卿は放射性同位体がとても多くの熱を出すことを考えていませんでした。つまり地球は、はじめ熱かったものが、ただ単純に冷えていっているのではなかったのです。昔から、そしていまでも、地球のなかで新しい熱が出つづけているのです。
(島村英紀『地球がわかる50話』)
注
- 共犯者
- 犯罪をともに行った人。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 質 B 逆 C 絶 D 確 E 採 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
地球の年齢をどうやって調べると思いますか。
これは、むずかしい質問でしょう。地球の誕生から現在まで、しだいに変わってきた「なにか」があれば、それを逆にたどれば、はじめの状態、つまり地球の年齢がわかることになります。 、その「なにか」とはどんなものなのでしょう。
この「なにか」として、地球の温度を考えた学者がいました。たとえば一九世紀にイギリスで活躍したケルビン卿です。彼は熱や電気について研究した大学者でした。絶対温度という温度をはかる単位に、ケルビン(記号はK)という名前がつけられているくらい有名な学者でした。
ケルビン卿は、はじめ溶けていた地球が、だんだん冷えていっていまの地球の温度になるためには何年かかるか、という計算をしたのです。岩が溶ける温度はわかっていますし、いま地球の表面の温度もわかっていますから、こういった計算ができるのです。①犯人が逃げ出したベッドのぬくもりから、何時間前に逃げ出したかを割りだすようなものです。
ケルビン卿の計算の結果は、短くて二〇〇〇万年、長ければ四億年というものでした。計算の結果にあいまいさがあるのは、地球から熱が逃げていったり、太陽など地球の外部から熱を受けとったり、また地球のなかでどのように熱が伝わっていくかといったことが、あまり正確にわかっていないせいでした。
いずれにせよたいへんな時間の長さです。これは、同じ温度の湯でも風呂のほうがコップよりも冷めにくいように、地球ほど大きなものは温度が下がるのにたいへんな時間がかかるのです。噴火している火山で、溶けた真っ赤な溶岩を地球科学者が棒の先で採ってくることがありますが、みるみる冷えてしまいます。地球の大きさとは大ちがいなのです。
でも、この計算結果に疑いをもつ地球科学者も多かったのです。たとえば化石を研究している科学者から見れば、そのくらいの時間で生物が進化してしまうとは信じられないことだったのです。たしかにケルビン卿のせっかくの計算は大ハズレでした。じっさいの地球の年齢は、この計算結果よりもはるかに大きい四六億年という長さだったのです。なぜケルビン卿ほどの大学者が、こんなまちがった結果を出してしまったのでしょう。
もちろん、計算そのものをまちがえたのではありませんでした。じつは犯人が逃げ出したあとのベッドをあたためていた「*共犯者」がいたのを見逃していたのです。このために、計算から割りだした時間よりもずっと前に、犯人は逃げおおせていたのでした。
その共犯者とは、地球のなかにある放射性同位元素(放射性同位体ともいう)でした。原子力発電や核爆弾に使われるウランとかプルトニウムという元素のことは聞いたことがあるでしょう。ケルビン卿は放射性同位体がとても多くの熱を出すことを考えていませんでした。つまり地球は、はじめ熱かったものが、ただ単純に冷えていっているのではなかったのです。昔から、そしていまでも、地球のなかで新しい熱が出つづけているのです。
(島村英紀『地球がわかる50話』)
注
- 共犯者
- 犯罪をともに行った人。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
先生にしつもんして理解を深めた。
風のぎゃく方向に進んだ。
宿題はぜったいに忘れないようにする。
せいかくな時間を示す時計を使う。
学校の庭で虫をとって遊んだ。
Practiceの答え
- 答え
質問
- 答え
逆
- 答え
絶対
- 答え
正確
- 答え
採
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア では
- イ しかし
- ウ ただし
- エ なぜなら
- オ つまり
- カ たとえば
Lessonの答え
- 答え
オ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜カから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア では
- イ しかし
- ウ ただし
- エ なぜなら
- オ つまり
- カ たとえば
Practiceの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そのくらいの時間」とありますが、どのくらいの時間ですか。文中から十七字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
短くて二〇〇〇万年、長ければ四億年
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「犯人が……割りだすようなもの」について、「犯人が逃げ出したベッドのぬくもり」とは何のことですか。次の文のにあてはまることばを文中から八字で書きぬきなさい。
現在の
Practiceの答え
- 答え
〈現在の〉地球の表面の温度
23章 物語文
物語文の読み方
23-1 物語文17
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
一九五七年六月四日は雨だった。その日、父が置時計を買ってきた。
包み紙をていねいにとり去り、ボール箱をひらくとカスタードクリームの色をした四角い時計が出てきた。文字盤は薄青く、時刻を示す数字には鮮やかに夜光塗料がぬりつけてあった。右下のアラームのストッパーだけがぽっちりと赤い色をしていた。
時間をあわせてネジを巻き、ストッパーを解除すると「乙女の祈り」の曲が流れ出した。それはすばらしく*可憐に聞こえた。
それまでわたしの家には柱時計がひとつあるきりだった。文字盤の『7』の字が、どうしても『て』の字に見えた古い時計である。柱時計はわたしの背丈の二倍もの高みに据えつけられ、ゆったりと時を刻みつづけていた。一日に一回、早朝に父がネジを巻くのを日課とした。それは彼の役割あるいは権利だった。
その時を刻む音は硬くて、とてもきっぱりしていた。夜更けよりも午後、学校帰りに庭先から無人の室内に入って過ごすとき、わたしはその時を刻む音をひそかにおそれた。
時は不思議だった。姿も見えないが、たしかにわたしのそばをするすると通り抜けていく。引き止めるにも素早く追いやるにも、自分にはなんらなすすべがない。*老獪な柱時計は時を逃さず、ただ規則正しく裁断しつづけている。時計があるから時が過ぎる、鍵っ子の*草分けだった幼いわたしは、そう考えた。
わたしはその日から絵日記をつけることにして、置時計の絵を描いた。①背景は深紅に塗った。それは自分でネジを巻ける時計の到来、すなわち自分で管理し得る時間への驚きと喜びを表現した色だった。
「じかんはどんどんすぎていきます」
とわたしは書いた。
「ぼくは時計のかちかちいう音がすきではない。こんどの小さい時計はあまり音がしません。それでもじかんはどんどんすぎていきます。そしてオルゴールもなります。あさはオルゴールでおきたほうがとてもいい。おかあさんにしかられておきるよりはとてもいい」
わたしは八歳だった。
時が過ぎていく、という残酷な事実を告げるのに無愛想もやさしさも関係ない、とすぐに知った。時計があるから時が過ぎるのではなく、時が過ぎるから時計があり、時計がなくとも時はやはり際限なく過ぎていくのだ、ということも若干のあきらめの気分とともに学んだ。
しかし、長いあいだ毎朝置時計のネジを巻くことはやめなかった。*たまさか時間に合わせて「乙女の祈り」をかなでさせることもやめなかった。時が勝手に行くのではない、自分が時間を刻ませている、だから自分も意思的に変わっていけるのだ、と当時のわたしは信じようとつとめたのである。
(関川夏央『じかんがどんどんすぎていきます』)
注
- 可憐
- かわいくて、愛らしいさま。
- 老獪
- 経験が豊かで、ずるがしこいこと。
- 草分け
- ものごとを最初にする人。
- たまさか
- たまに。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
先生が作業内容のしじをした。
新しい決まりごとがきていされた。
友達にイベントの開催をこくちした。
こくさい交流会に参加した。
兄はかってに遊びに行った。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「裁断」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア あと少しのところで裁断されてうまくいかなった。
- イ 布に応じて服を裁断する。
- ウ おかしを食べながら裁断して注意される。
- エ 遊びに行こうとしたら裁断された。
Confirm Testの答え
- 答え
指示
- 答え
規定
- 答え
告知
- 答え
国際
- 答え
勝手
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「背景は深紅に塗った」とありますが、置時計の絵の背景を深紅に塗ったことには「わたし」のどんな心情が表れていますか。文中から十七字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
自分で管理し得る時間への驚きと喜び
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
一九五七年六月四日は雨だった。その日、父が置時計を買ってきた。
包み紙をていねいにとり去り、ボール箱をひらくとカスタードクリームの色をした四角い時計が出てきた。文字盤は薄青く、時刻をAしめす数字には鮮やかに夜光塗料がぬりつけてあった。右下のアラームのストッパーだけがぽっちりと赤い色をしていた。
時間をあわせてネジを巻き、ストッパーを解除すると「乙女の祈り」の曲が流れ出した。それはすばらしく*可憐に聞こえた。
それまでわたしの家には柱時計がひとつあるきりだった。文字盤の『7』の字が、どうしても『て』の字に見えた古い時計である。柱時計はわたしの背丈の二倍もの高みに据えつけられ、ゆったりと時を刻みつづけていた。一日に一回、早朝に父がネジを巻くのを日課とした。それは彼の役割あるいは権利だった。
その時を刻む音は硬くて、とてもきっぱりしていた。夜更けよりも午後、学校帰りに庭先から無人の室内に入って過ごすとき、わたしはその時を刻む音をひそかにおそれた。
時は不思議だった。姿も見えないが、たしかにわたしのそばをするすると通り抜けていく。引き止めるにも素早く追いやるにも、自分にはなんらなすすべがない。*老獪な柱時計は時を逃さず、ただBきそく正しく裁断しつづけている。時計があるから時が過ぎる、鍵っ子の*草分けだった幼いわたしは、そう考えた。
わたしはその日から絵日記をつけることにして、置時計の絵を描いた。背景は深紅に塗った。それは自分でネジを巻ける時計の到来、すなわち自分で管理し得る時間への驚きと喜びを表現した色だった。
「じかんはどんどんすぎていきます」
とわたしは書いた。
「ぼくは①時計のかちかちいう音がすきではない。こんどの小さい時計はあまり音がしません。それでもじかんはどんどんすぎていきます。そしてオルゴールもなります。あさはオルゴールでおきたほうがとてもいい。おかあさんにしかられておきるよりはとてもいい」
わたしは八歳だった。
時が過ぎていく、という残酷な事実をCつげるのに無愛想もやさしさも関係ない、とすぐに知った。時計があるから時が過ぎるのではなく、時が過ぎるから時計があり、時計がなくとも時はやはりDさいげんなく過ぎていくのだ、ということも若干のあきらめの気分とともに学んだ。
しかし、長いあいだ毎朝置時計のネジを巻くことはやめなかった。*たまさか時間に合わせて「乙女の祈り」をかなでさせることもやめなかった。時がEかってに行くのではない、自分が時間を刻ませている、だから自分も意思的に変わっていけるのだ、と当時のわたしは信じようとつとめたのである。
(関川夏央『じかんがどんどんすぎていきます』)
注
- 可憐
- かわいくて、愛らしいさま。
- 老獪
- 経験が豊かで、ずるがしこいこと。
- 草分け
- ものごとを最初にする人。
- たまさか
- たまに。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「裁断」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友達と仲良くすること。
- イ 同じことがくり返し行われること。
- ウ ものを断ち切ること。
- エ 欲しかったものが手に入ること。
Lessonの答え
- 答え
A 示 B 規則 C 告 D 際限 E 勝手 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
一九五七年六月四日は雨だった。その日、父が置時計を買ってきた。
包み紙をていねいにとり去り、ボール箱をひらくとカスタードクリームの色をした四角い時計が出てきた。文字盤は薄青く、時刻を示す数字には鮮やかに夜光塗料がぬりつけてあった。右下のアラームのストッパーだけがぽっちりと赤い色をしていた。
時間をあわせてネジを巻き、ストッパーを解除すると「乙女の祈り」の曲が流れ出した。それはすばらしく*可憐に聞こえた。
それまでわたしの家には柱時計がひとつあるきりだった。文字盤の『7』の字が、どうしても『て』の字に見えた古い時計である。柱時計はわたしの背丈の二倍もの高みに据えつけられ、ゆったりと時を刻みつづけていた。一日に一回、早朝に父がネジを巻くのを日課とした。それは彼の役割あるいは権利だった。
その時を刻む音は硬くて、とてもきっぱりしていた。夜更けよりも午後、学校帰りに庭先から無人の室内に入って過ごすとき、わたしはその時を刻む音をひそかにおそれた。
時は不思議だった。姿も見えないが、たしかにわたしのそばをするすると通り抜けていく。引き止めるにも素早く追いやるにも、自分にはなんらなすすべがない。*老獪な柱時計は時を逃さず、ただ規則正しく裁断しつづけている。時計があるから時が過ぎる、鍵っ子の*草分けだった幼いわたしは、そう考えた。
わたしはその日から絵日記をつけることにして、置時計の絵を描いた。背景は深紅に塗った。それは自分でネジを巻ける時計の到来、すなわち自分で管理し得る時間への驚きと喜びを表現した色だった。
「じかんはどんどんすぎていきます」
とわたしは書いた。
「ぼくは時計のかちかちいう音がすきではない。こんどの小さい時計はあまり音がしません。それでもじかんはどんどんすぎていきます。そしてオルゴールもなります。あさはオルゴールでおきたほうがとてもいい。おかあさんにしかられておきるよりはとてもいい」
わたしは八歳だった。
時が過ぎていく、という残酷な事実を告げるのに無愛想もやさしさも関係ない、とすぐに知った。時計があるから時が過ぎるのではなく、時が過ぎるから時計があり、時計がなくとも時はやはり際限なく過ぎていくのだ、ということも若干のあきらめの気分とともに学んだ。
しかし、①長いあいだ毎朝置時計のネジを巻くことはやめなかった。*たまさか時間に合わせて「乙女の祈り」をかなでさせることもやめなかった。時が勝手に行くのではない、自分が時間を刻ませている、だから自分も意思的に変わっていけるのだ、と当時のわたしは信じようとつとめたのである。
(関川夏央『じかんがどんどんすぎていきます』)
注
- 可憐
- かわいくて、愛らしいさま。
- 老獪
- 経験が豊かで、ずるがしこいこと。
- 草分け
- ものごとを最初にする人。
- たまさか
- たまに。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
説明書に手順がしめされている。
安全のためにきそくを守る。
親友に秘密をつげた。
彼はさいげんなく話し続けた。
かってにドアを開けて外に出た。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ものを断ち切ること」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
いらなくなった洋服をする。
Practiceの答え
- 答え
示されて
- 答え
規則
- 答え
告げた
- 答え
際限
- 答え
勝手
- 答え
さいだん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「時計のかちかちいう音がすきではない」と、八歳の「わたし」が思っていたのはなぜですか。次の文のにあてはまることばを文中から七字で書きぬきなさい。
かちかちという時計の音は、という、自分にはなんらなすすべもない残酷な事実を告げるものだったから。
Lessonの答え
- 答え
時が過ぎていく
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「長いあいだ毎朝置時計のネジを巻くことはやめなかった」とありますが、なぜ「わたし」はそのような行動をとったのですか。 「わたし」の心情がわかる一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
時が勝手に
23-2 物語文18
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私の育った家は、生活が*つつましくて、およそ*遊山旅行やたのしみの芝居見物などをしない家だった。そこで、私は、いまでも用もないのに温泉にいったり、または、急に思いたって映画見物にというようなことになじめないでいる。ところが、四、五年まえのある時、どうにもこうにも疲れてしまった。どこかひとの来ない温泉へでも出かけて、ぐっすり眠ってきたいが、そんなところへゆくには、何時間も汽車やバスにのらなくてはならなくてね、と、ある友人にいうと、あれ、ありますよ、と、その宿を教えてくれた。東京から、その宿の下まで三時間弱、ただ、ちょっとのあいだ、山をのぼるのだが、心臓のわるい人でなければ、平気だという。
まえもって、女ひとりで、しずかな部屋がほしいのだと知らしておいて、ある夕、一つの会をすませてから汽車にのった。東京をたったのは、*宵の口だったが、むこうの駅についたら、十一時近くになっていた。昼間は、その宿の下までバスがあるのだそうだけれど、タクシーにのって、教えられたところでおりた。そして、教えられた道をのぼった。心もとない街灯はあったけれど、ほとんど、まっくら。
生まれてはじめて、ただひとりの休息の旅だったはずなのに、例によって貧乏性から、本をつめた、小さいわりには重いカバンをさげていた。つぎの日、見たら、たいして長い道でもなかったのに、ほんとにくたくたに疲れていたから、やみのなかで、何度も休んだ。そのうち、やみと一しょに、もう一つのものが、私をつつみはじめた。においである。
ほのかな、あまいむらさきがかったようなにおい。いや、においが、私をつつんだというより、私が、ふわっと、その暗いくせに、色のある世界へはいっていったという方が、あたっていたろう。私が何かにばかされたように、ふらりふらりとそのにおいのなかを通りぬけてゆくうち、前があかるくなって、すぐそこに宿屋が見えていた。
よく日、そのにおいの正体は、センダンの花だと知らされた。ナツメのような、こまかい葉の大木で、小さなフサ状のうすむらさきの花がさがっていた。見た目もこのましいけれど、①私は、見るより先に、何の前ぶれもなく、そのにおいのなかを通らされたことを、とてもありがたかったと思った。
宿の人たちは、駅から電話をかけてくれたらよかったのに、その前の汽車まで待ったのだけれど、もう来ないと思って帰ってきたのだといった。けれども、もし案内人がいれば、宿はもうすぐそこですとか、これは、センダンのにおいですとか、きっと説明してくれたにちがいない。そうしたら、私はあの一種ふしぎな、キツネと道づれになったような、妖精の国の門をくぐりぬけたような気もちは味わわなかったにちがいない。
その門をくぐりぬけたせいかどうか、私は、その宿で二日くらい正体もなくねこんだ。私のほかに客はいなかった。わずかな坂のせいで、その家には、ほとんど週日は客がなく、団体客もこないのであった。窓の外には春の気の動いている木だちが見え、ウグイスが鳴いていた。
この最初の印象のおかげで、私は休息というと、このにおいのある坂の上の宿を思いだす。
(石井桃子『むらさき色のにおい』)
注
- つつましい
- ぜいたくをしない様子。
- 遊山旅行
- 気晴らしの旅行。
- 宵の口
- 日が暮れてから、夜になりはじめたばかりのころ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
彼のじゅうきょは東京です。
交通じょう況が悪くて遅れた。
放課後は習いごとにせいを出す。
学年でだんたい行動を学んだ。
この絵は美しいいんしょうを受ける。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「貧乏性」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア もう少しがんばればみんな貧乏性になる。
- イ 冬になると貧乏性の人が増えて大変だ。
- ウ 私は貧乏性なのでパソコンの操作が苦手だ。
- エ 旅行に行きたくても貧乏性のためなかなか行くことができない。
Confirm Testの答え
- 答え
住居
- 答え
状
- 答え
精
- 答え
団体
- 答え
印象
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私は……とてもありがたかったと思った」とありますが、その理由としてももっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア においの正体を自分でつきとめたおかげで、旅の印象がより強いものとなったから。
- イ においの正体がわからなかったおかげで、どんなはなのにおいなのかと想像をめぐらすことができたから。
- ウ においの正体を知らなかったおかげで、一種ふしぎな気もちを味わうことができたから。
- エ においの正体を教えられなかったおかげで、そのにおいの正体を想像する楽しみを得られたから。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私の育った家は、生活が*つつましくて、およそ*遊山旅行やたのしみの芝Aい見物などをしない家だった。そこで、私は、いまでも用もないのに温泉にいったり、または、急に思いたって映画見物にというようなことになじめないでいる。ところが、四、五年まえのある時、どうにもこうにも疲れてしまった。どこかひとの来ない温泉へでも出かけて、ぐっすり眠ってきたいが、そんなところへゆくには、何時間も汽車やバスにのらなくてはならなくてね、と、ある友人にいうと、あれ、ありますよ、と、その宿を教えてくれた。東京から、その宿の下まで三時間弱、ただ、ちょっとのあいだ、山をのぼるのだが、心臓のわるい人でなければ、平気だという。
まえもって、女ひとりで、しずかな部屋がほしいのだと知らしておいて、ある夕、一つの会をすませてから汽車にのった。東京をたったのは、*宵の口だったが、むこうの駅についたら、十一時近くになっていた。昼間は、その宿の下までバスがあるのだそうだけれど、タクシーにのって、教えられたところでおりた。そして、教えられた道をのぼった。心もとない街灯はあったけれど、ほとんど、まっくら。
生まれてはじめて、ただひとりの休息の旅だったはずなのに、例によって貧乏性から、本をつめた、小さいわりには重いカバンをさげていた。つぎの日、見たら、たいして長い道でもなかったのに、ほんとにくたくたに疲れていたから、やみのなかで、何度も休んだ。そのうち、やみと一しょに、もう一つのものが、私をつつみはじめた。においである。
ほのかな、あまいむらさきがかったようなにおい。いや、においが、私をつつんだというより、私が、ふわっと、その暗いくせに、色のある世界へはいっていったという方が、あたっていたろう。私が①何かにばかされたように、ふらりふらりとそのにおいのなかを通りぬけてゆくうち、前があかるくなって、すぐそこに宿屋が見えていた。
よく日、そのにおいの正体は、センダンの花だと知らされた。ナツメのような、こまかい葉の大木で、小さなフサBじょうのうすむらさきの花がさがっていた。見た目もこのましいけれど、私は、見るより先に、何の前ぶれもなく、そのにおいのなかを通らされたことを、とてもありがたかったと思った。
宿の人たちは、駅から電話をかけてくれたらよかったのに、その前の汽車まで待ったのだけれど、もう来ないと思って帰ってきたのだといった。けれども、もし案内人がいれば、宿はもうすぐそこですとか、これは、センダンのにおいですとか、きっと説明してくれたにちがいない。そうしたら、私はあの一種ふしぎな、キツネと道づれになったような、妖Cせいの国の門をくぐりぬけたような気もちは味わわなかったにちがいない。
その門をくぐりぬけたせいかどうか、私は、その宿で二日くらい正体もなくねこんだ。私のほかに客はいなかった。わずかな坂のせいで、その家には、ほとんど週日は客がなく、Dだん体客もこないのであった。窓の外には春の気の動いている木だちが見え、ウグイスが鳴いていた。
この最初の印Eしょうのおかげで、私は休息というと、このにおいのある坂の上の宿を思いだす。
(石井桃子『むらさき色のにおい』)
注
- つつましい
- ぜいたくをしない様子。
- 遊山旅行
- 気晴らしの旅行。
- 宵の口
- 日が暮れてから、夜になりはじめたばかりのころ。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「貧乏性」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 一度決めたことは最後までやらないと気がすまない性質。
- イ けちけちして大らかになれない性質。
- ウ 嫌なことがあるとすぐに泣いてしまう性質。
- エ 苦しいことがあっても我慢してしまう性質。
Lessonの答え
- 答え
A 居 B 状 C 精 D 団 E 象 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私の育った家は、生活が*つつましくて、およそ*遊山旅行やたのしみの芝居見物などをしない家だった。そこで、私は、いまでも用もないのに温泉にいったり、または、急に思いたって映画見物にというようなことになじめないでいる。ところが、四、五年まえのある時、どうにもこうにも疲れてしまった。どこかひとの来ない温泉へでも出かけて、ぐっすり眠ってきたいが、そんなところへゆくには、何時間も汽車やバスにのらなくてはならなくてね、と、ある友人にいうと、あれ、ありますよ、と、その宿を教えてくれた。東京から、その宿の下まで三時間弱、ただ、ちょっとのあいだ、山をのぼるのだが、心臓のわるい人でなければ、平気だという。
まえもって、女ひとりで、しずかな部屋がほしいのだと知らしておいて、ある夕、一つの会をすませてから汽車にのった。東京をたったのは、*宵の口だったが、むこうの駅についたら、十一時近くになっていた。昼間は、その宿の下までバスがあるのだそうだけれど、タクシーにのって、教えられたところでおりた。そして、教えられた道をのぼった。心もとない街灯はあったけれど、ほとんど、まっくら。
生まれてはじめて、ただひとりの休息の旅だったはずなのに、例によって貧乏性から、本をつめた、小さいわりには重いカバンをさげていた。つぎの日、見たら、たいして長い道でもなかったのに、ほんとにくたくたに疲れていたから、やみのなかで、何度も休んだ。そのうち、①やみと一しょに、もう一つのものが、私をつつみはじめた。においである。
ほのかな、あまいむらさきがかったようなにおい。いや、においが、私をつつんだというより、私が、ふわっと、その暗いくせに、色のある世界へはいっていったという方が、あたっていたろう。私が何かにばかされたように、ふらりふらりとそのにおいのなかを通りぬけてゆくうち、前があかるくなって、すぐそこに宿屋が見えていた。
よく日、そのにおいの正体は、センダンの花だと知らされた。ナツメのような、こまかい葉の大木で、小さなフサ状のうすむらさきの花がさがっていた。見た目もこのましいけれど、私は、見るより先に、何の前ぶれもなく、そのにおいのなかを通らされたことを、とてもありがたかったと思った。
宿の人たちは、駅から電話をかけてくれたらよかったのに、その前の汽車まで待ったのだけれど、もう来ないと思って帰ってきたのだといった。けれども、もし案内人がいれば、宿はもうすぐそこですとか、これは、センダンのにおいですとか、きっと説明してくれたにちがいない。そうしたら、私はあの一種ふしぎな、キツネと道づれになったような、妖精の国の門をくぐりぬけたような気もちは味わわなかったにちがいない。
その門をくぐりぬけたせいかどうか、私は、その宿で二日くらい正体もなくねこんだ。私のほかに客はいなかった。わずかな坂のせいで、その家には、ほとんど週日は客がなく、団体客もこないのであった。窓の外には春の気の動いている木だちが見え、ウグイスが鳴いていた。
この最初の印象のおかげで、私は休息というと、このにおいのある坂の上の宿を思いだす。
(石井桃子『むらさき色のにおい』)
注
- つつましい
- ぜいたくをしない様子。
- 遊山旅行
- 気晴らしの旅行。
- 宵の口
- 日が暮れてから、夜になりはじめたばかりのころ。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
自分の部屋はいごこちが良い。
健康じょうたいが良くなった。
試合に向けてせいしん統一する。
運動会でだんけつして頑張った。
ぞうは鼻がとても長い。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「けちけちして大らかになれない性質。細かいことにくよくよする性質。」を表すことばをひらがな七字で書きなさい。
私はなので高い洋服を買えない。
Practiceの答え
- 答え
居心地
- 答え
状態
- 答え
精神
- 答え
団結
- 答え
象
- 答え
びんぼうしょう
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「何かに……通りぬけてゆく」ときの気もちをどう表現していますか。「……ような気もち。」につながる形で文中から十一字と十四字で書きぬきなさい。 (完答)
- ような気もち。
- ような気もち。
Lessonの答え
- 答え
- キツネと道づれになった〈ような気もち。〉
- 妖精の国の門をくぐりぬけた〈ような気もち。〉
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「やみと一しょに、もう一つのものが、私をつつみはじめた。においである」について、この状況を筆者は、どのように表現し直していますか。文中から三十字でさがし、初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Practiceの答え
- 答え
私が、ふ〈〜〉ていった
24章 説明文
説明文の読み方
24-1 説明文22
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
目をあけていれば、ぼんやりしていても、いろいろなものが目にはいってくる。これが「見える」ということである。もっともよく見ようとするには目を凝らして「見る」ようにしなくてはならない。文章を読むには、この「見る」でもまだじゅうぶんではない。いったい読書の本質とはどういうものであろうか。
同じ本を読んでも、人によって感想が大きく食い違うことがある。かりに同じ景色を、同じ地点から、続けて二枚の写真をとったとする。二枚の写真は同じになるはずである。これがカメラでなくて、二人の画家が同じ風景をかくとすると、でき上がる絵はけっして同じにはならない。ものを読むには、読む人の個人差に影響されない読み方があるとすれば、これはいわば写真のような読み方である。しかし、読書は、読む人個人の考えが加わって成り立つもので、読書の印象は画家の絵に似たものといえる。読書は写真をとるようなものだと考える人にとっては、読み方が人によって異なるのはなぜであるのかわからないかもしれないが、①読書は心の中に絵をかくのに似ていると考えれば、それはいかにも自然なこととして納得されるであろう。
同じ山をかくにしても、人が違えば同じ絵にならない。ひとりひとりの個人差は山の絵だけでなく、ほかのものをかくときにも認められる。それが完成された画家の場合なら、画風と呼ばれるものである。画風は一朝一夕にできるものではないが、いったんでき上がってしまうと、変えようとしてもなかなか変えられない。文章を書く場合にも、これに似た個性がある。署名がなくても筆者の見当のつくこともあれば未知の人の書いた文章から、書いた人の人がらなどが想像できることも少なくない。「文は人なり」という有名なことばもある。これは書く時だけでなく、読む時にも働いている。読むときには比較的はっきりした形をとらないだけである。この、有名な*警句のもとのことばは「スタイルは人なり」であるが、スタイルを文とか文体とか訳してしまうと、書くときだけの個性の問題に限<られてしまう。ところが、読む時にも、個人差が重要な作用を及ぼしているのだから、読者にもスタイルを認めてよいように思われる。まったくスタイルなしにものを読むことはできない。
書くのに比べて、読むのは一般に、受け身の活動のように考えられているが、必ずしもそうとは言いきれない。ただ字を拾って読むのでは、ほんとうに読むことにはならない。ことばの意味をまとめて全体を理解するには、読者の解釈が必要である。読者の側のそういう積極的な働きがあるから、同じ本を読んでも、それぞれに違った心の絵になるからである。文章を書くことが創造であると同じように、ものを読むのもまた、創造でなくてはならない。
(外山滋比古『読書の創造』)
注
- 警句
- 短い表現でものごとの真理を言い表したことば。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
学校でこべつに指導を受ける。
ハトは平和のしょう徴として使われる。
私たちはるいじした趣味を持っている。
知識をえるために本を読む。
この商品は数量げんていだ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「受け身」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 受け身として元気よく戦う。
- イ 木のかげに隠れて受け身になる。
- ウ 受け身の学習は自分のためにならない。
- エ 自動車にのるなら受け身が一番良い。
Confirm Testの答え
- 答え
個別
- 答え
象
- 答え
類似
- 答え
得る
- 答え
限定
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「読書は心の中に絵をかくのに似ている」とは、どういうことですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 読書の感想は、読み手の個性に影響されるということ。
- イ 読書の方法には、ある一定のきまりがあるということ。
- ウ 読書のイメージは、作家によって大きく異なるということ。
- エ 読書のしかたは、その時々の心の状態によって違うということ。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
第二段落で筆者が述べていることをまとめた次の文のにあてはまることばを、文中から書きぬきなさい。(完答)
読書は読む人が加わって成り立つものであり、読み方ではなく、読み方である。
Confirm Testの答え
- 答え
個人の考え・写真のような・心の中に絵をかく(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
目をあけていれば、ぼんやりしていても、いろいろなものが目にはいってくる。これが「見える」ということである。もっともよく見ようとするには目を凝らして「見る」ようにしなくてはならない。文章を読むには、この「見る」でもまだじゅうぶんではない。いったい読書の本質とはどういうものであろうか。
同じ本を読んでも、人によって感想が大きく食い違うことがある。かりに同じ景色を、同じ地点から、続けて二枚の写真をとったとする。二枚の写真は同じになるはずである。これがカメラでなくて、二人の画家が同じ風景をかくとすると、でき上がる絵はけっして同じにはならない。ものを読むには、読む人のAこ人差に影響されない読み方があるとすれば、これはいわば写真のような読み方である。しかし、読書は、読む人こ人の考えが加わって成り立つもので、読書の印Bしょうは画家の絵にCにたものといえる。読書は写真をとるようなものだと考える人にとっては、読み方が人によって異なるのはなぜであるのかわからないかもしれないが、読書は心の中に絵をかくのににていると考えれば、それはいかにも自然なこととして納Dとくされるであろう。
同じ山をかくにしても、人が違えば同じ絵にならない。ひとりひとりのこ人差は山の絵だけでなく、ほかのものをかくときにも認められる。それが完成された画家の場合なら、画風と呼ばれるものである。画風は一朝一夕にできるものではないが、いったんでき上がってしまうと、変えようとしてもなかなか変えられない。文章を書く場合にも、これににたこ性がある。署名がなくても筆者の見当のつくこともあれば未知の人の書いた文章から、書いた人の人がらなどが想像できることも少なくない。「文は人なり」という有名なことばもある。これは書く時だけでなく、読む時にも働いている。読むときには比較的はっきりした形をとらないだけである。この、有名な*警句のもとのことばは「スタイルは人なり」であるが、スタイルを文とか文体とか訳してしまうと、書くときだけのこ性の問題にEかぎられてしまう。ところが、読む時にも、こ人差が重要な作用を及ぼしているのだから、読者にもスタイルを認めてよいように思われる。まったくスタイルなしにものを読むことはできない。
書くのに比べて、読むのは一般に、受け身の活動のように考えられているが、必ずしもそうとは言いきれない。ただ字を拾って読むのでは、ほんとうに読むことにはならない。ことばの意味をまとめて全体を理解するには、読者の解釈が必要である。読者の側のそういう①積極的な働きがあるから、同じ本を読んでも、それぞれに違った心の絵になるからである。文章を書くことが創造であると同じように、ものを読むのもまた、創造でなくてはならない。
(外山滋比古『読書の創造』)
注
- 警句
- 短い表現でものごとの真理を言い表したことば。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「受け身」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 他から働きかけられるだけで、こちらからは積極的に出ない、消極的な態度やようす。
- イ 自分の思ったことや考えたことを出すのが苦手なようす。
- ウ 周りの目を気にして前に立つことができないようす。
- エ 人助けをしたいがどうしたらいいかわからないようす。
Lessonの答え
- 答え
A 個 B 象 C 似 D 得 E 限 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
目をあけていれば、ぼんやりしていても、いろいろなものが目にはいってくる。これが「見える」ということである。もっともよく見ようとするには目を凝らして「見る」ようにしなくてはならない。文章を読むには、この「見る」でもまだじゅうぶんではない。いったい読書の本質とはどういうものであろうか。
同じ本を読んでも、人によって感想が大きく食い違うことがある。かりに同じ景色を、同じ地点から、続けて二枚の写真をとったとする。二枚の写真は同じになるはずである。これがカメラでなくて、二人の画家が同じ風景をかくとすると、でき上がる絵はけっして同じにはならない。ものを読むには、読む人の個人差に影響されない読み方があるとすれば、これはいわば①写真のような読み方である。しかし、読書は、読む人個人の考えが加わって成り立つもので、読書の印象は画家の絵に似たものといえる。読書は写真をとるようなものだと考える人にとっては、読み方が人によって異なるのはなぜであるのかわからないかもしれないが、読書は心の中に絵をかくのに似ていると考えれば、それはいかにも自然なこととして納得されるであろう。
同じ山をかくにしても、人が違えば同じ絵にならない。ひとりひとりの個人差は山の絵だけでなく、ほかのものをかくときにも認められる。それが完成された画家の場合なら、画風と呼ばれるものである。画風は一朝一夕にできるものではないが、いったんでき上がってしまうと、変えようとしてもなかなか変えられない。文章を書く場合にも、これに似た個性がある。署名がなくても筆者の見当のつくこともあれば未知の人の書いた文章から、書いた人の人がらなどが想像できることも少なくない。「文は人なり」という有名なことばもある。これは書く時だけでなく、読む時にも働いている。読むときには比較的はっきりした形をとらないだけである。この、有名な*警句のもとのことばは「スタイルは人なり」であるが、スタイルを文とか文体とか訳してしまうと、書くときだけの個性の問題に限られてしまう。ところが、読む時にも、個人差が重要な作用を及ぼしているのだから、読者にもスタイルを認めてよいように思われる。まったくスタイルなしにものを読むことはできない。
書くのに比べて、読むのは一般に、受け身の活動のように考えられているが、必ずしもそうとは言いきれない。ただ字を拾って読むのでは、ほんとうに読むことにはならない。ことばの意味をまとめて全体を理解するには、読者の解釈が必要である。読者の側のそういう積極的な働きがあるから、同じ本を読んでも、それぞれに違った心の絵になるからである。文章を書くことが創造であると同じように、ものを読むのもまた、創造でなくてはならない。
(外山滋比古『読書の創造』)
注
- 警句
- 短い表現でものごとの真理を言い表したことば。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
それぞれのこじんの意見に耳をかたむける。
友達と動物園で大きなぞうを見た。
姉と顔がにていると言われた。
とくいな教科は体育と国語だ。
テストの時間がかぎられている。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「他から働きかけられるだけで、こちらからは積極的に出ない、消極的な態度やようす」を表すことばを三字で書きなさい。
彼はな性格である。
Practiceの答え
- 答え
個人
- 答え
象
- 答え
似
- 答え
得意
- 答え
限
- 答え
受け身
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「積極的な働き」と反対の意味のことばを文中から六字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
受け身の活動
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「写真のような読み方」の説明としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア あとあとまで形として残る読み方。
- イ 見る人(読む人)によって意見が違う読み方。
- ウ 読み方によってとらえ方が違う読み方。
- エ 同じ意見・感想が出てくる読み方。
Practiceの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
筆者の主張と合うものとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア 文章を書く時と同じように、読む時も自分のスタイルをもち、創造的でなければならない。
- イ 正しい読み方をするためには、筆者と同じ感じ方をするように心がけるべきである。
- ウ 文章を書く場合には、自分のスタイルを決めて、いつもその通りに行わなければならない。
- エ 本を読む時には、正確に内容を読み取ることを心がけ、ほかの人と同じ感想をもてるようにすべきだ。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
第一段落の中心文(段落の中でもっとも重要な文)はどれですか。文中から一文でさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
いったい読
24-2 説明文23
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
*語彙が多いとか少ないとかいうけれど、人間はどのくらいの言葉を使うものなのか。
例えば新聞や雑誌に使われている単語は、年間およそ三万語といわれています。しかし、その五〇〜六〇パーセントは、*年間の使用度数1です。つまり、半分の単語は新聞・雑誌で一年に二度とお目にかかることがない。
ちょっと古いけれど、昭和三〇年代の調査では、高校の上級生が三万語の語彙をもっていたという調査結果があります。今は大学生でも語彙は平均一万五〇〇〇か二万くらいに落ちているのではないかと思います。読書量がものすごく減っていますから。
生活していく上で間にあうという数でいえば、三〇〇〇語あれば間にあう。だいたいは生きていられる。これが、いわゆる基本語です。では、三〇〇〇語知っていればいいか。言語生活がよく営めるには、三〇〇〇では間にあわない。三万から五万の単語の約半分は、実のところは新聞でも一年に一度しか使われない。一生に一度しかお目にかからないかもしれない。しかし、その一年に一度、一生に一度しか出あわないような単語が、ここというときに適切に使えるかどうか。使えて初めて、良い言語生活が営めるのです。そこが大事です。語彙を七万も一〇万ももっていたって使用度数1、あるいは一生で一度も使わないかもしれない。だからいらないのではなくて、その一回のための単語を①蓄えていること。
例えば「味」についていえば、「味得する」という単語があります。これは確かに使用度数は少ない。今やもう、ほとんど使わなくなっているけれど、なにかの時に「それが味得できた」と使うことでピタッと決まることがある。「深い、かすかな味わいが分かった」では、文章の調子、文体としてだめなときがある。文章を書くには、一度使った単語や言い回しを二度繰り返さないという文章上の美意識がある。それに触れる。何か別の言い回しが必要になる。そのとき、その書き手がどれだけ語彙をもっているかが問題になる。類語辞典が役立つのはそういうときです。
なんでもかんでもむずかしい言葉をたくさん覚える必要があるといっているのではありません。そのときどきに、ピタッと合う、あるいは美しい表現ができるかどうか。それが問題です。それが言語の能力があるということです。歌人や小説家が辞書を読んで単語を覚えようとしたのは、そういうときに備えたいからです。 、読み手もその細かい心づかいにつきあうだけの感度をそなえていなくてはいい読者とはいえません。
(大野晋『日本語練習帳』)
注
- 語彙
- 個人が使う単語の集合のこと。
- 年間の使用度数1
- 年間の使用が1回であること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
健康診断のけんさ結果を受け取る。
きんとうに役割分担をする。
人口がげんしょうしている地域がある。
年中無休でえいぎょうしている店に行く。
季節にてきした服を着る。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「美意識」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 美意識を集めたら朝起きられるようになった。
- イ 私の友達は美意識が高い子が多い。
- ウ 暑い日は外に出るのが大変なので美意識に頼る。
- エ テレビがおもしろかったので美意識に見ていた。
Confirm Testの答え
- 答え
検査
- 答え
均等
- 答え
減少
- 答え
営業
- 答え
適
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「蓄えていること」を言いかえたものとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 蓄えている人は少なくありません。
- イ 蓄えていなくてはいけません。
- ウ 蓄えていなくても問題ありません。
- エ 蓄えているのはなぜでしょうか。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ しかし
- ウ 例えば
- エ あるいは
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
*語彙が多いとか少ないとかいうけれど、人間はどのくらいの言葉を使うものなのか。
例えば新聞や雑誌に使われている単語は、年間およそ三万語といわれています。 、その五〇〜六〇パーセントは、*年間の使用度数1です。つまり、半分の単語は新聞・雑誌で一年に二度とお目にかかることがない。
ちょっと古いけれど、昭和三〇年代の調Aさでは、高校の上級生が三万語の語彙をもっていたという調さ結果があります。今は大学生でも語彙は平Bきん一万五〇〇〇か二万くらいに落ちているのではないかと思います。読書量がものすごくCへっていますから。
生活していく上で間にあうという数でいえば、三〇〇〇語あれば間にあう。だいたいは生きていられる。これが、いわゆる基本語です。では、三〇〇〇語知っていればいいか。言語生活がよくDいとなめるには、三〇〇〇では間にあわない。三万から五万の単語の約半分は、実のところは新聞でも一年に一度しか使われない。一生に一度しかお目にかからないかもしれない。しかし、その一年に一度、一生に一度しか出あわないような単語が、ここというときにEてき切に使えるかどうか。使えて初めて、良い言語生活がいとなめるのです。そこが大事です。語彙を七万も一〇万ももっていたって使用度数1、あるいは一生で一度も使わないかもしれない。だからいらないのではなくて、その一回のための単語を蓄えていること。
例えば「味」についていえば、「味得する」という単語があります。これは確かに使用度数は少ない。今やもう、ほとんど使わなくなっているけれど、なにかの時に「それが味得できた」と使うことでピタッと決まることがある。「深い、かすかな味わいが分かった」では、文章の調子、文体としてだめなときがある。文章を書くには、一度使った単語や言い回しを二度繰り返さないという文章上の美意識がある。それに触れる。何か別の言い回しが必要になる。そのとき、その書き手がどれだけ語彙をもっているかが問題になる。類語辞典が役立つのはそういうときです。
なんでもかんでもむずかしい言葉をたくさん覚える必要があるといっているのではありません。そのときどきに、ピタッと合う、あるいは美しい表現ができるかどうか。それが問題です。それが言語の能力があるということです。歌人や小説家が辞書を読んで単語を覚えようとしたのは、そういうときに備えたいからです。だから、読み手もその①細かい心づかいにつきあうだけの感度をそなえていなくてはいい読者とはいえません。
(大野晋『日本語練習帳』)
注
- 語彙
- 個人が使う単語の集合のこと。
- 年間の使用度数1
- 年間の使用が1回であること。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「美意識」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 感動的な映画を見て、心が動かされること。
- イ 季節ごとに自分の気分が変わってしまうようす。
- ウ 周りの人からどのように見られているのかなと意識すること。
- エ 美しさを受け入れたり、創造したりするときの心のはたらき。
Lessonの答え
- 答え
A 査 B 均 C 減 D 営 E 適 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
*語彙が多いとか少ないとかいうけれど、人間はどのくらいの言葉を使うものなのか。
例えば新聞や雑誌に使われている単語は、年間およそ三万語といわれています。しかし、その五〇〜六〇パーセントは、*年間の使用度数1です。つまり、半分の単語は新聞・雑誌で一年に二度とお目にかかることがない。
ちょっと古いけれど、昭和三〇年代の調査では、高校の上級生が三万語の語彙をもっていたという調査結果があります。今は大学生でも語彙は平均一万五〇〇〇か二万くらいに落ちているのではないかと思います。読書量がものすごく減っていますから。
生活していく上で間にあうという数でいえば、三〇〇〇語あれば間にあう。だいたいは生きていられる。これが、いわゆる①基本語です。では、三〇〇〇語知っていればいいか。言語生活がよく営めるには、三〇〇〇では間にあわない。三万から五万の単語の約半分は、実のところは新聞でも一年に一度しか使われない。一生に一度しかお目にかからないかもしれない。しかし、その一年に一度、一生に一度しか出あわないような単語が、ここというときに適切に使えるかどうか。使えて初めて、良い言語生活が営めるのです。そこが大事です。語彙を七万も一〇万ももっていたって使用度数1、 一生で一度も使わないかもしれない。だからいらないのではなくて、その一回のための単語を蓄えていること。
例えば「味」についていえば、「味得する」という単語があります。これは確かに使用度数は少ない。今やもう、ほとんど使わなくなっているけれど、なにかの時に「それが味得できた」と使うことでピタッと決まることがある。「深い、かすかな味わいが分かった」では、文章の調子、文体としてだめなときがある。文章を書くには、一度使った単語や言い回しを二度繰り返さないという文章上の美意識がある。それに触れる。何か別の言い回しが必要になる。そのとき、その書き手がどれだけ語彙をもっているかが問題になる。類語辞典が役立つのはそういうときです。
なんでもかんでもむずかしい言葉をたくさん覚える必要があるといっているのではありません。そのときどきに、ピタッと合う、あるいは美しい表現ができるかどうか。それが問題です。それが言語の能力があるということです。歌人や小説家が辞書を読んで単語を覚えようとしたのは、そういうときに備えたいからです。だから、読み手もその細かい心づかいにつきあうだけの感度をそなえていなくてはいい読者とはいえません。
(大野晋『日本語練習帳』)
注
- 語彙
- 個人が使う単語の集合のこと。
- 年間の使用度数1
- 年間の使用が1回であること。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
原因を徹底的にちょうさする。
期末テストのへいきん点が発表される。
最近、運動量がへっている。
祖母は小さな商店をいとなんでいる。
その答えはてきせつではない。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「美に関する意識。美しさを受け入れたり、創造したりするときの心のはたらき。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
私はを持って生活するように心がけている。
Practiceの答え
- 答え
調査
- 答え
平均
- 答え
減って
- 答え
営ん
- 答え
適切
- 答え
びいしき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「細かい心づかい」について、「心づかい」を説明した次の文の a・bにあてはまることばを文中から書きぬきなさい。(完答)
その場面に a 、あるいは b 表現をしようとする意識。
Lessonの答え
- 答え
- a ピタッと合う(ピタッと決まる)
- b 美しい
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「基本語」とは、どのようなことばのことですか。次の文の にあてはまることばを文中のことばを使って十五字以内で書きなさい。
それだけ知っていれば、 ことば。
Practiceの答え
- 答え
生活していく上で間にあう数の(だいたいは生きていられる数の)
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア なぜなら
- イ しかし
- ウ 例えば
- エ あるいは
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア なぜなら
- イ しかし
- ウ 例えば
- エ あるいは
Practiceの答え
- 答え
エ
24-3 説明文24
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
どうも日本人は「*均斉」というあり方に対して、かなり否定的なのではないか。茶碗にしても均斉のとれた*シェイプといったものに価値をおかない。整然と並べられた食器棚、定規とコンパスに身をまかせたデザイン、そうした美への関心がうすい。反対に棚一つとっても、くい違うことをおもしろがるのが日本人らしい。
たしかに、そう思えるふしがある。
以前中国で清朝の大きな花瓶を買ったことがある。日本の陶器などでいう蕪形といおうか茄子形といおうか、彩色もみごとな数十センチのものであった。
*骨董屋で見つけて喜んで持ち帰ったのだが、友人の中国人に見せると「一つですか」と聞く。もちろん一つである。ところが彼はそのことが大層気になるらしい。当然こうしたものは二つ一対のはずで、その片割れとしか映らない。
そこで両国の違いを私は改めて確認した。演壇に飾る花も左右一対。日本のように片側だけでは彼らにはきわめて奇妙なのだ。家の入口にかける*聯も一対。
しかし日本人は、これをわざとらしいと思ってきた。自然はそうそう均斉がとれてはいないではないか。
だから庭園の作り方も日本人は自然をそのまままねてきた。平安時代の大臣はわが家の庭を海岸に見立てて作った。だからそこでは*漁師が藻塩を焼かなくてはならない。そこで毎日、*難波から海水を京都まで運ばせたという。これは権力者としての極端な話だが、それほどに徹底して、自然そのままを取り入れるものが日本の庭園だった。
ところが①西洋庭園は区画区画をきちんと分けて植物を植える。今日ならバラの区画とかチューリップの区画とかと。
それらによって*幾何学的に美しい庭園ができる。(中略)
こうして A 庭園は自然のままを再現する B の庭園と、大きく分かれるものとなったが、それほどに C 庭園は均斉とか整然さとかいうものを放棄している。
(中略)茶の*千利休についてよく語られる逸話がある。秀吉が満開の朝顔をめでて茶会を所望したところ、利休は当日、一輪を残して全部朝顔をつみとったという。これも、きれいに咲き揃っていることをあえて拒否する美学である。
*満目の花などというのは一時のもので、自然には一輪*楚々と咲くものなのであろう。
さて、このように完全であることのわざとらしさを排し、どこかに衰えや欠損、ゆがみや不均斉のあることこそが自然な命のあり方だと考えた日本人の認識は、いま生きているだろうか。
ただ画一的に、完全であればよいという安易な生活ぶりを、もう一度考え直してみたい。
(中西進『日本人の忘れもの3』)
注
- 均斉
- 全体のつりあいが取れていること。
- シェイプ
- 形。
- 骨董屋
- 美術品や古道具などの売買をする店。
- 聯
- 絵や書を書き、左右の柱などにかけて飾る細長い板。
- 漁師が藻塩を焼く
- 古代の日本では、海からとった海藻に何度も海水をかけて火で焼くことで塩を作っていた。
- 難波
- 大阪の地名。
- 幾何学的
- 直線と曲線によって構成された図形のような様子。
- 千利休
- 安土桃山時代の茶人。豊臣秀吉に仕えた。
- 満目
- 見わたすかぎり。
- 楚々
- 清らかで美しい様子。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
私は学校で発想力をひょうかされている。
いつも学校のきそくを守る。
き怒哀楽を表現するのが苦手だ。
テストの答えをたしかめてから提出する。
この問題はとてもやさしいです。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「美学」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 家の中にあるものを探して美学にした。
- イ わたしは自分のことを美学があると思っている。
- ウ 一日中美学を目指してそうじをしていた。
- エ 美学をしたくてみんなで勉強した。
Confirm Testの答え
- 答え
評価
- 答え
規則
- 答え
喜
- 答え
確かめて
- 答え
易しい
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「西洋庭園は区画区画をきちんと分けて植物を植える」とありますが、そうした西洋庭園はどのような庭園といえますか。文中から十字で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
幾何学的に美しい庭園
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
A〜Cには、「日本」または「西洋」が入ります。それぞれあてはまる言葉を書きなさい。(完答)
Confirm Testの答え
- 答え
- A 西洋
- B 日本
- C 日本
(完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
どうも日本人は「*均斉」というあり方に対して、かなり否定的なのではないか。茶碗にしても均斉のとれた*シェイプといったものにAか値をおかない。整然と並べられた食器棚、定Bぎとコンパスに身をまかせたデザイン、そうした美への関心がうすい。反対に棚一つとっても、くい違うことをおもしろがるのが日本人らしい。
たしかに、①そう思えるふしがある。
以前中国で清朝の大きな花瓶を買ったことがある。日本の陶器などでいう蕪形といおうか茄子形といおうか、彩色もみごとな数十センチのものであった。
*骨董屋で見つけてCよろこんで持ち帰ったのだが、②友人の中国人に見せると「一つですか」と聞く。もちろん一つである。ところが彼はそのことが大層気になるらしい。当然こうしたものは二つ一対のはずで、その片割れとしか映らない。
そこで両国の違いを私は改めてDかく認した。演壇に飾る花も左右一対。日本のように片側だけでは彼らにはきわめて奇妙なのだ。家の入口にかける*聯も一対。
しかし日本人は、これをわざとらしいと思ってきた。自然はそうそう均斉がとれてはいないではないか。
だから庭園の作り方も日本人は自然をそのまままねてきた。平安時代の大臣はわが家の庭を海岸に見立てて作った。だからそこでは*漁師が藻塩を焼かなくてはならない。そこで毎日、*難波から海水を京都まで運ばせたという。これは権力者としての極端な話だが、それほどに徹底して、自然そのままを取り入れるものが日本の庭園だった。
ところが西洋庭園は区画区画をきちんと分けて植物を植える。今日ならバラの区画とかチューリップの区画とかと。
それらによって*幾何学的に美しい庭園ができる。(中略)
こうして西洋庭園は自然のままを再現する日本の庭園と、大きく分かれるものとなったが、それほどに日本庭園は均斉とか整然さとかいうものを放棄している。
(中略)茶の*千利休についてよく語られる逸話がある。秀吉が満開の朝顔をめでて茶会を所望したところ、利休は当日、一輪を残して全部朝顔をつみとったという。これも、きれいに咲き揃っていることをあえて拒否する美学である。
*満目の花などというのは一時のもので、自然には一輪*楚々と咲くものなのであろう。
さて、このように完全であることのわざとらしさを排し、どこかに衰えや欠損、ゆがみや不均斉のあることこそが自然な命のあり方だと考えた日本人の認識は、いま生きているだろうか。
ただ画一的に、完全であればよいという安Eいな生活ぶりを、もう一度考え直してみたい。
(中西進『日本人の忘れもの3』)
注
- 均斉
- 全体のつりあいが取れていること。
- シェイプ
- 形。
- 骨董屋
- 美術品や古道具などの売買をする店。
- 聯
- 絵や書を書き、左右の柱などにかけて飾る細長い板。
- 漁師が藻塩を焼く
- 古代の日本では、海からとった海藻に何度も海水をかけて火で焼くことで塩を作っていた。
- 難波
- 大阪の地名。
- 幾何学的
- 直線と曲線によって構成された図形のような様子。
- 千利休
- 安土桃山時代の茶人。豊臣秀吉に仕えた。
- 満目
- 見わたすかぎり。
- 楚々
- 清らかで美しい様子。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「美学」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 好きなものを好きなだけ買うこと。
- イ 正直に思っていることを言うこと。
- ウ 自分に自信をもって生活すること。
- エ 美しさに関する独特の考え方や趣味のこと。
Lessonの答え
- 答え
A 価 B 規 C 喜 D 確 E 易 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
どうも日本人は「*均斉」というあり方に対して、かなり否定的なのではないか。茶碗にしても均斉のとれた*シェイプといったものに価値をおかない。整然と並べられた食器棚、定規とコンパスに身をまかせたデザイン、そうした美への関心がうすい。反対に棚一つとっても、くい違うことをおもしろがるのが日本人らしい。
たしかに、そう思えるふしがある。
以前中国で清朝の大きな花瓶を買ったことがある。日本の陶器などでいう蕪形といおうか茄子形といおうか、彩色もみごとな数十センチのものであった。
*骨董屋で見つけて喜んで持ち帰ったのだが、友人の中国人に見せると「一つですか」と聞く。もちろん一つである。ところが彼はそのことが大層気になるらしい。当然こうしたものは二つ一対のはずで、その片割れとしか映らない。
そこで両国の違いを私は改めて確認した。演壇に飾る花も左右一対。日本のように片側だけでは彼らにはきわめて奇妙なのだ。家の入口にかける*聯も一対。
しかし日本人は、①これをわざとらしいと思ってきた。自然はそうそう均斉がとれてはいないではないか。
だから庭園の作り方も日本人は自然をそのまままねてきた。平安時代の大臣はわが家の庭を海岸に見立てて作った。だからそこでは*漁師が藻塩を焼かなくてはならない。そこで毎日、*難波から海水を京都まで運ばせたという。これは権力者としての極端な話だが、それほどに徹底して、自然そのままを取り入れるものが日本の庭園だった。
ところが西洋庭園は区画区画をきちんと分けて植物を植える。今日ならバラの区画とかチューリップの区画とかと。
それらによって*幾何学的に美しい庭園ができる。(中略)
こうして西洋庭園は自然のままを再現する日本の庭園と、大きく分かれるものとなったが、それほどに日本庭園は均斉とか整然さとかいうものを放棄している。
(中略)茶の*千利休についてよく語られる逸話がある。秀吉が満開の朝顔をめでて茶会を所望したところ、利休は当日、一輪を残して全部朝顔をつみとったという。これも、きれいに咲き揃っていることをあえて拒否する美学である。
*満目の花などというのは一時のもので、自然には一輪*楚々と咲くものなのであろう。
さて、このように完全であることのわざとらしさを排し、どこかに衰えや欠損、ゆがみや不均斉のあることこそが自然な命のあり方だと考えた日本人の認識は、いま生きているだろうか。
ただ画一的に、完全であればよいという安易な生活ぶりを、もう一度考え直してみたい。
(中西進『日本人の忘れもの3』)
注
| 均斉 | 全体のつりあいが取れていること。 |
| シェイプ | 形。 |
| 骨董屋 | 美術品や古道具などの売買をする店。 |
| 聯 | 絵や書を書き、左右の柱などにかけて飾る細長い板。 |
| 漁師が藻塩を焼く | 古代の日本では、海からとった海藻に何度も海水をかけて火で焼くことで塩を作っていた。 |
| 難波 | 大阪の地名。 |
| 幾何学的 | 直線と曲線によって構成された図形のような様子。 |
| 千利休 | 安土桃山時代の茶人。豊臣秀吉に仕えた。 |
| 満目 | 見わたすかぎり。 |
| 楚々 | 清らかで美しい様子。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
新発売された商品のかかくを調べる。
じょうぎを使って線を書く。
友達の成功を心からよろこんだ。
かくじつに宿題が終わる計画を立てる。
あんいな考え方では成功しない。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「美しさに関する独特の考え方や趣味のこと」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
わたしは弟よりがある。
Practiceの答え
- 答え
価格
- 答え
定規
- 答え
喜んだ
- 答え
確実
- 答え
安易
- 答え
美学
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そう思える」とありますが、「そう」の指している内容を、「均斉」ということばを使って三十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
日本人は「均斉」というあり方に対して、かなり否定的である。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「これ」が指す内容を、「花」ということばを使って十五字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
花などを左右一対で飾ること。
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「友人の中国人に見せると『一つですか』と聞く」とありますが、このようなことをたずねた友人の気持ちとしてもっとも適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
- ア みごとな花瓶なので、同じものを自分も手に入れたい。
- イ 清朝の花瓶ならこれと同じものが複数あるはずだ。
- ウ 花瓶が対になっていないのは、不完全だ。
- エ 一つの花瓶に何の花を飾ればいいのだろうか。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章から読み取れる筆者の主張としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 均斉のとれた西洋の美に自然を生かした日本の美を重ねることで、新しい美を生み出していくことができる。
- イ 自然のままのゆがみやくい違いを美に変えることができる日本人の美意識を、西洋に広く伝えていくべきである。
- ウ 均斉のとれたわざとらしい美でなく、自然のままの姿に美を見いだした日本人の美意識を、もう一度見直すべきだ。
- エ 人間によって生み出された均斉のとれた西洋の美も、自然を生かした日本の美も、それぞれによさがある。
Practiceの答え
- 答え
ウ
25章 物語文
物語文の読み方
25-1 物語文19
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ハルの祖母キワは畑に一人でいたところを竜巻に襲われたが、物置の屋根が畑にかぶさり、無事だった。ハルに救助されたところに、ハルの両親の稔と久美も戻ってきた。
ピンポンパンポーン。場ちがいなほどのんびりした音を響かせて、有線放送が始まった。
『本日、午後四時三十六分、竜巻が当地区を通り過ぎました。被害の状況はまだ確認できていませんが、死傷者はなかった模様です。くり返します。本日、午後四時三十六分……』
「ふん、死傷者はおるわな。うちの腰が抜けとる。いいかげんなことゆうてから」
稔の背でキワの毒舌が戻ってきた。これなら大丈夫そうだ。
キワを居間のソファに下ろすと、すぐに稔は役場にとんぼ返りしていった。マスコミ対応課長から今度は災害対策課に回されるかもしれない。
「まあ、あんた。キャベツについた虫を取っとったら、急に目の前が真っ暗に陰って、『あれ、また*メヌエルでも出たんかいな』思うて目をこすったとたん、パラパラパラって音をたててヒョウが降ってきて、あれよあれよゆう間に、ドーン!よ」
興奮状態にある①キワのおしゃべりが止まらない。
「話聞いただけで手がふるえるわ」
お茶を淹れる久美の手元が狂って、テーブルをぬらした。道の駅は竜巻のルートからはずれていたのだ。
「もしあの屋根に直撃されてたら、今ごろおばあちゃんの葬式の準備してたかもしれんよ。よううまいことスポンとかぶさってくれたもんやわ。無傷なんが信じられん」
「まんまん中よ。まんまん中にばあちゃん、ちょこんと座りこんでたんよ」
ハルも言葉を補足する。
「奇跡やね」
ねぎらうように久美は、ハルの前にも湯気の立つ湯のみを置いた。
「奇跡なんかじゃないぞ。じいちゃんや」
力の戻った声で、キワがきっぱりと言った。
「え?」
思わず見つめる二人に、
「じいちゃんが守ってくれたんや。愛の力や」
と柄にもなくロマンチックな言葉を口にして、キワは涙ぐんだ。きっと緊張がゆるんだのだろう。
「ハル、仏さんのとこまで連れてっておくれ。じいちゃんに礼言わんと」
ソファから半身を起こし、ハルに向かってひらひらと手を振った。
仏壇の前に座椅子を置いてなんとか体勢を整えてあげると、キワは、
「なんみょうほうれんげきょー、なんみょうほうれんげきょー。じいちゃん、ありがとう、ありがとう。あとから行くとはゆうたけど、まだもうちょっとうちはこっちに未練があるんよ。ハルの花嫁姿を見るまでは、どうぞよろしゅうに頼みます」
体を二つ折りにして、いつまでも拝んでいた。
そうかもしれない、とハルは思った。あのじいちゃんなら、死んでからでもばあちゃんや、うちら家族を守ってくれているかも。そのくらい家族思いの人だった。
(八束澄子『おたまじゃくしの降る町で』)
注
- メヌエル
- 目まいや耳鳴りのする症状。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
けがをした野良犬をすくった。
どくガスが発生して避難した。
大きなわざわいが起こる。
心理学にきょうみを持つ。
災害時にそなえて非常食を用意する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「とんぼ返り」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 会議が終わったら一日でとんぼ返りする
- イ 雨の日はとんぼ返りが楽しい。
- ウ 暑い日はとんぼ返りをするのが唯一の楽しみだ。
- エ 文章を考えるにはとんぼ返りが一番いい。
Confirm Testの答え
- 答え
救った
- 答え
毒
- 答え
災い
- 答え
興味
- 答え
備えて
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「キワのおしゃべり」とありますが、このときのキワの話し方としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ゆったりと落ち着いた話し方。
- イ 早口で続けざまにことばをつぐ話し方。
- ウ ふるえる声でおびえるような話し方。
- エ 聞く人の興味を引くようなおもしろげな話し方。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ハルの祖母キワは畑に一人でいたところを竜巻に襲われたが、物置の屋根が畑にかぶさり、無事だった。ハルにAきゅう助されたところに、ハルの両親の稔と久美も戻ってきた。
ピンポンパンポーン。場ちがいなほどのんびりした音を響かせて、有線放送が始まった。
『本日、午後四時三十六分、竜巻が当地区を通り過ぎました。被害の状況はまだ確認できていませんが、死傷者はなかった模様です。くり返します。本日、午後四時三十六分……』
「ふん、死傷者はおるわな。うちの腰が抜けとる。いいかげんなことゆうてから」
稔の背でキワのBどく舌が戻ってきた。これなら大丈夫そうだ。
キワを居間のソファに下ろすと、すぐに稔は役場にとんぼ返りしていった。マスコミ対応課長から今度はCさい害対策課に回されるかもしれない。
「まあ、あんた。キャベツについた虫を取っとったら、急に目の前が真っ暗に陰って、『あれ、また*メヌエルでも出たんかいな』思うて目をこすったとたん、パラパラパラって音をたててヒョウが降ってきて、あれよあれよゆう間に、ドーン!よ」
Dこう奮状態にあるキワのおしゃべりが止まらない。
「話聞いただけで手がふるえるわ」
お茶を淹れる久美の手元が狂って、テーブルをぬらした。道の駅は竜巻のルートからはずれていたのだ。
「もしあの屋根に直撃されてたら、今ごろおばあちゃんの葬式のEじゅんびしてたかもしれんよ。よううまいことスポンとかぶさってくれたもんやわ。無傷なんが信じられん」
「まんまん中よ。まんまん中にばあちゃん、ちょこんと座りこんでたんよ」
ハルも言葉を補足する。
「奇跡やね」
①ねぎらうように久美は、ハルの前にも湯気の立つ湯のみを置いた。
「奇跡なんかじゃないぞ。じいちゃんや」
力の戻った声で、キワがきっぱりと言った。
「え?」
思わず見つめる二人に、
「じいちゃんが守ってくれたんや。愛の力や」
と柄にもなくロマンチックな言葉を口にして、キワは涙ぐんだ。きっと緊張がゆるんだのだろう。
「ハル、仏さんのとこまで連れてっておくれ。じいちゃんに礼言わんと」
ソファから半身を起こし、ハルに向かってひらひらと手を振った。
仏壇の前に座椅子を置いてなんとか体勢を整えてあげると、キワは、
「なんみょうほうれんげきょー、なんみょうほうれんげきょー。じいちゃん、ありがとう、ありがとう。あとから行くとはゆうたけど、まだもうちょっとうちはこっちに未練があるんよ。ハルの花嫁姿を見るまでは、どうぞよろしゅうに頼みます」
体を二つ折りにして、いつまでも拝んでいた。
そうかもしれない、とハルは思った。あのじいちゃんなら、死んでからでもばあちゃんや、うちら家族を守ってくれているかも。そのくらい家族思いの人だった。
(八束澄子『おたまじゃくしの降る町で』)
注
| メヌエル | 目まいや耳鳴りのする症状。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「とんぼ返り」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 夏の暑い日に外に出かけること。
- イ ある場所に行って用を済ませ、すぐに戻ってくること。
- ウ 走りまわって落ち着きがないこと。
- エ 家に帰るときに寄り道して帰ること。
Lessonの答え
- 答え
A 救 B 毒 C 災 D 興 E 準備 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
ハルの祖母キワは畑に一人でいたところを竜巻に襲われたが、物置の屋根が畑にかぶさり、無事だった。ハルに救助されたところに、ハルの両親の稔と久美も戻ってきた。
ピンポンパンポーン。場ちがいなほどのんびりした音を響かせて、有線放送が始まった。
『本日、午後四時三十六分、竜巻が当地区を通り過ぎました。被害の状況はまだ確認できていませんが、死傷者はなかった模様です。くり返します。本日、午後四時三十六分……』
「ふん、死傷者はおるわな。うちの腰が抜けとる。いいかげんなことゆうてから」
稔の背でキワの毒舌が戻ってきた。これなら大丈夫そうだ。
キワを居間のソファに下ろすと、すぐに稔は役場にとんぼ返りしていった。マスコミ対応課長から今度は災害対策課に回されるかもしれない。
「まあ、あんた。キャベツについた虫を取っとったら、急に目の前が真っ暗に陰って、『あれ、また*メヌエルでも出たんかいな』思うて目をこすったとたん、パラパラパラって音をたててヒョウが降ってきて、あれよあれよゆう間に、ドーン!よ」
興奮状態にあるキワのおしゃべりが止まらない。
「①話聞いただけで手がふるえるわ」
お茶を淹れる久美の手元が狂って、テーブルをぬらした。道の駅は竜巻のルートからはずれていたのだ。
「もしあの屋根に直撃されてたら、今ごろおばあちゃんの葬式の準備してたかもしれんよ。よううまいことスポンとかぶさってくれたもんやわ。無傷なんが信じられん」
「まんまん中よ。まんまん中にばあちゃん、ちょこんと座りこんでたんよ」
ハルも言葉を補足する。
「奇跡やね」
ねぎらうように久美は、ハルの前にも湯気の立つ湯のみを置いた。
「奇跡なんかじゃないぞ。じいちゃんや」
力の戻った声で、キワがきっぱりと言った。
「え?」
思わず見つめる二人に、
「じいちゃんが守ってくれたんや。愛の力や」
と柄にもなくロマンチックな言葉を口にして、キワは涙ぐんだ。きっと緊張がゆるんだのだろう。
「ハル、仏さんのとこまで連れてっておくれ。じいちゃんに礼言わんと」
ソファから半身を起こし、ハルに向かってひらひらと手を振った。
仏壇の前に座椅子を置いてなんとか体勢を整えてあげると、キワは、
「なんみょうほうれんげきょー、なんみょうほうれんげきょー。じいちゃん、ありがとう、ありがとう。あとから行くとはゆうたけど、まだもうちょっとうちはこっちに未練があるんよ。ハルの花嫁姿を見るまでは、どうぞよろしゅうに頼みます」
体を二つ折りにして、いつまでも拝んでいた。
そうかもしれない、とハルは思った。あのじいちゃんなら、死んでからでもばあちゃんや、うちら家族を守ってくれているかも。そのくらい家族思いの人だった。
(八束澄子『おたまじゃくしの降る町で』)
注
| メヌエル | 目まいや耳鳴りのする症状。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
火事から人々をきゅうしゅつする。
どくのある植物を見つけた。
大雨でさいがいが発生した。
その映画はとてもきょうみ深い。
新学期に向けてじゅんびを進める。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ある場所に行って用を済ませ、すぐに戻ってくること」を表すことばを五字で書きなさい。
出張からで帰ってきた。
Practiceの答え
- 答え
救出
- 答え
毒
- 答え
災害
- 答え
興味
- 答え
準備
- 答え
とんぼ返り
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ねぎらうように」には、久美のどんな気持ちが表れていますか。次の文の にあてはまることばを十字以内で書きなさい。
ばあちゃんを助け出したハルに 気持ち。
Lessonの答え
- 答え
かんしゃする
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「話聞いただけで手がふるえるわ」とありますが、ここから読み取れる久美の気持ちを三十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
命の危険があった竜巻を、改めておそろしいと感じる気持ち。
25-2 物語文20
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
自分に自信の持てない「私(みちる)」は、百キロメートルを歩く大会に出場することになった。くじけそうになりながらも何とか五十キロメートル地点に到着したが、ここでリタイヤ(=途中でやめること)するか悩む。
戦争なんていっさい体験したことがなかったけれど、なんとなく、戦時中の病院みたいだ、と思う。みんな疲れきって、げっそりした顔をしている。うつむく顔は一様に暗い。私もはたから見たら、そのうちの一人なんだろうな、と思ったら、なんだか笑えた。
持ってきた上着を着ていても、じっとしていると寒くなってきたので、がちがちの足を引きずるようにコンビニに入り、おでんを買った。大根と、たまご。もうみんな売り切れたかと思ったけれど、まだ残っていた。
今まで、おでんと言えばいつもコンビニかスーパーのものだったけど、一度だけ、*けんちゃんと手作りしたことがある。ママは仕事が忙しいこともあって、あまり料理に凝らない人だった。手の込んだ煮込み料理なんて、これを煮込み料理と言っても差し支えなければの話だけど、ほんとにカレーくらいしか作らなかったし、ほかはすべて出来合いのおかずか炒めものかパンかといった食生活だった。だから、けんちゃんが突然家に来て、みちるちゃんおでん作ろう! と高らかに宣言したときはわくわくした。まずおでんを家で手作りできることに驚いたくらいだ。
あれは確か冬休みだった。ママが仕事で出かけていなければ、けんちゃんだってそんなことしなかっただろうから。けんちゃんと二人、スーパーでありとあらゆる食材を買い込んで、ほぼ使われた形跡のない、いちばん大きな鍋を引っ張り出してぐつぐつ煮込んだ。
仕事から帰ってきたママは、台所の惨状に驚き、まずけんちゃんを怒ったけれど、おでんに対してはおいしいと言ってくれた。*智もばくばくとよく食べた。私とけんちゃんはおでんが成功したことに喜び、ハイタッチをしたっけ。
こんなことばっかり思い出して、①私まるでマッチ売りの少女だな、と思ったら、少し笑えた。楽しかった思い出からつらい日の思い出まで、次々と頭に浮かんでは消えていく。
このまま死んじゃうわけじゃあるまいし。ただ歩いてるだけだっていうのに。
「ただ歩いてるだけ……」
自分で思ったことなのに、はっとした。
そっか、私、ただ歩いてるだけなんだ。別にエベレストを登ってるわけでも、フルマラソンをしてるわけでも、トライアスロンをしてるわけでも、海で溺れそうになっているわけでもなんでもない。ただ歩いてるだけ。だれにだってできることをしているだけ。
私はゆっくりと、時間をかけて立ち上がった。なんどかのろのろと屈伸をしたあと、おでんの空の容器をゴミ箱に捨てる。リュックを拾う。チョコを一気に二つ食べた。
足の裏は刺すように痛い。骨にまでずきずきと痛みが来ている。踏み出そうとしても冷えて固まった太ももはなかなか言うことを聞いてくれない。それでも、一歩ずつ踏み出す。
ただ歩いてるだけなんだ。
そう、これはマラソン大会じゃない。体力も持久力も、心肺機能の善し悪しだって関係ない。
だったら、もう少しがんばってみようかな。
せめて、タイムアップになって、自動的にバスに回収されてしまうまでは。
(片川優子『100㎞!』)
注
- けんちゃん
- 「私」の叔父。
- 智
- 「私」の弟。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
チームをささえるために頑張る。
深呼吸をすると緊ちょうがほぐれる。
演劇には悲劇のほかにき劇がある。
説明書のないようをよく読む。
ひさしぶりにいとこに会う。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「善し悪し」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼女はまだ一歳だが物の善し悪しがわかっている。
- イ 善し悪しをつけたいなと思い立候補する。
- ウ もう少し善し悪しをつけて歩きたい。
- エ 明日はみんなで善し悪しする。
Confirm Testの答え
- 答え
支える
- 答え
張
- 答え
喜
- 答え
内容
- 答え
久しぶり
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私まるでマッチ売りの少女だな」とありますが、どんなことから自分をこのように感じたのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 寒い中を無理やり歩かされて、つらい思いをしていること。
- イ 寒さや疲れの中で様々なことを思い出していること。
- ウ おなかがすいて、食べ物のまぼろしを見ていること。
- エ 冬の野外で、もうすぐ死ぬかもしれないと感じていること。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
自分に自信の持てない「私(みちる)」は、百キロメートルを歩く大会に出場することになった。くじけそうになりながらも何とか五十キロメートル地点に到着したが、ここでリタイヤ(=途中でやめること)するか悩む。
戦争なんていっさい体験したことがなかったけれど、なんとなく、戦時中の病院みたいだ、と思う。みんな疲れきって、げっそりした顔をしている。うつむく顔は一様に暗い。私もはたから見たら、そのうちの一人なんだろうな、と思ったら、なんだか笑えた。
持ってきた上着を着ていても、じっとしていると寒くなってきたので、がちがちの足を引きずるようにコンビニに入り、おでんを買った。大根と、たまご。もうみんな売り切れたかと思ったけれど、まだ残っていた。
今まで、おでんと言えばいつもコンビニかスーパーのものだったけど、一度だけ、*けんちゃんと手作りしたことがある。ママは仕事が忙しいこともあって、あまり料理に凝らない人だった。手の込んだ煮込み料理なんて、これを煮込み料理と言っても差しAつかえなければの話だけど、ほんとにカレーくらいしか作らなかったし、ほかはすべて出来合いのおかずか炒めものかパンかといった食生活だった。だから、けんちゃんが突然家に来て、みちるちゃんおでん作ろう! と高らかに宣言したときはわくわくした。まずおでんを家で手作りできることに驚いたくらいだ。
あれは確か冬休みだった。ママが仕事で出かけていなければ、けんちゃんだってそんなことしなかっただろうから。けんちゃんと二人、スーパーでありとあらゆる食材を買い込んで、ほぼ使われた形跡のない、いちばん大きな鍋を引っBぱり出してぐつぐつ煮込んだ。
仕事から帰ってきたママは、①台所の惨状に驚き、まずけんちゃんを怒ったけれど、おでんに対してはおいしいと言ってくれた。*智もばくばくとよく食べた。私とけんちゃんはおでんが成功したことにCよろこび、ハイタッチをしたっけ。
こんなことばっかり思い出して、私まるでマッチ売りの少女だな、と思ったら、少し笑えた。楽しかった思い出からつらい日の思い出まで、次々と頭に浮かんでは消えていく。
このまま死んじゃうわけじゃあるまいし。ただ歩いてるだけだっていうのに。
「ただ歩いてるだけ……」
自分で思ったことなのに、はっとした。
そっか、私、ただ歩いてるだけなんだ。別にエベレストを登ってるわけでも、フルマラソンをしてるわけでも、トライアスロンをしてるわけでも、海で溺れそうになっているわけでもなんでもない。ただ歩いてるだけ。だれにだってできることをしているだけ。
私はゆっくりと、時間をかけて立ち上がった。なんどかのろのろと屈伸をしたあと、おでんの空のDよう器をゴミ箱に捨てる。リュックを拾う。チョコを一気に二つ食べた。
足の裏は刺すように痛い。骨にまでずきずきと痛みが来ている。踏み出そうとしても冷えて固まった太ももはなかなか言うことを聞いてくれない。それでも、一歩ずつ踏み出す。
ただ歩いてるだけなんだ。
そう、これはマラソン大会じゃない。体力も持Eきゅう力も、心肺機能の善し悪しだって関係ない。
だったら、もう少しがんばってみようかな。
せめて、タイムアップになって、自動的にバスに回収されてしまうまでは。
(片川優子『100㎞!』)
注
- けんちゃん
- 「私」の叔父。
- 智
- 「私」の弟。
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「善し悪し」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 楽しいか、楽しくないか。
- イ 前に進むべきか、進まないで立ち止まるか。
- ウ よいか悪いか。善悪。
- エ 好きかきらいか。
Lessonの答え
- 答え
A 支 B 張 C 喜 D 容 E 久 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
自分に自信の持てない「私(みちる)」は、百キロメートルを歩く大会に出場することになった。くじけそうになりながらも何とか五十キロメートル地点に到着したが、ここでリタイヤ(=途中でやめること)するか悩む。
戦争なんていっさい体験したことがなかったけれど、なんとなく、戦時中の病院みたいだ、と思う。みんな疲れきって、げっそりした顔をしている。うつむく顔は一様に暗い。私もはたから見たら、①そのうちの一人なんだろうな、と思ったら、なんだか笑えた。
持ってきた上着を着ていても、じっとしていると寒くなってきたので、がちがちの足を引きずるようにコンビニに入り、おでんを買った。大根と、たまご。もうみんな売り切れたかと思ったけれど、まだ残っていた。
今まで、おでんと言えばいつもコンビニかスーパーのものだったけど、一度だけ、*けんちゃんと手作りしたことがある。ママは仕事が忙しいこともあって、あまり料理に凝らない人だった。手の込んだ煮込み料理なんて、これを煮込み料理と言っても差し支えなければの話だけど、ほんとにカレーくらいしか作らなかったし、ほかはすべて出来合いのおかずか炒めものかパンかといった食生活だった。だから、けんちゃんが突然家に来て、みちるちゃんおでん作ろう! と高らかに宣言したときはわくわくした。まずおでんを家で手作りできることに驚いたくらいだ。
あれは確か冬休みだった。ママが仕事で出かけていなければ、けんちゃんだってそんなことしなかっただろうから。けんちゃんと二人、スーパーでありとあらゆる食材を買い込んで、ほぼ使われた形跡のない、いちばん大きな鍋を引っ張り出してぐつぐつ煮込んだ。
仕事から帰ってきたママは、台所の惨状に驚き、まずけんちゃんを怒ったけれど、おでんに対してはおいしいと言ってくれた。*智もばくばくとよく食べた。私とけんちゃんはおでんが成功したことに喜び、ハイタッチをしたっけ。
こんなことばっかり思い出して、私まるでマッチ売りの少女だな、と思ったら、少し笑えた。楽しかった思い出からつらい日の思い出まで、次々と頭に浮かんでは消えていく。
このまま死んじゃうわけじゃあるまいし。ただ歩いてるだけだっていうのに。
「ただ歩いてるだけ……」
自分で思ったことなのに、はっとした。
そっか、私、ただ歩いてるだけなんだ。別にエベレストを登ってるわけでも、フルマラソンをしてるわけでも、トライアスロンをしてるわけでも、海で溺れそうになっているわけでもなんでもない。ただ歩いてるだけ。だれにだってできることをしているだけ。
私はゆっくりと、時間をかけて立ち上がった。なんどかのろのろと屈伸をしたあと、おでんの空の容器をゴミ箱に捨てる。リュックを拾う。チョコを一気に二つ食べた。
足の裏は刺すように痛い。骨にまでずきずきと痛みが来ている。踏み出そうとしても冷えて固まった太ももはなかなか言うことを聞いてくれない。それでも、一歩ずつ踏み出す。
ただ歩いてるだけなんだ。
そう、これはマラソン大会じゃない。体力も持久力も、心肺機能の善し悪しだって関係ない。
だったら、もう少しがんばってみようかな。
せめて、タイムアップになって、自動的にバスに回収されてしまうまでは。
(片川優子『100㎞!』)
注
- けんちゃん
- 「私」の叔父。
- 智
- 「私」の弟。
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
夜ふかしは健康にさしつかえることがある。
犬が散歩中にリードをひっぱる。
プレゼントをもらってよろこぶ。
ガラスのようきに保存する。
マラソンには高いじきゅうりょくが必要だ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「よいか悪いか。善悪」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
物事のを見分ける。
Practiceの答え
- 答え
支
- 答え
張
- 答え
喜ぶ
- 答え
容器
- 答え
持久力
- 答え
よしあし
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「台所の惨状」とありますが、これはどんなことを表していますか。簡単に書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
〈おでんを作るために、〉台所が非常に散らかってしまったこと。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そのうちの一人」とは、どんな人のうちの一人ですか。二十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
歩き疲れてげっそりした顔の参加者たち。
25-3 物語文21
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
高校一年生の「私」は、短歌を作る「うた部」に入部することにした。
「せっかく一年生が入ったので、もう一度、短歌を作る上で大事なことを、確認しておきたい。特に、古畑清ら」
「なんでやねーん」
あごひじついて、清らさんがぼやく。
「まずこれ」
言って先生は、マーカーで、ホワイトボードへ書く。
『人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける』
「これは紀貫之の、古今和歌集仮名序からの抜粋だが、清ら、どういう意味だ?」
「えーっと、人の心の、なんかずーっと奥に、種? 根源? 根幹? なんかそんなのがあって、それが言葉になるってこと」
「おまえが言うと噓っぽいけど、まあ、合ってる。ただし、心といっても、ただ、じーっと、ぼーっと空を見ていてもダメだから。歌に詠む素材は、自分から求めていかなければならない。そして歌は、雑談や世間話に、語呂合わせしたものでもないからな。日々の生活の中で感じる、喜怒哀楽の、その瞬間、そのままを切り取る。そこに言葉の命がある。その命に、どれだけ葉を繁らせどういう花を咲かせるか、それはみんなが種である心をどう育てるかにかかってくる。何か質問はあるかな」
どう見ても、これは私への特別授業のようなもの。きちんと話を受けとめなきゃ。
「先生」
「おっ、なんだ白石」
「今、その瞬間、そのままを切り取るって言いましたけど。あとで直すのはいいのですか。この前、清らさんの歌を、いと先輩が直したりしてましたけど」
「いい」
先生はあっさり答えた。
「理由はふたつある。ひとつは、日常の生活の中で、心が揺れた瞬間を切り取るといっても、誰かに届かないと意味がない。届くってことは、共鳴、共感しあうってことだな。そこで初めて歌として成立する。でなきゃ、独り言だ。そのためにも、どうすれば、一番伝えたいことを一番効果的に伝えられるかを考える」
①先生は、65→80とホワイトボードに書く。
「前回六十五点だった英語のテストが、八十点になった。そんなとき何を一番に伝えたいか。八十点を取ったことか? 違うよな。十五点アップしたこと? もちろん事実はそうなんだけど、自分が頑張ったってことだろ、一番伝えたいのは。親にテスト見せて、へえ、頑張ったねって言ってもらって、初めて思いを共有できる」
「もうひとつの理由というのはなんですか?」
いと先輩が聞く。
「それはせっかく、こういう場があるのだから、みんなで活かそうよって話。詠み合うだけじゃつまんない。これから先、就活なんかで、自分の、何をどうアピールすれば、相手の心を揺さぶることができるか。役立つと思うよ」
そして先生は私をまっすぐに見て言った。
「短歌には心の瞬発力と柔軟性、そのどちらも必要だからな」
ハイと答えるべきなのだろうけど、つまってしまった。そのどちらも自分には欠けている気がしたから。
「わかるかな?」
私は喉の奥に力をこめ、先生の言葉を呑み込んだ。
(村上しいこ『うたうとは小さないのちひろいあげ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ペンがなかったので鉛筆をかりに使う。
大きな木のみきに登るのが好きだ。
理科の授業で習ったげんそ記号を覚える。
先生は生徒に知識をさずける。
どくじの考えをしっかり持つことが大切だ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「瞬発力」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア テレビで活躍しているサッカー選手は瞬発力がすごい。
- イ 瞬発力を目指して努力する。
- ウ ドーナツが食べたいから瞬発力を働かせる。
- エ パンダを見に行くために瞬発力に頼る。
Confirm Testの答え
- 答え
仮
- 答え
幹
- 答え
元素
- 答え
授ける
- 答え
独自
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「先生は、65→80とホワイトボードに書く」とありますが、ここで先生が言おうとしているのはどんなことですか。次の文のにあてはまることばを文中から八字で書きぬきなさい。
歌として成立するためには、思いをことが大切であること。
Confirm Testの答え
- 答え
共鳴、共感しあう
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
高校一年生の「私」は、短歌を作る「うた部」に入部することにした。
「せっかく一年生が入ったので、もう一度、短歌を作る上で大事なことを、確認しておきたい。特に、古畑清ら」
「なんでやねーん」
あごひじついて、清らさんがぼやく。
①「まずこれ」
言って先生は、マーカーで、ホワイトボードへ書く。
『人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける』
「これは紀貫之の、古今和歌集Aか名序からの抜粋だが、清ら、どういう意味だ?」
「えーっと、人の心の、なんかずーっと奥に、種? 根源? 根Bかん? なんかそんなのがあって、それが言葉になるってこと」
「おまえが言うと噓っぽいけど、まあ、合ってる。ただし、心といっても、ただ、じーっと、ぼーっと空を見ていてもダメだから。歌に詠むCそ材は、自分から求めていかなければならない。そして歌は、雑談や世間話に、語呂合わせしたものでもないからな。日々の生活の中で感じる、喜怒哀楽の、その瞬間、そのままを切り取る。そこに言葉の命がある。その命に、どれだけ葉を繁らせどういう花を咲かせるか、それはみんなが種である心をどう育てるかにかかってくる。何か質問はあるかな」
どう見ても、これは私への特別Dじゅ業のようなもの。きちんと話を受けとめなきゃ。
「先生」
「おっ、なんだ白石」
「今、その瞬間、そのままを切り取るって言いましたけど。あとで直すのはいいのですか。この前、清らさんの歌を、いと先輩が直したりしてましたけど」
「いい」
先生はあっさり答えた。
「理由はふたつある。ひとつは、日常の生活の中で、心が揺れた瞬間を切り取るといっても、誰かに届かないと意味がない。届くってことは、共鳴、共感しあうってことだな。そこで初めて歌として成立する。でなきゃ、Eひとり言だ。そのためにも、どうすれば、一番伝えたいことを一番効果的に伝えられるかを考える」
先生は、65→80とホワイトボードに書く。
「前回六十五点だった英語のテストが、八十点になった。そんなとき何を一番に伝えたいか。八十点を取ったことか? 違うよな。十五点アップしたこと? もちろん事実はそうなんだけど、自分が頑張ったってことだろ、一番伝えたいのは。親にテスト見せて、へえ、頑張ったねって言ってもらって、初めて思いを共有できる」
「もうひとつの理由というのはなんですか?」
いと先輩が聞く。
「それはせっかく、こういう場があるのだから、みんなで活かそうよって話。詠み合うだけじゃつまんない。これから先、就活なんかで、自分の、何をどうアピールすれば、相手の心を揺さぶることができるか。役立つと思うよ」
そして先生は私をまっすぐに見て言った。
「短歌には心の瞬発力と柔軟性、そのどちらも必要だからな」
ハイと答えるべきなのだろうけど、つまってしまった。そのどちらも自分には欠けている気がしたから。
「わかるかな?」
私は喉の奥に力をこめ、先生の言葉を呑み込んだ。
(村上しいこ『うたうとは小さないのちひろいあげ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「瞬発力」の意味としてもっとも適するものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 友達と遊ぶときに時間を合わせられる能力。
- イ 何かあったときに素早く隠れられる能力。
- ウ 明日の天気が何か予測できる能力。
- エ 判断が速く、即座に行動できる能力。
Lessonの答え
- 答え
A 仮 B 幹 C 素 D 授 E 独 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
高校一年生の「私」は、短歌を作る「うた部」に入部することにした。
「せっかく一年生が入ったので、もう一度、短歌を作る上で大事なことを、確認しておきたい。特に、古畑清ら」
「なんでやねーん」
あごひじついて、清らさんがぼやく。
「まずこれ」
言って先生は、マーカーで、ホワイトボードへ書く。
『人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける』
「これは紀貫之の、古今和歌集仮名序からの抜粋だが、清ら、どういう意味だ?」
「えーっと、人の心の、なんかずーっと奥に、種? 根源? 根幹? なんかそんなのがあって、それが言葉になるってこと」
「おまえが言うと噓っぽいけど、まあ、合ってる。ただし、心といっても、ただ、じーっと、ぼーっと空を見ていてもダメだから。歌に詠む素材は、自分から求めていかなければならない。そして歌は、雑談や世間話に、語呂合わせしたものでもないからな。日々の生活の中で感じる、喜怒哀楽の、その瞬間、そのままを切り取る。そこに言葉の命がある。その命に、どれだけ葉を繁らせどういう花を咲かせるか、それはみんなが種である心をどう育てるかにかかってくる。何か質問はあるかな」
どう見ても、これは私への特別授業のようなもの。きちんと話を受けとめなきゃ。
「先生」
「おっ、なんだ白石」
「今、その瞬間、そのままを切り取るって言いましたけど。あとで直すのはいいのですか。この前、清らさんの歌を、いと先輩が直したりしてましたけど」
「いい」
先生はあっさり答えた。
「理由はふたつある。ひとつは、日常の生活の中で、心が揺れた瞬間を切り取るといっても、誰かに届かないと意味がない。届くってことは、共鳴、共感しあうってことだな。そこで初めて歌として成立する。でなきゃ、独り言だ。そのためにも、どうすれば、一番伝えたいことを一番効果的に伝えられるかを考える」
先生は、65→80とホワイトボードに書く。
「前回六十五点だった英語のテストが、八十点になった。そんなとき何を一番に伝えたいか。八十点を取ったことか? 違うよな。十五点アップしたこと? もちろん事実はそうなんだけど、自分が頑張ったってことだろ、一番伝えたいのは。親にテスト見せて、へえ、頑張ったねって言ってもらって、初めて思いを共有できる」
「もうひとつの理由というのはなんですか?」
いと先輩が聞く。
「それはせっかく、こういう場があるのだから、みんなで活かそうよって話。詠み合うだけじゃつまんない。これから先、就活なんかで、自分の、何をどうアピールすれば、相手の心を揺さぶることができるか。役立つと思うよ」
そして先生は私をまっすぐに見て言った。
「短歌には心の瞬発力と柔軟性、そのどちらも必要だからな」
ハイと答えるべきなのだろうけど、つまってしまった。そのどちらも自分には欠けている気がしたから。
「①わかるかな?」
私は喉の奥に力をこめ、先生の言葉を呑み込んだ。
(村上しいこ『うたうとは小さないのちひろいあげ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
かな文字を学んでから漢字を習う。
教育は社会の重要なこんかんだ。
新鮮なそざいで料理する。
今日のじゅぎょうは楽しかった。
このごろひとり言が多くなった。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「判断が速く、即座に行動できる能力」を表すことばをひらがな八字で書きなさい。
スポーツ選手にはがある。
Practiceの答え
- 答え
仮名
- 答え
根幹
- 答え
素材
- 答え
授業
- 答え
独り
- 答え
しゅんぱつりょく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「『まずこれ』……『人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける』」とありますが、先生は紀貫之のことばを挙げて、どのようなことを言おうとしているのですか。次の文の a・bにあてはまることばを文中からaは五字、bは四字で書きぬきなさい。 (完答)
短歌の素材は、 a の中で感じる b の中にあるので、その感じる心をそれぞれがどう育てていくかが大事であること。
- a
- b
Lessonの答え
- 答え
- a 日々の生活
- b 喜怒哀楽
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「わかるかな?」とありますが、先生は、どんなことがわかるかと言っているのですか。三十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
短歌には心の瞬発力と柔軟性のどちらも必要であること。
26章 随筆文
随筆文の読み方
26-1 随筆文3
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
母は、子どもに高望みをしない人だった。私が幼稚園に入るとき、「どんなお子さんに育ってほしいですか?」というアンケート用紙が配られたそうだが、一言「素直な子」とだけ書いたという。提出するとき、他のお母さんたちが、細かい字でびっしり書いているのを横目で見て、びっくりしたのだそうだ。
「どうなってほしいっていうのは、あんまりなかったんだけど、こうなってほしくないっていうのは、結構あったわねえ」
たとえば? と聞くと、「私が早口だったから、早口でしゃべるのは注意したわね。それから、本を読むスピードが早いのも、自分なりに反省していたから、それもゆっくり読むようにって、*諭したわ」。
私が人一倍のんびりしているのは、そんな母の方針のためかもしれない。「じゃあ、お母さんは、素直じゃなかったんだね?」と言ったら「えっ」と絶句していたけれど。
子どもは、一番身近にいる母親の真似をする。いいところも、悪いところも。だから悪いところを真似しないように気をつけるというのは、消極的なようだが、一つの教育といえるかもしれない。
そして私が本好きになったのは、まちがいなく母を見て育ったからだ。とにかく活字中毒と言っていいぐらい、常に何かを読んでいた。
大人が楽しそうにしていれば、子どもは興味を持つ。幼いころは、毎日のように「新聞」という読むべきものが届けられる大人を、心からうらやましく思った。実際、雪や交通機関の影響で、新聞が遅れると、母の機嫌はすこぶる悪かった。
①母の本好きは、かなりのもので、笑えないようなエピソードもたくさんある。読みふけっていて夕飯のしたくが遅れることもあったし、②猫が足元に来ていることに気がつかず、踏みつぶしてしまったこともあった。可哀相に、その猫は、一生足が曲がったままだった。まことに気の毒な話だが、そこまで読書に没頭できるとはスゴイ、とも言える。
結局、今の自分が*言葉にかかわる仕事をしているのは、母の影響なのだろうな、と思う。
(俵万智『101個目のレモン』より「母と読書」)
注
| 諭す | よくわかるように話して聞かせる。 |
| 言葉にかかわる仕事 | 筆者は歌人である。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
宿題を期限までにていしゅつする。
小説やエッセイはけっこう面白い。
信じられない出来事にぜっくした。
夏場は特にしょくちゅうどくに気をつける。
つねに教室を整えるよう心がける。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「方針」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 方針を渡さないと怒られますよ。
- イ 時間がたつにつれて方針が大きくなっていく。
- ウ 食事時はテレビを消すというのがわが家の方針です。
- エ 自分では見つけられないから方針を出す。
Confirm Testの答え
- 答え
提出
- 答え
結構
- 答え
絶句
- 答え
食中毒
- 答え
常
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「猫が……踏みつぶしてしまったこともあった」とありますが、この出来事についての「私」の思いとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 読書のためなら、猫が踏みつぶされたのもやむをえない。
- イ ここまで本に没頭するのはやりすぎで、理解できない。
- ウ 猫には気の毒だが、そこまで読書に打ち込めるのは感心だ。
- エ 母はもう本を読むのをやめるべきだ。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「母の本好きは、かなりのもので」とありますが、このような母の性質を言い表したことばを、文中から一語で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
活字中毒
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
母は、①子どもに高望みをしない人だった。私が幼稚園に入るとき、「どんなお子さんに育ってほしいですか?」というアンケート用紙が配られたそうだが、一言「素直な子」とだけ書いたという。Aてい出するとき、他のお母さんたちが、細かい字でびっしり書いているのを横目で見て、びっくりしたのだそうだ。
「どうなってほしいっていうのは、あんまりなかったんだけど、こうなってほしくないっていうのは、結Bこうあったわねえ」
たとえば? と聞くと、「私が早口だったから、早口でしゃべるのは注意したわね。それから、本を読むスピードが早いのも、自分なりに反省していたから、それもゆっくり読むようにって、*諭したわ」。
私が人一倍のんびりしているのは、そんな母の方針のためかもしれない。「②じゃあ、お母さんは、素直じゃなかったんだね?」と言ったら「えっ」とCぜっくしていたけれど。
子どもは、一番身近にいる母親の真似をする。いいところも、悪いところも。だから悪いところを真似しないように気をつけるというのは、消極的なようだが、一つの教育といえるかもしれない。
そして私が本好きになったのは、まちがいなく母を見て育ったからだ。とにかく活字中Dどくと言っていいぐらい、Eつねに何かを読んでいた。
大人が楽しそうにしていれば、子どもは興味を持つ。幼いころは、毎日のように「新聞」という読むべきものが届けられる大人を、心からうらやましく思った。実際、雪や交通機関の影響で、新聞が遅れると、母の機嫌はすこぶる悪かった。
母の本好きは、かなりのもので、笑えないようなエピソードもたくさんある。読みふけっていて夕飯のしたくが遅れることもあったし、猫が足元に来ていることに気がつかず、踏みつぶしてしまったこともあった。可哀相に、その猫は、一生足が曲がったままだった。まことに気の毒な話だが、そこまで読書に没頭できるとはスゴイ、とも言える。
結局、今の自分が*言葉にかかわる仕事をしているのは、母の影響なのだろうな、と思う。
(俵万智『101個目のレモン』より「母と読書」)
注
| 諭す | よくわかるように話して聞かせる。 |
| 言葉にかかわる仕事 | 筆者は歌人である。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「方針」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ある事をするのに当たって定めた、その行動や処置の方向・原則。
- イ 空を見上げている様子。
- ウ まともに見ていられないようなひどいやり取り。
- エ 目の前に敵がいてなかなか前に進めないこと。
Lessonの答え
- 答え
A 提 B 構 C 絶句 D 毒 E 常 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
母は、子どもに高望みをしない人だった。私が幼稚園に入るとき、「どんなお子さんに育ってほしいですか?」というアンケート用紙が配られたそうだが、一言「素直な子」とだけ書いたという。提出するとき、他のお母さんたちが、細かい字でびっしり書いているのを横目で見て、①びっくりしたのだそうだ。
「どうなってほしいっていうのは、あんまりなかったんだけど、こうなってほしくないっていうのは、結構あったわねえ」
たとえば? と聞くと、「私が早口だったから、早口でしゃべるのは注意したわね。それから、本を読むスピードが早いのも、自分なりに反省していたから、それもゆっくり読むようにって、*諭したわ」。
私が人一倍のんびりしているのは、そんな母の方針のためかもしれない。「じゃあ、お母さんは、素直じゃなかったんだね?」と言ったら「えっ」と絶句していたけれど。
子どもは、一番身近にいる母親の真似をする。いいところも、悪いところも。だから悪いところを真似しないように気をつけるというのは、消極的なようだが、一つの教育といえるかもしれない。
そして②私が本好きになったのは、まちがいなく母を見て育ったからだ。とにかく活字中毒と言っていいぐらい、常に何かを読んでいた。
大人が楽しそうにしていれば、子どもは興味を持つ。幼いころは、毎日のように「新聞」という読むべきものが届けられる大人を、心からうらやましく思った。実際、雪や交通機関の影響で、新聞が遅れると、母の機嫌はすこぶる悪かった。
母の本好きは、かなりのもので、笑えないようなエピソードもたくさんある。読みふけっていて夕飯のしたくが遅れることもあったし、猫が足元に来ていることに気がつかず、踏みつぶしてしまったこともあった。可哀相に、その猫は、一生足が曲がったままだった。まことに気の毒な話だが、そこまで読書に没頭できるとはスゴイ、とも言える。
結局、今の自分が*言葉にかかわる仕事をしているのは、母の影響なのだろうな、と思う。
(俵万智『101個目のレモン』より「母と読書」)
注
| 諭す | よくわかるように話して聞かせる。 |
| 言葉にかかわる仕事 | 筆者は歌人である。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
来年の旅行先に海外をていあんした。
災害に強い建物のこうぞうを調べた。
山の上から見るぜっけいに感動した。
どくを持つ生き物には注意が必要だ。
じょうしきにとらわれない発想をする。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「ある事をするのに当たって定めた、その行動や処置の方向・原則。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
彼女の仕事にはきちんとしたがない。
Practiceの答え
- 答え
提案
- 答え
構造
- 答え
絶景
- 答え
毒
- 答え
常識
- 答え
ほうしん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「じゃあ、お母さんは、素直じゃなかったんだね?」とありますが、筆者がこのように言った理由を説明した次の文の a・bにあてはまることばを、文中からaは二字、bは十字で書きぬきなさい。(完答)
自分の行動を a して、「私」に b と思ったことを注意したと言う母が、「素直な子」に育ってほしいとアンケートに答えたから。
a
b
Lessonの答え
- 答え
- a 反省
- b こうなってほしくない
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「私が本好きになったのは……育ったからだ」とありますが、ここから読み取れる筆者の心情としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分自身の子どもにも、母のように本を読む楽しさを教えようという決意。
- イ 自分を本好きにするために、母は本を読んでいたのだろうかという疑問。
- ウ 本に夢中になって、自分にあまりかまってくれなかった母に対する不満。
- エ 自分が本を読むのを好きになり、今の仕事につくきっかけをくれた母への感謝。
Practiceの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
①「子どもに高望みをしない人」とは、どういう人ですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 子どもに理想を押しつけない人。
- イ 子どもがたくさんほしいとは思わない人。
- ウ 子どもの願いを簡単にはかなえてあげない人。
- エ 子どもを大人と同じようにあつかおうとする人。
Lessonの答え
- 答え
ア
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「びっくりした」とありますが、筆者の母は、どんなことにおどろいたのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 他の母親が幼稚園のアンケートに真剣に答えていたこと。
- イ 他の母親が細かい字を書いていたこと。
- ウ 他の母親が子どもに多くの望みを持っていること。
- エ 他の母親がみんな教育熱心だったこと。
Practiceの答え
- 答え
ウ
26-2 随筆文4
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
かばんを忘れたことは今までに五回くらいある。電車から降りて、いやにすうすうするなと思うと、手に何も持っていない。網棚に乗せたまま降りてしまうのだ。そういうときに、どうやって駅員さんに言えばいいのか、今ではもう熟練してしまった。何時ごろのどの電車のどの車両のどのあたりの網棚に、と言えばいいのである。日本は治安がいいので、今までにそうやって置いてきてしまったかばんが戻らなかったことはない。たいがい幾つか先の駅で駅員さんが捜し当ててくれて、手に戻ることになる。なんて素晴らしい、と思う。思うが、こんなことはぜんぜん自慢にならない。ひと迷惑だし、恥ずかしい。
どこかの*箍がはずれているのだ。必要なものを持たずに、*瑣末なものばかり持とうとすること。そういう姿勢の人間なのだろう。
こんな様子なので、ときどき、何も持たずに歩きたくなる。せつじつに、手ぶらで歩きたくなる。
この夏、そうやって手ぶらで歩いたことが何回かあった。日傘もささず、帽子もかぶらず、財布も持たず、ゴム草履をはいて、ぶらぶら歩きまわった。蟬の殻が落ちていると拾い、青い栗の毬が落ちていれば拾い、妙なかたちの葉があれば拾い、そのうちに手がいっぱいになると、拾ったものをぜんぶ捨てる。捨てるならば拾わなければいいようなものだが、つい拾ってしまうのが心配性たるゆえんだろう。
あるとき、歩いているうちに夕立にあった。急に空が暗くなったかと思うと雷が鳴りはじめ、大きな雨の粒がざあざあ降ってきた。雨宿りする場所もなかったので、ぼうぜんと立っていると、ますます雨は激しくなる。頭からぬれて、肩もぬれて、手も足もぬれた。ぬれながら、しかたなく歩きつづけた。
今まで鳴いていた蟬が鳴かなくなり、草や地面に雨が当たる音がしきりにし、行き来していた人の姿も見えなくなった。①風呂に入っているみたいだなあと思いながら、歩きつづけた。
ようやく雨宿りをする大きな木をみつけたころに、夕立はやみ、すると蟬はなにごともなかったように鳴きはじめ、どこからあらわれたのか人の姿が見えはじめ、雨にうたれた草や地面の匂いが、強くたちはじめた。
ぬれたぬれたとつぶやきながら、家に向かった。しずくがたれて、足を伝う。ずいぶん降ったと思っていたが、あんがい短い間だったらしく、地面のへこんだところは水たまりになっているが、平らなところはぬれた色からかわいた色にすぐ変わっていった。湯気をたてながら、かわいた色に変わる。わたしも、湯気をたてながら、どんどんかわいていった。
家につくころには、髪とシャツとゴム草履のつちふまずに接している部分だけを残して、あらかたがかわいてしまっていた。
傘なんか持っていなくても、タオルなんか持っていなくても、なんでもなかった。ぬれて、それから、かわいた。
そんなもんだった。
そんなもんだったから、それ以来かばんに余計なものを入れずに歩くようになったかというと、それは大まちがいである。もう秋なので、黒眼鏡や日傘は入れないが、かわりに目薬や辞書を入れる。扇子は秋の暑い日にそなえて、まだ、持つ。ハンカチはあいかわらず二枚。ちり紙も二包み。涼しくなって少し頭が働くようになるかもしれないので、読みかけの本二冊に加えて、読めないでいた難しい本をもう一冊。気をつけないと、ねじまわしの二本くらいも、忍ばせかねない。
こういうのは、心配性などという言葉で片づけられるものではないかもしれない。何と言っていいのか。かばん症とでも呼べばいいのか。困難である。
(川上弘美『あるようなないような』より「かばん症」)
注
| 箍がはずれている | ここでは、緊張感がない状態であること。 |
| 瑣末 | 特に重要ではないこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
道でさいふを拾ったので交番に届けた。
とてもしんぱいしょうで細かいことが気になる。
動物とせっすることで幸せな気持ちになる。
よけいな心配をかけないように気をつける。
めがねをかけると黒板の文字がはっきり見える。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「熟練」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼の運転は熟練した運転手と同じくらい上手だ。
- イ 昨日の夜から寝ずに、熟練している。
- ウ パソコン作業は熟練に行う必要がある。
- エ 敵か味方かわからないので熟練する。
Confirm Testの答え
- 答え
財布
- 答え
心配性
- 答え
接する
- 答え
余計
- 答え
眼鏡
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「風呂に入っているみたいだなあ」とありますが、これはどのような様子をたとえたものですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分以外にだれもいない様子。
- イ 雨がすべてを洗い流す様子。
- ウ 真夏の雨水が生温かい様子。
- エ 筆者がずぶぬれになっている様子。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
かばんを忘れたことは今までに五回くらいある。電車から降りて、いやにすうすうするなと思うと、手に何も持っていない。網棚に乗せたまま降りてしまうのだ。そういうときに、どうやって駅員さんに言えばいいのか、今ではもう熟練してしまった。何時ごろのどの電車のどの車両のどのあたりの網棚に、と言えばいいのである。日本は治安がいいので、今までにそうやって置いてきてしまったかばんが戻らなかったことはない。たいがい幾つか先の駅で駅員さんが捜し当ててくれて、手に戻ることになる。なんて素晴らしい、と思う。思うが、こんなことはぜんぜん自慢にならない。ひと迷惑だし、恥ずかしい。
どこかの*箍がはずれているのだ。必要なものを持たずに、*瑣末なものばかり持とうとすること。そういう姿勢の人間なのだろう。
こんな様子なので、ときどき、何も持たずに歩きたくなる。せつじつに、手ぶらで歩きたくなる。
この夏、そうやって手ぶらで歩いたことが何回かあった。日傘もささず、帽子もかぶらず、Aさいふも持たず、ゴム草履をはいて、ぶらぶら歩きまわった。蟬の殻が落ちていると拾い、青い栗の毬が落ちていれば拾い、妙なかたちの葉があれば拾い、そのうちに手がいっぱいになると、拾ったものをぜんぶ捨てる。捨てるならば拾わなければいいようなものだが、つい拾ってしまうのが心配Bしょうたるゆえんだろう。
あるとき、歩いているうちに夕立にあった。急に空が暗くなったかと思うと雷が鳴りはじめ、大きな雨の粒がざあざあ降ってきた。雨宿りする場所もなかったので、ぼうぜんと立っていると、ますます雨は激しくなる。頭からぬれて、肩もぬれて、手も足もぬれた。ぬれながら、しかたなく歩きつづけた。
今まで鳴いていた蟬が鳴かなくなり、草や地面に雨が当たる音がしきりにし、行き来していた人の姿も見えなくなった。風呂に入っているみたいだなあと思いながら、歩きつづけた。
ようやく雨宿りをする大きな木をみつけたころに、夕立はやみ、すると蟬はなにごともなかったように鳴きはじめ、どこからあらわれたのか人の姿が見えはじめ、雨にうたれた草や地面の匂いが、強くたちはじめた。
ぬれたぬれたとつぶやきながら、家に向かった。しずくがたれて、足を伝う。ずいぶん降ったと思っていたが、あんがい短い間だったらしく、地面のへこんだところは水たまりになっているが、平らなところはぬれた色からかわいた色にすぐ変わっていった。湯気をたてながら、かわいた色に変わる。わたしも、湯気をたてながら、どんどんかわいていった。
家につくころには、髪とシャツとゴム草履のつちふまずに
Cせっしている部分だけを残して、あらかたがかわいてしまっていた。
傘なんか持っていなくても、タオルなんか持っていなくても、なんでもなかった。ぬれて、それから、かわいた。
①そんなもんだった。
そんなもんだったから、それ以来かばんにD
よ計なものを入れずに歩くようになったかというと、それは大まちがいである。もう秋なので、黒Eめ鏡や日傘は入れないが、かわりに目薬や辞書を入れる。扇子は秋の暑い日にそなえて、まだ、持つ。ハンカチはあいかわらず二枚。ちり紙も二包み。涼しくなって少し頭が働くようになるかもしれないので、読みかけの本二冊に加えて、読めないでいた難しい本をもう一冊。気をつけないと、ねじまわしの二本くらいも、忍ばせかねない。
こういうのは、心配しょうなどという言葉で片づけられるものではないかもしれない。何と言っていいのか。かばん症とでも呼べばいいのか。困難である。
(川上弘美『あるようなないような』より「かばん症」)
注
| 箍がはずれている | ここでは、緊張感がない状態であること。 |
| 瑣末 | 特に重要ではないこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「熟練」について、もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自給自足で生活をすること。
- イ 物事に慣れて、手際よくじょうずにできること。
- ウ 将来の夢に向かって努力すること。
- エ もう一度人生をやり直したいと強く思うこと。
Lessonの答え
- 答え
A 財布 B 性 C 接 D 余 E 眼 (完答)
- 答え
イ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
かばんを忘れたことは今までに五回くらいある。電車から降りて、いやにすうすうするなと思うと、手に何も持っていない。網棚に乗せたまま降りてしまうのだ。そういうときに、どうやって駅員さんに言えばいいのか、今ではもう熟練してしまった。何時ごろのどの電車のどの車両のどのあたりの網棚に、と言えばいいのである。日本は治安がいいので、今までにそうやって置いてきてしまったかばんが戻らなかったことはない。たいがい幾つか先の駅で駅員さんが捜し当ててくれて、手に戻ることになる。なんて素晴らしい、と思う。思うが、こんなことはぜんぜん自慢にならない。ひと迷惑だし、恥ずかしい。
どこかの*箍がはずれているのだ。必要なものを持たずに、*瑣末なものばかり持とうとすること。そういう姿勢の人間なのだろう。
こんな様子なので、ときどき、何も持たずに歩きたくなる。せつじつに、手ぶらで歩きたくなる。
この夏、そうやって手ぶらで歩いたことが何回かあった。日傘もささず、帽子もかぶらず、財布も持たず、ゴム草履をはいて、ぶらぶら歩きまわった。蟬の殻が落ちていると拾い、青い栗の毬が落ちていれば拾い、妙なかたちの葉があれば拾い、そのうちに手がいっぱいになると、拾ったものをぜんぶ捨てる。捨てるならば拾わなければいいようなものだが、つい拾ってしまうのが心配性たるゆえんだろう。
あるとき、歩いているうちに夕立にあった。急に空が暗くなったかと思うと雷が鳴りはじめ、大きな雨の粒がざあざあ降ってきた。雨宿りする場所もなかったので、ぼうぜんと立っていると、ますます雨は激しくなる。頭からぬれて、肩もぬれて、手も足もぬれた。ぬれながら、しかたなく歩きつづけた。
今まで鳴いていた蟬が鳴かなくなり、草や地面に雨が当たる音がしきりにし、行き来していた人の姿も見えなくなった。風呂に入っているみたいだなあと思いながら、歩きつづけた。
ようやく雨宿りをする大きな木をみつけたころに、夕立はやみ、すると蟬はなにごともなかったように鳴きはじめ、どこからあらわれたのか人の姿が見えはじめ、雨にうたれた草や地面の匂いが、強くたちはじめた。
ぬれたぬれたとつぶやきながら、家に向かった。しずくがたれて、足を伝う。ずいぶん降ったと思っていたが、あんがい短い間だったらしく、地面のへこんだところは水たまりになっているが、平らなところはぬれた色からかわいた色にすぐ変わっていった。湯気をたてながら、かわいた色に変わる。わたしも、湯気をたてながら、どんどんかわいていった。
家につくころには、髪とシャツとゴム草履のつちふまずに接している部分だけを残して、あらかたがかわいてしまっていた。
傘なんか持っていなくても、タオルなんか持っていなくても、なんでもなかった。ぬれて、それから、かわいた。
そんなもんだった。
そんなもんだったから、それ以来かばんに余計なものを入れずに歩くようになったかというと、それは大まちがいである。もう秋なので、黒眼鏡や日傘は入れないが、かわりに目薬や辞書を入れる。扇子は秋の暑い日にそなえて、まだ、持つ。ハンカチはあいかわらず二枚。ちり紙も二包み。涼しくなって少し頭が働くようになるかもしれないので、読みかけの本二冊に加えて、読めないでいた難しい本をもう一冊。気をつけないと、①ねじまわしの二本くらいも、忍ばせかねない。
こういうのは、心配性などという言葉で片づけられるものではないかもしれない。何と言っていいのか。かばん症とでも呼べばいいのか。困難である。
(川上弘美『あるようなないような』より「かばん症」)
注
| 箍がはずれている | ここでは、緊張感がない状態であること。 |
| 瑣末 | 特に重要ではないこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
健康はお金に代えられないざいさんだ。
学校にはさまざまなせいかくの友人がいる。
受験に向けてめんせつの練習を行った。
お菓子作りの材料にあまりが出た。
視力が落ちたのでがんかで検査を受けた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「物事に慣れて、手際よくじょうずにできること。」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
彼はの技で土器を作る。
Practiceの答え
- 答え
財産
- 答え
性格
- 答え
面接
- 答え
余り
- 答え
眼科
- 答え
じゅくれん
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そんなもんだった」とありますが、どのようなことを言っているのですか。次の文の a〜cにあてはまることばを、文中からaは一字、bは三字で書きぬきなさい。cはもっとも適当なものを、あとのア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。(完答)
a や b を持たずに出かけて雨にぬれてしまったとしても、そのうちかわくように、 c ということ。
- ア 必要なものを持っていなくても、どうにかなる
- イ うまく活用すれば、持っているもので代用できる
- ウ 準備を万全にしなければ、非常に困る場合がある
- エ 雨の日は荷物が少ないほうが、何かと便利である
- a
- b
- c 〔 〕
Lessonの答え
- 答え
- a 傘
- b タオル
- c ア (完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ねじまわしの二本くらいも、忍ばせかねない」とありますが、どのようなことを言っているのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア かばんを重くするためなら、何でも入れてしまいそうだ。
- イ どう考えても不要なものまで、念のためにと入れそうだ。
- ウ 必要なものなら、どんなに重くても持っていきそうだ。
- エ 必要なものを入れず、いらないものばかり持ちそうだ。
Practiceの答え
- 答え
イ
27章 説明文
説明文の読み方
27-1 説明文25
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
こんどはみなさんも知っている保護色のことについてすこしお話しましょう。動物でも野ウサギの毛色は夏と冬でちがいますし、鳥にもそういうものがあります。そのようなものが保護色と呼ばれているもので、保護色とは読んで字のように、ある動物のからだの色やもようがすんでいる場所の色やもように似ていることをいうのです。動物はこの保護色によって、おそろしい外敵に発見されることがすくなくなるわけなのです。
人間も戦争のさい、大砲や軍艦や重要な軍事施設などにはいわゆる*カムフラージュをします。これはおそらく①動物の保護色にヒントをえて考えだされたものだろうと思われます。じつは魚にもその程度はいろいろですが、保護色を示すものがはなはだ多くあります。そのうちのいくつかをお話しましょう。マグロやカツオやブリやサバなどは、背は青黒くてまわりの水の色とよくにております。海藻のあいだにすんでいるメバルの子やハナオコゼなどはからだの色やもようが海藻の色やもように似かよっています。また周囲のものともっともまぎらわしい保護色をもっているものには海底の砂に身を横たえているカレイやヒラメやアンコウの類があります。おどろいたことには、これらのうちでもカレイやヒラメは、その保護色をかれらがすんでいる海底の色やもようの変化にしたがって自由に変化しうるというふしぎな力をもっているのです。
このおもしろい性能にかんしては、米国の学者であるサムナーとマストが、海水をいれた水おけの底にさまざまの色やもようをつけて、これにカレイやヒラメを飼って実験してみた例があります。それによるとカレイやヒラメは、この色やもようにしたがって、からだの色やもようをじつにたくみに変化させることがわかりました。そこでサムナーは、カレイはいったいどこでこのように保護色を自由に変化させることができるのであろうかとしらべてみました。
その方法はカレイの目を手術によってみえないようにしてしまい、いまのべたような底にいろいろな色やもようをつけた水おけにいれてみました。するとなにもしないカレイは入れてから数秒たつかたたないうちに、はやくも保護色を変化させるのに、目をみえなくしたカレイはなんの変化もおこさないことがわかりました。したがってかれらが保護色を変化させるのは、まず周囲のもようをみて、それによってじぶんの色をかえるのであろうという結論をだしています。
(末広恭雄『魚の生活』)
注
| カムフラージュ | 敵の目をくらますために加える、不規則な色やもようなどのこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
毎日三十分ていどの運動を心がける。
兄は行動で自分の意志をしめすタイプだ。
しゅういの人に感謝の気持ちを伝える。
せいのうの良いパソコンで作業をする。
ペットをかうために責任感が必要だ。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「外敵」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 外敵に対してどのような対処を取るか話し合う。
- イ 外敵に触れてワクワクしてくる。
- ウ あと一歩が届かず、外敵になった。
- エ 人を笑わせようと外敵する。
Confirm Testの答え
- 答え
程度
- 答え
示す
- 答え
周囲
- 答え
性能
- 答え
飼う
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「動物の保護色」について、次の魚の保護色はどのようになっていますか。文中のことばを使って、三十字以内で書きなさい。
〈メバルの子・ハナオコゼ〉
Confirm Testの答え
- 答え
からだの色やもようが海藻の色やもように似かよっている。
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
こんどはみなさんも知っている①保護色のことについてすこしお話しましょう。動物でも野ウサギの毛色は夏と冬でちがいますし、鳥にもそういうものがあります。そのようなものが保護色と呼ばれているもので、保護色とは読んで字のように、ある動物のからだの色やもようがすんでいる場所の色やもように似ていることをいうのです。動物はこの保護色によって、おそろしい外敵に発見されることがすくなくなるわけなのです。
人間も戦争のさい、大砲や軍艦や重要な軍事施設などにはいわゆる*カムフラージュをします。これはおそらく動物の保護色にヒントをえて考えだされたものだろうと思われます。じつは魚にもそのAてい度はいろいろですが、保護色をBしめすものがはなはだ多くあります。そのうちのいくつかをお話しましょう。マグロやカツオやブリやサバなどは、背は青黒くてまわりの水の色とよくにております。海藻のあいだにすんでいるメバルの子やハナオコゼなどはからだの色やもようが海藻の色やもように似かよっています。また周Cいのものともっともまぎらわしい保護色をもっているものには海底の砂に身を横たえているカレイやヒラメやアンコウの類があります。おどろいたことには、これらのうちでもカレイやヒラメは、その保護色をかれらがすんでいる海底の色やもようの変化にしたがって自由に変化しうるというふしぎな力をもっているのです。
このおもしろいDせいのうにかんしては、米国の学者であるサムナーとマストが、海水をいれた水おけの底にさまざまの色やもようをつけて、これにカレイやヒラメをEかって実験してみた例があります。それによるとカレイやヒラメは、この色やもようにしたがって、からだの色やもようをじつにたくみに変化させることがわかりました。そこでサムナーは、カレイはいったいどこでこのように保護色を自由に変化させることができるのであろうかとしらべてみました。
その方法はカレイの目を手術によってみえないようにしてしまい、いまのべたような底にいろいろな色やもようをつけた水おけにいれてみました。するとなにもしないカレイは入れてから数秒たつかたたないうちに、はやくも保護色を変化させるのに、目をみえなくしたカレイはなんの変化もおこさないことがわかりました。したがってかれらが保護色を変化させるのは、まず周囲のもようをみて、それによってじぶんの色をかえるのであろうという結論をだしています。
(末広恭雄『魚の生活』)
注
| カムフラージュ | 敵の目をくらますために加える、不規則な色やもようなどのこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「外敵」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 外の気温が高くなること。
- イ 外から家に帰ってくること。
- ウ 外部から攻撃してくる、または、外国から攻めてくる敵。
- エ 天気が良くなったので外に出かける。
Lessonの答え
- 答え
A 程 B 示 C 囲 D 性能 E 飼 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
こんどはみなさんも知っている保護色のことについてすこしお話しましょう。動物でも野ウサギの毛色は夏と冬でちがいますし、鳥にもそういうものがあります。そのようなものが保護色と呼ばれているもので、保護色とは読んで字のように、ある動物のからだの色やもようがすんでいる場所の色やもように似ていることをいうのです。動物はこの保護色によって、おそろしい外敵に発見されることがすくなくなるわけなのです。
人間も戦争のさい、大砲や軍艦や重要な軍事施設などにはいわゆる*カムフラージュをします。これはおそらく①動物の保護色にヒントをえて考えだされたものだろうと思われます。じつは魚にもその程度はいろいろですが、保護色を示すものがはなはだ多くあります。そのうちのいくつかをお話しましょう。マグロやカツオやブリやサバなどは、背は青黒くてまわりの水の色とよくにております。海藻のあいだにすんでいるメバルの子やハナオコゼなどはからだの色やもようが海藻の色やもように似かよっています。また周囲のものともっともまぎらわしい保護色をもっているものには海底の砂に身を横たえているカレイやヒラメやアンコウの類があります。おどろいたことには、これらのうちでもカレイやヒラメは、その保護色をかれらがすんでいる海底の色やもようの変化にしたがって自由に変化しうるというふしぎな力をもっているのです。
このおもしろい性能にかんしては、米国の学者であるサムナーとマストが、海水をいれた水おけの底にさまざまの色やもようをつけて、これにカレイやヒラメを飼って実験してみた例があります。それによるとカレイやヒラメは、この色やもようにしたがって、からだの色やもようをじつにたくみに変化させることがわかりました。そこでサムナーは、カレイはいったいどこでこのように保護色を自由に変化させることができるのであろうかとしらべてみました。
その方法はカレイの目を手術によってみえないようにしてしまい、いまのべたような底にいろいろな色やもようをつけた水おけにいれてみました。するとなにもしないカレイは入れてから数秒たつかたたないうちに、はやくも保護色を変化させるのに、目をみえなくしたカレイはなんの変化もおこさないことがわかりました。したがってかれらが保護色を変化させるのは、まず周囲のもようをみて、それによってじぶんの色をかえるのであろうという結論をだしています。
(末広恭雄『魚の生活』)
注
| カムフラージュ | 敵の目をくらますために加える、不規則な色やもようなどのこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
問題解決のかていで多くのことを学んだ。
見本を使って具体的にしじをあたえた。
子どもたちが先生をかこんで話を聞いた。
チームで協力してのうりょくを最大限に発揮した。
学校でウサギのしいく係を担当した。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「外部から攻撃してくる敵。外国から攻めてくる敵。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
私の仕事はから守ることだ。
Practiceの答え
- 答え
過程
- 答え
指示
- 答え
囲
- 答え
能力
- 答え
飼育
- 答え
がいてき
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「保護色」とは、どのようなことをいうのですか。文中から三十五字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
ある動物のからだの色やもようがすんでいる場所の色やもように似ていること
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「動物の保護色」について、次の魚の保護色はどのようになっていますか。文中のことばを使って、二十五字以内で書きなさい。
〈マグロ・カツオ・ブリ・サバ〉
Practiceの答え
- 答え
背が青黒くてまわりの水の色とよくにている。
27-2 説明文26
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いまの世の中では、雨はあまり喜ばれていません。*渇水期にダムの水がへってくるようなときには雨が待たれますけれども、たいてい雨はきらわれています。
しかし、雨は植物にも動物にも、生命のささえです。雨はいやだといっていたら、生きることができなくなります。
では、なぜ雨がきらわれているのでしょうか。そこにたいした理由があるとは思えません。雨の日は陰気で気がめいるとか、外へでかけるときに困るとか、屋外スポーツの邪魔になるとか、洗濯物がかわかないとか、まあそんなところでしょう。
ぼくたちの暮らし方が、自然からきれていることが、本当は喜ぶべき雨を、どちらかというときらいなものにしているのだと思います。雨という自然がどれほどありがたいものであるかを実感する日々がありません。エアコン付きの部屋で窓を閉め切っていたら、雨も風も、いっさいの自然が自分からきれたところにあります。そういう暮らしのなかでは、雨は外出時の不快としか感じられなくなってしまいます。
晴れた日の太陽の光も、草木をうるおす雨も、どちらもたいせつで、どちらも心地よいもののはずです。その単純なことをわすれる暮らし方は、とてもまずしいものだと思います。
*谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』という長編エッセーのなかで、たびたび雨を描いていて、 、古い日本の家の*厠のなかで、「しとしとと降る雨の音を聴くのを好む」と書いていますし、また辰野隆というフランス文学者は「雨の日」というエッセーに「雨の日なら、春夏秋冬、いつも僕は気分が快いのだ」と書いています。雨は作物を育て草木をうるおすだけでなく、人の心をこまやかにしてくれるものでもあります。
*前に引用した*レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』にも、雨が描かれています。
「雨の日は、森を歩きまわるのにはうってつけだと、かねてからわたしは思っていました。メインの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなります。針葉樹の葉は銀色のさやをまとい、シダ類はまるで熱帯ジャングルのように青々と茂り、そのとがった一枚一枚の葉先からは水晶のようなしずくをしたたらせます。」
カーソンはそう言って、幼いロジャーと二人で雨の森へ出かけていきます。いろんなキノコが美しい色をつやつやとみせ、地衣類や苔類が水をふくんで美しく生き返っています。晴れた日にはがさがさだったトナカイゴケが弾力にとんだ緑のじゅうたんになっていて、ロジャーが歓声をあげてとびこんでいきます。
晴れた日を「良い天気」と言い、雨が降ると「天気が良くない」という一種の常識にとらわれていては、自然のあたえてくれる豊かな美しさを見のがしてしまうことになります。
雨の日こそ外を歩いてみましょう。町のなかでも、道ばたに生えている雑草が、いきいきとしているのを目にします。雨の日こそ窓を開けましょう。雨の音が心にしみ、雨の匂いが心をやすめてくれます。
(高田宏『生きるよろこび』)
注
| 渇水期 | 雨が降らず水がかれる時期。 |
| 谷崎潤一郎 | 明治時代から昭和時代中期に活躍した小説家。 |
| 厠 | お手洗い。トイレ。 |
| 前に引用した | ここでは引用していません。 |
| レイチェル・カーソン | アメリカの生物学者。ロジャーは姪の息子。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
梅雨の季節は湿度が高くてふかい感を覚える。
ちょうへん小説が原作の映画を観る。
公共の場ではじょうしき的な行動が求められる。
感受性がゆたかな人は創造力も高い。
花壇にざっそうがたくさん生えてきた。
Confirm Testの答え
- 答え
不快
- 答え
長編
- 答え
常識
- 答え
豊か
- 答え
雑草
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ では
- ウ しかし
- エ たとえば
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
「谷崎潤一郎」や「辰野隆」の文章は、どんなことを説明するために引用されていますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 雨の日を、文章の力で美しく表現できること。
- イ 筆者が雨が降って作物が育つことに感謝していること。
- ウ 昔の日本人は、晴れよりも雨の日を好んだこと。
- エ 豊かな感性で雨の日を楽しんだ人もいたこと。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いまの世の中では、雨はあまり喜ばれていません。*渇水期にダムの水がへってくるようなときには雨が待たれますけれども、たいてい雨はきらわれています。
、雨は植物にも動物にも、生命のささえです。雨はいやだといっていたら、生きることができなくなります。
では、なぜ雨がきらわれているのでしょうか。そこにたいした理由があるとは思えません。雨の日は陰気で気がめいるとか、外へでかけるときに困るとか、屋外スポーツの邪魔になるとか、洗濯物がかわかないとか、まあそんなところでしょう。
ぼくたちの暮らし方が、自然からきれていることが、本当は喜ぶべき雨を、どちらかというときらいなものにしているのだと思います。雨という自然がどれほどありがたいものであるかを実感する日々がありません。エアコン付きの部屋で窓を閉め切っていたら、雨も風も、いっさいの自然が自分からきれたところにあります。そういう暮らしのなかでは、雨は外出時の不Aかいとしか感じられなくなってしまいます。
晴れた日の太陽の光も、草木をうるおす雨も、どちらもたいせつで、どちらも心地よいもののはずです。①その単純なことをわすれる暮らし方は、とてもまずしいものだと思います。
*谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』という長Bへんエッセーのなかで、たびたび雨を描いていて、たとえば、古い日本の家の
*厠のなかで、「しとしとと降る雨の音を聴くのを好む」と書いていますし、また辰野隆というフランス文学者は「雨の日」というエッセーに「雨の日なら、春夏秋冬、いつも僕は気分がよいのだ」と書いています。雨は作物を育て草木をうるおすだけでなく、人の心をこまやかにしてくれるものでもあります。
*前に引用した*レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』にも、雨が描かれています。
「雨の日は、森を歩きまわるのにはうってつけだと、かねてからわたしは思っていました。メインの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなります。針葉樹の葉は銀色のさやをまとい、シダ類はまるで熱帯ジャングルのように青々と茂り、そのとがった一枚一枚の葉先からは水晶のようなしずくをしたたらせます。」
カーソンはそう言って、幼いロジャーと二人で雨の森へ出かけていきます。いろんなキノコが美しい色をつやつやとみせ、地衣類や苔類が水をふくんで美しく生き返っています。晴れた日にはがさがさだったトナカイゴケが弾力にとんだ緑のじゅうたんになっていて、ロジャーが歓声をあげてとびこんでいきます。
晴れた日を「良い天気」と言い、雨が降ると「天気が良くない」という一種のCじょうしきにとらわれていては、自然のあたえてくれるDゆたかな美しさを見のがしてしまうことになります。
雨の日こそ外を歩いてみましょう。町のなかでも、道ばたに生えているEざっ草が、いきいきとしているのを目にします。雨の日こそ窓を開けましょう。雨の音が心にしみ、雨の匂いが心をやすめてくれます。
(高田宏『生きるよろこび』)
注
| 渇水期 | 雨が降らず水がかれる時期。 |
| 谷崎潤一郎 | 明治時代から昭和時代中期に活躍した小説家。 |
| 厠 | お手洗い。トイレ。 |
| 前に引用した | ここでは引用していません。 |
| レイチェル・カーソン | アメリカの生物学者。ロジャーは姪の息子。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 快 B 編 C 常識 D 豊 E 雑 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いまの世の中では、雨はあまり喜ばれていません。*渇水期にダムの水がへってくるようなときには雨が待たれますけれども、たいてい雨はきらわれています。
しかし、雨は植物にも動物にも、生命のささえです。雨はいやだといっていたら、生きることができなくなります。
、なぜ雨がきらわれているのでしょうか。そこにたいした理由があるとは思えません。雨の日は陰気で気がめいるとか、外へでかけるときに困るとか、屋外スポーツの邪魔になるとか、洗濯物がかわかないとか、まあそんなところでしょう。
ぼくたちの暮らし方が、自然からきれていることが、本当は喜ぶべき雨を、どちらかというときらいなものにしているのだと思います。①雨という自然がどれほどありがたいものであるかを実感する日々がありません。エアコン付きの部屋で窓を閉め切っていたら、雨も風も、いっさいの自然が自分からきれたところにあります。そういう暮らしのなかでは、雨は外出時の不快としか感じられなくなってしまいます。
晴れた日の太陽の光も、草木をうるおす雨も、どちらもたいせつで、どちらも心地よいもののはずです。その単純なことをわすれる暮らし方は、とてもまずしいものだと思います。
*谷崎潤一郎は『陰翳礼讃』という長編エッセーのなかで、たびたび雨を描いていて、たとえば、古い日本の家の
*厠のなかで、「しとしとと降る雨の音を聴くのを好む」と書いていますし、また辰野隆というフランス文学者は「雨の日」というエッセーに「雨の日なら、春夏秋冬、いつも僕は気分が快いのだ」と書いています。雨は作物を育て草木をうるおすだけでなく、人の心をこまやかにしてくれるものでもあります。
*前に引用した*レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』にも、雨が描かれています。
「雨の日は、森を歩きまわるのにはうってつけだと、かねてからわたしは思っていました。メインの森は、雨が降るととりわけ生き生きとして鮮やかに美しくなります。針葉樹の葉は銀色のさやをまとい、シダ類はまるで熱帯ジャングルのように青々と茂り、そのとがった一枚一枚の葉先からは水晶のようなしずくをしたたらせます。」
カーソンはそう言って、幼いロジャーと二人で雨の森へ出かけていきます。いろんなキノコが美しい色をつやつやとみせ、地衣類や苔類が水をふくんで美しく生き返っています。晴れた日にはがさがさだったトナカイゴケが弾力にとんだ緑のじゅうたんになっていて、ロジャーが歓声をあげてとびこんでいきます。
晴れた日を「良い天気」と言い、雨が降ると「天気が良くない」という一種の常識にとらわれていては、自然のあたえてくれる豊かな美しさを見のがしてしまうことになります。
雨の日こそ外を歩いてみましょう。町のなかでも、道ばたに生えている雑草が、いきいきとしているのを目にします。雨の日こそ窓を開けましょう。雨の音が心にしみ、雨の匂いが心をやすめてくれます。
(高田宏『生きるよろこび』)
注
| 渇水期 | 雨が降らず水がかれる時期。 |
| 谷崎潤一郎 | 明治時代から昭和時代中期に活躍した小説家。 |
| 厠 | お手洗い。トイレ。 |
| 前に引用した | ここでは引用していません。 |
| レイチェル・カーソン | アメリカの生物学者。ロジャーは姪の息子。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
今日は風が心地よくかいてきな天気だった。
家庭科の授業で毛糸のマフラーをあむ。
いくつかの資料からちしきを深めることが大切だ。
芸術の分野でほうふな経験を積む。
ざつぜんとした机の上を片付けてから勉強する。
Practiceの答え
- 答え
快適
- 答え
編む
- 答え
知識
- 答え
豊富
- 答え
雑然
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ では
- ウ しかし
- エ たとえば
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ では
- ウ しかし
- エ たとえば
Practiceの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「その単純なことをわすれる暮らし方」とありますが、どんな暮らし方のことですか。「自然」ということばを使って二十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
自然から切りはなされた暮らし方。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「雨という自然がどれほどありがたいものであるか」とありますが、雨がありがたいものであることを一言で言い表したことばを、文中から六字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
生命のささえ
28章 物語文
物語文の読み方
28-1 物語文22
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「少年」は同級生にさそわれて、市の『夏休み子ども天文教室』に記念品目当てで申し込んだものの、同級生は寝坊し、一人で参加することになった。先生に星座盤の使い方を説明された「少年」たちは、星座盤で今日の星空を見てみた。
「実際には、街の明かりがあったり空気が汚れていたりして、星座盤にある星をぜんぶ見ることはできません。でも、ほんとうは、今夜の夜八時の空には、これだけたくさんの星が光っているんです。すごいでしょう?」
ふうん、と少年は盤を指で押さえたままうなずいた。
すごいのかどうか、よくわからない。夜に外出することはめったにないし、そのときはたいがいお父さんの車に乗って出かけるので、夜空を見上げる機会はない。それに理科は苦手だし、星や宇宙に興味はないし……。
先生が言う日付と時刻に合わせて星座盤を回すのを、何度か繰り返した。
「はい、だいぶ動かし方にも慣れたと思いますので、今度はグループの中で順番に日付と時刻を指定して、星空を探してください」
静かだった会議室は、またにぎやかになった。
少年は、ちらりと隣を見た。女の子も少年に遠慮がちに目をやって、「どっちから言う?」と訊いてきた。想像していたより細くて、高くて、優しそうな声だった。
「……そっちからでいいよ」
少年の声は緊張でうわずってしまった。
女の子は「あ、そう」と軽く応え、すぐに、まるで最初から決めていたように日付と時刻を口にした。
「十二月十九日の夜七時」
胸が、どきん、とした。
「なんで?」――思わず訊くと、女の子は逆にきょとんとした顔で少年を見て、それから 笑った。
「誕生日。ちょうど七時ぐらいだったって、お母さんが言ってたから」
胸がさらに、どきん、どきん、とつづけて高鳴った。
「あの……俺も……そうなの」
「なにが?」
「十二月十九日……って、俺も誕生日」
「ほんと?」
「ほんとほんとほんと、噓じゃないって」
生まれた時刻はわからない。両親に聞いたことも、あるような、ないような。夜だった――と、思う。夜の七時頃だった――ことにした。
「すごーい。偶然だね」
女の子はうれしそうに言った。
少年も「うん、びっくりした、俺も」と笑った。
二人そろって、それぞれの星座盤を回した。夏の夜空とはまったく違う空があらわれた。夏には南北に延びていた天の川が、冬には東西に横たわっている。こぐま座も、くるっと逆立ちをしたように、北極星が一番南になった。夏には見えなかったうお座が空の真ん中にある。アンドロメダ座やカシオペア座も、だいぶ南に下がっていた。
「……うわっ」
①さっきはなにも感じなかったのに、いまは、宇宙や星のことを素直にすごいと思った。女の子も、星座盤をじっと見つめて、「わたしたちの誕生日って、こういう空だったんだね」と言った。
「わたしたち」が、いい。同じ日に同じ街で生まれて、ずっと出会うことなく同じ日にちを生きてきた「わたしたち」がいま巡り会えた、というのが、すごく、いい。
(重松清『プラネタリウム』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
話を聞いたうえでじっさいに取り組む。
本を読んで科学へのきょうみがわいた。
新しい学校生活にもすっかりなれた。
遠い国の生活をそうぞうしてみる。
期待にこたえるため、全力で努力した。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「遠慮」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 車内での通話はご遠慮ください。
- イ 遠慮なく笑ったら負けだよ。
- ウ 他の国から遠慮はるばるやってきた。
- エ 日本一の山に登ろうと遠慮した。
Confirm Testの答え
- 答え
実際
- 答え
興味
- 答え
慣れ
- 答え
想像
- 答え
応える
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「さっきはなにも感じなかったのに、いまは、宇宙や星のことを素直にすごいと思った」とありますが、それまでは宇宙や星に興味を持っていなかったことがわかる少年の態度を表した一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
ふうん、と
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア ガハガハと
- イ しょんぼりと
- ウ スタスタと
- エ クスッと
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「少年」は同級生にさそわれて、市の『夏休み子ども天文教室』に記念品目当てで申し込んだものの、同級生は寝坊し、一人で参加することになった。先生に星座盤の使い方を説明された「少年」たちは、星座盤で今日の星空を見てみた。
「実Aさいには、街の明かりがあったり空気が汚れていたりして、星座盤にある星をぜんぶ見ることはできません。でも、ほんとうは、今夜の夜八時の空には、これだけたくさんの星が光っているんです。すごいでしょう?」
ふうん、と少年は盤を指で押さえたままうなずいた。
すごいのかどうか、よくわからない。夜に外出することはめったにないし、そのときはたいがいお父さんの車に乗って出かけるので、夜空を見上げる機会はない。それに理科は苦手だし、星や宇宙にBきょう味はないし……。
先生が言う日付と時刻に合わせて星座盤を回すのを、何度か繰り返した。
「はい、だいぶ動かし方にもCなれたと思いますので、今度はグループの中で順番に日付と時刻を指定して、星空を探してください」
静かだった会議室は、またにぎやかになった。
少年は、 隣を見た。女の子も少年に遠慮がちに目をやって、「どっちから言う?」と訊いてきた。想Dぞうしていたより細くて、高くて、優しそうな声だった。
「……そっちからでいいよ」
少年の声は緊張でうわずってしまった。
女の子は「あ、そう」と軽くEこたえ、すぐに、まるで最初から決めていたように日付と時刻を口にした。
「十二月十九日の夜七時」
胸が、どきん、とした。
「なんで?」――思わず訊くと、女の子は逆にきょとんとした顔で少年を見て、それからクスッと笑った。
「誕生日。ちょうど七時ぐらいだったって、お母さんが言ってたから」
胸がさらに、どきん、どきん、とつづけて高鳴った。
「あの……俺も……そうなの」
「なにが?」
「十二月十九日……って、俺も誕生日」
「ほんと?」
「①ほんとほんとほんと、噓じゃないって」
生まれた時刻はわからない。両親に聞いたことも、あるような、ないような。夜だった――と、思う。夜の七時頃だった――ことにした。
「すごーい。偶然だね」
女の子はうれしそうに言った。
少年も「うん、びっくりした、俺も」と笑った。
二人そろって、それぞれの星座盤を回した。夏の夜空とはまったく違う空があらわれた。夏には南北に延びていた天の川が、冬には東西に横たわっている。こぐま座も、くるっと逆立ちをしたように、北極星が一番南になった。夏には見えなかったうお座が空の真ん中にある。アンドロメダ座やカシオペア座も、だいぶ南に下がっていた。
「……うわっ」
さっきはなにも感じなかったのに、いまは、宇宙や星のことを素直にすごいと思った。女の子も、星座盤をじっと見つめて、「わたしたちの誕生日って、こういう空だったんだね」と言った。
「わたしたち」が、いい。同じ日に同じ街で生まれて、ずっと出会うことなく同じ日にちを生きてきた「わたしたち」がいま巡り会えた、というのが、すごく、いい。
(重松清『プラネタリウム』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「遠慮」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 明日が楽しみすぎて眠れないこと。
- イ 季節ごとに自分の気分が変わってしまうこと。
- ウ 他人に対して、言葉や行動をひかえめにすること。
- エ もう一度挑戦する気持ちがわいてくること。
Lessonの答え
- 答え
A 際 B 興 C 慣 D 像 E 応 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「少年」は同級生にさそわれて、市の『夏休み子ども天文教室』に記念品目当てで申し込んだものの、同級生は寝坊し、一人で参加することになった。先生に星座盤の使い方を説明された「少年」たちは、星座盤で今日の星空を見てみた。
「実際には、街の明かりがあったり空気が汚れていたりして、星座盤にある星をぜんぶ見ることはできません。でも、ほんとうは、今夜の夜八時の空には、これだけたくさんの星が光っているんです。すごいでしょう?」
ふうん、と少年は盤を指で押さえたままうなずいた。
すごいのかどうか、よくわからない。夜に外出することはめったにないし、そのときはたいがいお父さんの車に乗って出かけるので、夜空を見上げる機会はない。それに理科は苦手だし、星や宇宙に興味はないし……。
先生が言う日付と時刻に合わせて星座盤を回すのを、何度か繰り返した。
「はい、だいぶ動かし方にも慣れたと思いますので、今度はグループの中で順番に日付と時刻を指定して、星空を探してください」
静かだった会議室は、またにぎやかになった。
少年は、ちらりと隣を見た。女の子も少年に遠慮がちに目をやって、「どっちから言う?」と訊いてきた。想像していたより細くて、高くて、優しそうな声だった。
「……そっちからでいいよ」
少年の声は緊張でうわずってしまった。
女の子は「あ、そう」と軽く応え、すぐに、まるで最初から決めていたように日付と時刻を口にした。
「十二月十九日の夜七時」
①胸が、どきん、とした。
「なんで?」――思わず訊くと、女の子は逆に した顔で少年を見て、それからクスッと笑った。
「誕生日。ちょうど七時ぐらいだったって、お母さんが言ってたから」
胸がさらに、どきん、どきん、とつづけて高鳴った。
「あの……俺も……そうなの」
「なにが?」
「十二月十九日……って、俺も誕生日」
「ほんと?」
「ほんとほんとほんと、噓じゃないって」
生まれた時刻はわからない。両親に聞いたことも、あるような、ないような。夜だった――と、思う。夜の七時頃だった――ことにした。
「すごーい。偶然だね」
女の子はうれしそうに言った。
少年も「うん、びっくりした、俺も」と笑った。
二人そろって、それぞれの星座盤を回した。夏の夜空とはまったく違う空があらわれた。夏には南北に延びていた天の川が、冬には東西に横たわっている。こぐま座も、くるっと逆立ちをしたように、北極星が一番南になった。夏には見えなかったうお座が空の真ん中にある。アンドロメダ座やカシオペア座も、だいぶ南に下がっていた。
「……うわっ」
さっきはなにも感じなかったのに、いまは、宇宙や星のことを素直にすごいと思った。女の子も、星座盤をじっと見つめて、「わたしたちの誕生日って、こういう空だったんだね」と言った。
「わたしたち」が、いい。同じ日に同じ街で生まれて、ずっと出会うことなく同じ日にちを生きてきた「わたしたち」がいま巡り会えた、というのが、すごく、いい。
(重松清『プラネタリウム』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
家を出るさいに持ち物を確認する。
初めての野球場での観戦にこう奮した。
朝早く起きるしゅうかんをつける。
公園に大きなどうぞうが立っている。
状況におうじて柔軟に取り組む。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「他人に対して、言葉や行動をひかえめにすること。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
私といるときはしないで言いたいことを言ってね。
Practiceの答え
- 答え
際
- 答え
興
- 答え
習慣
- 答え
銅像
- 答え
応じ
- 答え
えんりょ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ほんとほんとほんと」とありますが、ここから読み取れる少年の気持ちを四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
自分の言ったことが嘘ではないということをわかってほしいという必死な気持ち。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「胸が、どきん、とした」のはなぜですか。理由を三十五字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
女の子が口にした(十二月十九日という)日付が自分の誕生日だったから。
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア じっと
- イ きょとんと
- ウ ちらりと
- エ しょぼんと
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア じっと
- イ きょとんと
- ウ ちらりと
- エ しょぼんと
Practiceの答え
- 答え
イ
28-2 物語文23
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ほら、ニュータウンのほうに、新しい歯医者ができたでしょう。あそこ、休日診療してるって話だから、日曜日に車で連れてってあげる」
一年くらい前、隣町の外れにカラフルな壁の家がたくさん建った。その中に、「おおぎデンタルクリニック」という看板があった。国道から見えるその歯医者は、他の住宅と同じようにパステルカラーをしていて、形もかわいい三角屋根だった。隣には、小さな遊具のある公園までついている。
けれど、パステルカラーの建物なんて自分には全く関係ないものだと思っていた。私にとっては、家も学校も歯医者も、この町にある古びた建物でなければならないような、それがさだめであるような気がしていたからだ。
「ほんとに?」
歯医者の話なのに、私は思わず食いついていた。お母さんは、とにかく私が歯医者に行ってくれることに安心したのか、にこにこしながら「ほんとよお」と言った。
「じゃあ、もう、明後日にしようねえ」
「えっ」
それはさっそく過ぎる、と思ったのだけれど、お母さんはしっかりとピンクの紙の端をにぎって、台所の隅にエプロンを引っかけると階段をのぼっていってしまった。反抗の余地なし。
ひとり残された私は、口を閉じてから、舌で左の奥歯をモソモソとさぐった。「C4」と言われた左下なかほどの歯は、まるでマンホールができたみたいに大げさな穴を空けている。
――パステルカラーの歯医者さんなら、魔法みたいに簡単にこの虫歯を治してくれるかも。
三角屋根の歯医者は、内装も女の子のおもちゃ箱みたいになっていた。待合室に入ると、ピンクとグレー、うすいグリーンのクッションを組み合わせたソファが二列並んでいるのが目を引いた。壁紙はクリーム色。よく見ると、白地にクリーム色の花模様が散らしてあるのだった。部屋の隅には木目のきれいな本棚があって、ページがよれた週刊誌なんかじゃなく、背表紙のしっかりした絵本やマンガが並んでいる。私は素直にそれらに見入った。
「すごい、きれい。日本じゃないみたいだね」
隣に座って初診表に記入をしているお母さんの袖を引いて言うと、「ははっ」と軽い笑いが返ってきた。多分、生まれ育った場所から動いたことのない私が「日本」なんて言ったのがおかしかったんだろう。
お母さんは初診表を受付に出すと、私の前に立って、目線の高さを合わせるように腰をかがめた。一瞬、嫌な予感に襲われる。
「じゃ、お母さんはお父さんと買い物に行ってくるから」
「えっ」
やだー、と私が①抗議するのを、お母さんはごく軽く受け流した。
「セン、もう四年生でしょ。周りのみんな見てみな? センよりちっちゃい子、いっぱい居るじゃない」
そう言って、私の手に無理やり二千円をにぎらせる。確かに、待合室に居る四、五人の子どもたちはほとんどひとりでおとなしく座っていた。お父さんらしき人と一緒に絵本を読んでいる女の子がひとり居るけれど、あきらかに低学年の子だ。
「大丈夫だって。終わったら横の公園で遊んでなさい」
お母さんはぽんぽんと私の頭を二回叩くと、さっさとドアを開けて出ていってしまった。私は完全に泣き出すタイミングを逃していた。
(豊島ミホ『夜の朝顔』より「五月の虫歯」)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
時間がすぎるのがとても早く感じる。
まだ改善のよちがあると感じた。
しゅうかん誌を買って漫画を読む。
すなおな心で助言を受け入れるようにする。
庭に小鳥が複数羽いるのを見つけた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「背表紙」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 背表紙の絵が美しいものを選ぶ。
- イ 背表紙で洋服を着る。
- ウ 遅れているので背表紙で歩く。
- エ 昨日から背表紙がかゆい。
Confirm Testの答え
- 答え
過ぎる
- 答え
余地
- 答え
週刊
- 答え
素直
- 答え
居る
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「抗議する」とありますが、どんなことに対する抗議ですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 買い物に連れていってもらえないこと。
- イ 無理やり歯の治療をされること。
- ウ むし歯の治療の前に買い物に行くこと。
- エ 歯医者にひとり置いていかれること。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ほら、ニュータウンのほうに、新しい歯医者ができたでしょう。あそこ、休日診療してるって話だから、日曜日に車で連れてってあげる」
一年くらい前、隣町の外れにカラフルな壁の家がたくさん建った。その中に、「おおぎデンタルクリニック」という看板があった。国道から見えるその歯医者は、他の住宅と同じようにパステルカラーをしていて、形もかわいい三角屋根だった。隣には、小さな遊具のある公園までついている。
けれど、パステルカラーの建物なんて自分には全く関係ないものだと思っていた。私にとっては、家も学校も歯医者も、①この町にある古びた建物でなければならないような、それがさだめであるような気がしていたからだ。
「ほんとに?」
歯医者の話なのに、私は思わず食いついていた。お母さんは、とにかく私が歯医者に行ってくれることに安心したのか、にこにこしながら「ほんとよお」と言った。
「じゃあ、もう、明後日にしようねえ」
「えっ」
それはさっそくAすぎる、と思ったのだけれど、お母さんはしっかりとピンクの紙の端をにぎって、台所の隅にエプロンを引っかけると階段をのぼっていってしまった。反抗のBよ地なし。
ひとり残された私は、口を閉じてから、舌で左の奥歯をモソモソとさぐった。「C4」と言われた左下なかほどの歯は、まるでマンホールができたみたいに大げさな穴を空けている。
――パステルカラーの歯医者さんなら、魔法みたいに簡単にこの虫歯を治してくれるかも。
三角屋根の歯医者は、内装も女の子のおもちゃ箱みたいになっていた。待合室に入ると、ピンクとグレー、うすいグリーンのクッションを組み合わせたソファが二列並んでいるのが目を引いた。壁紙はクリーム色。よく見ると、白地にクリーム色の花模様が散らしてあるのだった。部屋の隅には木目のきれいな本棚があって、ページがよれた週Cかん誌なんかじゃなく、背表紙のしっかりした絵本やマンガが並んでいる。私はDす直にそれらに見入った。
「すごい、きれい。日本じゃないみたいだね」
隣に座って初診表に記入をしているお母さんの袖を引いて言うと、「ははっ」と軽い笑いが返ってきた。多分、生まれ育った場所から動いたことのない私が「日本」なんて言ったのがおかしかったんだろう。
お母さんは初診表を受付に出すと、私の前に立って、目線の高さを合わせるように腰をかがめた。一瞬、嫌な予感に襲われる。
「じゃ、お母さんはお父さんと買い物に行ってくるから」
「えっ」
やだー、と私が抗議するのを、お母さんはごく軽く受け流した。
「セン、もう四年生でしょ。周りのみんな見てみな? センよりちっちゃい子、いっぱいEいるじゃない」
そう言って、私の手に無理やり二千円をにぎらせる。確かに、待合室にいる四、五人の子どもたちはほとんどひとりでおとなしく座っていた。お父さんらしき人と一緒に絵本を読んでいる女の子がひとりいるけれど、あきらかに低学年の子だ。
「大丈夫だって。終わったら横の公園で遊んでなさい」
お母さんはぽんぽんと私の頭を二回叩くと、さっさとドアを開けて出ていってしまった。私は完全に泣き出すタイミングを逃していた。
(豊島ミホ『夜の朝顔』より「五月の虫歯」)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「背表紙」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 背中に物を乗せていること。
- イ 表紙が二枚ある状態。
- ウ 書物の表紙の、背にあたる部分。
- エ 司会者が持っている台本のこと。
Lessonの答え
- 答え
A 過 B 余 C 刊 D 素 E 居 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「ほら、ニュータウンのほうに、新しい歯医者ができたでしょう。あそこ、休日診療してるって話だから、日曜日に車で連れてってあげる」
一年くらい前、隣町の外れにカラフルな壁の家がたくさん建った。その中に、「おおぎデンタルクリニック」という看板があった。国道から見えるその歯医者は、他の住宅と同じようにパステルカラーをしていて、形もかわいい三角屋根だった。隣には、小さな遊具のある公園までついている。
けれど、パステルカラーの建物なんて自分には全く関係ないものだと思っていた。私にとっては、家も学校も歯医者も、この町にある古びた建物でなければならないような、それがさだめであるような気がしていたからだ。
「ほんとに?」
歯医者の話なのに、私は思わず食いついていた。お母さんは、とにかく私が歯医者に行ってくれることに安心したのか、にこにこしながら「ほんとよお」と言った。
「じゃあ、もう、明後日にしようねえ」
「えっ」
それはさっそく過ぎる、と思ったのだけれど、お母さんはしっかりとピンクの紙の端をにぎって、台所の隅にエプロンを引っかけると階段をのぼっていってしまった。反抗の余地なし。
ひとり残された私は、口を閉じてから、舌で左の奥歯をモソモソとさぐった。「C4」と言われた左下なかほどの歯は、まるでマンホールができたみたいに大げさな穴を空けている。
――パステルカラーの歯医者さんなら、魔法みたいに簡単にこの虫歯を治してくれるかも。
三角屋根の歯医者は、内装も女の子のおもちゃ箱みたいになっていた。待合室に入ると、ピンクとグレー、うすいグリーンのクッションを組み合わせたソファが二列並んでいるのが目を引いた。壁紙はクリーム色。よく見ると、白地にクリーム色の花模様が散らしてあるのだった。部屋の隅には木目のきれいな本棚があって、ページがよれた週刊誌なんかじゃなく、背表紙のしっかりした絵本やマンガが並んでいる。私は素直にそれらに見入った。
「すごい、きれい。日本じゃないみたいだね」
隣に座って初診表に記入をしているお母さんの袖を引いて言うと、①「ははっ」と軽い笑いが返ってきた。多分、生まれ育った場所から動いたことのない私が「日本」なんて言ったのがおかしかったんだろう。
お母さんは初診表を受付に出すと、私の前に立って、目線の高さを合わせるように腰をかがめた。一瞬、嫌な予感に襲われる。
「じゃ、お母さんはお父さんと買い物に行ってくるから」
「えっ」
やだー、と私が抗議するのを、お母さんはごく軽く受け流した。
「セン、もう四年生でしょ。周りのみんな見てみな? センよりちっちゃい子、いっぱい居るじゃない」
そう言って、私の手に無理やり二千円をにぎらせる。確かに、待合室に居る四、五人の子どもたちはほとんどひとりでおとなしく座っていた。お父さんらしき人と一緒に絵本を読んでいる女の子がひとり居るけれど、あきらかに低学年の子だ。
「大丈夫だって。終わったら横の公園で遊んでなさい」
お母さんはぽんぽんと私の頭を二回叩くと、さっさとドアを開けて出ていってしまった。私は完全に泣き出すタイミングを逃していた。
(豊島ミホ『夜の朝顔』より「五月の虫歯」)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
かこの努力が結果に結びついた。
試験時間があまるときには見直しをする。
新しい雑誌が来週にかんこうされる予定だ。
健康のためにそざいにこだわった料理を作る。
新しいきょじゅう地での生活が始まった。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「書物の表紙の、背にあたる部分。」を表すことばをひらがな五字で書きなさい。
本のを見比べる。
Practiceの答え
- 答え
過去
- 答え
余る
- 答え
刊行
- 答え
素材
- 答え
居住
- 答え
せびょうし
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「この町にある古びた建物」に対し、隣町の歯医者はどのような建物だったのですか。次の文の a・bにあてはまることばを、文中からaは七字、bは八字で書きぬきなさい。(完答)
色は a で、形も b の建物
- a
- b
Lessonの答え
- 答え
- a パステルカラー
- b かわいい三角屋根
- 解説
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「『ははっ』と軽い笑い」とありますが、お母さんが笑った理由を「私」はどう考えていますか。次の文の a・bにあてはまることばを、文中からそれぞれ八字以上十字以内で書きぬきなさい。(完答)
a 以外の場所を知らない「私」が「 b 」と言ったから。
a
b
Practiceの答え
- 答え
- a 生まれ育った場所
- b 日本じゃないみたい(だ)
- (完答)
- 解説
28-3 物語文24
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の「うち」は、伊藤くんに、ドッジボールの時間に森田くんと大げんかをした事情をたずねている。
「おれさ、森田のこと認めてたっていうか、なんかすごいとこあるやつだなあって思ってたんだ。今までほとんど接点なかったけどさ、いろいろ話すと、けっこう楽しくてさ。それに、おれんちとあいつんち、すっごい近いんだよ。ご近所さんなんだよな。」
妙に嬉しそうに話す伊藤くん。
彼は、森田くんと本当に仲がよかったのかもしれないと思った。
「知ってるか? 森田って、すごいボール投げんだぞ。ドッジボールでさ。あの目でじっとにらんでさ、そんでビュッと横投げされたら、もうだれもよけられないんだ。おどろくぞ、とにかく。」
べたぼめって感じだった。何時間か前には大げんかしてたくせに、へんなのって思った。
その横投げってのは見たことないけど、森田くんの目線のインパクトだけはわかる。彼の目って、ときどきだけど不思議な感じになるんだよね。
転校してきたときにも、あれこれうわさになってたし、たぶん前の学校でもいろいろあったんだと思うなあ。
「そんな森田くんがさ、なんで伊藤くんにボールをぶつけてきたの? しかも、顔面をねらったんでしょ?」
「うん。間違いなく①そう。あいつ、最初からおれをねらってた。だからおれも、カーッとしちゃってさ、気がついたらとびかかってたんだ。そしたら、あいつ、チビのくせに力けっこう強くてさ、なかなかやるっていうかさ……。」
ケンカ相手のことをなんだかんだいってほめてる伊藤くん。素直な子なんだよなあって思った。
「教えて。森田くんはさ、なんで伊藤くんにそんなことしたの? あいつ、伊藤くんにうらみでもあったの?」
「それはさあ……。」
伊藤くんはまたまた口ごもってしまった。よほど話したくないことなんだなあ……。
でも、しばらくすると思い切ったように口を開いた。
「あいつさ、おれととっくみあいになったとき、ずっと叫んでたんだよな。『おまえが張本人なんだぞ!』って。」
「張本人って、つまり、なにかを引き起こした中心人物ってこと?」
「うん。そういうことになるのかなあ……。糸川をいじめてる張本人がおれだって、あいつ、叫んでた。おれさ、そんなことしてるつもりなんかぜんぜんなかったのになあ。」
顔の傷を指でさわり、伊藤くんはちょっと顔をしかめた。
「でもさ、考えてみればおれ、糸川のことを毛嫌いしてたのかもしれない。やっぱり、苦手なタイプだし。それで、富沢とか黒木が糸川をいじめるのをけっこう楽しんでたのかもな。見て見ぬふりしてさ、止めようともせずにさ……。」
「じゃあさ、森田くんは、糸川くんがいじめられることを怒って、伊藤くんにくってかかったってことなの? いじめを止めようとしたってことなの?」
「まあ、そうなんだろうなあ……。」
そんなことってあるんだ……。
なんだか信じられなかった。あのたよりない森田くんが、そんなことをしようとするなんてさ。
(福田隆浩『ブルーとオレンジ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
家庭のじじょうで学校を休むことになった。
級友と趣味の面で共通のせってんを見つけた。
新しいクラスメイトとなか良くなった。
人の話をすなおに聞く意識を持つ。
いたずらのちょうほんにんが見つかった。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「毛嫌い」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 彼はお父さんのことを毛嫌いする。
- イ 毛嫌いしてお風呂に入る。
- ウ もう少しで毛嫌いになる予定だ。
- エ 明日は晴れるだろうと毛嫌いに頼る。
Confirm Testの答え
- 答え
事情
- 答え
接点
- 答え
仲
- 答え
素直
- 答え
張本人
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「そう」の指している内容を二十字以内で書きなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
森田くんは自分の顔面をねらって投げた。
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章でえがかれている森田くんと伊藤くんの人物像としてもっとも適当なものを、次のア〜オから一つずつ選び、それぞれ記号で答えなさい。(完答)
- ア 明るく親切だが、自分のまちがいはなかなか認められない人物。
- イ おだやかで誰にでも優しく接するが、計算高いところもある人物。
- ウ たよりない印象だが、心の奥底に熱い正義感を秘めている人物。
- エ 周囲を冷静に見て、状況に応じた行動をとることのできる人物。
- オ 短気で乱暴な部分もあるが、根は単純で素直な人物。
Confirm Testの答え
- 答え
- 森田くん:ウ
- 伊藤くん:オ
- (完答)
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の「うち」は、伊藤くんに、ドッジボールの時間に森田くんと大げんかをした事Aじょうをたずねている。
「おれさ、森田のこと認めてたっていうか、なんかすごいとこあるやつだなあって思ってたんだ。今までほとんどBせっ点なかったけどさ、いろいろ話すと、けっこう楽しくてさ。それに、おれんちとあいつんち、すっごい近いんだよ。ご近所さんなんだよな。」
妙に嬉しそうに話す伊藤くん。
彼は、森田くんと本当にCなかがよかったのかもしれないと思った。
「知ってるか? 森田って、すごいボール投げんだぞ。ドッジボールでさ。あの目でじっとにらんでさ、そんでビュッと横投げされたら、もうだれもよけられないんだ。おどろくぞ、とにかく。」
べたぼめって感じだった。何時間か前には大げんかしてたくせに、①へんなのって思った。
その横投げってのは見たことないけど、森田くんの目線のインパクトだけはわかる。彼の目って、ときどきだけど不思議な感じになるんだよね。
転校してきたときにも、あれこれうわさになってたし、たぶん前の学校でもいろいろあったんだと思うなあ。
「そんな森田くんがさ、なんで伊藤くんにボールをぶつけてきたの? しかも、顔面をねらったんでしょ?」
「うん。間違いなくそう。あいつ、最初からおれをねらってた。だからおれも、カーッとしちゃってさ、気がついたらとびかかってたんだ。そしたら、あいつ、チビのくせに力けっこう強くてさ、なかなかやるっていうかさ……。」
ケンカ相手のことをなんだかんだいってほめてる伊藤くん。Dす直な子なんだよなあって思った。
「教えて。森田くんはさ、なんで伊藤くんにそんなことしたの? あいつ、伊藤くんにうらみでもあったの?」
「それはさあ……。」
伊藤くんはまたまた口ごもってしまった。よほど話したくないことなんだなあ……。
でも、しばらくすると思い切ったように口を開いた。
「あいつさ、おれととっくみあいになったとき、ずっと叫んでたんだよな。『おまえがEちょう本人なんだぞ!』って。」
「ちょう本人って、つまり、なにかを引き起こした中心人物ってこと?」
「うん。そういうことになるのかなあ……。糸川をいじめてるちょう本人がおれだって、あいつ、叫んでた。おれさ、そんなことしてるつもりなんかぜんぜんなかったのになあ。」
顔の傷を指でさわり、伊藤くんはちょっと顔をしかめた。
「でもさ、考えてみればおれ、糸川のことを毛嫌いしてたのかもしれない。やっぱり、苦手なタイプだし。それで、富沢とか黒木が糸川をいじめるのをけっこう楽しんでたのかもな。見て見ぬふりしてさ、止めようともせずにさ……。」
「じゃあさ、森田くんは、糸川くんがいじめられることを怒って、伊藤くんにくってかかったってことなの? いじめを止めようとしたってことなの?」
「まあ、そうなんだろうなあ……。」
そんなことってあるんだ……。
なんだか信じられなかった。あのたよりない森田くんが、そんなことをしようとするなんてさ。
(福田隆浩『ブルーとオレンジ』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「毛嫌い」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 毛がついている虫が苦手なこと。
- イ 子供が大人を嫌うこと。
- ウ 動物のことがとても苦手なこと。
- エ これといった理由もなく、ただ感情的に嫌うこと。
Lessonの答え
- 答え
A 情 B 接 C 仲 D 素 E 張 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
小学五年生の「うち」は、伊藤くんに、ドッジボールの時間に森田くんと大げんかをした事情をたずねている。
「おれさ、森田のこと認めてたっていうか、①なんかすごいとこあるやつだなあって思ってたんだ。今までほとんど接点なかったけどさ、いろいろ話すと、けっこう楽しくてさ。それに、おれんちとあいつんち、すっごい近いんだよ。ご近所さんなんだよな。」
妙に嬉しそうに話す伊藤くん。
彼は、森田くんと本当に仲がよかったのかもしれないと思った。
「知ってるか? 森田って、すごいボール投げんだぞ。ドッジボールでさ。あの目でじっとにらんでさ、そんでビュッと横投げされたら、もうだれもよけられないんだ。おどろくぞ、とにかく。」
べたぼめって感じだった。何時間か前には大げんかしてたくせに、へんなのって思った。
その横投げってのは見たことないけど、森田くんの目線のインパクトだけはわかる。彼の目って、ときどきだけど不思議な感じになるんだよね。
転校してきたときにも、あれこれうわさになってたし、たぶん前の学校でもいろいろあったんだと思うなあ。
「そんな森田くんがさ、なんで伊藤くんにボールをぶつけてきたの? しかも、顔面をねらったんでしょ?」
「うん。間違いなくそう。あいつ、最初からおれをねらってた。だからおれも、カーッとしちゃってさ、気がついたらとびかかってたんだ。そしたら、あいつ、チビのくせに力けっこう強くてさ、なかなかやるっていうかさ……。」
ケンカ相手のことをなんだかんだいってほめてる伊藤くん。素直な子なんだよなあって思った。
「教えて。森田くんはさ、なんで伊藤くんにそんなことしたの? あいつ、伊藤くんにうらみでもあったの?」
「それはさあ……。」
伊藤くんはまたまた口ごもってしまった。よほど話したくないことなんだなあ……。
でも、しばらくすると思い切ったように口を開いた。
「あいつさ、おれととっくみあいになったとき、ずっと叫んでたんだよな。『おまえが張本人なんだぞ!』って。」
「張本人って、つまり、なにかを引き起こした中心人物ってこと?」
「うん。そういうことになるのかなあ……。糸川をいじめてる張本人がおれだって、あいつ、叫んでた。おれさ、そんなことしてるつもりなんかぜんぜんなかったのになあ。」
顔の傷を指でさわり、伊藤くんはちょっと顔をしかめた。
「でもさ、考えてみればおれ、糸川のことを毛嫌いしてたのかもしれない。やっぱり、苦手なタイプだし。それで、富沢とか黒木が糸川をいじめるのをけっこう楽しんでたのかもな。見て見ぬふりしてさ、止めようともせずにさ……。」
「じゃあさ、森田くんは、糸川くんがいじめられることを怒って、伊藤くんにくってかかったってことなの? いじめを止めようとしたってことなの?」
「まあ、そうなんだろうなあ……。」
そんなことってあるんだ……。
なんだか信じられなかった。あのたよりない森田くんが、そんなことをしようとするなんてさ。
(福田隆浩『ブルーとオレンジ』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
有言実行できずになさけない気持ちになる。
学校はいろいろな学問とせっする良い環境だ。
兄弟でけんかをしてもすぐになかなおりする。
音楽のそしつを持つ子どもたちが集まった。
新しいポスターを壁にはり出した。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「これといった理由もなく、ただ感情的にきらうこと。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
彼は担任の先生をする。
Practiceの答え
- 答え
情け
- 答え
接する
- 答え
仲直り
- 答え
素質
- 答え
張り
- 答え
けぎらい
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「へんなの」とありますが、どんなことがへんなのですか。四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
森田くんと大げんかしていた伊藤くんが、森田くんをべたぼめしていること。
- 解説
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「なんかすごいとこあるやつだなあって思ってた」とありますが、伊藤くんは、森田くんのすごいところとして、どのようなところを挙げていますか。三十字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
ドッジボールでだれもよけられないボールを投げると
ころ。
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章でえがかれている森田くんの人物像としてもっとも適当なものを、次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 明るく親切だが、自分のまちがいはなかなか認められない人物。
- イ おだやかで誰にでも優しく接するが、計算高いところもある人物。
- ウ たよりない印象だが、心の奥底に熱い正義感を秘めている人物。
- エ 周囲を冷静に見て、状況に応じた行動をとることのできる人物。
- オ 短気で乱暴な部分もあるが、根は単純で素直な人物。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章でえがかれている伊藤くんの人物像としてもっとも適当なものを、次のア〜オから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 明るく親切だが、自分のまちがいはなかなか認められない人物。
- イ おだやかで誰にでも優しく接するが、計算高いところもある人物。
- ウ たよりない印象だが、心の奥底に熱い正義感を秘めている人物。
- エ 周囲を冷静に見て、状況に応じた行動をとることのできる人物。
- オ 短気で乱暴な部分もあるが、根は単純で素直な人物。
Practiceの答え
- 答え
オ
29章 詩
詩の読み方
29-1 詩3
Confirm Test
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
鉄棒㈡ 村野四郎
- 僕は地平線に飛びつく
- 僅に指さきが引っかかった
- 僕は世界にぶら下った
- 筋肉だけが僕の頼みだ
- 僕は赤くなる 僕は収縮する
- 足が上ってゆく
- おお 僕は何処へ行く
- 大きく世界が一回転して
- 僕が上になる
- 高くからの*俯瞰
- ①ああ 両肩に柔軟な雲
注
| 俯瞰 | 高い所から見おろすこと。 |
この詩で用いられている表現技法を、次のア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 比喩
- イ 省略法
- ウ くり返し
- エ 対句
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Confirm Test
Training1(または確認テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
線①「ああ 両肩に柔軟な雲」とは、どのような気分を表していますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 肩の筋肉がいたむような疲労感。
- イ 一つの運動を終えた満足感。
- ウ 肩に何かをのせたような、重く苦しい気分。
- エ 両肩で体をささえている充実感。
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Point
Lesson
Lesson
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
われは草なり 高見順
- われは草なり
- 伸びんとす
- 伸びられるとき
- 伸びんとす
- 伸びられぬ日は
- 伸びぬなり
- 伸びられる日は
- 伸びるなり
- われは草なり
- 緑なり
- 全身すべて
- 緑なり
- ①毎年かはらず
- 緑なり
- 緑の*己れに
- あきぬなり
- われは草なり
- 緑なり
- 緑の深きを
- 願ふなり
- ああ 生きる日の
- 美しき
- ああ 生きる日の
- 楽しさよ
- われは草なり
- 生きんとす
- 草のいのちを
- 生きんとす
注
| 己れ | 自分自身。 |
第一連で用いられている表現技法を、次のア〜オからすべて選び、記号で答えなさい。(順不同・完答)
- ア 直喩
- イ 省略法
- ウ くり返し
- エ 対句
- オ 倒置法
Lessonの答え
- 答え
ウ、エ (順不同・完答)
Practice
次の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
冬の夜道 津村信夫
- 冬の夜道を
- 一人の男が帰ってゆく
- はげしい仕事をする人だ
- その疲れきった足どりが
- そっくり
- それを表はしてゐる
- 月夜であった
- 小砂利を踏んで
- やがて 一軒の家の前に
- 立ち止まった
- それから ゆっくり 格子戸を開けた
- 「お帰りなさい」
- 土間に灯が洩れて
- 女の人の声がした
- すると それに続いて
- 何処か 部屋の隅から
- 一つの小さな声がいった
- 又一つ
- また一つの別の小さな声が叫んだ
- 「お帰りなさい」
- 冬の夜道は 月が出て
- 随分とあかるかった
- ゆきずりの①私の心には
- 明るい一本の蝋燭が燃えていた
この詩で用いられている表現技法を、次のア〜エの中から一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 比喩
- イ 省略法
- ウ くり返し
- エ 対句
Practiceの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
Lesson1(または理解度テスト1)の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
①線「毎年かはらず……あきぬなり」には作者のどのような気持ちが表れていますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分がどんなすがたであっても気にとめない気持ち。
- イ 毎年同じである自分を何とかかえたい気持ち。
- ウ ありのままの自分をみとめ、受け入れる気持ち。
- エ 何があっても自分はかわりたくないと思う気持ち。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
Practice1の詩を読んで、あとの問いに答えなさい。
線①「私の心には/明るい一本の蝋燭が燃えていた」とありますが、このときの「私」の気持ちとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 冬の夜道で心あたたまる思いをした。
- イ 冬の夜道で生きてゆく心のささえを見つけた。
- ウ 冬の夜道でふたたび自分の家族のことを思い出した。
- エ 冬の夜道で蝋燭の火を見てさびしい思いをした。
Practiceの答え
- 答え
ア
30章 随筆文
随筆文の読み方
30-1 随筆文5
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私は、いま*信州八ヶ岳山麓の仕事場で暮らしているが、この小屋の南面は畳を十二枚ほど敷ける広さの木造ベランダになっている。(中略)
このベランダに、リスの一家がくる。ひどい雨降りでない限り、毎日朝夕二度はかならずくる。一家といっても、私が勝手にそう思っているだけだが、家族と思われる三匹は、まるで父親から教わったかのように、全くおなじ枝から枝へと伝わりながら*寸分違わぬコースをやってくるし、いちどなどは、顔見せのように三匹が一列になって同時にあらわれたりしたから、まず三匹家族の一家だと思っていいだろう。
私はリスの習性など知らずにいうのだが、この三匹は親子ではないかと思っている。両親と今年生まれた子供。三匹とも、似たような体つきをしていて、季節による毛の色の変わり方も、色そのものもまちまちだから、一見してみなおなじように見えるが、ベランダでの様子を見ていると、だんだんちがいがわかってくる。
ベランダの手すりには、太い丸太を横木に用いてある。樹皮を剝いだだけの丸太だから、枝を折り取ったあとがあちこちに浅い窪みを作っている。私は、その窪みにリスの好物を、あるときは殻のままのクルミやピーナッツを、あるときは(幼児食のつもりで)殼をむいたクルミやピーナッツを置いてやるのだが、その餌の食べ方を見ていると、なんとなく、どれが父親で、どれが母親で、どれが子供かがわかるような気がするのである。
子供は、まだ何事にも馴れていないから、臆病で落ち着きがない。一家は、林を伝ってきて、最後はベランダのそばにあるカラマツの大木(私たちは親方と呼んでいる)の下枝からベランダに飛び移るのだが、びくびくものの子供は一目散に丸太を駈け渡るのが精一杯で、窪みの餌にも気がつかないことがしばしばである。
父親とおぼしき貫禄のある一匹は、最初から窪みという窪みの匂いを嗅ぎながらやってきて、餌を見つけると、その場に腰を下ろしてゆっくりと味わう。そのとき、あの、立てたふさふさの尻尾を背中にぴったりとつけ、両手で餌を持ち上げて食べる、なんとも可愛らしい姿が実現するわけで、私は仕事部屋の窓から思わず見惚れてしまうのである。
ところが、上には上があるもので、私にそれ以上の*至福を感じさせるのが母親リスである。腰の豊かな彼女は、丸太の上でも色気たっぷりの横坐りを見せ、満腹すると①親方の枝に移って、うずらの卵ほどの瘤を抱くようにしてしばしのうたた寝を試みるのである。これがはじまると、私は筆記用具を置いて、ただもう、うっとりとその寝姿を見守るほかはない。
今年の夏は、*月遅れの盆を中心に山麓は人出が多かった。避暑地が夏に賑わうのは当然だが、近頃の都会人は犬や猫などのペットを連れてくる上に、花火をする。
私はいま、どこかに避難しているらしいリスの一家が帰ってくるのを待っているところだ。
(三浦哲郎『狐のあしあと』より「まどろむリス」)
注
| 信州 | 長野県の古い国名である信濃の別の言い方。 |
| 寸分違わぬ | 少しも違わない。 |
| 至福 | このうえない幸福。 |
| 月遅れの盆 | 明治五年まで用いていたこよみに従った、ひと月遅れのお盆のことで、今の八月十五日ごろにあたる。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
この神社は古いもくぞうの建物で有名だ。
できるかぎりのことをして試験にのぞむ。
強風で庭の木のえだが折れてしまった。
父と母の考え方はよくにている。
猫が軽やかに地面から塀へ飛びうつる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「貫禄」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア あの人は見た目から貫禄のある人だ。
- イ 貫禄に負けないように遊ぼう。
- ウ みんなで貫禄しに行こう。
- エ 敵か味方かわからない時は貫禄で確かめる。
Confirm Testの答え
- 答え
木造
- 答え
限り
- 答え
枝
- 答え
似
- 答え
移る
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「親方の枝」とありますが、これはベランダの近くの何の枝ですか。「何」にあたることばを文中から七字以内で書きぬきなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
カラマツの大木
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私は、いま*信州八ヶ岳山麓の仕事場で暮らしているが、この小屋の南面は畳を十二枚ほど敷ける広さの木Aぞうベランダになっている。(中略)
このベランダに、リスの一家がくる。ひどい雨降りでない
Bかぎり、毎日朝夕二度はかならずくる。一家といっても、私が勝手にそう思っているだけだが、①家族と思われる三匹は、まるで父親から教わったかのように、全くおなじCえだからえだへと伝わりながら*寸分違わぬコースをやってくるし、いちどなどは、顔見せのように三匹が一列になって同時にあらわれたりしたから、まず三匹家族の一家だと思っていいだろう。
私はリスの習性など知らずにいうのだが、この三匹は親子ではないかと思っている。両親と今年生まれた子供。三匹とも、Dにたような体つきをしていて、季節による毛の色の変わり方も、色そのものもまちまちだから、一見してみなおなじように見えるが、ベランダでの様子を見ていると、だんだんちがいがわかってくる。
ベランダの手すりには、太い丸太を横木に用いてある。樹皮を剝いだだけの丸太だから、えだを折り取ったあとがあちこちに浅い窪みを作っている。私は、その窪みにリスの好物を、あるときは殻のままのクルミやピーナッツを、あるときは(幼児食のつもりで)殼をむいたクルミやピーナッツを置いてやるのだが、その餌の食べ方を見ていると、なんとなく、どれが父親で、どれが母親で、どれが子供かがわかるような気がするのである。
子供は、まだ何事にも馴れていないから、臆病で落ち着きがない。一家は、林を伝ってきて、最後はベランダのそばにあるカラマツの大木(私たちは親方と呼んでいる)の下えだからベランダに飛びEうつるのだが、びくびくものの子供は一目散に丸太を駈け渡るのが精一杯で、窪みの餌にも気がつかないことがしばしばである。
父親とおぼしき貫禄のある一匹は、最初から窪みという窪みの匂いを嗅ぎながらやってきて、餌を見つけると、その場に腰を下ろしてゆっくりと味わう。そのとき、あの、立てたふさふさの尻尾を背中にぴったりとつけ、両手で餌を持ち上げて食べる、なんとも可愛らしい姿が実現するわけで、私は仕事部屋の窓から思わず見惚れてしまうのである。
ところが、上には上があるもので、私にそれ以上の*至福を感じさせるのが母親リスである。腰の豊かな彼女は、丸太の上でも色気たっぷりの横坐りを見せ、満腹すると親方のえだにうつって、うずらの卵ほどの瘤を抱くようにしてしばしのうたた寝を試みるのである。これがはじまると、私は筆記用具を置いて、ただもう、うっとりとその寝姿を見守るほかはない。
今年の夏は、*月遅れの盆を中心に山麓は人出が多かった。避暑地が夏に賑わうのは当然だが、近頃の都会人は犬や猫などのペットを連れてくる上に、花火をする。
私はいま、どこかに避難しているらしいリスの一家が帰ってくるのを待っているところだ。
(三浦哲郎『狐のあしあと』より「まどろむリス」)
注
| 信州 | 長野県の古い国名である信濃の別の言い方。 |
| 寸分違わぬ | 少しも違わない。 |
| 至福 | このうえない幸福。 |
| 月遅れの盆 | 明治五年まで用いていたこよみに従った、ひと月遅れのお盆のことで、今の八月十五日ごろにあたる。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「貫禄」について、もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア からだつきや態度などから感じる人間的重みや風格。
- イ 夢を叶えるためならなんでもやるという心意気。
- ウ テレビやラジオに対して評価をする人のこと。
- エ 引越しする前に確認しておかないといけない状況。
Lessonの答え
- 答え
A 造 B 限 C 枝 D 似 E 移 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私は、いま*信州八ヶ岳山麓の仕事場で暮らしているが、この小屋の南面は畳を十二枚ほど敷ける広さの木造ベランダになっている。(中略)
このベランダに、リスの一家がくる。ひどい雨降りでない限り、毎日朝夕二度はかならずくる。一家といっても、私が勝手にそう思っているだけだが、家族と思われる三匹は、まるで父親から教わったかのように、全くおなじ枝から枝へと伝わりながら*寸分違わぬコースをやってくるし、いちどなどは、顔見せのように三匹が一列になって同時にあらわれたりしたから、まず三匹家族の一家だと思っていいだろう。
私はリスの習性など知らずにいうのだが、この三匹は親子ではないかと思っている。両親と今年生まれた子供。三匹とも、似たような体つきをしていて、季節による毛の色の変わり方も、色そのものもまちまちだから、一見してみなおなじように見えるが、ベランダでの様子を見ていると、だんだんちがいがわかってくる。
ベランダの手すりには、太い丸太を横木に用いてある。樹皮を剝いだだけの丸太だから、枝を折り取ったあとがあちこちに浅い窪みを作っている。私は、その窪みにリスの好物を、あるときは殻のままのクルミやピーナッツを、あるときは(幼児食のつもりで)殼をむいたクルミやピーナッツを置いてやるのだが、その餌の食べ方を見ていると、なんとなく、どれが父親で、どれが母親で、どれが子供かがわかるような気がするのである。
子供は、まだ何事にも馴れていないから、臆病で落ち着きがない。一家は、林を伝ってきて、最後はベランダのそばにあるカラマツの大木(私たちは親方と呼んでいる)の下枝からベランダに飛び移るのだが、びくびくものの子供は一目散に丸太を駈け渡るのが精一杯で、窪みの餌にも気がつかないことがしばしばである。
父親とおぼしき貫禄のある一匹は、最初から窪みという窪みの匂いを嗅ぎながらやってきて、餌を見つけると、その場に腰を下ろしてゆっくりと味わう。そのとき、あの、立てたふさふさの尻尾を背中にぴったりとつけ、両手で餌を持ち上げて食べる、なんとも可愛らしい姿が実現するわけで、私は仕事部屋の窓から思わず見惚れてしまうのである。
ところが、①上には上があるもので、私にそれ以上の
*至福を感じさせるのが母親リスである。腰の豊かな彼女は、丸太の上でも色気たっぷりの横坐りを見せ、満腹すると親方の枝に移って、うずらの卵ほどの瘤を抱くようにしてしばしのうたた寝を試みるのである。これがはじまると、私は筆記用具を置いて、ただもう、うっとりとその寝姿を見守るほかはない。
今年の夏は、*月遅れの盆を中心に山麓は人出が多かった。避暑地が夏に賑わうのは当然だが、近頃の都会人は犬や猫などのペットを連れてくる上に、花火をする。
私はいま、どこかに避難しているらしいリスの一家が帰ってくるのを待っているところだ。
(三浦哲郎『狐のあしあと』より「まどろむリス」)
注
| 信州 | 長野県の古い国名である信濃の別の言い方。 |
| 寸分違わぬ | 少しも違わない。 |
| 至福 | このうえない幸福。 |
| 月遅れの盆 | 明治五年まで用いていたこよみに従った、ひと月遅れのお盆のことで、今の八月十五日ごろにあたる。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
日本庭園の美しいつくりに感動した。
自分のげんかいに挑戦するために努力する。
桜の木のえだで小鳥がさえずっている。
親子の表情や仕草が自然とにる。
公共交通機関を利用していどうする。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「からだつきや態度などから感じる人間的重みや風格。身に備わった威厳。」を表すことばをひらがな四字で書きなさい。
彼は最近が出てきた。
Practiceの答え
- 答え
造り
- 答え
限界
- 答え
枝
- 答え
似る
- 答え
移動
- 答え
かんろく
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「家族と思われる三匹」とありますが、筆者はどんなことから、この三匹を「家族」と判断していますか。次の文の a〜cにあてはまることばを、同じ段落の文中からa・bはそれぞれ三字、cは二字で書きぬきなさい。(完答)
三匹が同じ a をやってくることや、 b のように三匹が c になって同時にあらわれたりすること。
- a
- b
- c
Lessonの答え
- 答え
- a コース
- b 顔見せ
- c 一列
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「上には上がある」とありますが、これはどういうことを言っていますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 母親リスのほうが、父親リスよりもしぐさがもっと可愛らしいということ。
- イ 母親リスのほうが、父親リスよりも餌の見つけ方がうまいということ。
- ウ 母親リスのほうが、父親リスよりもはるかに貫禄があるということ。
- エ 母親リスのほうが、父親リスよりもゆったりとしていて、よくねむるということ。
Practiceの答え
- 答え
ア
30-2 随筆文6
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
栃木と福島の県境の荒海山から七ヶ岳のあたりはシラカバの森がみごとだ。ある初夏のこと、滝ノ原から中山峠経由で七ヶ岳を越えたのはいいが、そのあと立ち往生した。逆落としのような崖を下らなくてはならない。カーテンのように水が垂れていて、滑りやすい。所どころに鎖があるが、とぎれたところはカニのような横這いで進む。足のはるか下に滝壺が口をあけていた。四肢がふるえ、全身がこわばっていた。二十メートルぐらいのところを、一時間あまりかけて下りてきた。
そのあとは、ゆるやかな下り道である。もう安心なのに、からだの異常がとまらなかった。全身がワナワナふるえ、総身が逆立っていた。舌が上顎にはりついた感じで、ためしに声を出そうとすると、口全体がひきつれ、声にならない。死の恐怖にさらされたとき、生き物の本能がいかなる反応をして、肉体がどんなに惨めにちぢこまるのかがよくわかった。
標識があって、かつてその辺りに*木地師の集落があったという。足をとめると、歌うような水音がした。誘われるようにして道をそれ、繁みを突っきると渓流に出た。水辺の石に腰を下ろして、わが身をあらためて点検した。足のふるえ、全身のこわばり、舌のつりぐあい。少しずつ収まっていく。ためしに両手をかざしたが、もうワナついていない。乾いた唇を舐めてみたりした。そのまましばらく、じっとすわっていた。
突然、「ピッ、ピッ」という鋭い鳴き声がした。*地鳴きといわれるものが、向かいの暗いスギ林からひびいてきた。水音を裂くように、はっきり聞こえた。つづいて、「ピューッピューッ」と、すきとおった張りのある声。その声とともに、繁みの切れたところを黒い一点がかすめ、せわしなく羽ばたいて目の前をかすめていった。
少し上流の岩の上にとまるなり、①じっと水面を見つめている。かなり離れていたはずなのに、なぜかはっきりと、こまかいところまでよく見えた。目にレンズをはめたようにくっきり見えた。カワガラスは飛び立つ寸前のジェット機のように翼をそろえていた。プールに飛び込む水泳選手のように腹をひきしめ、じっと前方を見つめている。その間、二、三度、まばたきをした。それもはっきり見えた。
つぎの瞬間、つと飛び立って、水中で羽ばたいた。水面が泡立って小さな渦をつくり、つづいて黒いかたまりが水から飛び立って視野から消えた。幻を見たような気がした。死の淵から這い出てきた直後に*精悍な食の風景に立ち会って、なおのこと印象深かったのだろう。黒い直線を引いたような飛行のあとを、いまもまざまざと覚えている。
(池内紀『森の紳士録』)
注
| 木地師 | ろくろなどを使い、木材から盆やわんなどのふだん使いのうつわものをつくる人。 |
| 地鳴き | 繁殖期に鳥が発する美しい鳴き声である「さえずり」以外の鳥の鳴き声。 |
| 精悍 | 動作や顔つきがするどくて勇ましいこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
けんざかいの標識を越えると景色が変わった。
シンガポールけいゆでヨーロッパへ行く。
猫が怒って体中の毛をさかだてている。
道路のひょうしきに従って安全に運転する。
消防設備のてんけんを無事に終えた。
Confirm Testの答え
- 答え
県境
- 答え
経由
- 答え
逆立
- 答え
標識
- 答え
点検
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
この文章の表現の特徴について述べたものとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 体言止めを多用し、文章にリズム感をあたえている。
- イ 倒置法を効果的に用いて、筆者の思いを強調している。
- ウ 比喩を多用し、場面や対象の様子を生き生きと表現している。
- エ 擬人法を効果的に用いて、印象的な情景描写を行っている。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「じっと水面を見つめている」について、カワガラスはなんのために水面を見つめていたのですか。十字以内で答えなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
えさをとるため。
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
栃木と福島の県Aざかいの荒海山から七ヶ岳のあたりはシラカバの森がみごとだ。ある初夏のこと、滝ノ原から中山峠Bけい由で七ヶ岳を越えたのはいいが、そのあと立ち往生した。①逆落としのような崖を下らなくてはならない。カーテンのように水が垂れていて、滑りやすい。所どころに鎖があるが、とぎれたところはカニのような横這いで進む。足のはるか下に滝壺が口をあけていた。四肢がふるえ、全身がこわばっていた。二十メートルぐらいのところを、一時間あまりかけて下りてきた。
そのあとは、ゆるやかな下り道である。もう安心なのに、からだの異常がとまらなかった。全身がワナワナふるえ、総身がCさか立っていた。舌が上顎にはりついた感じで、ためしに声を出そうとすると、口全体がひきつれ、声にならない。死の恐怖にさらされたとき、生き物の本能がいかなる反応をして、肉体がどんなに惨めにちぢこまるのかがよくわかった。
標Dしきがあって、かつてその辺りに*木地師の集落があったという。足をとめると、歌うような水音がした。誘われるようにして道をそれ、繁みを突っきると渓流に出た。水辺の石に腰を下ろして、わが身をあらためて点Eけんした。足のふるえ、全身のこわばり、舌のつりぐあい。少しずつ収まっていく。ためしに両手をかざしたが、もうワナついていない。乾いた唇を舐めてみたりした。そのまましばらく、じっとすわっていた。
突然、「ピッ、ピッ」という鋭い鳴き声がした。*地鳴きといわれるものが、向かいの暗いスギ林からひびいてきた。水音を裂くように、はっきり聞こえた。つづいて、「ピューッピューッ」と、すきとおった張りのある声。その声とともに、繁みの切れたところを黒い一点がかすめ、せわしなく羽ばたいて目の前をかすめていった。
少し上流の岩の上にとまるなり、②じっと水面を見つめている。かなり離れていたはずなのに、なぜかはっきりと、こまかいところまでよく見えた。目にレンズをはめたようにくっきり見えた。カワガラスは飛び立つ寸前のジェット機のように翼をそろえていた。プールに飛び込む水泳選手のように腹をひきしめ、じっと前方を見つめている。その間、二、三度、まばたきをした。それもはっきり見えた。
つぎの瞬間、つと飛び立って、水中で羽ばたいた。水面が泡立って小さな渦をつくり、つづいて黒いかたまりが水から飛び立って視野から消えた。幻を見たような気がした。死の淵から這い出てきた直後に*精悍な食の風景に立ち会って、なおのこと印象深かったのだろう。黒い直線を引いたような飛行のあとを、いまもまざまざと覚えている。
(池内紀『森の紳士録』)
注
| 木地師 | ろくろなどを使い、木材から盆やわんなどのふだん使いのうつわものをつくる人。 |
| 地鳴き | 繁殖期に鳥が発する美しい鳴き声である「さえずり」以外の鳥の鳴き声。 |
| 精悍 | 動作や顔つきがするどくて勇ましいこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 境 B 経 C 逆 D 識 E 検 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
栃木と福島の県境の荒海山から七ヶ岳のあたりはシラカバの森がみごとだ。ある初夏のこと、滝ノ原から中山峠経由で七ヶ岳を越えたのはいいが、そのあと立ち往生した。逆落としのような崖を下らなくてはならない。カーテンのように水が垂れていて、滑りやすい。所どころに鎖があるが、とぎれたところはカニのような横這いで進む。足のはるか下に滝壺が口をあけていた。四肢がふるえ、全身がこわばっていた。二十メートルぐらいのところを、一時間あまりかけて下りてきた。
そのあとは、ゆるやかな下り道である。もう安心なのに、からだの異常がとまらなかった。全身がワナワナふるえ、総身が逆立っていた。舌が上顎にはりついた感じで、ためしに声を出そうとすると、口全体がひきつれ、声にならない。死の恐怖にさらされたとき、生き物の本能がいかなる反応をして、肉体がどんなに惨めにちぢこまるのかがよくわかった。
標識があって、かつてその辺りに*木地師の集落があったという。足をとめると、歌うような水音がした。誘われるようにして道をそれ、繁みを突っきると渓流に出た。水辺の石に腰を下ろして、わが身をあらためて点検した。足のふるえ、全身のこわばり、舌のつりぐあい。少しずつ収まっていく。ためしに両手をかざしたが、もうワナついていない。乾いた唇を舐めてみたりした。そのまましばらく、じっとすわっていた。
突然、「ピッ、ピッ」という鋭い鳴き声がした。*地鳴きといわれるものが、向かいの暗いスギ林からひびいてきた。水音を裂くように、はっきり聞こえた。つづいて、「ピューッピューッ」と、すきとおった張りのある声。その声とともに、繁みの切れたところを黒い一点がかすめ、せわしなく羽ばたいて目の前をかすめていった。
少し上流の岩の上にとまるなり、①じっと水面を見つめている。かなり離れていたはずなのに、なぜかはっきりと、こまかいところまでよく見えた。目にレンズをはめたようにくっきり見えた。カワガラスは飛び立つ寸前のジェット機のように翼をそろえていた。プールに飛び込む水泳選手のように腹をひきしめ、じっと前方を見つめている。その間、二、三度、まばたきをした。それもはっきり見えた。
つぎの瞬間、つと飛び立って、水中で羽ばたいた。水面が泡立って小さな渦をつくり、つづいて黒いかたまりが水から飛び立って視野から消えた。幻を見たような気がした。死の淵から這い出てきた直後に*精悍な食の風景に立ち会って、なおのこと印象深かったのだろう。②黒い直線を引いたような飛行のあとを、いまもまざまざと覚えている。
(池内紀『森の紳士録』)
注
| 木地師 | ろくろなどを使い、木材から盆やわんなどのふだん使いのうつわものをつくる人。 |
| 地鳴き | 繁殖期に鳥が発する美しい鳴き声である「さえずり」以外の鳥の鳴き声。 |
| 精悍 | 動作や顔つきがするどくて勇ましいこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
転校して新しい環きょうでの生活が始まった。
長い年月をへて、世界遺産が修復された。
最初は負けていたが、見事にぎゃくてんした。
広いちしきを持つ人は会話が面白い。
安全性をけんしょうすることが大切だ。
Practiceの答え
- 答え
境
- 答え
経
- 答え
逆転
- 答え
知識
- 答え
検証
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「じっと水面を見つめている」について、このときのカワガラスの様子は人間以外の何かにたとえて表現されています。それを文中から十二字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
飛び立つ寸前のジェット機
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「じっと水面を見つめている」について、このときのカワガラスの様子はある人物にたとえて表現されています。それを文中から十二字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
プールに飛び込む水泳選手
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「逆落としのような崖を下らなくてはならない」とありますが、この崖を下るにあたって、筆者の体はどのような反応を示しましたか。文中から十五字以上二十字以内で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
四肢がふるえ、全身がこわばっていた
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線②「黒い直線を……いまもまざまざと覚えている」とありますが、ここで目撃したカワガラスの行動を、筆者はどのように表現していますか。文中から七字で書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
精悍な食の風景
31章 説明文
説明文の読み方
31-1 説明文27
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私はボランティア活動を、自分の仕事の大切な柱のひとつにしてきました。年を重ねるほどにボランティアの比重を多くし、かなりまえから病院での仕事も診察もほとんどすべてボランティアで行っています。
ボランティアの精神は自主的な奉仕の心です。他者から強制されてやるものではないので、無用なストレスを感じないし、無駄なお金もかからない。自分の時間を有効に行使して他者に感謝され、世の中にもプラスになるのですから、いいことずくめです。
こうしたボランティアの概念とは、正反対に位置するのが人間の「欲望」でしょう。
「ああしたい」「こうなりたい」と望む人間の「欲望」は、一見、人間の抱く「夢や目標」と似ているように思われますが、実はまったく違います。その違いは何だと思いますか?
人が自分の夢や目標を達成したときに生まれる充実感や達成感は「欲望」にはありません。「欲望」が生み出すのは果てしない不満足感、飢餓感ばかりなのです。
(中略)
「欲望」というのは現状の自分に常に満足できないまま、際限なくふくらんでいってしまう。これではいつまでたっても、人は不満や悩みから解放されません。
でも、その「欲望」を自分にではなく、他者に振り向けてみたらどうなるでしょう。
「あの人の喜ぶ顔が見たい」
「誰かのために役立ちたい」
そう思ったときから、「欲望」は善意へと変わり、他者へ奉仕することの喜びへと転換していきます。「欲望」は消えて、人は不満や悩みから解放されるのです。
他者への善意とは、どんな些細なことだっていい。お年寄りが横断歩道を渡れず困っていたら、手を取って一緒に渡ってあげるのもいいし、道ばたのゴミを拾うのもいい。さりげない親切でも立派なボランティアであり、「*ペイ・フォワード」なのです。善意は、お礼や見返りを期待してはいけません。大切なのはその行動によって、自分の心が晴れやかになることであり、自分が生きている喜びを実感することなのです。
なにかの見返りを期待せずに人に与えるという行為は、実は私たちの周囲でごく当たりまえに行われていたことでした。かつて人々は、困ったときにお互いを助け合う生活のすべを知っていました。ところが、国が豊かになるにつれて、人と人との関係性が薄くなり、自分さえ良ければいいという人が増えているように思えてなりません。
①人間という文字は「人」の「間」と書きます。文字どおり、人はほかの人との関係のなかで生きていくのです。人間は自分一人だけでは決して生きてはいけない、ひ弱ないきものです。これから高校生、大学生、社会人となっていく過程で、さまざまな人たちと交わり、成長していくだろうきみたちも、自分でも気づかないうちに多くの善意を受け、助けられて大人への階段を上がっていくことでしょう。
ですから私はきみたちに、もっともっと人間というものに興味を持ち、もっともっと人間を好きになってほしい。 、日常生活の中で、自分のできる限りの範囲で「ペイ・フォワード」を実践してみてください。それが、私たちの未来につながり、いつか世界を変えていくであろう、大きな善意の輪になっていくと信じて。
(日野原重明『道は必ずどこかに続く』)
注
| ペイ・フォワード | ある人物から受けた親切を、ほかの人に返すこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
勉強と部活のひじゅうをうまく保つことが大切だ。
嫌がる弟をきょうせいてきに連れて行く。
風邪予防には手洗いうがいがゆうこうだ。
日頃のかんしゃの気持ちを込めて花を贈る。
道に迷ったおとしよりを交番に案内する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「際限」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 際限してから入室してください。
- イ 人間の欲望は際限がない。
- ウ 暑い日は外に出るのが大変なので際限する。
- エ 勉強しろと際限に言われた。
Confirm Testの答え
- 答え
比重
- 答え
強制的
- 答え
有効
- 答え
感謝
- 答え
年寄り(年寄)
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア でも
- イ そして
- ウ あるいは
- エ たとえば
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「人間という文字」に筆者はどのようなことを見出していますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 人間は周囲の人と関わり、支えられる中で成長していくこと。
- イ 人間は周囲の人の役に立つことで、自分の価値を見出すこと。
- ウ 人間は年齢を重ねるうちに、できることが増えていくこと。
- エ 人間は弱く、一人では何もできない存在であること。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私はボランティア活動を、自分の仕事の大切な柱のひとつにしてきました。年を重ねるほどにボランティアのAひ重を多くし、かなりまえから病院での仕事も診察もほとんどすべてボランティアで行っています。
ボランティアの精神は自主的な奉仕の心です。他者から強Bせいされてやるものではないので、無用なストレスを感じないし、無駄なお金もかからない。自分の時間を有Cこうに行使して他者に感Dしゃされ、世の中にもプラスになるのですから、いいことずくめです。
こうしたボランティアの概念とは、正反対に位置するのが人間の「欲望」でしょう。
「ああしたい」「こうなりたい」と望む人間の「欲望」は、一見、人間の抱く「夢や目標」と似ているように思われますが、①実はまったく違います。その違いは何だと思いますか?
人が自分の夢や目標を達成したときに生まれる充実感や達成感は「欲望」にはありません。「欲望」が生み出すのは果てしない不満足感、飢餓感ばかりなのです。
(中略)
「欲望」というのは現状の自分に常に満足できないまま、際限なくふくらんでいってしまう。これではいつまでたっても、人は不満や悩みから解放されません。
でも、その「欲望」を自分にではなく、他者に振り向けてみたらどうなるでしょう。
「あの人の喜ぶ顔が見たい」
「誰かのために役立ちたい」
そう思ったときから、「欲望」は善意へと変わり、他者へ奉仕することの喜びへと転換していきます。「欲望」は消えて、人は不満や悩みから解放されるのです。
他者への善意とは、どんな些細なことだっていい。お年Eよりが横断歩道を渡れず困っていたら、手を取って一緒に渡ってあげるのもいいし、道ばたのゴミを拾うのもいい。さりげない親切でも立派なボランティアであり、「*ペイ・フォワード」なのです。善意は、お礼や見返りを期待してはいけません。大切なのはその行動によって、自分の心が晴れやかになることであり、自分が生きている喜びを実感することなのです。
なにかの見返りを期待せずに人に与えるという行為は、実は私たちの周囲でごく当たりまえに行われていたことでした。かつて人々は、困ったときにお互いを助け合う生活のすべを知っていました。 、国が豊かになるにつれて、人と人との関係性が薄くなり、自分さえ良ければいいという人が増えているように思えてなりません。
人間という文字は「人」の「間」と書きます。文字どおり、人はほかの人との関係のなかで生きていくのです。人間は自分一人だけでは決して生きてはいけない、ひ弱ないきものです。これから高校生、大学生、社会人となっていく過程で、さまざまな人たちと交わり、成長していくだろうきみたちも、自分でも気づかないうちに多くの善意を受け、助けられて大人への階段を上がっていくことでしょう。
ですから私はきみたちに、もっともっと人間というものに興味を持ち、もっともっと人間を好きになってほしい。そして、日常生活の中で、自分のできる限りの範囲で「ペイ・フォワード」を実践してみてください。それが、私たちの未来につながり、いつか世界を変えていくであろう、大きな善意の輪になっていくと信じて。
(日野原重明『道は必ずどこかに続く』)
注
| ペイ・フォワード | ある人物から受けた親切を、ほかの人に返すこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「際限」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 季節の変わり目。
- イ おもしろい映画を見ること。
- ウ 周りの人からどのように見られているか意識する。
- エ 移り変わっていく状態の最後のところ。
Lessonの答え
- 答え
A 比 B 制 C 効 D 謝 E 寄 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私はボランティア活動を、自分の仕事の大切な柱のひとつにしてきました。年を重ねるほどにボランティアの比重を多くし、かなりまえから病院での仕事も診察もほとんどすべてボランティアで行っています。
ボランティアの精神は自主的な奉仕の心です。他者から強制されてやるものではないので、無用なストレスを感じないし、無駄なお金もかからない。自分の時間を有効に行使して他者に感謝され、世の中にもプラスになるのですから、いいことずくめです。
こうしたボランティアの概念とは、正反対に位置するのが人間の「欲望」でしょう。
「ああしたい」「こうなりたい」と望む人間の「欲望」は、一見、人間の抱く「夢や目標」と似ているように思われますが、実はまったく違います。その違いは何だと思いますか?
人が自分の夢や目標を達成したときに生まれる充実感や達成感は「欲望」にはありません。「欲望」が生み出すのは果てしない不満足感、飢餓感ばかりなのです。
(中略)
「欲望」というのは現状の自分に常に満足できないまま、際限なくふくらんでいってしまう。これではいつまでたっても、人は不満や悩みから解放されません。
、その「欲望」を自分にではなく、他者に振り向けてみたらどうなるでしょう。
「あの人の喜ぶ顔が見たい」
「誰かのために役立ちたい」
そう思ったときから、「欲望」は善意へと変わり、他者へ奉仕することの喜びへと転換していきます。「欲望」は消えて、人は不満や悩みから解放されるのです。
他者への善意とは、どんな些細なことだっていい。①お年寄りが横断歩道を渡れず困っていたら、手を取って一緒に渡ってあげるのもいいし、道ばたのゴミを拾うのもいい。さりげない親切でも立派なボランティアであり、「*ペイ・フォワード」なのです。善意は、お礼や見返りを期待してはいけません。大切なのはその行動によって、自分の心が晴れやかになることであり、自分が生きている喜びを実感することなのです。
なにかの見返りを期待せずに人に与えるという行為は、実は私たちの周囲でごく当たりまえに行われていたことでした。かつて人々は、困ったときにお互いを助け合う生活のすべを知っていました。ところが、国が豊かになるにつれて、人と人との関係性が薄くなり、自分さえ良ければいいという人が増えているように思えてなりません。
人間という文字は「人」の「間」と書きます。文字どおり、人はほかの人との関係のなかで生きていくのです。人間は自分一人だけでは決して生きてはいけない、ひ弱ないきものです。これから高校生、大学生、社会人となっていく過程で、さまざまな人たちと交わり、成長していくだろうきみたちも、自分でも気づかないうちに多くの善意を受け、助けられて大人への階段を上がっていくことでしょう。
ですから私はきみたちに、もっともっと人間というものに興味を持ち、もっともっと人間を好きになってほしい。そして、日常生活の中で、自分のできる限りの範囲で「ペイ・フォワード」を実践してみてください。それが、私たちの未来につながり、いつか世界を変えていくであろう、大きな善意の輪になっていくと信じて。
(日野原重明『道は必ずどこかに続く』)
注
| ペイ・フォワード | ある人物から受けた親切を、ほかの人に返すこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
二つの製品の値段と質をくらべて選ぶ。
会場の入場者数にせいげんが設けられた。
発熱によくきくと言われている薬を飲む。
失敗したことを素直にあやまって反省した。
家で読まなくなった本を図書館にきふした。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「移り変わっていく状態の最後のところ。」を表すことばを漢字二字で書きなさい。
わたしはなく言い訳をした。
Practiceの答え
- 答え
比べ
- 答え
制限
- 答え
効く
- 答え
謝
- 答え
寄付
- 答え
際限
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア では
- イ ところが
- ウ あるいは
- エ たとえば
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア でも
- イ そして
- ウ あるいは
- エ たとえば
Practiceの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「実はまったく違います」とありますが、「欲望」と「夢や目標」はどう違うのですか。「夢や目標からは……、欲望からは……。」の形で四十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
夢や目標からは充実感や達成感が生まれるが、欲望からは不満足感や飢餓感しか生まれない。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「お年寄りが横断歩道を……拾うのもいい」とありますが、これらはどんな行為の例ですか。文中から二十字以上二十五字以内でさがし、初めと終わりの四字を書きぬきなさい。
〜
Practiceの答え
- 答え
なにかの〈〜〉いう行為
31-2 説明文28
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いろいろな穀物がありますが、単位面積当たりの収穫量はコメが最高です。たとえば、トウモロコシや小麦と比べると、単位面積当たりの収穫量はずっと多いし蛋白質、とくにアミノ酸が多量に含まれているので、あまり他の食料の補助がいらない。小麦の蛋白質は非常に劣質で、他の動物性脂肪がないと蛋白質を補えないので、どうしてもパン食だと肉を食べるようになる。だから、コメのほうが優れているとか、コメは美容食になるとか、いろいろな理由で、そのときからアメリカ人は、カレーライスや日本風のおにぎり、あるいはお粥などにしてコメを食べるようになったのです。
コメのよさは健康面だけではありません。コメは非常に
*脱穀が簡単で、しかも粉にしないと食べられないというものではない。粒のまま食べられます。ところが、麦やトウモロコシは粉にしないと食べにくい。つまり、コメというのは穀物のなかで、いちばん手がかからないのです。籾のままだと貯蔵が可能ですし、脱穀が簡単ですし、粒のまま食べられるうえに、栄養価が高い。そのために、世界中が「コメというのは、これは大事だぞ」と思うようになり、コメに対して非常な関心を向けてきたのです。そして、いまや世界中がコメに*シフトしてきているのです。
、アメリカで「食事の理想は日本人にあり」と言われていたころ、すでに日本人の食事体系は大きく変わってきていた。若い人になるにつれ、どんどん小麦文化や肉食文化へ移行していたのです。ですから、①きわめて不思議な現象がいま、交差しているのです。
日本のコメ問題、農業問題を考えるときには、やはり日本人というのはいったい何を食べればいいのか、日本人の基本的な食事というものはどういうものなのかを、きちんとおさえておくことが必要だろうと思います。
かつては日本人にも食事の型がありました。朝はご飯に味噌汁に漬物、それに前の晩の残りもの。昼は弁当で、夜はご飯に味噌汁に焼き魚、それに野菜の煮たのに昆布が入っているとか、そういうものが日本人の食事だった。それを、外国では素晴らしいと思っているわけです。
ところが、いまの日本人は家庭内でできることをぜんぶ外に出している。かつては食事や洗濯などは、すべて家庭内でやっていた。それらすべてを外に出して、そこで産業が成立して、奥さんたちは外に働きに出る。これはこれでいいと思いますが、でも、いまの日本人の食事の型は何だろう。なにもないではないか。
われわれ人間がこの世に生を受け、天から授かった寿命を全うし、自分の理想をそれぞれの大きさで実現して、ああよく生きたなと思って死ぬためには、何よりも食べ物、もちろん水や空気を含めてですが、そういうものがとても重要だと思うのです。
従って、いまわれわれがやるべきことは、日本で収穫できるものを中心に、もちろん外国のものがあってもいいんですが、「これが日本人の基本的な食事だ」というものを考え直すことです。そのうえで、コメはこれだけ必要であると数字を出し、それを自給すべきです。あるいは豆はいま九五%ぐらい輸入していますが、その半分は日本で栽培しようとか、そういうことを考えるべきです。
つまり、日本人が生きていくために必要なもののうち、さらに基本的なものは、おいしくて質がよくて安全なものを近場で作る。しかし、他のものは外国から輸入しようというふうに、日本人が主体的に食生活を組み立てることが、いちばん大切なのです。
(井上ひさし『井上ひさしと考える 日本の農業』)
注
| 脱穀 | イネや麦の実を穂から取ること。また、実からもみがらを取り去ること。 |
| シフト | 移行すること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
化学実験でさんを使った反応を観察した。
毎日の食事を見直してびようと健康を保つ。
姉と一緒にこむぎこを使ってパンを焼いた。
健康を考ええいようかの高い食事を心がける。
秋の遠足で友人とべんとうを広げて食べた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「主体的」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 主体的な話は苦手だ。
- イ 学校の行事に主体的に取り組む。
- ウ もう一年が終わるなんて主体的だ。
- エ 薬をもらうために主体的なことを覚える。
Confirm Testの答え
- 答え
酸
- 答え
美容
- 答え
小麦粉
- 答え
栄養価
- 答え
弁当
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ ところが
- ウ また
- エ たとえば
Confirm Testの答え
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「きわめて不思議な現象」とありますが、どのような現象ですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 世界中がコメに関心を向けるなか、日本人だけがコメを大事にしなくなったこと。
- イ 世界中の人がコメを食べるようになったためにコメが不足し、日本人がコメを食べられなくなっていること。
- ウ 外国でコメのよさが認められるようになり、雑食だった日本人もコメばかり食べるようになっていること。
- エ アメリカで日本食が食事の理想とされる一方で、日本の若者の食生活はコメをはなれて、小麦や肉へ移行していること。
Confirm Testの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いろいろな穀物がありますが、単位面積当たりの収穫量はコメが最高です。たとえば、トウモロコシや小麦と比べると、単位面積当たりの収穫量はずっと多いし蛋白質、とくにアミノAさんが多量に含まれているので、あまり他の食料の補助がいらない。小麦の蛋白質は非常に劣質で、他の動物性脂肪がないと蛋白質を補えないので、どうしてもパン食だと肉を食べるようになる。だから、コメのほうが優れているとか、コメは美Bよう食になるとか、いろいろな理由で、そのときからアメリカ人は、カレーライスや日本風のおにぎり、あるいはお粥などにしてコメを食べるようになったのです。
①コメのよさは健康面だけではありません。コメは非常に*脱穀が簡単で、しかもCこなにしないと食べられないというものではない。粒のまま食べられます。ところが、麦やトウモロコシはこなにしないと食べにくい。つまり、コメというのは穀物のなかで、いちばん手がかからないのです。籾のままだと貯蔵が可能ですし、脱穀が簡単ですし、粒のまま食べられるうえに、栄養Dかが高い。そのために、世界中が「コメというのは、これは大事だぞ」と思うようになり、コメに対して非常な関心を向けてきたのです。そして、いまや世界中がコメに*シフトしてきているのです。
、アメリカで「食事の理想は日本人にあり」と言われていたころ、すでに日本人の食事体系は大きく変わってきていた。若い人になるにつれ、どんどん小麦文化や肉食文化へ移行していたのです。ですから、きわめて不思議な現象がいま、交差しているのです。
日本のコメ問題、農業問題を考えるときには、やはり日本人というのはいったい何を食べればいいのか、日本人の基本的な食事というものはどういうものなのかを、きちんとおさえておくことが必要だろうと思います。
かつては日本人にも食事の型がありました。朝はご飯に味噌汁に漬物、それに前の晩の残りもの。昼はEべん当で、夜はご飯に味噌汁に焼き魚、それに野菜の煮たのに昆布が入っているとか、そういうものが日本人の食事だった。それを、外国では素晴らしいと思っているわけです。
ところが、いまの日本人は家庭内でできることをぜんぶ外に出している。かつては食事や洗濯などは、すべて家庭内でやっていた。それらすべてを外に出して、そこで産業が成立して、奥さんたちは外に働きに出る。これはこれでいいと思いますが、でも、いまの日本人の食事の型は何だろう。なにもないではないか。
われわれ人間がこの世に生を受け、天から授かった寿命を全うし、自分の理想をそれぞれの大きさで実現して、ああよく生きたなと思って死ぬためには、何よりも食べ物、もちろん水や空気を含めてですが、そういうものがとても重要だと思うのです。
従って、いまわれわれがやるべきことは、日本で収穫できるものを中心に、もちろん外国のものがあってもいいんですが、「これが日本人の基本的な食事だ」というものを考え直すことです。そのうえで、コメはこれだけ必要であると数字を出し、それを自給すべきです。あるいは豆はいま九五%ぐらい輸入していますが、その半分は日本で栽培しようとか、そういうことを考えるべきです。
つまり、日本人が生きていくために必要なもののうち、さらに基本的なものは、おいしくて質がよくて安全なものを近場で作る。しかし、他のものは外国から輸入しようというふうに、日本人が主体的に食生活を組み立てることが、いちばん大切なのです。
(井上ひさし『井上ひさしと考える 日本の農業』)
注
| 脱穀 | イネや麦の実を穂から取ること。また、実からもみがらを取り去ること。 |
| シフト | 移行すること。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「主体的」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 明日の天気を予想する様子。
- イ 感動的な映画を見て、心が動かされる様子。
- ウ 周りの人に助けを求める様子。
- エ 自分自身の意志や考えに基づいて行動する様子。
Lessonの答え
- 答え
A 酸 B 容 C 粉 D 価 E 弁 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
いろいろな穀物がありますが、単位面積当たりの収穫量はコメが最高です。 、トウモロコシや小麦と比べると、単位面積当たりの収穫量はずっと多いし蛋白質、とくにアミノ酸が多量に含まれているので、あまり他の食料の補助がいらない。小麦の蛋白質は非常に劣質で、他の動物性脂肪がないと蛋白質を補えないので、どうしてもパン食だと肉を食べるようになる。だから、コメのほうが優れているとか、コメは美容食になるとか、いろいろな理由で、そのときからアメリカ人は、カレーライスや日本風のおにぎり、あるいはお粥などにしてコメを食べるようになったのです。
①コメのよさは健康面だけではありません。コメは非常に*脱穀が簡単で、しかも粉にしないと食べられないというものではない。粒のまま食べられます。ところが、麦やトウモロコシは粉にしないと食べにくい。つまり、コメというのは穀物のなかで、いちばん手がかからないのです。籾のままだと貯蔵が可能ですし、脱穀が簡単ですし、粒のまま食べられるうえに、栄養価が高い。そのために、世界中が「コメというのは、これは大事だぞ」と思うようになり、コメに対して非常な関心を向けてきたのです。そして、いまや世界中がコメに*シフトしてきているのです。
ところが、アメリカで「食事の理想は日本人にあり」と言われていたころ、すでに日本人の食事体系は大きく変わってきていた。若い人になるにつれ、どんどん小麦文化や肉食文化へ移行していたのです。ですから、きわめて不思議な現象がいま、交差しているのです。
日本のコメ問題、農業問題を考えるときには、やはり日本人というのはいったい何を食べればいいのか、日本人の基本的な食事というものはどういうものなのかを、きちんとおさえておくことが必要だろうと思います。
かつては日本人にも食事の型がありました。朝はご飯に味噌汁に漬物、それに前の晩の残りもの。昼は弁当で、夜はご飯に味噌汁に焼き魚、それに野菜の煮たのに昆布が入っているとか、そういうものが日本人の食事だった。それを、外国では素晴らしいと思っているわけです。
ところが、いまの日本人は家庭内でできることをぜんぶ外に出している。かつては食事や洗濯などは、すべて家庭内でやっていた。それらすべてを外に出して、そこで産業が成立して、奥さんたちは外に働きに出る。これはこれでいいと思いますが、でも、いまの日本人の食事の型は何だろう。なにもないではないか。
われわれ人間がこの世に生を受け、天から授かった寿命を全うし、自分の理想をそれぞれの大きさで実現して、ああよく生きたなと思って死ぬためには、何よりも食べ物、もちろん水や空気を含めてですが、そういうものがとても重要だと思うのです。
従って、いまわれわれがやるべきことは、日本で収穫できるものを中心に、もちろん外国のものがあってもいいんですが、「これが日本人の基本的な食事だ」というものを考え直すことです。そのうえで、コメはこれだけ必要であると数字を出し、それを自給すべきです。あるいは豆はいま九五%ぐらい輸入していますが、その半分は日本で栽培しようとか、そういうことを考えるべきです。
つまり、日本人が生きていくために必要なもののうち、さらに基本的なものは、おいしくて質がよくて安全なものを近場で作る。しかし、他のものは外国から輸入しようというふうに、日本人が主体的に食生活を組み立てることが、いちばん大切なのです。
(井上ひさし『井上ひさしと考える 日本の農業』)
注
| 脱穀 | イネや麦の実を穂から取ること。また、実からもみがらを取り去ること。 |
| シフト | 移行すること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
お酢を入れて料理にさんみを加えた。
授業を受けて解き方をよういに理解できた。
こなゆきが風に吹かれて美しく舞っている。
歴史的なか値が高いと見なされた作品。
父はべんごしとして多くの人を助けている。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「自分自身の意志や考えに基づいて行動する様子。」を表すことばを漢字三字で書きなさい。
ゴミ拾いなどをに行う。
Practiceの答え
- 答え
酸味
- 答え
容易
- 答え
粉雪
- 答え
価
- 答え
弁護士
- 答え
主体的
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ ところが
- ウ また
- エ なぜなら
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア だから
- イ ところが
- ウ また
- エ たとえば
Practiceの答え
- 答え
エ
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「コメのよさは健康面だけではありません」について、コメの健康面でのよさを「補助」「栄養か」ということばを使って二十五字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
あまり他の食料の補助がいらず栄養かが高い。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「コメのよさは健康面だけではありません」について、コメの健康面以外のよさをまとめた次の文の a〜cにあてはまることばを、文中からaは三字、bは一字、cは二字で書きぬきなさい。(完答)
- ・ 単位面積当たりの a が多い。
- ・ 脱穀が簡単で、粉にすることなく b のまま食べられる。
- ・ 籾のままであれば c が可能である。
- a
- b
- c
Practiceの答え
- 答え
- a 収穫量
- b 粒
- c 貯蔵
(完答)
32章 物語文
物語文の読み方
32-1 物語文25
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
*予定日の三日前、*陣痛がきた。ちょうど夫は会社に出かけるところだったので、タクシーを呼んでもらった。数分後にやってきたタクシーに、夫に抱きかかえられるようにして乗りこむ。夫もいっしょに乗りこんできて、車内から会社に遅刻すると電話をしている。
「名前、結局まだ決めてないね」
腹式呼吸をしながら私は夫に言った。
「そんなこと、まだいいって」
「まだって、でもあと二十四時間くらいで決めないと」
「いいから、落ち着きなって」
夫は全身で貧乏揺すりをしながらうわずった声で言う。私はちいさく笑ってしまう。
ルームミラーの下に、運転手の身分証明書が貼りだされていた。望月久男と書いてあった。証明写真のなかで、生真面目にこちらを見ている運転手は、たしかに久男という名前が似合っていると、そんなどうでもいいようなことを思った。
タクシーは住宅街を抜け、通勤路である商店街を抜ける。たくさんの男や女たちが、せわしなく駅へと歩いていく。駅前のロータリーにたつ噴水が見えてくる。タクシーはロータリーへと直進し、大きく右折した。
そのとき、私は大きく息を呑んだ。
「桜」思わず声を出した。
駅前ロータリーから左右に続く道路を覆うように、桜の花が満開だった。まるでアーチである。そういえば、この通りは桜の名所だったのだ。一カ月前から産休に入っていたし、買いものはほとんど夫にいってもらっていたから、桜のことなんかすっかり忘れていた。
走っても走っても桜はとぎれなかった。ときおりはらはらとこぼれ、薄桃色の花びらがタクシーの窓にぺたりと貼りついた。桜の花は、満開になるとなぜか動きを止めたように見える。昼間でも発光している特殊な明かりみたいに見える。タイムマシンに乗っている気分だった。子どもを産みにいくのではなく、はるか昔の見知らぬだれかに会いにいくような。
春だ、と今さら気づいたかのように思った。薄桃色の桜が頭上を覆い、その向こうに澄んだ青空があり、目線を落とせば、道ばたには黄色い菜の花が風に揺れていた。家々の庭からは、れんぎょうが、パンジーが、名も知らぬ色とりどりの花が、私を見送るように顔をのぞかせている。春だった。視界のすみずみまで、春だった。
すべてがいきいきと発色し、動きだし、弾け、混ざり合い、車窓が映す何もかも、ゴミをあさるカラスも、酒の安売り店の看板も、アスファルトにひかれた白い横断歩道も、二階の窓にひるがえる洗濯物までも、今このとき、ただしい色合いでただしい場所に配置されていると思った。
なんて美しいんだろうと、後部座席で呆けたように私は思った。この道は今まで何度も通ったことがある、ひとりで、もしくは夫と二人で。それなのに、私は何を見ていたんだろう。まるで目を閉じて歩いていたみたいじゃないか。目を開いてみれば、こんなにも美しい世界が飛びこんでくるというのに。
①春子。そうか、春子。母が私を産むために急いだ道も、こんなふうにまるごと春だったんだろう。ああ春だと、おなかをさすりながら母は思ったのだろう。私は世界がこんなにも色鮮やかになるときに、子どもを産むんだと、願わくば、その子どもが目を見開いてこの世界を見てくれるようにと、思ったのだろう。
(角田光代『Presents』)
注
| 予定日 | 出産の予定日。 |
| 陣痛 | 出産直前の腹痛。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
検定試験に合格してしょうめいしょを手に入れた。
戦後はびんぼうな生活で苦労したと聞いている。
学校の前のさくらが美しく咲いている。
赤と青がまざるとむらさき色になる。
ヨーロッパをおうだんする旅に出る。
Confirm Testの答え
- 答え
証明書
- 答え
貧乏
- 答え
桜
- 答え
混ざる
- 答え
横断
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「春子。そうか、春子」とありますが、こう思ったときの「私」についての説明としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 今の自分の気持ちに自分を産んだときの母の気持ちを重ね合わせ、自分の名前の付け方は正しかったと確信している。
- イ 自分が今見ている春の景色があまりに美しいので、産まれてくる子の名前は「春子」にしようという考えがうかんでいる。
- ウ 今の自分の気持ちを通して自分を産むときの母の思いや願いを想像し、自分の名前の由来に思いをはせている。
- エ 自分が今見ている場所の春の風景を母も見ていたことに思いいたり、自分の名前が「春子」であることに納得している。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
*予定日の三日前、*陣痛がきた。ちょうど夫は会社に出かけるところだったので、タクシーを呼んでもらった。数分後にやってきたタクシーに、夫に抱きかかえられるようにして乗りこむ。夫もいっしょに乗りこんできて、車内から会社に遅刻すると電話をしている。
「名前、結局まだ決めてないね」
腹式呼吸をしながら私は夫に言った。
「そんなこと、まだいいって」
「まだって、でもあと二十四時間くらいで決めないと」
「いいから、落ち着きなって」
夫は全身でAびん乏揺すりをしながらうわずった声で言う。
①私はちいさく笑ってしまう。
ルームミラーの下に、運転手の身分Bしょう明書が貼りだされていた。望月久男と書いてあった。しょう明写真のなかで、生真面目にこちらを見ている運転手は、たしかに久男という名前が似合っていると、そんなどうでもいいようなことを思った。
タクシーは住宅街を抜け、通勤路である商店街を抜ける。たくさんの男や女たちが、せわしなく駅へと歩いていく。駅前のロータリーにたつ噴水が見えてくる。タクシーはロータリーへと直進し、大きく右折した。
そのとき、私は大きく息を呑んだ。
「Cさくら」思わず声を出した。
駅前ロータリーから左右に続く道路を覆うように、さくらの花が満開だった。まるでアーチである。そういえば、この通りはさくらの名所だったのだ。一カ月前から産休に入っていたし、買いものはほとんど夫にいってもらっていたから、さくらのことなんかすっかり忘れていた。
走っても走ってもさくらはとぎれなかった。ときおりはらはらとこぼれ、薄桃色の花びらがタクシーの窓にぺたりと貼りついた。さくらの花は、満開になるとなぜか動きを止めたように見える。昼間でも発光している特殊な明かりみたいに見える。タイムマシンに乗っている気分だった。子どもを産みにいくのではなく、はるか昔の見知らぬだれかに会いにいくような。
春だ、と今さら気づいたかのように思った。薄桃色のさくらが頭上を覆い、その向こうに澄んだ青空があり、目線を落とせば、道ばたには黄色い菜の花が風に揺れていた。家々の庭からは、れんぎょうが、パンジーが、名も知らぬ色とりどりの花が、私を見送るように顔をのぞかせている。春だった。視界のすみずみまで、春だった。
すべてがいきいきと発色し、動きだし、弾け、Dまざり合い、車窓が映す何もかも、ゴミをあさるカラスも、酒の安売り店の看板も、アスファルトにひかれた白い横Eだん歩道も、二階の窓にひるがえる洗濯物までも、今このとき、ただしい色合いでただしい場所に配置されていると思った。
なんて美しいんだろうと、後部座席で呆けたように私は思った。この道は今まで何度も通ったことがある、ひとりで、もしくは夫と二人で。それなのに、私は何を見ていたんだろう。まるで目を閉じて歩いていたみたいじゃないか。目を開いてみれば、こんなにも美しい世界が飛びこんでくるというのに。
春子。そうか、春子。母が私を産むために急いだ道も、こんなふうにまるごと春だったんだろう。ああ春だと、おなかをさすりながら母は思ったのだろう。私は世界がこんなにも色鮮やかになるときに、子どもを産むんだと、願わくば、その子どもが目を見開いてこの世界を見てくれるようにと、思ったのだろう。
(角田光代『Presents』)
注
| 予定日 | 出産の予定日。 |
| 陣痛 | 出産直前の腹痛。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
Lessonの答え
- 答え
A 貧 B 証 C 桜 D 混 E 断 (完答)
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
*予定日の三日前、*陣痛がきた。ちょうど夫は会社に出かけるところだったので、タクシーを呼んでもらった。数分後にやってきたタクシーに、夫に抱きかかえられるようにして乗りこむ。夫もいっしょに乗りこんできて、車内から会社に遅刻すると電話をしている。
「名前、結局まだ決めてないね」
腹式呼吸をしながら私は夫に言った。
「そんなこと、まだいいって」
「まだって、でもあと二十四時間くらいで決めないと」
「いいから、落ち着きなって」
夫は全身で貧乏揺すりをしながらうわずった声で言う。私はちいさく笑ってしまう。
ルームミラーの下に、運転手の身分証明書が貼りだされていた。望月久男と書いてあった。証明写真のなかで、生真面目にこちらを見ている運転手は、たしかに久男という名前が似合っていると、そんなどうでもいいようなことを思った。
タクシーは住宅街を抜け、通勤路である商店街を抜ける。たくさんの男や女たちが、せわしなく駅へと歩いていく。駅前のロータリーにたつ噴水が見えてくる。タクシーはロータリーへと直進し、大きく右折した。
そのとき、①私は大きく息を呑んだ。
「桜」思わず声を出した。
駅前ロータリーから左右に続く道路を覆うように、桜の花が満開だった。まるでアーチである。そういえば、この通りは桜の名所だったのだ。一カ月前から産休に入っていたし、買いものはほとんど夫にいってもらっていたから、桜のことなんかすっかり忘れていた。
走っても走っても桜はとぎれなかった。ときおりはらはらとこぼれ、薄桃色の花びらがタクシーの窓にぺたりと貼りついた。桜の花は、満開になるとなぜか動きを止めたように見える。昼間でも発光している特殊な明かりみたいに見える。タイムマシンに乗っている気分だった。子どもを産みにいくのではなく、はるか昔の見知らぬだれかに会いにいくような。
春だ、と今さら気づいたかのように思った。薄桃色の桜が頭上を覆い、その向こうに澄んだ青空があり、目線を落とせば、道ばたには黄色い菜の花が風に揺れていた。家々の庭からは、れんぎょうが、パンジーが、名も知らぬ色とりどりの花が、私を見送るように顔をのぞかせている。春だった。視界のすみずみまで、春だった。
すべてがいきいきと発色し、動きだし、弾け、混ざり合い、車窓が映す何もかも、ゴミをあさるカラスも、酒の安売り店の看板も、アスファルトにひかれた白い横断歩道も、二階の窓にひるがえる洗濯物までも、今このとき、ただしい色合いでただしい場所に配置されていると思った。
なんて美しいんだろうと、後部座席で呆けたように私は思った。この道は今まで何度も通ったことがある、ひとりで、もしくは夫と二人で。それなのに、私は何を見ていたんだろう。まるで目を閉じて歩いていたみたいじゃないか。目を開いてみれば、こんなにも美しい世界が飛びこんでくるというのに。
春子。そうか、春子。母が私を産むために急いだ道も、こんなふうにまるごと春だったんだろう。ああ春だと、おなかをさすりながら母は思ったのだろう。私は世界がこんなにも色鮮やかになるときに、子どもを産むんだと、願わくば、その子どもが目を見開いてこの世界を見てくれるようにと、思ったのだろう。
(角田光代『Presents』)
注
| 予定日 | 出産の予定日。 |
| 陣痛 | 出産直前の腹痛。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
仮説をしょうめいするために実験を行った。
幼少期はまずしい環境で育った経験がある。
報道でさくらの開花予想日が発表された。
朝の時間は電車がこんざつしている。
友人からの誘いを丁寧にことわった。
Practiceの答え
- 答え
証明
- 答え
貧しい
- 答え
桜
- 答え
混雑
- 答え
断
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私はちいさく笑ってしまう」とありますが、このときの「私」の心情を三十字以上四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
「私」に落ち着くように言っている夫自身が落ち着きを失っているようでおかしかった。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私は大きく息を呑んだ」とありますが、どうしてですか。その理由を「私」の心情もふくめて二十五字以上三十五字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
満開の桜の花がアーチのようになっていて、その美しさにおどろいたから。
32-2 物語文26
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「どちらへ行かれるんですか」
韓国訛りの日本語だ。振り向くと、長身の青年がこちらを見ている。
「光州なんです」
私たちの答えに、彼は「光州?」と首を傾げた。
「それなら、光州行きのバスに乗ればよかったんじゃないんですか?」
「私たちは金浦空港から乗ったものですから、光州行きはなくて」
青年は「ああ」と納得したように頷いた上で、ここから光州に向かうにはバスターミナルまで行く必要があると教えてくれた。
「タクシーで行っても十分かそこいらだろうと思います。多分、基本料金か、それより少し出るくらい」
そのとき、*その青年が私の数列前に座っていた人だと気がついた。彼の隣には六十過ぎくらいに見える女性が立っている。一見して彼の母親だと分かるが、それにしても髪には強めのパーマをあてて、ずい分としっかりした化粧をしている女性だった。口紅の鮮やかなピンクが目に焼きつくほどだ。彼女は黙って息子と私たちのやり取りを見守っている。
「てっきり日本人かと思いました。だって、日本語の新聞を読んでいたでしょう?」
「ああ、そうですね」
「日本語、お上手なんですね」
「実は僕、ずっと日本に留学していたんです。それで今日、戻ってきたところです」
ああ、そういうことかと思った。それで母親が迎えに来ているのだ。久しぶりに会う息子のために、母親はいつになく 、一生懸命にお洒落をしてきたのに違いない。こちらと目が合う度に、彼女は少し恥ずかしげな表情で、手振りだけで「どうぞ、この子を使ってやって」という仕草を見せた。
その後、青年は私たちのために通りかかったタクシーを呼び止め、運転手に行き先を告げて、さらに荷物の積み込みまで手伝ってくれた。その間、彼の母親は終始嬉しそうな表情で、息子を見守っている。しばらく会わない間に見事な日本語を操るようになり、そうして見知らぬ旅人に親切にしている我が子が誇らしくてならない様子だ。
「ありがとう。本当に助かりました」
夕暮れが迫る見知らぬ街の、右も左も分からない片隅で、私たちは長身の青年を見上げた。
「こんなにご親切にしていただいて」
すると青年はにっこり笑いながら「僕も」と口を開いた。
「日本に行ったとき、同じように親切にしてもらいましたから」
彼は最後に「気をつけて」と言いながら、タクシーのドアを閉めてくれた。その向こうで、濃い口紅の母親も、にこにこと嬉しそうに手を振っていた。
ああ、こういうものだと思った。
きっと本人は忘れているに違いない。だがとにかく、ある日一人の外国人に、何気なく手をさしのべてくれた誰かのお蔭で、今こうして①不安な旅人が救われた。見知らぬその人のお蔭で、私たちの旅は幸先の良いものに変わり、ほんのわずかな時間立ち寄っただけの街の印象までが、いいものになった。それが、人と人とのつながりというものだ。どこでどう巡ってくるか分からない。だから面白くもあり、怖ろしくもあるのである。
(乃南アサ『見知らぬ街で』)
注
| その青年が私の数列前に座っていた人だと気がついた | 筆者たちは、先ほどまで乗っていたバスの中で、青年が日本語の新聞を読んでいるところを目にしていた。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
プログラミングのきほんを理解する。
大学では、海外にりゅうがくして学びたい。
友人とのひさしぶりの再会で話に花が咲いた。
静かに別れをつげてその場を去った。
友人の一言で苦しい心境からすくわれた。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「幸先がいい」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 天気がいいのは幸先がいい証拠だ。
- イ 幸先がいい日に勉強しようと怒られる。
- ウ 夏は暑いから幸先がいいことをする。
- エ おもしろいテレビを見て幸先がいいことをアピールする。
Confirm Testの答え
- 答え
基本
- 答え
留学
- 答え
久し
- 答え
告げ
- 答え
救われ
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「不安な旅人」とは、だれのことですか。四字以内で書きなさい。
Confirm Testの答え
- 答え
私たち(筆者たち)
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 不思議に思って
- イ 笑いながら
- ウ 気合を入れて
- エ 泣きそうになって
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「どちらへ行かれるんですか」
韓国訛りの日本語だ。振り向くと、長身の青年がこちらを見ている。
「光州なんです」
私たちの答えに、彼は「光州?」と 。
「それなら、光州行きのバスに乗ればよかったんじゃないんですか?」
「私たちは金浦空港から乗ったものですから、光州行きはなくて」
青年は「ああ」と納得したように頷いた上で、ここから光州に向かうにはバスターミナルまで行く必要があると教えてくれた。
「タクシーで行っても十分かそこいらだろうと思います。多分、Aき本料金か、それより少し出るくらい」
そのとき、*その青年が私の数列前に座っていた人だと気がついた。彼の隣には六十過ぎくらいに見える女性が立っている。一見して彼の母親だと分かるが、それにしても髪には強めのパーマをあてて、ずい分としっかりした化粧をしている女性だった。口紅の鮮やかなピンクが目に焼きつくほどだ。彼女は黙って息子と私たちのやり取りを見守っている。
「てっきり日本人かと思いました。だって、日本語の新聞を読んでいたでしょう?」
「ああ、そうですね」
「日本語、お上手なんですね」
「実は僕、ずっと日本にBりゅう学していたんです。それで今日、戻ってきたところです」
ああ、そういうことかと思った。それで母親が迎えに来ているのだ。Cひさしぶりに会う息子のために、母親はいつになく気合を入れて、一生懸命にお洒落をしてきたのに違いない。こちらと目が合う度に、彼女は少し恥ずかしげな表情で、手振りだけで「どうぞ、この子を使ってやって」という仕草を見せた。
その後、青年は私たちのために通りかかったタクシーを呼び止め、運転手に行き先をDつげて、さらに荷物の積み込みまで手伝ってくれた。その間、彼の母親は終始嬉しそうな表情で、息子を見守っている。しばらく会わない間に見事な日本語を操るようになり、そうして見知らぬ旅人に親切にしている我が子が誇らしくてならない様子だ。
「ありがとう。本当に助かりました」
夕暮れが迫る見知らぬ街の、右も左も分からない片隅で、私たちは長身の青年を見上げた。
「こんなにご親切にしていただいて」
すると青年はにっこり笑いながら「僕も」と口を開いた。
「日本に行ったとき、同じように親切にしてもらいましたから」
彼は最後に「気をつけて」と言いながら、タクシーのドアを閉めてくれた。その向こうで、濃い口紅の母親も、にこにこと嬉しそうに手を振っていた。
ああ、こういうものだと思った。
きっと本人は忘れているに違いない。だがとにかく、ある日一人の外国人に、何気なく手をさしのべてくれた誰かのお蔭で、今こうして不安な旅人がEすくわれた。見知らぬその人のお蔭で、私たちの旅は幸先の良いものに変わり、ほんのわずかな時間立ち寄っただけの街の印象までが、いいものになった。それが、①人と人とのつながりというものだ。どこでどう巡ってくるか分からない。だから面白くもあり、怖ろしくもあるのである。
(乃南アサ『見知らぬ街で』)
注
| その青年が私の数列前に座っていた人だと気がついた | 筆者たちは、先ほどまで乗っていたバスの中で、青年が日本語の新聞を読んでいるところを目にしていた。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「幸先の良い」とありますが、「幸先がいい」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 楽しいことを行う様子。
- イ 前に進むべきか迷っている様子。
- ウ よいことが起こる前兆。
- エ 幸せな気持ちになること。
Lessonの答え
- 答え
A 基 B 留 C 久 D 告 E 救 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「どちらへ行かれるんですか」
韓国訛りの日本語だ。振り向くと、長身の青年がこちらを見ている。
「光州なんです」
私たちの答えに、彼は「光州?」と首を傾げた。
「それなら、光州行きのバスに乗ればよかったんじゃないんですか?」
「私たちは金浦空港から乗ったものですから、光州行きはなくて」
青年は「ああ」と納得したように頷いた上で、ここから光州に向かうにはバスターミナルまで行く必要があると教えてくれた。
「タクシーで行っても十分かそこいらだろうと思います。多分、基本料金か、それより少し出るくらい」
そのとき、*その青年が私の数列前に座っていた人だと気がついた。彼の隣には六十過ぎくらいに見える女性が立っている。一見して彼の母親だと分かるが、それにしても髪には強めのパーマをあてて、ずい分としっかりした化粧をしている女性だった。口紅の鮮やかなピンクが目に焼きつくほどだ。彼女は黙って息子と私たちのやり取りを見守っている。
「てっきり日本人かと思いました。だって、日本語の新聞を読んでいたでしょう?」
「ああ、そうですね」
「日本語、お上手なんですね」
「実は僕、ずっと日本に留学していたんです。それで今日、戻ってきたところです」
ああ、そういうことかと思った。それで母親が迎えに来ているのだ。久しぶりに会う息子のために、母親はいつになく気合を入れて、一生懸命にお洒落をしてきたのに違いない。こちらと目が合う度に、彼女は少し恥ずかしげな表情で、手振りだけで「どうぞ、この子を使ってやって」という仕草を見せた。
その後、青年は私たちのために通りかかったタクシーを呼び止め、運転手に行き先を告げて、さらに荷物の積み込みまで手伝ってくれた。その間、彼の母親は終始嬉しそうな表情で、息子を見守っている。しばらく会わない間に見事な日本語を操るようになり、そうして見知らぬ旅人に親切にしている我が子が 様子だ。
「ありがとう。本当に助かりました」
夕暮れが迫る見知らぬ街の、右も左も分からない片隅で、私たちは長身の青年を見上げた。
「こんなにご親切にしていただいて」
すると青年はにっこり笑いながら「僕も」と口を開いた。
「日本に行ったとき、同じように親切にしてもらいましたから」
彼は最後に「気をつけて」と言いながら、タクシーのドアを閉めてくれた。その向こうで、濃い口紅の母親も、にこにこと嬉しそうに手を振っていた。
ああ、こういうものだと思った。
きっと本人は忘れているに違いない。だがとにかく、ある日一人の外国人に、何気なく手をさしのべてくれた誰かのお蔭で、今こうして不安な旅人が救われた。①見知らぬその人のお蔭で、私たちの旅は幸先の良いものに変わり、ほんのわずかな時間立ち寄っただけの街の印象までが、いいものになった。それが、人と人とのつながりというものだ。どこでどう巡ってくるか分からない。だから面白くもあり、怖ろしくもあるのである。
(乃南アサ『見知らぬ街で』)
注
| その青年が私の数列前に座っていた人だと気がついた | 筆者たちは、先ほどまで乗っていたバスの中で、青年が日本語の新聞を読んでいるところを目にしていた。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
英語のきそをしっかりと学ぶことが重要だ。
美しい景色を心にとどめておきたいと思った。
世界中におけるえいきゅうの平和を願っている。
先生に勉強の進み具合をほうこくした。
消防署できゅうめい措置の方法を学んだ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「よいことが起こる前兆。」を表すことばをひらがな七字で書きなさい。
わたしたちはスタートを切った。
Practiceの答え
- 答え
基
- 答え
留め
- 答え
永久
- 答え
報告
- 答え
救命
- 答え
さいさきがいい(さいさきがよい)
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「人と人とのつながり」について、筆者はどのように考えましたか。そう考えた理由もふくめて、文中のことばを使って三十字以上四十以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
どこでどう巡ってくるか分からないから、面白くもあり、怖ろしくもある。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「見知らぬその人」とは、だれのことですか。二十五字以上三十五字以内で書きなさい。
Practiceの答え
- 答え
韓国人の青年が日本でこまっていたときに何気なく、手をさしのべた人。
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 目を細くした
- イ 首を傾げた
- ウ 肩を落とした
- エ 鼻であしらった
Lessonの答え
- 答え
イ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
にあてはまることばとしてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 不思議でならない
- イ 恥ずかしくてならない
- ウ 心配でならない
- エ 誇らしくてならない
Practiceの答え
- 答え
エ
32-3 物語文27
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
平和だった。もうすぐやってくる出来事に期待を膨らませながら、穏やかな空気の中にいるのってすごくいい。
微睡むようなぼんやりした気分でアスカの踊りを目で追いかけていると、急にかわいらしいアラベスクの動作で裸足のつま先が大きく伸びた。そして、止める間もなく黄色いレゴブロックの柱を掠めた。ミライハウスが少し傾いだ。
ミライは反射的に柱を押さえて、「あーちゃん!」と鋭い声で言った。
アスカは我関せずで踊り続ける。
「まあ、直せばいいだろ」
ぼくが言うと、ミライはもの言いたげに口を尖らせた。
「だって、ママにみせる……」
ママに見せるんだもん。そう言いたかったのだ。
でも、最後まで言い切る前に、インターフォンのチャイムが鳴った。
ミライが、ひょこんと跳び上がった。
ぼくはそのミライよりも早く廊下に飛び出して、階段のところにあるインターフォンのスピーカー・ボタンを押した。
「は、はい」自分の声が*しゃちこばっている。
「ただいま。あけてよ」と今日子が言った。
「ママー」と子どもたちの歓声。
ぼくたちは文字通り転げ落ちるように、階段を下りて玄関のドアを開けた。
まぶしい陽差しを背に、今日子が立っていた。
控えめなダメージ加工のジーンズに、*エクリュのサマーニット、頭にはオレンジ色のバンダナ、そして、お日様みたいな笑顔。以前、肩まであった髪がなくなったのを除けば、すべてがここを出ていった時と同じだった。
「ただいま」と今日子が言い、「おかえりー」と子どもたちが応えた。そして、二人がほとんど同時に飛びついた。
「おいおい、ママはまだそんなに元気ってわけじゃない……」
ぼくは言葉を途中で切った。膝を折って二人をまるまる抱きしめる今日子の姿に、侵しがたいものを感じたからだ。
一人で帰るから迎えはいらないと言ったのは、今日子の方だ。
どうせ二週間後には、化学療法の二セット目のために再入院だから、持ち込んでいる携帯プレイヤーや本は長期入院の同室患者に預かってもらう。衣類は前日に今日子の母さんが持ち帰ったので、本当に身の回りのものだけを持って、駅まではタクシーを使い、電車に乗り、自分で歩いて帰ってきたい、と。
人に頼らずになんでもやりたがるのは、彼女の美徳でもあり、また、病気の時には困った部分でもある。けれど、今の状態なら、一人で帰ってくることに問題はないと思ったので、ぼくは子どもたちと遊びながら、待つことにしたのだった。
「やっと、帰ってきた!」
今日子はそう言って、リヴィングのソファに体を投げ出した。子どもたちがすぐに体の上に覆いかぶさり、まるで授乳中の猫の母仔のようなポーズになった。今日子がアスカをくすぐるとアスカが身をよじらせる。ミライが今日子をくすぐって、今日子がそれを避けながら、今度は二人を両腕で抱え込むようにしてくすぐる。①常に三人のどこかが密着していて、ぼくの目には一匹の生き物のようだ。
壁の時計が正午のチャイムを鳴らした。
(川端裕人『てのひらの中の宇宙』)
注
| しゃちこばる | きんちょうしてかたくなる。 |
| エクリュ | 黄色がかった白色。ベージュ色。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
大会で観客の声援に全力でこたえる。
資源をさいりようして環境を守る活動をする。
観葉植物の生育じょうたいがとても良好だ。
来週の理科のじゅぎょうでは実験をする。
つねに前向きな気持ちで物事に取り組む。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「我関せず」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 話しかけられているのに我関せずの態度で本を読む。
- イ 我関せずと言いふらされて悲しい。
- ウ ドーナツが食べたいから我関せずに働く。
- エ パンダを見ると我関せずにさわぐ。
Confirm Testの答え
- 答え
応える
- 答え
再利用
- 答え
状態
- 答え
授業
- 答え
常
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「常に……一匹の生き物のようだ」とありますが、ここから「ぼく」のどんな心情がわかますか。その説明としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 三人がさまざまな姿勢を見せることに感動している。
- イ 自分はどうしたらよいのかわからず途方に暮れている。
- ウ 三人がじゃれ合う様子をながめて幸せを実感している。
- エ 自分が仲間に加われないことを少しさびしく感じている。
Confirm Testの答え
- 答え
ウ
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
平和だった。もうすぐやってくる出来事に期待を膨らませながら、穏やかな空気の中にいるのってすごくいい。
微睡むようなぼんやりした気分でアスカの踊りを目で追いかけていると、急にかわいらしいアラベスクの動作で裸足のつま先が大きく伸びた。そして、止める間もなく黄色いレゴブロックの柱を掠めた。ミライハウスが少し傾いだ。
①ミライは反射的に柱を押さえて、「あーちゃん!」と鋭い声で言った。
アスカは我関せずで踊り続ける。
「まあ、直せばいいだろ」
ぼくが言うと、ミライはもの言いたげに口を尖らせた。
「だって、ママにみせる……」
ママに見せるんだもん。そう言いたかったのだ。
でも、最後まで言い切る前に、インターフォンのチャイムが鳴った。
ミライが、ひょこんと跳び上がった。
ぼくはそのミライよりも早く廊下に飛び出して、階段のところにあるインターフォンのスピーカー・ボタンを押した。
「は、はい」自分の声が*しゃちこばっている。
「ただいま。あけてよ」と今日子が言った。
「ママー」と子どもたちの歓声。
ぼくたちは文字通り転げ落ちるように、階段を下りて玄関のドアを開けた。
まぶしい陽差しを背に、今日子が立っていた。
控えめなダメージ加工のジーンズに、*エクリュのサマーニット、頭にはオレンジ色のバンダナ、そして、お日様みたいな笑顔。以前、肩まであった髪がなくなったのを除けば、すべてがここを出ていった時と同じだった。
「ただいま」と今日子が言い、「おかえりー」と子どもたちがAこたえた。そして、二人がほとんど同時に飛びついた。
「おいおい、ママはまだそんなに元気ってわけじゃない……」
ぼくは言葉を途中で切った。膝を折って二人をまるまる抱きしめる今日子の姿に、侵しがたいものを感じたからだ。
一人で帰るから迎えはいらないと言ったのは、今日子の方だ。
どうせ二週間後には、化学療法の二セット目のためにBさい入院だから、持ち込んでいる携帯プレイヤーや本は長期入院の同室患者に預かってもらう。衣類は前日に今日子の母さんが持ち帰ったので、本当に身の回りのものだけを持って、駅まではタクシーを使い、電車に乗り、自分で歩いて帰ってきたい、と。
人に頼らずになんでもやりたがるのは、彼女の美徳でもあり、また、病気の時には困った部分でもある。けれど、今の
Cじょうたいなら、一人で帰ってくることに問題はないと思ったので、ぼくは子どもたちと遊びながら、待つことにしたのだった。
「やっと、帰ってきた!」
今日子はそう言って、リヴィングのソファに体を投げ出した。子どもたちがすぐに体の上に覆いかぶさり、まるでDじゅ乳中の猫の母仔のようなポーズになった。今日子がアスカをくすぐるとアスカが身をよじらせる。ミライが今日子をくすぐって、今日子がそれを避けながら、今度は二人を両腕で抱え込むようにしてくすぐる。Eつねに三人のどこかが密着していて、ぼくの目には一匹の生き物のようだ。
壁の時計が正午のチャイムを鳴らした。
(川端裕人『てのひらの中の宇宙』)
注
| しゃちこばる | きんちょうしてかたくなる。 |
| エクリュ | 黄色がかった白色。ベージュ色。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「我関せず」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分のことだけで精一杯になること。
- イ 意外なところで物事が解決していること。
- ウ 他人に秘密をもらさないこと。
- エ 自分には関係ない、自分の知ったことではないということ。
Lessonの答え
- 答え
A 応 B 再 C 状態 D 授 E 常 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
平和だった。もうすぐやってくる出来事に期待を膨らませながら、穏やかな空気の中にいるのってすごくいい。
微睡むようなぼんやりした気分でアスカの踊りを目で追いかけていると、急にかわいらしいアラベスクの動作で裸足のつま先が大きく伸びた。そして、止める間もなく黄色いレゴブロックの柱を掠めた。ミライハウスが少し傾いだ。
ミライは反射的に柱を押さえて、「あーちゃん!」と鋭い声で言った。
アスカは我関せずで踊り続ける。
「まあ、直せばいいだろ」
ぼくが言うと、ミライはもの言いたげに口を尖らせた。
「だって、ママにみせる……」
ママに見せるんだもん。そう言いたかったのだ。
でも、最後まで言い切る前に、インターフォンのチャイムが鳴った。
ミライが、ひょこんと跳び上がった。
ぼくはそのミライよりも早く廊下に飛び出して、階段のところにあるインターフォンのスピーカー・ボタンを押した。
「は、はい」自分の声が*しゃちこばっている。
「ただいま。あけてよ」と今日子が言った。
「ママー」と子どもたちの歓声。
ぼくたちは文字通り転げ落ちるように、階段を下りて玄関のドアを開けた。
まぶしい陽差しを背に、今日子が立っていた。
控えめなダメージ加工のジーンズに、*エクリュのサマーニット、頭にはオレンジ色のバンダナ、そして、お日様みたいな笑顔。以前、肩まであった髪がなくなったのを除けば、すべてがここを出ていった時と同じだった。
「ただいま」と今日子が言い、「おかえりー」と子どもたちが応えた。そして、二人がほとんど同時に飛びついた。
「①おいおい、ママはまだそんなに元気ってわけじゃない……」
ぼくは言葉を途中で切った。膝を折って二人をまるまる抱きしめる今日子の姿に、侵しがたいものを感じたからだ。
一人で帰るから迎えはいらないと言ったのは、今日子の方だ。
どうせ二週間後には、化学療法の二セット目のために再入院だから、持ち込んでいる携帯プレイヤーや本は長期入院の同室患者に預かってもらう。衣類は前日に今日子の母さんが持ち帰ったので、本当に身の回りのものだけを持って、駅まではタクシーを使い、電車に乗り、自分で歩いて帰ってきたい、と。
人に頼らずになんでもやりたがるのは、彼女の美徳でもあり、また、病気の時には困った部分でもある。けれど、今の状態なら、一人で帰ってくることに問題はないと思ったので、ぼくは子どもたちと遊びながら、待つことにしたのだった。
「やっと、帰ってきた!」
今日子はそう言って、リヴィングのソファに体を投げ出した。子どもたちがすぐに体の上に覆いかぶさり、まるで授乳中の猫の母仔のようなポーズになった。今日子がアスカをくすぐるとアスカが身をよじらせる。ミライが今日子をくすぐって、今日子がそれを避けながら、今度は二人を両腕で抱え込むようにしてくすぐる。常に三人のどこかが密着していて、ぼくの目には一匹の生き物のようだ。
壁の時計が正午のチャイムを鳴らした。
(川端裕人『てのひらの中の宇宙』)
注
| しゃちこばる | きんちょうしてかたくなる。 |
| エクリュ | 黄色がかった白色。ベージュ色。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
お客様のご要望におうじて商品を開発する。
友人とふたたび会う日を楽しみにしている。
友人の落ち着いたたいどを見習いたい。
姉と有名なきょうじゅの講演に行った。
じょうしきにとらわれずに考えることも大切だ。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、 にあてはまる「自分には関係ない、自分の知ったことではないということ。」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
わたしはその問題にな態度をとってしまった。
Practiceの答え
- 答え
応
- 答え
再び
- 答え
態度
- 答え
教授
- 答え
常識
- 答え
われかんせず
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ミライは……鋭い声で言った」とありますが、このときのミライの気持ちを四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
ママに見せようと思っているミライハウスをこわされてはたまらないという気持ち。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「おいおい、ママはまだそんなに元気ってわけじゃない」とありますが、「ぼく」がこのあと言葉を続けなかったのはなぜですか。その理由を表した一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
膝を折って
33章 随筆文
随筆文の読み方
33-1 随筆文7
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
とある会報のインタビューを、十年ほど前に私の*ゼミにいた学生に依頼され京都まで出向いた。卒業生は皆いくつになっても可愛い。
私をインタビューするのは、会報を手がけているということでその学生本人となった。小一時間のインタビューが終って雑談となった。「東京育ちの君が京都でこうして元気に頑張っているのを見るとうれしくなるよ」と言ったら、少し間をおいてから、「先生、そう見えても私、一杯一杯なんです」と言ってやや苦しそうな笑顔を作った。
私はハッとした。やはり思った通り、彼女も限界に近い所で孤軍奮闘しているのだ。大学で学んだこととは直接関係のない仕事を、実家を遠く離れ一人で背伸びしてこなしながら、自らの能力や将来について疑念を抱いたりすることもあるだろう。時にはつぶれそうになる自分を、自ら*叱咤激励しながらどうにか歩み続けているのだろうと思った。
「一杯一杯なのは君だけではない。一生懸命に生きている人、誠実に仕事に取組んでいる人はみな一杯一杯なんだよ。実は僕だって一杯一杯なんだ」
「えっ、先生が。でも私は先生とはレベルが違って本当に一杯一杯なんです」
「そう思うのは、君が僕より誠実というだけのことさ」
①彼女は目を心持ちうるませながら微笑むと、「実は先生」と言って、カバンから透明なファイルに挟んだ二十枚ほどのA4用紙を取り出した。
「これ、先生のゼミで書いた私の*レポートなんです。先生の書いて下さったコメントは私の支えなんです」
このゼミでは、二十名ほどの学生が週に一冊の名著を読み論評を提出、授業中は*ディスカッションをする、というきついものだった。彼女のレポートがいつも良い視点でしっかり書けていたことを思い出した。それを今も大切に彼女は身近においているのだった。
私は学生達に日頃からこう言っていた。
「君達は今後、落ちこむこと、挫折すること、深い失意に沈むこと、などが必ずある。何度もある。そんな時にはほめ言葉を思い出すんだ。これまでに先生、親、権威ある人などからほめられたことがあるでしょ、それを思い出すんだ。私のように気が強く自信過剰な人間でも時にはどん底に落ちこむことがある。そんな時は一日に何度もほめ言葉を思い出さないと一日が終らないこともあるんだ」
彼女はそんな私の教えを忠実に守っているようだった。
「ところでそこにある僕のコメントはほめているんだろうね」
「はい、激賞です」
そう言って彼女は初めて頰をバラ色に輝かせた。このインタビューを受けてよかったと私は思った。
(藤原正彦『落ちこんだ時には』)
注
| ゼミ | 大学などで、少人数の学生が先生の指導を受けながら、専門の問題を研究・討論する授業。 |
| 叱咤激励 | 大声で励まして元気づけること。 |
| レポート | 調査や研究などの報告書。 |
| ディスカッション | みんながさまざまな意見を出して、話し合うこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
友人の飼っている犬がとてもかわいい。
友達とカフェで楽しくざつだんをした。
仲間と協力してチームをささえ続けた。
自由研究が高くひょうかされて入賞した。
無事に宿題を終えてていしゅつした。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「一杯一杯」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 値引きもここまでで、一杯一杯なんです。
- イ 一杯一杯楽しんでいこう。
- ウ もし明日晴れたら一杯一杯です。
- エ 飲み物とお菓子で一杯一杯に遊ぶ。
Confirm Testの答え
- 答え
可愛い
- 答え
雑談
- 答え
支え
- 答え
評価
- 答え
提出
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「彼女は目を心持ちうるませながら」とありますが、彼女が目をうるませたのは筆者のことばがどんなことばだったからですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 大変な思いで頑張っていることを評価することば。
- イ 現実を説いて納得させてくれることば。
- ウ つらい思いに、ただひたすらよりそってくれることば。
- エ 心を鬼にしてかけてくれる厳しいことば。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
とある会報のインタビューを、十年ほど前に私の*ゼミにいた学生に依頼され京都まで出向いた。卒業生は皆いくつになってもAか愛い。
私をインタビューするのは、会報を手がけているということでその学生本人となった。小一時間のインタビューが終ってBざつ談となった。「東京育ちの君が京都でこうして元気に頑張っているのを見るとうれしくなるよ」と言ったら、少し間をおいてから、「先生、そう見えても私、一杯一杯なんです」と言ってやや苦しそうな笑顔を作った。
①私はハッとした。やはり思った通り、彼女も限界に近い所で孤軍奮闘しているのだ。大学で学んだこととは直接関係のない仕事を、実家を遠く離れ一人で背伸びしてこなしながら、自らの能力や将来について疑念を抱いたりすることもあるだろう。時にはつぶれそうになる自分を、自ら*叱咤激励しながらどうにか歩み続けているのだろうと思った。
「一杯一杯なのは君だけではない。一生懸命に生きている人、誠実に仕事に取組んでいる人はみな一杯一杯なんだよ。実は僕だって一杯一杯なんだ」
「えっ、先生が。でも私は先生とはレベルが違って本当に一杯一杯なんです」
「そう思うのは、君が僕より誠実というだけのことさ」
彼女は目を心持ちうるませながら微笑むと、「実は先生」と言って、カバンから透明なファイルに挟んだ二十枚ほどのA4用紙を取り出した。
「これ、先生のゼミで書いた私の*レポートなんです。先生の書いて下さったコメントは私のCささえなんです」
このゼミでは、二十名ほどの学生が週に一冊の名著を読み論DぴょうをEてい出、授業中は*ディスカッションをする、というきついものだった。彼女のレポートがいつも良い視点でしっかり書けていたことを思い出した。それを今も大切に彼女は身近においているのだった。
私は学生達に日頃からこう言っていた。
「君達は今後、落ちこむこと、挫折すること、深い失意に沈むこと、などが必ずある。何度もある。そんな時にはほめ言葉を思い出すんだ。これまでに先生、親、権威ある人などからほめられたことがあるでしょ、それを思い出すんだ。私のように気が強く自信過剰な人間でも時にはどん底に落ちこむことがある。そんな時は一日に何度もほめ言葉を思い出さないと一日が終らないこともあるんだ」
彼女はそんな私の教えを忠実に守っているようだった。
「ところでそこにある僕のコメントはほめているんだろうね」
「はい、激賞です」
そう言って彼女は初めて頰をバラ色に輝かせた。このインタビューを受けてよかったと私は思った。
(藤原正彦『落ちこんだ時には』)
注
| ゼミ | 大学などで、少人数の学生が先生の指導を受けながら、専門の問題を研究・討論する授業。 |
| 叱咤激励 | 大声で励まして元気づけること。 |
| レポート | 調査や研究などの報告書。 |
| ディスカッション | みんながさまざまな意見を出して、話し合うこと。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「一杯一杯」について、もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 少しの余裕もないさま。
- イ ひとつひとつ丁寧に仕事をするさま。
- ウ もう少しで終わりが見えてくるさま。
- エ 大量の水を必要としているさま。
Lessonの答え
- 答え
A 可 B 雑 C 支 D 評 E 提 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
とある会報のインタビューを、十年ほど前に私の*ゼミにいた学生に依頼され京都まで出向いた。卒業生は皆いくつになっても可愛い。
私をインタビューするのは、会報を手がけているということでその学生本人となった。小一時間のインタビューが終って雑談となった。「東京育ちの君が京都でこうして元気に頑張っているのを見るとうれしくなるよ」と言ったら、少し間をおいてから、「先生、そう見えても私、一杯一杯なんです」と言ってやや苦しそうな笑顔を作った。
私はハッとした。やはり思った通り、彼女も限界に近い所で孤軍奮闘しているのだ。大学で学んだこととは直接関係のない仕事を、実家を遠く離れ一人で背伸びしてこなしながら、自らの能力や将来について疑念を抱いたりすることもあるだろう。時にはつぶれそうになる自分を、自ら*叱咤激励しながらどうにか歩み続けているのだろうと思った。
「一杯一杯なのは君だけではない。一生懸命に生きている人、誠実に仕事に取組んでいる人はみな一杯一杯なんだよ。実は僕だって一杯一杯なんだ」
「えっ、先生が。でも私は先生とはレベルが違って本当に一杯一杯なんです」
「そう思うのは、君が僕より誠実というだけのことさ」
彼女は目を心持ちうるませながら微笑むと、「実は先生」と言って、カバンから透明なファイルに挟んだ二十枚ほどのA4用紙を取り出した。
「これ、先生のゼミで書いた私の*レポートなんです。先生の書いて下さったコメントは私の支えなんです」
このゼミでは、二十名ほどの学生が週に一冊の名著を読み論評を提出、授業中は*ディスカッションをする、というきついものだった。彼女のレポートがいつも良い視点でしっかり書けていたことを思い出した。それを今も大切に彼女は身近においているのだった。
私は学生達に日頃からこう言っていた。
「君達は今後、落ちこむこと、挫折すること、深い失意に沈むこと、などが必ずある。何度もある。そんな時にはほめ言葉を思い出すんだ。これまでに先生、親、権威ある人などからほめられたことがあるでしょ、それを思い出すんだ。私のように気が強く自信過剰な人間でも時にはどん底に落ちこむことがある。そんな時は一日に何度もほめ言葉を思い出さないと一日が終らないこともあるんだ」
彼女はそんな私の教えを忠実に守っているようだった。
「ところでそこにある僕のコメントはほめているんだろうね」
「はい、激賞です」
そう言って彼女は初めて頰をバラ色に輝かせた。①このインタビューを受けてよかったと私は思った。
(藤原正彦『落ちこんだ時には』)
注
| ゼミ | 大学などで、少人数の学生が先生の指導を受けながら、専門の問題を研究・討論する授業。 |
| 叱咤激励 | 大声で励まして元気づけること。 |
| レポート | 調査や研究などの報告書。 |
| ディスカッション | みんながさまざまな意見を出して、話し合うこと。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
勉強することで将来のかのう性が広がる。
部屋がざつぜんとしていたので片付ける。
被災地へのし援を行う活動をしている。
ひょうばんが良いお店へ食事に行く。
早速新しいアイデアをていあんする。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「少しの余裕もないさま。」を表すことばを漢字四字で書きなさい。
彼はなので、これ以上頼ることはできない。
Practiceの答え
- 答え
可能
- 答え
雑然
- 答え
支
- 答え
評判
- 答え
提案
- 答え
一杯一杯
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「私はハッとした」とありますが、その理由としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 教えていたのは十年も前なのに、いまだに先生が学生にするようなものの言い方を自分がしていたことに気がついたから。
- イ 大学で学んだこととは直接関係のない仕事をしていることに彼女が不満をもっていたことを思い出したから。
- ウ 元気に頑張っているように見えても、実際は、彼女もまた限界に近い所で孤軍奮闘しているのだなと思いいたったから。
- エ ほめるつもりで言ったことばなのに、自分のことばが彼女にまったく届いていないことがわかって驚いたから。
Lessonの答え
- 答え
ウ
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「このインタビューを受けてよかったと私は思った」とありますが、その理由としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分の教えが、教え子の心の支えとなっていたことを知ることができて、ほこらしかったから。
- イ かつての教え子が自分のことをいまだに先生としたってくれることがわかって、自信が生まれたから。
- ウ ふるまいのなかに自分の教えがしっかりと根づいている教え子を再びほめることができて、満足したから。
- エ 自分の教えを忠実に守って社会でしっかりと生きている教え子の姿に接することができて、うれしかったから。
Practiceの答え
- 答え
エ
33-2 随筆文8
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「わたし」と母は、三か月前に亡くなった祖母の遺品の整理をしている。
母は猛然然とおばあちゃんの書き物机の引き出しをあけ始めた。
「ここもよ。ここもだった」
と、母が言った。
からっぽの引き出しをわたしも見つめた。
「ここにおばあちゃん、日記をしまっていたのよ」
「なにもかもちゃんと片付けていっちゃったんだね」
「おばあちゃんらしいわ。そんなそぶりなんてちっとも見せなかったくせに」
①誇らしそうにも恨めしそうにも聞こえた。
「ママがいちばん怖かったのは、日記だったんだ」
「日記?」
「そう。この引き出しにはいつもその年の日記をいれていたの。そしてどこかに何十年分もの日記がしまってあったはずなの。それを片付けるのが怖かったのよ。だって、おばあちゃんの日記よ。見つければ読まずにいられなくなって、読めば、懐かしいだけじゃすまなくなる」
そうだろうか。うん、きっとそうだろうな。
(中略)
ふたりして、しんみりしてしまった。読むことのなかったおばあちゃんの日記に少し傷つけられたような、日記を処分してしまったおばあちゃんの行為に守られたみたいな、不思議な感情がからだのなかに居座った。
それから母とわたしは、おばあちゃんが片付けきれなかったわずかなものを始末するという――後片付けのそのまた後片付けのような作業を続けた。
それは、いちばん最後に見つかったのだ。まるで、片付けのいちばん最後に見つけられるように、おばあちゃんが仕込んだみたいだった。
「この箱、なんだろう?」
おしいれの隅にあったその箱は、古いお菓子の箱だった。
「まさかお菓子ははいってないよね」
「それはないでしょう。でも、なにかはいってる」
「あっ」
というわたしの声と、
「まあ」
という母の声が重なった。
それは手紙だった。たどたどしい字で書かれたたくさんの手紙。
「おばあちゃん、げんきですか? わたしはようちえんでおいもほりにいきました。」
「おばあちゃん、げんきですか? わたしは大きくなったので、いろんなことができるようになりました。」
「おばあちゃん、げんきですか? このあいだは、はなびをありがとう。またいっしょにやろうね。」
「おばあちゃん、げんきですか? ながいきしてね。まきより。」
「おばあちゃん、げんきですか?……」
どれも「おばあちゃん、げんきですか?」ではじまる手紙。わたしが書いておばあちゃんにあげた手紙だった。
「おかあさんたら」
と、母が言った。ママったらじゃなく、おかあさんたらって。
「うん」
と、答えるのがせいいっぱいだった。
「愛だね。愛の手紙だね、これ」
と、母。
それ、愛の手紙か?
愛の手紙だ、それ。と、わたしは思った。
それは、わたしからの、じゃなく、おばあちゃんからの、愛の手紙だったから。
(石井睦美『愛の手紙か』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
そぼが作る手料理はどれも美味しい。
後半戦で猛ぜんと攻め、試合の流れが変わった。
合唱団がかんじょうをこめて歌う。
野良猫が庭にい座っていて動かない。
花火のあとしまつをきちんとする。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「たどたどしい」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 初めてやるのでたどたどしい様子。
- イ たどたどしいなら明日は雨が降るだろう。
- ウ 過去に起きたことはたどたどしい。
- エ 敵か味方かたどたどしい。
Confirm Testの答え
- 答え
祖母
- 答え
然
- 答え
感情
- 答え
居
- 答え
始末
- 答え
ア
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「誇らしそうにも恨めしそうにも聞こえた」とありますが、母はどんなことに対して誇らしくも恨めしくも感じているようなのですか。それを説明した次の文の にあてはまることばを十五字以内で書きなさい。
おばあちゃんが、亡くなる前に、 こと。
Confirm Testの答え
- 答え
なにもかもちゃんと片付けていた
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「わたし」と母は、三か月前に亡くなったAそ母の遺品の整理をしている。
母は猛Bぜんとおばあちゃんの書き物机の引き出しをあけ始めた。
「ここもよ。ここもだった」
と、母が言った。
からっぽの引き出しをわたしも見つめた。
「ここにおばあちゃん、日記をしまっていたのよ」
「なにもかもちゃんと片付けていっちゃったんだね」
「おばあちゃんらしいわ。そんなそぶりなんてちっとも見せなかったくせに」
誇らしそうにも恨めしそうにも聞こえた。
「ママがいちばん怖かったのは、日記だったんだ」
「日記?」
「そう。この引き出しにはいつもその年の日記をいれていたの。そしてどこかに何十年分もの日記がしまってあったはずなの。それを片付けるのが怖かったのよ。だって、おばあちゃんの日記よ。見つければ読まずにいられなくなって、読めば、懐かしいだけじゃすまなくなる」
そうだろうか。うん、きっとそうだろうな。
(中略)
ふたりして、しんみりしてしまった。読むことのなかったおばあちゃんの日記に少し傷つけられたような、日記を処分してしまったおばあちゃんの行為に守られたみたいな、不思議な感CじょうがからだのなかにDい座った。
それから母とわたしは、おばあちゃんが片付けきれなかったわずかなものを始Eまつするという――後片付けのそのまた後片付けのような作業を続けた。
①それは、いちばん最後に見つかったのだ。まるで、片付けのいちばん最後に見つけられるように、おばあちゃんが仕込んだみたいだった。
「この箱、なんだろう?」
おしいれの隅にあったその箱は、古いお菓子の箱だった。
「まさかお菓子ははいってないよね」
「それはないでしょう。でも、なにかはいってる」
「あっ」
というわたしの声と、
「まあ」
という母の声が重なった。
それは手紙だった。たどたどしい字で書かれたたくさんの手紙。
「おばあちゃん、げんきですか? わたしはようちえんでおいもほりにいきました。」
「おばあちゃん、げんきですか? わたしは大きくなったので、いろんなことができるようになりました。」
「おばあちゃん、げんきですか? このあいだは、はなびをありがとう。またいっしょにやろうね。」
「おばあちゃん、げんきですか? ながいきしてね。まきより。」
「おばあちゃん、げんきですか?……」
どれも「おばあちゃん、げんきですか?」ではじまる手紙。わたしが書いておばあちゃんにあげた手紙だった。
「おかあさんたら」
と、母が言った。ママったらじゃなく、おかあさんたらって。
「うん」
と、答えるのがせいいっぱいだった。
「愛だね。愛の手紙だね、これ」
と、母。
それ、愛の手紙か?
愛の手紙だ、それ。と、わたしは思った。
それは、わたしからの、じゃなく、おばあちゃんからの、愛の手紙だったから。
(石井睦美『愛の手紙か』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「たどたどしい」について、「たどたどしい」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 未熟であったり機能が十分でなかったりするため、物事を行うようすがあぶなっかしい。
- イ もう少しでゴールしそうなところにいるがなかなかたどり着けない。
- ウ 子どもだけでは遊びに行けないようなところ。
- エ 夢か現実かわからない場所。
Lessonの答え
- 答え
A 祖 B 然 C 情 D 居 E 末 (完答)
- 答え
ア
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
「わたし」と母は、三か月前に亡くなった祖母の遺品の整理をしている。
母は猛然とおばあちゃんの書き物机の引き出しをあけ始めた。
「ここもよ。ここもだった」
と、母が言った。
からっぽの引き出しをわたしも見つめた。
「ここにおばあちゃん、日記をしまっていたのよ」
「なにもかもちゃんと片付けていっちゃったんだね」
「おばあちゃんらしいわ。そんなそぶりなんてちっとも見せなかったくせに」
誇らしそうにも恨めしそうにも聞こえた。
「①ママがいちばん怖かったのは、日記だったんだ」
「日記?」
「そう。この引き出しにはいつもその年の日記をいれていたの。そしてどこかに何十年分もの日記がしまってあったはずなの。それを片付けるのが怖かったのよ。だって、おばあちゃんの日記よ。見つければ読まずにいられなくなって、読めば、懐かしいだけじゃすまなくなる」
そうだろうか。うん、きっとそうだろうな。
(中略)
ふたりして、しんみりしてしまった。読むことのなかったおばあちゃんの日記に少し傷つけられたような、日記を処分してしまったおばあちゃんの行為に守られたみたいな、不思議な感情がからだのなかに居座った。
それから母とわたしは、おばあちゃんが片付けきれなかったわずかなものを始末するという――後片付けのそのまた後片付けのような作業を続けた。
それは、いちばん最後に見つかったのだ。まるで、片付けのいちばん最後に見つけられるように、おばあちゃんが仕込んだみたいだった。
「この箱、なんだろう?」
おしいれの隅にあったその箱は、古いお菓子の箱だった。
「まさかお菓子ははいってないよね」
「それはないでしょう。でも、なにかはいってる」
「あっ」
というわたしの声と、
「まあ」
という母の声が重なった。
それは手紙だった。たどたどしい字で書かれたたくさんの手紙。
「おばあちゃん、げんきですか? わたしはようちえんでおいもほりにいきました。」
「おばあちゃん、げんきですか? わたしは大きくなったので、いろんなことができるようになりました。」
「おばあちゃん、げんきですか? このあいだは、はなびをありがとう。またいっしょにやろうね。」
「おばあちゃん、げんきですか? ながいきしてね。まきより。」
「おばあちゃん、げんきですか?……」
どれも「おばあちゃん、げんきですか?」ではじまる手紙。わたしが書いておばあちゃんにあげた手紙だった。
「おかあさんたら」
と、母が言った。ママったらじゃなく、おかあさんたらって。
「うん」
と、答えるのがせいいっぱいだった。
「愛だね。愛の手紙だね、これ」
と、母。
それ、愛の手紙か?
愛の手紙だ、それ。と、わたしは思った。
それは、わたしからの、じゃなく、おばあちゃんからの、愛の手紙だったから。
(石井睦美『愛の手紙か』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
そこくの文化を大切にして生活する。
てんねんの塩はミネラル豊富で味がまろやかだ。
最後のなさけをかけて許すことにした。
新たなきょじゅう地は緑豊かな場所にある。
たくさん考えたすえに進学先を決めた。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「未熟であったり機能が十分でなかったりするため、物事を行うようすがあぶなっかしい。」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
彼は生まれたばかりなので、歩き方が。
Practiceの答え
- 答え
祖国
- 答え
天然
- 答え
情け
- 答え
居住
- 答え
末
- 答え
たどたどしい
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「それは、いちばん最後に見つかったのだ」とありますが、何が見つかったのですか。見つかったものについてまとめた次の文の a〜cにあてはまることばを、文中からa・cはそれぞれ十字以上二十字以内、bは五字以上十字以内で書きぬきなさい。(完答)
a ではじまる、 b で書かれた、 c 。
a
b
c
Lessonの答え
- 答え
- a 「おばあちゃん、げんきですか?」
- b たどたどしい字
- c わたしが書いておばあちゃんにあげた手紙
(完答)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ママがいちばん怖かったのは、日記だったんだ」とありますが、日記が片付けられていたことで、「わたし」にはどのような思いが生じましたか。そのことについて述べている一文を文中からさがし、初めの五字を書きぬきなさい。
Practiceの答え
- 答え
読むことの
34章 説明文
説明文の読み方
34-1 説明文29
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
はじめて見聞きするような知識に関しては、伝えられる側はそのことを吸収する価値さえわかりません。その状態で知識を一方的に押し付けられても、頭の中にすんなり入ってこないのは当然です。
-
実際、作業に携わったことがない人がいきなり*マニュアルや作業指示書を見せられても、さっぱり理解できないでしょう。それぞれの標準や手順が決められた意味や理由がまったく見えないし、その通りにやらないとどうなるのかさえ想像できないからです。だいたいこのような状態では、定められていることを守る*メリットさえわかりません。それなのに「マニュアルに書かれているとおりに覚えなさい」などと言うのは、相手にとってはそれこそ苦痛以外のなにものでもありません。
-
誰だって嫌なこと、苦痛を伴うことはやりたくないので、これでは無意識のうちに覚えることを拒否してしまうことになるのです。(中略)
-
一方、自ら望んで知識を吸収する場合はそのような心配はありません。それどころか理解のための*テンプレートがつくりやすくなると考えられます。それは自発的に動くことで、「受け入れの素地」が自然につくられることになるからです。「受け入れの素地」というのは、頭の中が「新しい知識を吸収できる状態になる」ということです。また言い方を変えると、「動機づけ」ができるということです。
-
この「受け入れの素地」を頭の中につくることは、伝えられる側にとっては非常に重要です。これがあって伝えられるのと、ないままに伝えられるのでは、その吸収力に格段の差が出てくるのです。
-
これは余談ですが、人生のなかで子どもから大人になる思春期という時期は、自分で受け入れの素地を頭の中につくる時期という見方もできるのではないでしょうか。
-
子どもの頃は大人たちから守られた状態にあり、主体的に行動する範囲は狭く、大事なことは親や学校の先生などの指示で決められます。それが窮屈だと反発することもありますが、そうした反発も成長してみると、大人たちの手の内だったなあと気づくのです。
-
ところが大人になるとこのような*庇護はなくなり、自分がどのように行動するか決めるのは基本的には自分自身です。このように誰かが行動を決めてくれる状態から自分自身で行動を決める切り替えの時期がまさに思春期なのです。
-
この切り替えは、最初から自分がなすべきことが見えている人にとってはそれほど難しいことではありません。しかし、実際はそれがうまくできずに多くの人たちが壁にぶつかっているのが現実です。この壁は、子どもから大人へと成長する過程で誰もが必ず越さなければならないものです。ただし、①壁の高さは人によってまちまちで、比較的簡単に乗り越えてしまう人もいれば、中には大きな壁にぶつかってつまずき、乗り越えることを放棄して自分の殻に引きこもってしまう人もいます。
-
不思議なのは、壁に跳ね返されて引きこもってしまった人でも、ある日突然、壁を乗り越えてしまうこともあるということです。これは関心のあるものや熱心に取り組むことができる価値のあるものを見つけたときに起こります。このようなものに出会ったとき、人間は自発的に行動を始めることができるのです。本当の学習もここから始まるのではないでしょうか。
(畑村洋太郎『組織を強くする 技術の伝え方』)
注
| マニュアル | 作業や行動の手順などをまとめたもの。 |
| メリット | 利点。 |
| テンプレート | 決まった型。 |
| 庇護 | かばって守ること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
常に学校のひょうじゅん学力の成績を保つ。
食事や運動は心身の健康じょうたいを支える。
医師のしじにしたがって薬を飲む。
去年と今年の学習時間をひ較する。
歴史的にか値のある美術品を鑑賞する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「自発的」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自発的に笑われたから気分が上がった。
- イ わたしは自発的にお手伝いをする。
- ウ みんなと同じように自発的に出る。
- エ お寺の門が自発的に開いた。
Confirm Testの答え
- 答え
標準
- 答え
状態
- 答え
指示
- 答え
比
- 答え
価
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「壁の高さ」とありますが、どのようなことをたとえていますか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分で行動を決めなければならない時期の切り替えの難しさ。
- イ 周囲の大人たちに反発する態度を改めることの困難さ。
- ウ 思春期に子どもから大人へと成長していくスピードの速さ。
- エ 自分自身で行動を決めなければならないという責任の重さ。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
はじめて見聞きするような知識に関しては、伝えられる側はそのことを吸収するAか値さえわかりません。その状
Bたいで知識を一方的に押し付けられても、頭の中にすんなり入ってこないのは当然です。 -
実際、作業に携わったことがない人がいきなり*マニュアルや作業指Cじ書を見せられても、さっぱり理解できないでしょう。それぞれの標Dじゅんや手順が決められた意味や理由がまったく見えないし、その通りにやらないとどうなるのかさえ想像できないからです。だいたいこのような状たいでは、定められていることを守る*メリットさえわかりません。それなのに「マニュアルに書かれているとおりに覚えなさい」などと言うのは、相手にとってはそれこそ苦痛以外のなにものでもありません。
-
誰だって嫌なこと、苦痛を伴うことはやりたくないので、これでは無意識のうちに覚えることを拒否してしまうことになるのです。(中略)
-
一方、自ら望んで知識を吸収する場合はそのような心配はありません。それどころか理解のための*テンプレートがつくりやすくなると考えられます。それは自発的に動くことで、「受け入れの素地」が自然につくられることになるからです。「受け入れの素地」というのは、頭の中が「新しい知識を吸収できる状たいになる」ということです。また言い方を変えると、「動機づけ」ができるということです。
-
この「受け入れの素地」を頭の中につくることは、伝えられる側にとっては非常に重要です。これがあって伝えられるのと、ないままに伝えられるのでは、その吸収力に格段の差が出てくるのです。
-
これは余談ですが、人生のなかで子どもから大人になる思春期という時期は、①自分で受け入れの素地を頭の中につくる時期という見方もできるのではないでしょうか。
-
子どもの頃は大人たちから守られた状たいにあり、主体的に行動する範囲は狭く、大事なことは親や学校の先生などの指じで決められます。それが窮屈だと反発することもありますが、そうした反発も成長してみると、大人たちの手の内だったなあと気づくのです。
-
ところが大人になるとこのような*庇護はなくなり、自分がどのように行動するか決めるのは基本的には自分自身です。このように誰かが行動を決めてくれる状たいから自分自身で行動を決める切り替えの時期がまさに思春期なのです。
-
この切り替えは、最初から自分がなすべきことが見えている人にとってはそれほど難しいことではありません。しかし、実際はそれがうまくできずに多くの人たちが壁にぶつかっているのが現実です。この壁は、子どもから大人へと成長する過程で誰もが必ず越さなければならないものです。ただし、壁の高さは人によってまちまちで、Eひ較的簡単に乗り越えてしまう人もいれば、中には大きな壁にぶつかってつまずき、乗り越えることを放棄して自分の殻に引きこもってしまう人もいます。
-
不思議なのは、壁に跳ね返されて引きこもってしまった人でも、ある日突然、壁を乗り越えてしまうこともあるということです。これは関心のあるものや熱心に取り組むことができる価値のあるものを見つけたときに起こります。このようなものに出会ったとき、人間は自発的に行動を始めることができるのです。本当の学習もここから始まるのではないでしょうか。
(畑村洋太郎『組織を強くする 技術の伝え方』)
注
| マニュアル | 作業や行動の手順などをまとめたもの。 |
| メリット | 利点。 |
| テンプレート | 決まった型。 |
| 庇護 | かばって守ること。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「自発的」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 自分勝手に物事を進めるさま。
- イ 自分が中心となって物事に取り組むさま。
- ウ 周りの人と協力して物事を成功させるさま。
- エ 物事を自分から進んで行うさま。
Lessonの答え
- 答え
A 価 B 態 C 示 D 準 E 比 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
-
はじめて見聞きするような知識に関しては、伝えられる側はそのことを吸収する価値さえわかりません。その状態で知識を一方的に押し付けられても、頭の中にすんなり入ってこないのは当然です。
-
実際、作業に携わったことがない人がいきなり*マニュアルや作業指示書を見せられても、さっぱり理解できないでしょう。それぞれの標準や手順が決められた意味や理由がまったく見えないし、その通りにやらないとどうなるのかさえ想像できないからです。だいたいこのような状態では、定められていることを守る*メリットさえわかりません。それなのに「マニュアルに書かれているとおりに覚えなさい」などと言うのは、相手にとってはそれこそ苦痛以外のなにものでもありません。
-
誰だって嫌なこと、苦痛を伴うことはやりたくないので、これでは無意識のうちに覚えることを拒否してしまうことになるのです。(中略)
-
一方、自ら望んで知識を吸収する場合はそのような心配はありません。それどころか理解のための*テンプレートがつくりやすくなると考えられます。それは自発的に動くことで、「受け入れの素地」が自然につくられることになるからです。「受け入れの素地」というのは、頭の中が「新しい知識を吸収できる状態になる」ということです。また言い方を変えると、「動機づけ」ができるということです。
-
この「受け入れの素地」を頭の中につくることは、伝えられる側にとっては非常に重要です。これがあって伝えられるのと、ないままに伝えられるのでは、その吸収力に格段の差が出てくるのです。
-
これは余談ですが、人生のなかで子どもから大人になる思春期という時期は、自分で受け入れの素地を頭の中につくる時期という見方もできるのではないでしょうか。
-
子どもの頃は大人たちから守られた状態にあり、主体的に行動する範囲は狭く、大事なことは親や学校の先生などの指示で決められます。それが窮屈だと反発することもありますが、そうした反発も成長してみると、①大人たちの手の内だったなあと気づくのです。
-
ところが大人になるとこのような*庇護はなくなり、自分がどのように行動するか決めるのは基本的には自分自身です。このように誰かが行動を決めてくれる状態から自分自身で行動を決める切り替えの時期がまさに思春期なのです。
-
この切り替えは、最初から自分がなすべきことが見えている人にとってはそれほど難しいことではありません。しかし、実際はそれがうまくできずに多くの人たちが壁にぶつかっているのが現実です。この壁は、子どもから大人へと成長する過程で誰もが必ず越さなければならないものです。ただし、壁の高さは人によってまちまちで、比較的簡単に乗り越えてしまう人もいれば、中には大きな壁にぶつかってつまずき、乗り越えることを放棄して自分の殻に引きこもってしまう人もいます。
-
不思議なのは、壁に跳ね返されて引きこもってしまった人でも、ある日突然、壁を乗り越えてしまうこともあるということです。これは関心のあるものや熱心に取り組むことができる価値のあるものを見つけたときに起こります。このようなものに出会ったとき、人間は自発的に行動を始めることができるのです。本当の学習もここから始まるのではないでしょうか。
(畑村洋太郎『組織を強くする 技術の伝え方』)
注
| マニュアル | 作業や行動の手順などをまとめたもの。 |
| メリット | 利点。 |
| テンプレート | 決まった型。 |
| 庇護 | かばって守ること。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
試合の前に入念なじゅんび運動を行う。
予想外な出来事にも冷静なたいどを見せる。
行動が明確な意志をしめしている。
兄とくらべると私は少し慎重な性格だ。
複数のお店で商品のかかくを調べてみる。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「物事を自分から進んで行うさま。」を表すことばを漢字三字で書きなさい。
わたしはに皿あらいをした。
Practiceの答え
- 答え
準備
- 答え
態度
- 答え
示し
- 答え
比べる
- 答え
価格
- 答え
自発的
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「自分で受け入れの素地を頭の中につくる」とありますが、そのためにはどうすることが必要なのですか。文中から八字で書きぬきなさい。
Lessonの答え
- 答え
自発的に動くこと
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「大人たちの手の内だった」とありますが、どういうことですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 子どもが反発することは大人の考えになかったということ。
- イ 子どもが反発するようにあえて厳しくされていたということ。
- ウ 子どもが反発することも大人の想定内だったということ。
- エ 子どもが反発しなければ大人に守ってもらえなかったということ。
Practiceの答え
- 答え
ウ
34-2 説明文30
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
人類は二足歩行に加え、大きな頭部を持つように進化したが、その頭部で特に大きいのが脳である。最初から大きかったのではなく、300〜400万年前の時点では、チンパンジーやゴリラとあまり変わらなかった。しかし、*サバンナに出て行き環境に適応した*ホモ属が出てきた頃から、一度急激に大きくなる。その後しばらく、大きさは変わらないが、現在の*ホモ・サピエンスが登場したときに、またもう一段大きくなったのである。
実際に脳の大きさを比較してみると、チンパンジーの脳の容量が約380㏄であるのに対し、ヒトは約1400㏄ある。しかも、進化の過程で単純にチンパンジーの脳がそのまま大きくなったということではなく、目の裏側の部分から頭のてっぺんにかけて、おでこ周辺にある前頭前野という部分が特に大きくなっているのだ。
その前頭前野とは、何を司る部分なのか。脳の働きは解析されてきたが、前頭前野にあたる部分がどのような機能を持っているかは長年わからなかった。近年ようやく、前頭前野は「自分を客観的に見る」感覚を司っていることがわかってきた。自分が何をして、何を感じているか。そして他人が何を思い、どう感じているか。自分の気持ちを参照しながら、相手が何を感じ考えているかを知るための器官なのだ。また、自分が何を欲しているかということも*モニターしているので、それと連動して、目標を達成するために、次に何をしなければいけないかといった物事の優先順位を決める役割もある。
これは言語能力などとは別々に管理されており、例えば事故で前頭前野を損傷してしまっても、言葉や記憶、思考には問題ない。しかし、他人の気持ちが読めなくなったり、次にするべきことの判断ができず、何かをしようという意欲もわかなくなってしまう。
前頭前野の働きをほかの*霊長類と比較すると、サバンナに出て環境に適応したヒトが、他人の心を読んで共同作業をし社会生活を営むようになった、という進化の過程がわかるのである。
人間の脳は、だらだらと何となく大きくなっていったのではなくて、サバンナに進出したときと、ホモ・サピエンスが登場したときに、一気に大きくなった。その二度の拡張の際、ヒトがどのような困難に直面し、切り抜けていったのかが、現在の自然人類学で一番おもしろい部分なのだ。
まだ正確にはわかっていないが、二回目に脳が発達した時期は、ホモ・サピエンスがアフリカ大陸からユーラシア大陸に進出していったときと重なっており、このことが秘密を解く手がかりになるかもしれない。20万年前、アフリカ大陸から陸地を伝って新しい世界へ進出したヒトは、世界各地に散らばり広がっていった。かつて森からサバンナに進出したときのように、それは大きな困難を伴ったことは想像に難くない。
そうした*リスクを冒してまで、なぜ彼らは外界に出て行ったのか。今よりもはるかに人口が少ない時代であり、アフリカ大陸にヒトが増えすぎて飽和状態になった、ということも考えにくい。
私は、その要因は、好奇心ではないかと思う。脳が大きくなることにより、ヒトは物事の因果関係をより深く考えるようになった。すると、今自分たちが生活している世界を客観視することができるようになり、同時に、さらに外の世界には何が広がっているのか、と考えるようになる。そうした冒険心から、彼らは別の大陸へ渡っていったのだと、私は考えている。それは、現在も我々が宇宙という空間に思いを馳せ、ステーションを建設し、惑星を探査することと①同じなのではないだろうか。
(長谷川眞理子『ヒトはなぜヒトになったか』)
注
| サバンナ | 熱帯・亜熱帯地方にある草原。 |
| ホモ属 | サル目ヒト科の属の一つ。 |
| ホモ・サピエンス | 動物学における現在の人類の学名。ヒト。 |
| モニター | 監視すること。観察すること。 |
| 霊長類 | 人間やサルなどの仲間。 |
| リスク | 危険。損害を受けるおそれ。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
ようりょうが大きいかばんを愛用する。
学校祭をじこなく無事に終えた。
状況をよく見て適切なはんだんを下す。
事故のよういんを特定して、再発防止に努める。
新しいビルをけんせつする計画が進んでいる。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「客観視」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 客観視をして仲が悪くなった。
- イ 自分のことを客観視することは大切だ。
- ウ 暑い日は外に出るのが大変なので客観視してみよう。
- エ テレビがおもしろかったので客観視できるようになった。
Confirm Testの答え
- 答え
容量
- 答え
事故
- 答え
判断
- 答え
要因
- 答え
建設
- 答え
イ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「同じなのではないだろうか」とありますが、筆者は、何と何を同じととらえているのですか。次の文の にあてはまることばを、文中から七字で書きぬきなさい。
20万年前のヒトが、それまで住んでいたところから別の大陸に渡っていったことと、我々が宇宙に思いを馳せて、 こと。
Confirm Testの答え
- 答え
惑星を探査する
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
人類は二足歩行に加え、大きな頭部を持つように進化したが、その頭部で特に大きいのが脳である。最初から大きかったのではなく、300〜400万年前の時点では、チンパンジーやゴリラとあまり変わらなかった。しかし、*サバンナに出て行き環境に適応した*ホモ属が出てきた頃から、一度急激に大きくなる。その後しばらく、大きさは変わらないが、現在の*ホモ・サピエンスが登場したときに、またもう一段大きくなったのである。
実際に脳の大きさを比較してみると、チンパンジーの脳の
Aよう量が約380㏄であるのに対し、ヒトは約1400㏄ある。しかも、進化の過程で単純にチンパンジーの脳がそのまま大きくなったということではなく、①目の裏側の部分から頭のてっぺんにかけて、おでこ周辺にある前頭前野という部分が特に大きくなっているのだ。
その前頭前野とは、何を司る部分なのか。脳の働きは解析されてきたが、前頭前野にあたる部分がどのような機能を持っているかは長年わからなかった。近年ようやく、前頭前野は「自分を客観的に見る」感覚を司っていることがわかってきた。自分が何をして、何を感じているか。そして他人が何を思い、どう感じているか。自分の気持ちを参照しながら、相手が何を感じ考えているかを知るための器官なのだ。また、自分が何を欲しているかということも*モニターしているので、それと連動して、目標を達成するために、次に何をしなければいけないかといった物事の優先順位を決める役割もある。
これは言語能力などとは別々に管理されており、例えば事
Bこで前頭前野を損傷してしまっても、言葉や記憶、思考には問題ない。しかし、他人の気持ちが読めなくなったり、次にするべきことのCはんだんができず、何かをしようという意欲もわかなくなってしまう。
前頭前野の働きをほかの*霊長類と比較すると、サバンナに出て環境に適応したヒトが、他人の心を読んで共同作業をし社会生活を営むようになった、という進化の過程がわかるのである。
人間の脳は、だらだらと何となく大きくなっていったのではなくて、サバンナに進出したときと、ホモ・サピエンスが登場したときに、一気に大きくなった。その二度の拡張の際、ヒトがどのような困難に直面し、切り抜けていったのかが、現在の自然人類学で一番おもしろい部分なのだ。
まだ正確にはわかっていないが、二回目に脳が発達した時期は、ホモ・サピエンスがアフリカ大陸からユーラシア大陸に進出していったときと重なっており、このことが秘密を解く手がかりになるかもしれない。20万年前、アフリカ大陸から陸地を伝って新しい世界へ進出したヒトは、世界各地に散らばり広がっていった。かつて森からサバンナに進出したときのように、それは大きな困難を伴ったことは想像に難くない。
そうした*リスクを冒してまで、なぜ彼らは外界に出て行ったのか。今よりもはるかに人口が少ない時代であり、アフリカ大陸にヒトが増えすぎて飽和状態になった、ということも考えにくい。
私は、そのDよういんは、好奇心ではないかと思う。脳が大きくなることにより、ヒトは物事のいん果関係をより深く考えるようになった。すると、今自分たちが生活している世界を客観視することができるようになり、同時に、さらに外の世界には何が広がっているのか、と考えるようになる。そうした冒険心から、彼らは別の大陸へ渡っていったのだと、私は考えている。それは、現在も我々が宇宙という空間に思いを馳せ、ステーションを建Eせつし、惑星を探査することと同じなのではないだろうか。
(長谷川眞理子『ヒトはなぜヒトになったか』)
注
| サバンナ | 熱帯・亜熱帯地方にある草原。 |
| ホモ属 | サル目ヒト科の属の一つ。 |
| ホモ・サピエンス | 動物学における現在の人類の学名。ヒト。 |
| モニター | 監視すること。観察すること。 |
| 霊長類 | 人間やサルなどの仲間。 |
| リスク | 危険。損害を受けるおそれ。 |
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「客観視」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア お店などで提供されるサービスのこと。
- イ 季節ごとに自分の気分が変わって体調をくずしやすくなること。
- ウ 周りの人からどのように見られているのかまったく考えないこと。
- エ 自分自身に直接関わることを、第三者的な立場で見ること。
Lessonの答え
- 答え
A 容 B 故 C 判断 D 要因 E 設 (完答)
- 答え
エ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
人類は二足歩行に加え、大きな頭部を持つように進化したが、その頭部で特に大きいのが脳である。最初から大きかったのではなく、300〜400万年前の時点では、チンパンジーやゴリラとあまり変わらなかった。しかし、*サバンナに出て行き環境に適応した*ホモ属が出てきた頃から、一度急激に大きくなる。その後しばらく、大きさは変わらないが、現在の*ホモ・サピエンスが登場したときに、またもう一段大きくなったのである。
実際に脳の大きさを比較してみると、チンパンジーの脳の容量が約380㏄であるのに対し、ヒトは約1400㏄ある。しかも、進化の過程で単純にチンパンジーの脳がそのまま大きくなったということではなく、目の裏側の部分から頭のてっぺんにかけて、おでこ周辺にある前頭前野という部分が特に大きくなっているのだ。
その前頭前野とは、何を司る部分なのか。脳の働きは解析されてきたが、前頭前野にあたる部分がどのような機能を持っているかは長年わからなかった。近年ようやく、前頭前野は「自分を客観的に見る」感覚を司っていることがわかってきた。自分が何をして、何を感じているか。そして他人が何を思い、どう感じているか。自分の気持ちを参照しながら、相手が何を感じ考えているかを知るための器官なのだ。また、自分が何を欲しているかということも*モニターしているので、それと連動して、目標を達成するために、次に何をしなければいけないかといった物事の優先順位を決める役割もある。
これは言語能力などとは別々に管理されており、例えば事故で前頭前野を損傷してしまっても、言葉や記憶、思考には問題ない。しかし、他人の気持ちが読めなくなったり、次にするべきことの判断ができず、何かをしようという意欲もわかなくなってしまう。
前頭前野の働きをほかの*霊長類と比較すると、サバンナに出て環境に適応したヒトが、他人の心を読んで共同作業をし社会生活を営むようになった、という進化の過程がわかるのである。
人間の脳は、だらだらと何となく大きくなっていったのではなくて、サバンナに進出したときと、ホモ・サピエンスが登場したときに、一気に大きくなった。その二度の拡張の際、ヒトがどのような困難に直面し、切り抜けていったのかが、現在の自然人類学で一番おもしろい部分なのだ。
まだ正確にはわかっていないが、二回目に脳が発達した時期は、ホモ・サピエンスがアフリカ大陸からユーラシア大陸に進出していったときと重なっており、このことが秘密を解く手がかりになるかもしれない。20万年前、アフリカ大陸から陸地を伝って新しい世界へ進出したヒトは、世界各地に散らばり広がっていった。かつて森からサバンナに進出したときのように、それは大きな困難を伴ったことは想像に難くない。
そうした①*リスクを冒してまで、なぜ彼らは外界に出て行ったのか。今よりもはるかに人口が少ない時代であり、アフリカ大陸にヒトが増えすぎて飽和状態になった、ということも考えにくい。
私は、その要因は、好奇心ではないかと思う。脳が大きくなることにより、ヒトは物事の因果関係をより深く考えるようになった。すると、今自分たちが生活している世界を客観視することができるようになり、同時に、さらに外の世界には何が広がっているのか、と考えるようになる。そうした冒険心から、彼らは別の大陸へ渡っていったのだと、私は考えている。それは、現在も我々が宇宙という空間に思いを馳せ、ステーションを建設し、惑星を探査することと同じなのではないだろうか。
(長谷川眞理子『ヒトはなぜヒトになったか』)
注
| サバンナ | 熱帯・亜熱帯地方にある草原。 |
| ホモ属 | サル目ヒト科の属の一つ。 |
| ホモ・サピエンス | 動物学における現在の人類の学名。ヒト。 |
| モニター | 監視すること。観察すること。 |
| 霊長類 | 人間やサルなどの仲間。 |
| リスク | 危険。損害を受けるおそれ。 |
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
興味深いないようの発表を聞いた。
機械のこ障で作業が一時中断された。
調査によって絶滅危惧種がはんめいした。
運動不足が病気のげんいんになることがある。
最新のせつびが整っている研究室で働く。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「自分自身に直接関わることを、第三者的な立場で見ること。利害や感情などを除いた観点で状況を見ること。」を表すことばをひらがな六字で書きなさい。
わたしは自分自身をできるようにしたい。
Practiceの答え
- 答え
内容
- 答え
故
- 答え
判明
- 答え
原因
- 答え
設備
- 答え
きゃっかんし
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「目の裏側の部分から……特に大きくなっている」とありますが、「前頭前野」は、どのような機能を持っていますか。あてはまらないものを、次のア〜カからすべて選び、記号で答えなさい。(完答)
- ア 目標を達成するためにするべきことの優先順位を決める機能。
- イ 自分が何をして、何を感じているかを知る機能。
- ウ 言葉を覚えて、用いる機能。
- エ 自分が何を求めているかを監視する機能。
- オ 他人が何を思い、どう感じているかを知る機能。
- カ これまでにあった出来事や知識を記憶する機能。
Lessonの答え
- 答え
ウ・カ(完答・順不同)
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「リスクを冒してまで、なぜ彼らは外界に出て行ったのか」とありますが、これに対する筆者の答えをまとめた次の文の a・bにあてはまることばを、文中からそれぞれ三字で書きぬきなさい。
脳が大きくなって物事の因果関係を深く考えるようになり、自分たちが住む世界を a できるようになって、外の世界への b が生まれたからだ。
- a
- b
Practiceの答え
- 答え
- a 客観視
- b 好奇心(冒険心)
34-3 説明文31
Confirm Test
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
自然との連帯について考察しようと試みるとき、私たちを困惑させることのひとつは、自然と人間の関係の複雑さである。たとえば私が一年の半分くらいを暮らしていく群馬県の山村、上野村をみると、村人たちはこの二十年ほどの間イノシシ、シカ、サルなどによる畑の被害に悩まされてきた。私の狭い畑でも一年間ほとんど作物が収穫できなかった年もあったほどである。こうなってくるとある種の動物たちは、人間にとって害獣であるといわざるをえなくなってくる。
さらにそれは、人間に対してだけ、でもないのである。というのはシカの増加によって山にはえているササが食べ尽されるようになってきた。そればかりではなく広葉樹の木の皮も食べられて、山に枯木がひろがり、さらに土から出た草や木の芽も食べられて山の砂漠化がすすみはじめたのである。こうなると雨が降るたびに土壌が流出し、山はいかなる生物も暮らせない場所になっていく。シカの増加によって、自然にとってもシカは害獣だといわざるをえなくなってきたのである。
ところが別の見方もできる。山村はもともとは自然の世界であった。その自然の世界に人間たちが畑をつくり、村をつくって侵入した。だから過疎化や高齢化がすすんだ現在、「動物たちが人間という侵略者から自然の世界を奪い返しはじめた」とみることもできる。さらにシカによって砂漠のような山がひろがったとしても、エサがなくなればシカも個体数を減らしていくだろう。そしてその頃、土壌が流出し、腐葉土層を失なった山では、栄養状態の低い土壌に適した草木がはえてくることになるだろう。こうして何百年かすれば、山は再びその時の状況に合った安定した自然を形成していくことになるだろう。
とすると私たちが自然と連帯するとは、どのような自然に対してなのか。現状の自然を守ることが自然との連帯なのか。それとも変化していく自然と連帯することが重要なのか。しかもここには人間の生存をどう位置づけるのかという課題もある。自然が侵略された大地を人間から奪い返しはじめたと考えることはひとつの視点ではあろうが、しかしそのとき人間が暮らすということをどう考えたらよいのか。
自然と人間の歴史をみると、そこでは三つの関係が複雑にからみ合ってきた。ひとつは相互にいかなる害も与えないような共存の関係である。たとえば人間が川から水を汲み、ささやかに山菜や茸、マキなどを採取したとしても、自然に大きな変動を与えることはなかったように、である。第二に①相互に恵みを与える、という関係があった。自然は人間に対してさまざまな恵みを与えるが、逆に人間が溜池や水路、水田をつくり、一部の山の木を切ったりすることによって暮らしやすい環境が与えられていく生物もいた。人間の活動が生物の多様性を高めるという一面もまたあったのである。
そして第三は対立する関係だった。いうまでもなく人間による大規模な開発は自然を衰弱させる。だが自然もまた洪水や津波、地震や噴火などを起こして人間に禍をもたらしてきた。自然と人間のあいだには、共存、互恵、対立という三つの関係が複雑にからみ合いながら展開してきたのである。
とすると自然と連帯するとはどうすることなのか。人間にとって都合のよい部分だけと連帯するというのでは、自然そのものと連帯したことにはならないだろう。といって、今日の山村の動物被害の問題をもふくめて、「禍」としての自然とも連帯するというようなことが可能なのだろうか。
(内山節『怯えの時代』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
都市部での人口ぞうかは社会問題のひとつだ。
世界の侵りゃく戦争について学ぶ。
失敗してもふたたび挑戦する勇気が必要だ。
日本のれきしや文化を知ることは楽しい。
海や川で微生物をさいしゅして研究する。
次の問いに答えなさい。
次の文のうち、「多様性」ということばの使い方として正しいものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 多様性を始めたら朝起きられるようになった。
- イ 私の友達は多様性に生きている。
- ウ みんなで集まって多様性をつなげた。
- エ 今日の授業で多様性について考えた。
Confirm Testの答え
- 答え
増加
- 答え
略
- 答え
再び
- 答え
歴史
- 答え
採取
- 答え
エ
Confirm Test
すでに読んだTraining1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「相互に恵みを与える」とありますが、人間が自然に恵みを与えるとはどのようなことを指して言っているのですか。もっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア 人間が手を加えることで、他の生物のすみやすい自然にすること。
- イ 人間が山菜や茸などを採取し、自然と共存していくこと。
- ウ 人間が大規模な開発を行うことで、自然が整備されること。
- エ 人間が溜池や水路をつくることで、自然災害をを防ぐこと。
Confirm Testの答え
- 答え
ア
Point
Lesson
Lesson
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
自然との連帯について考察しようと試みるとき、私たちを困惑させることのひとつは、自然と人間の関係の複雑さである。たとえば私が一年の半分くらいを暮らしていく群馬県の山村、上野村をみると、村人たちはこの二十年ほどの間イノシシ、シカ、サルなどによる畑の被害に悩まされてきた。私の狭い畑でも一年間ほとんど作物が収穫できなかった年もあったほどである。こうなってくるとある種の動物たちは、人間にとって害獣であるといわざるをえなくなってくる。
さらにそれは、人間に対してだけ、でもないのである。というのはシカのAぞう加によって山にはえているササが食べ尽されるようになってきた。そればかりではなく広葉樹の木の皮も食べられて、山に枯木がひろがり、さらに土から出た草や木の芽も食べられて山の砂漠化がすすみはじめたのである。こうなると雨が降るたびに土壌が流出し、山はいかなる生物も暮らせない場所になっていく。シカのぞう加によって、自然にとってもシカは害獣だといわざるをえなくなってきたのである。
ところが①別の見方もできる。山村はもともとは自然の世界であった。その自然の世界に人間たちが畑をつくり、村をつくって侵入した。だから過疎化や高齢化がすすんだ現在、「動物たちが人間という侵Bりゃく者から自然の世界を奪い返しはじめた」とみることもできる。さらにシカによって砂漠のような山がひろがったとしても、エサがなくなればシカも個体数を減らしていくだろう。そしてその頃、土壌が流出し、腐葉土層を失なった山では、栄養状態の低い土壌に適した草木がはえてくることになるだろう。こうして何百年かすれば、山はCふたたびその時の状況に合った安定した自然を形成していくことになるだろう。
とすると私たちが自然と連帯するとは、どのような自然に対してなのか。現状の自然を守ることが自然との連帯なのか。それとも変化していく自然と連帯することが重要なのか。しかもここには人間の生存をどう位置づけるのかという課題もある。自然が侵りゃくされた大地を人間から奪い返しはじめたと考えることはひとつの視点ではあろうが、しかしそのとき人間が暮らすということをどう考えたらよいのか。
自然と人間のDれきしをみると、そこでは三つの関係が複雑にからみ合ってきた。ひとつは相互にいかなる害も与えないような共存の関係である。たとえば人間が川から水を汲み、ささやかに山菜や茸、マキなどをEさい取したとしても、自然に大きな変動を与えることはなかったように、である。第二に相互に恵みを与える、という関係があった。自然は人間に対してさまざまな恵みを与えるが、逆に人間が溜池や水路、水田をつくり、一部の山の木を切ったりすることによって暮らしやすい環境が与えられていく生物もいた。人間の活動が生物の多様性を高めるという一面もまたあったのである。
そして第三は対立する関係だった。いうまでもなく人間による大規模な開発は自然を衰弱させる。だが自然もまた洪水や津波、地震や噴火などを起こして人間に禍をもたらしてきた。自然と人間のあいだには、共存、互恵、対立という三つの関係が複雑にからみ合いながら展開してきたのである。
とすると自然と連帯するとはどうすることなのか。人間にとって都合のよい部分だけと連帯するというのでは、自然そのものと連帯したことにはならないだろう。といって、今日の山村の動物被害の問題をもふくめて、「禍」としての自然とも連帯するというようなことが可能なのだろうか。
(内山節『怯えの時代』)
文章中の線A〜Eを漢字に直しなさい。(完答)
線「多様性」の意味としてもっとも適当なものを、次のア〜エから一つ選び、記号で答えなさい。
- ア たくさんの食べ物があること。
- イ 流行にのること。
- ウ いろいろな種類や傾向のものがあること。
- エ やりたいことをやること。
Lessonの答え
- 答え
A 増 B 略 C 再 D 歴史 E 採 (完答)
- 答え
ウ
Practice
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
自然との連帯について考察しようと試みるとき、私たちを困惑させることのひとつは、自然と人間の関係の複雑さである。たとえば私が一年の半分くらいを暮らしていく群馬県の山村、上野村をみると、村人たちはこの二十年ほどの間イノシシ、シカ、サルなどによる畑の被害に悩まされてきた。私の狭い畑でも一年間ほとんど作物が収穫できなかった年もあったほどである。こうなってくると①ある種の動物たちは、人間にとって害獣であるといわざるをえなくなってくる。
さらにそれは、人間に対してだけ、でもないのである。というのはシカの増加によって山にはえているササが食べ尽されるようになってきた。そればかりではなく広葉樹の木の皮も食べられて、山に枯木がひろがり、さらに土から出た草や木の芽も食べられて山の砂漠化がすすみはじめたのである。こうなると雨が降るたびに土壌が流出し、山はいかなる生物も暮らせない場所になっていく。シカの増加によって、自然にとってもシカは害獣だといわざるをえなくなってきたのである。
ところが別の見方もできる。山村はもともとは自然の世界であった。その自然の世界に人間たちが畑をつくり、村をつくって侵入した。だから過疎化や高齢化がすすんだ現在、「動物たちが人間という侵略者から自然の世界を奪い返しはじめた」とみることもできる。さらにシカによって砂漠のような山がひろがったとしても、エサがなくなればシカも個体数を減らしていくだろう。そしてその頃、土壌が流出し、腐葉土層を失なった山では、栄養状態の低い土壌に適した草木がはえてくることになるだろう。こうして何百年かすれば、山は再びその時の状況に合った安定した自然を形成していくことになるだろう。
とすると私たちが自然と連帯するとは、どのような自然に対してなのか。現状の自然を守ることが自然との連帯なのか。それとも変化していく自然と連帯することが重要なのか。しかもここには人間の生存をどう位置づけるのかという課題もある。自然が侵略された大地を人間から奪い返しはじめたと考えることはひとつの視点ではあろうが、しかしそのとき人間が暮らすということをどう考えたらよいのか。
自然と人間の歴史をみると、そこでは三つの関係が複雑にからみ合ってきた。ひとつは相互にいかなる害も与えないような共存の関係である。たとえば人間が川から水を汲み、ささやかに山菜や茸、マキなどを採取したとしても、自然に大きな変動を与えることはなかったように、である。第二に相互に恵みを与える、という関係があった。自然は人間に対してさまざまな恵みを与えるが、逆に人間が溜池や水路、水田をつくり、一部の山の木を切ったりすることによって暮らしやすい環境が与えられていく生物もいた。人間の活動が生物の多様性を高めるという一面もまたあったのである。
そして第三は対立する関係だった。いうまでもなく人間による大規模な開発は自然を衰弱させる。だが自然もまた洪水や津波、地震や噴火などを起こして人間に禍をもたらしてきた。自然と人間のあいだには、共存、互恵、対立という三つの関係が複雑にからみ合いながら展開してきたのである。
とすると自然と連帯するとはどうすることなのか。人間にとって都合のよい部分だけと連帯するというのでは、自然そのものと連帯したことにはならないだろう。といって、今日の山村の動物被害の問題をもふくめて、「禍」としての自然とも連帯するというようなことが可能なのだろうか。
(内山節『怯えの時代』)
文章中で使用されている言葉について、次の線をそれぞれ漢字に直しなさい。必要なときは送りがなも書きなさい。
予習して授業を受けると理解できることがふえた。
映画の内容をりゃくして教えてもらう。
春休みにおさななじみとさいかいする予定だ。
れきだいの総理大臣の名前を暗記する。
夏休みに昆虫さいしゅうをして標本を作る。
次の問いに答えなさい。
次の文が意味の通る文となるように、にあてはまる「いろいろな種類や傾向のものがあること。変化に富むこと。」を表すことばを漢字三字で書きなさい。
私はを尊重している。
Practiceの答え
- 答え
増え
- 答え
略
- 答え
再会
- 答え
歴代
- 答え
採集
- 答え
多様性
Point
Lesson
Lesson
すでに読んだLesson1(または理解度テスト1)の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「別の見方」とありますが、どのような見方ですか。「自然の世界」ということばを使って四十字以内で書きなさい。
Lessonの答え
- 答え
動物たちが人間(という侵りゃく者)から自然の世界を奪い返しはじめたという見方。
Practice
すでに読んだPractice1の文章について、あとの問いに答えなさい。
線①「ある種の動物たちは、人間にとって害獣であるといわざるをえなくなってくる」とありますが、これは、どのような事実から導き出されたものですか。それを説明した次の文のにあてはまることばを、文中から四字で書きぬきなさい。
群馬県の山村の住人たちが、イノシシ、シカ、サルなどの動物によるに悩まされているという事実。
Practiceの答え
- 答え
畑の被害